「シンセサイザーでDTMを始めたいけれど、何から手をつければいいの?」「鍵盤が弾けなくても、自分で曲を作れる?」と悩んでいませんか。
シンセサイザーというと、たくさんの鍵盤やボタンが付いた電子楽器を思い浮かべるかもしれませんね。でも、パソコンの中で動くシンセサイザーを使えば、実物の楽器を用意しなくても作曲を始められます。
しかも、鍵盤演奏ができなくても大丈夫です。DTMソフトの画面に音符を並べる「打ち込み」という方法なら、マウス操作を中心にメロディや伴奏を作れます。
大切なのは、高価な機材をそろえることよりも、シンセサイザーとDAWの役割を理解し、簡単な曲を最後まで作ってみることです。
特に初心者は、短いコード進行とメロディから1曲の形を作ることを最初の目標にすると、覚えることを整理しやすくなります。
この記事では、シンセサイザーを使ったDTMの基本から、必要な機材、パソコンとの接続、打ち込みのやり方、1曲を完成させる手順まで、初心者の方に向けてわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- シンセサイザー・DTM・DAW・MIDIの違いと作曲の仕組み
- 初心者が必要な機材とソフト音源・ハードシンセの選び方
- シンセサイザーをDAWに接続して音を出す方法
- コード・メロディ・ベース・ドラムの具体的な打ち込み方法
- 曲の構成から音作り、ミキシング、WAV・MP3への書き出しまでの流れ
シンセサイザーでDTM作曲はできる?
結論から言うと、シンセサイザーを使ってDTMで作曲することはできます。
シンセサイザーはメロディだけでなく、コード、ベース、リズム、効果音など、さまざまな音を作れる電子楽器です。
さらにDAWという音楽制作ソフトと組み合わせれば、複数の音を重ねたり、演奏を編集したりして、完成した楽曲を音声ファイルに保存できます。
例えば、シンセサイザーで作ったメロディにベースを加え、別のトラックにドラムを入力すれば、複数のパートからなる楽曲の土台ができます。
ただし、シンセサイザーがあれば、どんな機種でも1台だけで曲を完成できるわけではありません。まずは、それぞれの機器が何を担当するのか整理しましょう。
シンセサイザー・DAW・MIDIの違い
シンセサイザーを使った作曲で最初に覚えておきたいのが、「シンセサイザー」「DTM」「DAW」「MIDI」という4つの言葉です。
簡単に言うと、DTMはパソコンなどを使って音楽を制作すること、DAWはその制作に使うソフト、シンセサイザーは音を作る楽器、MIDIは演奏情報を扱う仕組みです。
| 名称 | 主な役割 | 具体例 |
|---|---|---|
| DTM | 電子機器を使った音楽制作 | パソコンで作曲する |
| DAW | 録音・編集・ミキシング | Cubase、Logic Proなど |
| シンセサイザー | 音を生成・加工する | リード、パッド、ベースなど |
| MIDI | 演奏情報を記録・送信する | 音の高さ、長さ、強さなど |
例えば、DAWの画面に「ド・ミ・ソ」という音符を入力したとします。
その演奏情報を受け取ったシンセサイザーが実際に音を鳴らし、DAWがその音をほかのパートと組み合わせて再生する仕組みです。
ここで重要なのは、MIDIデータ自体には音声が含まれていないことです。
MIDIは「どの音を、いつ、どのくらいの長さで鳴らすか」といった情報を扱います。音が聞こえるようにするには、その情報に従って発音する音源が必要です。
同じMIDIデータでも、音源をピアノからシンセサイザーのリード音色に変更すれば、同じメロディを違う音色で鳴らせます。
このように、演奏情報と音色を分けて編集できることが、DTMの便利な特徴の一つです。
ソフトウェアシンセサイザーとは?
ソフトウェアシンセサイザーは、パソコン上で動作する音源です。一般的には「ソフトシンセ」と呼ばれています。
DAWの中に読み込んで使用するタイプが多く、マウスで音符を入力するだけでも演奏できます。
DAWに最初から搭載されている音源もあるため、初心者がDTMを始める際の選択肢として便利です。
例えば、同じソフトシンセを複数のトラックで使用して、一方にはメロディ用の音色、もう一方にはコード用の音色を設定できます。
ただし、使用するプラグインや同時に動かす音源の数によって、パソコンへの負荷は変わります。
最初から多くの音源を導入するより、まず1つの音源で基本操作を覚えるとよいでしょう。
ハードウェアシンセサイザーとは?
ハードウェアシンセサイザーは、独立した電子楽器として動作する機材です。
鍵盤が付いたタイプだけでなく、鍵盤のないデスクトップ型や音源モジュール型もあります。
機種によっては、パソコンに接続してMIDI入力装置として利用したり、本体で作った音をDAWに録音したりできます。
また、シンセサイザーの音源方式には、アナログ回路を使うものや、デジタル処理によって音を生成するものがあります。
デジタル方式にもFMやウェーブテーブルなど複数の方式があり、音色の特徴や操作方法はそれぞれ異なります。
ただし、USB端子を搭載していても、音声をUSBで送れるとは限りません。接続するときは対応機能を確認することが大切です。
MIDIキーボードとシンセサイザーの違い
MIDIキーボードは、主に演奏情報を送るための入力機器です。
一般的なMIDIキーボードには音源が内蔵されていないので、単体では音が出ません。
一方、音源を搭載したシンセサイザーは、それ自体で音を出すことができます。
ただし、MIDI出力に対応するシンセサイザーなら、MIDIキーボードのようにDAWへ演奏情報を送る使い方も可能です。
例えば、シンセサイザーの鍵盤を使ってDAW内のソフト音源を演奏する場合、実際に鳴っているのはDAW内で選択した音色です。
逆に、シンセサイザー本体の音色を録音したい場合は、別途オーディオ信号を取り込む必要があります。
初心者が覚えておきたいポイント
シンセサイザーは主に「音を作る」、MIDIキーボードは主に「演奏情報を入力する」、DAWは「曲を組み立てて完成させる」と考えると理解しやすくなります。
シンセサイザーだけで1曲作れる条件
「シンセサイザーだけで作曲できる?」という疑問については、どの種類のシンセサイザーを使うかによって答えが変わります。
ここでは、主な3つのケースに分けて考えてみましょう。
ソフトウェアシンセサイザーを使う場合
DAWとソフトウェアシンセサイザーを組み合わせれば、外部の電子楽器を購入しなくても1曲を完成させられます。
シンセサイザーを複数のトラックに読み込み、それぞれに異なる音色を割り当てれば、メロディ、コード、ベースなどを同時に演奏できます。
ドラムについても、DAW付属のドラム音源を使ったり、シンセサイザーで打楽器に近い音を作ったりできます。
1種類のソフトシンセだけを音源として利用する方法もありますが、扱える音色や同時発音数、パソコンへの負荷は音源によって違います。
つまり、パソコンとDAWを使う場合は、外部シンセサイザーがなくても作曲できるということです。
ハードウェアシンセサイザー1台の場合
ハードウェアシンセサイザーだけで曲を完成させられるかは、搭載機能に左右されます。
例えば、演奏情報を記録するシーケンサー機能があれば、入力したフレーズを自動再生できる場合があります。
ただし、1つの音色しか同時に扱えない機種もあれば、複数のパートを重ねられる機種もあります。
さらに、完成した演奏をWAVなどの音声ファイルとして残すには、録音機能や書き出し機能が必要です。
シーケンサーを搭載していても、それだけで音声ファイルまで作れるとは限りません。
曲のアイデアを考えるだけなら鍵盤演奏で十分な場合もありますが、複数パートを保存して完成音源を作りたい場合は、必要な機能が増えることを覚えておきましょう。
ワークステーション型シンセサイザーの場合
ワークステーション型と呼ばれるシンセサイザーには、複数の音色を扱う機能や、シーケンサー、エフェクトなどを搭載する機種があります。
そのため、機種によってはパソコンを使わずに、演奏の記録や編曲まで進められます。
ただし、録音や書き出しに対応する形式などは製品ごとに違います。
本体だけで完成まで進めたい場合は、複数パートの記録・録音・音声書き出しへの対応を購入前に確認すると判断しやすくなります。
同時発音数にも注意
一度に1音を鳴らすモノフォニック方式と、複数の音を同時に鳴らせるポリフォニック方式があります。コード演奏をしたい場合は、同時発音に対応しているか確認しましょう。また、複数音色を同時に使えるマルチティンバー機能とは別のものです。
初心者がDTM作曲に必要な機材
DTMを始めるとき、最初に気になるのは機材ですよね。
シンセサイザー、MIDIキーボード、オーディオインターフェースなど、いろいろな名前が出てくると、全部買わなければいけないように感じるかもしれません。
でも、マウスで打ち込みを始めるだけなら、必要なものはそれほど多くありません。
まずは最低限の環境を整え、作曲の進め方がわかってから必要な機材を追加する方法もあります。
特に「作曲したい」のか「鍵盤を演奏したい」のか「実機の音を録音したい」のかによって、優先すべき機材が変わります。
ソフト音源とハードシンセの選び方
初心者がシンセサイザーでDTMを始めるなら、ソフトウェア音源とハードウェアシンセサイザーの違いを理解して選ぶことが大切です。
どちらにも良さがありますが、作曲の目的や使い方によって向き不向きがあります。
| 比較項目 | ソフトウェア音源 | ハードウェアシンセサイザー |
|---|---|---|
| 音の生成 | パソコン内で行う | 本体で行う |
| 操作 | 画面・MIDI入力など | 本体操作・鍵盤など |
| DAWとの連携 | 内部で利用しやすい | 対応する接続が必要 |
| 追加機材 | 不要な場合がある | 録音用機器が必要な場合がある |
| 持ち運び | パソコン環境に依存 | 機種の大きさや電源に依存 |
| 音色の編集 | DAW内で変更しやすい | 本体や専用ソフトで操作 |
パソコンを中心に作曲したい場合は、まずDAWに付属するソフトウェア音源を試すとよいでしょう。
外部の電子楽器を購入しなくても、打ち込みの基本を学べます。
一方で、鍵盤を弾きながら音作りを楽しみたい場合や、本体のつまみを直接操作したい場合には、ハードウェアシンセサイザーも選択肢になります。
両方の音源を組み合わせて使うこともできます。ただし、初心者が最初から複雑な接続環境を整える必要はありません。
代表的なDAWと選ぶときのポイント
DAWは、音楽制作全体を管理するソフトです。
主な製品には、Cubase、Logic Pro、Ableton Live、FL Studio、Studio One、REAPERなどがあります。
それぞれ操作画面や付属音源、対応OS、ライセンス形態が異なります。
| DAW | 主な特徴 |
|---|---|
| Cubase | MIDI編集とオーディオ録音に対応 |
| Logic Pro | Mac向けでソフトウェア音源を利用可能 |
| Ableton Live | セッションビューとアレンジメントビューを備える |
| FL Studio | パターン制作とピアノロール編集に対応 |
| Studio One | MIDI入力や録音・編集などに対応 |
| REAPER | 録音や編集、MIDI制作などに対応 |
初心者が選ぶ際は、まず自分のパソコンのOSに対応しているか確認しましょう。
そのうえで、ピアノロール編集ができること、必要なソフトウェア音源が使えること、完成曲を音声ファイルに書き出せることを確認します。
また、同じDAWでもエディションによって使える音源や機能が異なる場合があります。
例えばCubase LEは、対応するハードウェアなどに付属するエディションとして提供されることがありますが、誰でも無条件に利用できる無料版という意味ではありません。
無料版や体験版を利用する場合も、機能制限や使用条件を確認してください。正確な情報は各メーカーの公式案内で確認するのが確実です。
ソフトウェアシンセサイザーの例
ソフトウェアシンセサイザーには、DAWに付属するもののほか、Vital、Surge XT、Serumなどがあります。
これらは音の作り方や操作画面がそれぞれ異なります。
例えば、ウェーブテーブル方式の音源では、さまざまな波形を利用して音色を変化させることができます。
一方、DAW付属音源には、最初からリードやパッド、ベースなどのプリセットが用意されているものもあります。
とはいえ、初めての1曲では多くの音源を使い分ける必要はありません。
まずDAWに付属する音源でメロディやコードを作り、音作りに興味が出てきた段階でほかの音源を調べてみると、学ぶ内容を整理しやすいでしょう。
外部のプラグインを導入するときは、DAWが対応するプラグイン形式やOS、動作条件、ライセンスも確認してください。
MIDIキーボードと周辺機材の必要性
初心者が打ち込みを始めるための最小限の構成は、次のとおりです。
DTMを始めるための基本環境
- 対応するDAWを動かせるパソコン
- DAWとソフトウェア音源
- ヘッドホンまたはスピーカー
- マウスやパソコンのキーボード
この環境があれば、ピアノロールを使って音符を入力できます。
MIDIキーボードや外付けオーディオインターフェースは、必ずしも最初から必要なものではありません。
機材を追加するかどうかは、実際に曲を作るなかで不便に感じたことを基準にすると判断しやすくなります。
MIDIキーボードは必要?
MIDIキーボードは、鍵盤を使ってDAWへ演奏情報を入力したいときに便利です。
例えば、メロディを思いついたときにそのまま鍵盤で演奏したり、コードを押さえて録音したりできます。
一般的な鍵盤数には25鍵、32鍵、37鍵、49鍵、61鍵、88鍵などがあります。
25鍵前後は省スペースで単音フレーズの入力に向き、49鍵前後になるとコードやメロディを扱う際の音域を広く確保できます。
61鍵以上は、両手を使った鍵盤演奏や広い音域を扱いたい場合の選択肢です。
88鍵はピアノに近い鍵盤数を求める場合に検討できます。
ただし、鍵盤数が多いほど、必ずDTMで使いやすいとは限りません。
MIDIキーボードを選ぶときは、設置スペースや演奏スタイル、鍵盤の大きさ、タッチ、USB接続方式などを確認しましょう。
また、鍵盤を押す強さに対応するベロシティ機能、ペダル端子、ノブやパッドの有無も確認すると、自分が必要とする操作に対応できるか判断しやすくなります。
オーディオインターフェースは必要?
オーディオインターフェースは、マイクや電子楽器の音をパソコンに取り込んだり、ヘッドホンやスピーカーへ出力したりする機器です。
ソフトウェア音源をマウスで打ち込むだけなら、パソコンに備わっているオーディオ機能で始められる場合があります。
一方、ハードウェアシンセサイザーの音声出力をDAWに録音したい場合は、その音声を取り込む入力経路が必要です。
オーディオインターフェースを選ぶ際は、ライン入力の数、ステレオ録音への対応、使用OS、ドライバー、ヘッドホン出力などを確認してください。
ステレオ出力のシンセサイザーをステレオのまま録音したい場合は、適切な入力数と録音設定が必要になります。
また、すべてのオーディオインターフェースにMIDI端子が搭載されているわけではありません。
ケーブルの違いも覚えておこう
USBケーブルは、対応する電子楽器とパソコンの接続に使用します。
ただし、USB端子の形状が合っていても、機器が対応している通信方式は確認が必要です。
データ通信に対応しないケーブルでは、機器が正常に認識されない場合があります。
MIDIケーブルは、主に5ピンDIN端子を持つ機器同士で演奏情報を送受信するときに使います。
基本的には、送信側のMIDI OUTから受信側のMIDI INへ接続します。
一方、オーディオケーブルは、シンセサイザー本体から出る音声を録音機器などに送るためのものです。
端子の形状だけでなく、モノラルやステレオ、接続先との対応も確認しましょう。
ケーブルの種類を間違えないようにしましょう。
MIDI接続だけでは本体の音声は録音できません。また、USB接続できる機器でもUSB MIDIのみ対応している場合があります。購入前に本体の端子と機能を確認してください。
シンセサイザーとDAWの接続方法
シンセサイザーをパソコンにつなぐときは、何をしたいのかによって接続方法が変わります。
ソフトウェア音源を鳴らしたいのか、それともハードウェアシンセサイザー本体の音を録音したいのか。
この違いを理解しておくだけでも、接続時のトラブルを減らしやすくなります。
例えば、鍵盤を押してDAW内の音源を演奏するだけならMIDI接続が中心ですが、本体の音色を録音するなら音声を取り込む経路も必要になります。
MIDI接続と音声録音の違い
シンセサイザーとDAWを連携させる方法は、大きく3つあります。
方法1:DAW内のソフトウェアシンセサイザーを使う
これは、最初に試しやすい方法です。
パソコンでDAWを起動し、ソフトウェア音源を読み込むだけで作曲を始められます。
- DAWを起動して新しいプロジェクトを作成する
- オーディオ出力先を設定する
- インストゥルメントトラックを追加する
- ソフトウェアシンセサイザーを選ぶ
- 音色のプリセットを選ぶ
- ピアノロールで音符を入力する
- 再生して発音を確認する
インストゥルメントトラックとは、ソフトウェア音源を使って演奏するためのトラックです。
プリセットは、音色を構成する設定を保存したもの。最初から細かい音作りをしなくても、リードやパッドなどの音色を選べます。
音が出ない場合は、まずDAWの出力先とトラックの音量を確認します。音符が入力されていても、音源や出力経路が正しく設定されていなければ音は聞こえません。
方法2:実機シンセサイザーをMIDI入力機器にする
ハードウェアシンセサイザーの鍵盤を使い、DAW内のソフトウェア音源を演奏する方法です。
まず、シンセサイザーがUSB MIDIなどのMIDI出力に対応していることを確認します。
- シンセサイザーとパソコンを接続する
- 必要に応じて対応ドライバーを導入する
- DAWのMIDI入力設定を開く
- 接続したシンセサイザーを入力元として選ぶ
- ソフトウェア音源をトラックへ読み込む
- 録音待機または入力モニターを有効にする
- 鍵盤を押して音が鳴るか確認する
- 必要に応じてMIDI演奏を録音する
この方法で録音されるのは、主に鍵盤の演奏情報です。
例えば、実機でドの鍵盤を押しても、DAW内でストリングス音色を選んでいれば、再生される音はストリングスになります。
実機本体の音色を録音しているわけではないことに注意してください。
機種によってはMIDIチャンネルやLocal Controlなどの設定が必要になる場合もあります。
Local Controlは、鍵盤操作と本体音源の接続に関係する機能です。DAWと組み合わせたときに意図しない二重発音などが起こる場合は、機種の説明書に従って設定を確認しましょう。
方法3:実機シンセサイザー本体の音を録音する
シンセサイザー本体の音をそのまま曲に使いたい場合は、オーディオ録音を行います。
基本的には、シンセサイザーの音声出力をオーディオインターフェースなどの対応入力へつなぎます。
基本的な音声の流れ
シンセサイザーの音声出力 → オーディオインターフェースのライン入力 → DAWのオーディオトラック
- シンセサイザーの音声出力を対応する入力端子に接続する
- DAWでオーディオトラックを作成する
- 録音する入力チャンネルを設定する
- 音量を確認し、入力レベルを調整する
- 録音待機や必要なモニター設定を有効にする
- シンセサイザーを演奏して録音する
- 録音した波形を確認する
USBオーディオ機能を搭載するシンセサイザーなら、対応環境ではUSB経由で音声を録音できる場合もあります。
また、ステレオ音色を録音したい場合は、ステレオ対応の入出力設定や適切な接続が必要です。
録音した音声はオーディオデータとして編集できますが、MIDIのように音符を自由に移動して音程を変更する操作とは異なります。
後から音程やフレーズを変更する可能性がある場合は、MIDIデータも保存しておくと編集に役立つことがあります。
鍵盤を押しても音が出ない場合
まず、DAW側でMIDI信号が入力されているか確認しましょう。
MIDI入力が反応しているのに音が出ない場合は、音源の読み込み状態やトラックの出力先を確認します。
逆に、入力表示そのものが反応しない場合は、USB接続、ドライバー、MIDIポート、録音待機などを確認してください。
接続したシンセサイザーのMIDIチャンネルとDAW側の設定が一致しているかも大切です。
USB機器が認識されない場合は、ケーブルを確認し、別のUSBポートを試す方法もあります。
DAWを起動した後に接続した場合は、MIDIデバイスの再認識やDAWの再起動が必要になることもあります。
演奏した音が遅れる場合
鍵盤を押してから音が聞こえるまでの遅れを「レイテンシー」と呼びます。
この遅れは、オーディオドライバーやバッファーサイズ、パソコンの処理負荷などに影響されます。
バッファーサイズを小さくすると遅延を減らせる傾向がありますが、小さすぎると音が途切れる場合があります。
設定値の例として64~128サンプルや256~512サンプルなどがありますが、適切な値は環境によって異なります。
まず正常に音が出る状態を確認し、遅延と安定性のバランスを見ながら調整しましょう。
マウスによる打ち込みが中心なら、鍵盤のリアルタイム演奏ほど低遅延を重視しなくても作業できる場合があります。
シンセサイザーの打ち込みのやり方
接続の仕組みがわかったら、いよいよ打ち込みです。
DTMの打ち込みとは、音符の高さ、長さ、タイミングなどをDAWに入力して、音源を演奏させる制作方法のことです。
リアルタイムで鍵盤を演奏する方法もありますが、初心者にはピアノロールを使った入力もおすすめです。
ここからは、実際に音符を並べて曲の土台を作る方法を説明します。
最初の目標は、難しいメロディを完成させることではありません。4小節ほどの短いフレーズを作り、それを繰り返し再生できる状態にすることです。
ピアノロールで音符を入力する基本
ピアノロールは、縦方向に音の高さ、横方向に時間を表示する編集画面です。
音符を四角いブロックとして表示するDAWが多く、マウスで音符を追加したり動かしたりできます。
五線譜を読むのが苦手な方でも、音の位置を視覚的に確認しながら入力できるのが特徴です。
ピアノロールの基本操作
- DAWにインストゥルメントトラックを作成する
- ソフトウェアシンセサイザーを読み込む
- MIDIクリップまたはMIDIリージョンを作る
- ピアノロールを開く
- グリッドの細かさを設定する
- マウスで音符を入力する
- 音符の長さや位置を調整する
- 再生して確認する
例えば、4/4拍子で1小節に4つの4分音符を置けば、1拍ずつ音が鳴るフレーズになります。
8分音符なら1拍を2つに分け、16分音符なら4つに分けた細かなリズムを作れます。
グリッドとは、音符を配置するときの時間的な目盛りです。
最初は4分音符や8分音符に合わせて入力すると、リズムの位置を把握しやすくなります。
慣れてきたら、音符を上下に動かして音程を変更したり、右端を伸ばして長さを変えたりしてみましょう。
こうした編集操作はDAWによって異なりますが、音の高さと長さを画面上で調整するという基本的な考え方は共通しています。
MIDIノートで編集できる情報
MIDIでは、音符の高さだけでなく、発音開始の位置や音の強さなどを扱えます。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| ノート番号 | 音の高さ |
| ノートオン | 音を鳴らし始める情報 |
| ノートオフ | 発音を終了する情報 |
| ベロシティ | 演奏の強さを表す情報 |
| MIDIチャンネル | 演奏情報の区別 |
ベロシティを変えることで、音量や音色に変化を付けられる音源もあります。
ただし、ベロシティが発音にどう反映されるかは音源の設定によって異なります。
同じ音を連続して入力する場合でも、長さや強さを調整することでフレーズの印象が変わります。
一般的なMIDI 1.0では、ノート番号は0~127の範囲で扱われ、16のMIDIチャンネルを利用できます。
初心者がこれらの数値をすべて覚える必要はありませんが、MIDIには音の高さだけでなく複数の演奏情報が含まれることを理解しておくと便利です。
クオンタイズとは?
クオンタイズは、演奏した音符のタイミングを指定したグリッドに合わせる機能です。
例えば、4分音符の位置から少しずれて入力されたノートを、拍の位置へ補正できます。
ドラムやコードをそろえたいときに便利ですが、すべての音を完全にそろえると、リズムの自然な揺れが少なく感じられる場合もあります。
まずは正確なリズムで入力し、表現に慣れてきたらタイミングやベロシティの変化を試してみましょう。
DAWによっては補正の強さを調整できるため、完全にグリッドへ合わせずに演奏の揺れを残す方法もあります。
コード・メロディ・ベース・ドラムの作り方
ここでは、4つのパートを組み合わせて、簡単な楽曲の土台を作ります。
練習用として、テンポ120 BPM、4/4拍子、キーCメジャーを使用します。
コード進行は「C → G → Am → F」です。
これらはあくまで練習用の例なので、必ず同じ設定で作曲する必要はありません。
最初から曲全体を作るより、まず4小節の伴奏とメロディを完成させることを目標にしましょう。
STEP1:コード進行を打ち込む
コードとは、複数の音を同時に鳴らした和音です。
まずはシンセサイザーのパッド系音色やピアノ系音色を使い、4小節のコードを入力しましょう。
| 小節 | コード | 構成音 |
|---|---|---|
| 1小節目 | C | C・E・G |
| 2小節目 | G | G・B・D |
| 3小節目 | Am | A・C・E |
| 4小節目 | F | F・A・C |
例えばCコードは、ド・ミ・ソを同時に鳴らします。
DAWのピアノロールでは、同じ開始位置に3つの音符を縦に重ねれば入力できます。
各コードを1小節ずつ伸ばして再生してみましょう。
4小節が自然につながって聞こえれば、伴奏の土台ができています。
ここでは複雑なコード理論を覚える必要はありません。まず、複数の音を組み合わせると響きが変わることを確かめてみてください。
コードの構成音は同じでも、音を配置する高さや順番を変えることで響きが変わります。ただし、最初は基本形で入力し、慣れてから音の配置を変えるとよいでしょう。
STEP2:メロディを作る
次に、コード進行の上にメロディを重ねます。
メロディ用のインストゥルメントトラックを追加し、リード系の音色を選びましょう。
最初はCメジャースケールに含まれるC・D・E・F・G・A・Bの音を使うと、音の組み合わせを整理しやすくなります。
次のような4小節のメロディを練習として入力してみてください。
| 小節 | メロディ例 |
|---|---|
| 1小節目 | E4・G4・A4・G4 |
| 2小節目 | D4・G4・B4・G4 |
| 3小節目 | E4・A4・C5・B4 |
| 4小節目 | A4・G4・E4・C4 |
まずはそれぞれ4分音符で入力してみましょう。
なお、音名の後ろに付く数字はオクターブを表しますが、DAWによってオクターブ番号の表示が異なる場合があります。
再生してみて、コードとの響きを確認してください。
慣れてきたら、同じ音を繰り返したり、途中に休符を入れたりして、リズムに変化を付けてみましょう。
メロディ作りで大切なのは、音をたくさん並べることではありません。
短いフレーズを繰り返しながら少しずつ変化させるだけでも、曲らしい流れを作れます。
例えば、1小節目と3小節目で似たリズムを使い、最後の小節だけ音の動きを変える方法もあります。
コードを再生しながら、各音がどのように響くか確認してみてください。
STEP3:ベースを打ち込む
ベースは、楽曲の低音を支えるパートです。
シンセベースの音色を選び、コードのルート音を中心に入力すると、最初の練習として取り組みやすくなります。
今回のコード進行なら、基本となる音はC、G、A、Fです。
例えば、1小節目には低いC、2小節目にはG、3小節目にはA、4小節目にはFを入力します。
最初は小節の頭に長い音を1つ置くだけでも構いません。
その後、4分音符で繰り返したり、8分音符や休符を組み合わせたりして変化を付けられます。
ベースの音が大きすぎると、ほかの音が聞こえにくくなる場合があるので、音量にも気を配りましょう。
特にキックとベースは低音域が重なりやすいため、両方を再生しながらバランスを確認することが大切です。
STEP4:ドラムを打ち込む
最後に、キック、スネア、ハイハットを使ってリズムを作ります。
ドラム用のソフトウェア音源を追加し、まずは1小節のパターンを作りましょう。
| 楽器 | 配置するタイミング |
|---|---|
| キック | 1拍目・3拍目 |
| スネア | 2拍目・4拍目 |
| ハイハット | 各拍を8分音符で2つに分ける |
このパターンができたら、4小節分に複製して再生します。
コード、メロディ、ベース、ドラムが重なることで、曲の基本的な形が見えてきます。
なお、ドラム音源では鍵盤ごとにキックやスネアなどが割り当てられている場合があります。
どの鍵盤がどの楽器に対応するかは、音源のドラムマップを確認してください。
同じパターンが単調に感じられたら、4小節目の終わりにスネアを追加するなど、簡単な変化を付けることもできます。
打ち込みのリズムをさらに詳しく知りたい方は、ドラム打ち込みの基本と8ビートの作り方も参考になります。キックやスネアの配置から、ベロシティを使った自然な表現まで確認できます。
ただし、最初から複雑なリズムを作る必要はありません。基本パターンを安定して再生できることを優先しましょう。
ここまでの目標
4小節のコード、メロディ、ベース、ドラムを同時に再生できれば、打ち込みの基本をひと通り確認できます。完成度を追い求める前に、まずこの4つのパートをそろえてみましょう。
シンセサイザーで1曲を完成させる手順
4小節のフレーズができたら、次は曲全体を組み立てていきます。
作曲というと、最初から長いメロディを考えなければいけないと思うかもしれません。
でも、短いフレーズを繰り返し、楽器の数や音色、メロディを変化させることで、1曲の構成を作ることができます。
ここでは、楽曲の構成、シンセサイザーの音作り、ミキシング、完成データの書き出しまでを順番に確認します。
自分だけでは音作りや制作手順を整理しにくい場合は、シンセサイザーやDTMをレッスンで学ぶ方法も選択肢になります。
初心者は、音作りを追い込む前に曲全体を最後まで並べることを意識すると、制作の進め方を整理しやすくなります。
曲の構成・音作り・ミキシング
STEP1:イントロからアウトロまで並べる
まず、制作した4小節のコード進行を複製して、曲全体の土台を作りましょう。
例えば、次のような構成が考えられます。
| セクション | 小節数 | 役割 |
|---|---|---|
| イントロ | 4小節 | 曲の始まり |
| Aメロ | 8小節 | 主題を提示する |
| Bメロ | 8小節 | 展開を作る |
| サビ | 8小節 | 盛り上がりを作る |
| アウトロ | 4小節 | 曲を締めくくる |
合計32小節です。
120 BPMの4/4拍子なら、1小節は約2秒なので、32小節で約64秒の曲になります。
これは練習用の一例で、必ずこの長さにする必要はありません。
イントロではドラムとコードだけにする、Aメロではメロディを加える、サビでは音を厚くするといった変化を付けると、曲の展開を作れます。
同じコード進行を使っていても、楽器の組み合わせやメロディによって印象が変わるのが面白いところです。
例えば、Aメロでは短いメロディを使い、サビでは音域を少し高くしたり、音を伸ばす時間を増やしたりする方法もあります。
アウトロでは徐々にパートを減らして終わるなど、曲の締めくくり方も考えてみましょう。
STEP2:シンセサイザーの音色を整える
楽曲の構成ができたら、各トラックの音色を調整します。
シンセサイザーの音作りで覚えておきたい基本要素は、オシレーター、フィルター、エンベロープ、LFOです。
オシレーターは、音の元になる波形を作る部分です。
例えば、サイン波は倍音が少ない滑らかな音の元となり、ノコギリ波は多くの倍音を含む音の元になります。
矩形波は奇数次倍音を中心とした波形で、三角波は比較的柔らかい音色を作る際の素材になります。
また、ノイズを使って打楽器や効果音の成分を作ることもできます。
フィルターは、音の周波数成分を調整する機能です。
ローパスフィルターで高い周波数成分を抑えると、音の明るさを変化させられます。
反対にハイパスフィルターは低い周波数成分を減衰させ、バンドパスフィルターは特定の帯域付近を通過させます。
フィルターでは、カットオフやレゾナンスなどのパラメーターが使われます。
エンベロープは、発音開始から音が消えるまでの変化を調整するために使います。
| 項目 | 主な働き |
|---|---|
| Attack | 音が立ち上がるまでの変化 |
| Decay | 初期ピークからの減衰 |
| Sustain | 鍵盤を保持している間のレベル |
| Release | 鍵盤を離した後の変化 |
例えば、Attackを長くすると、音がゆっくり立ち上がる設定にできます。
Releaseを長くすれば、鍵盤を離した後に余韻が残る音を作れます。
ただし、実際の効果は音源の構造や設定によって異なります。
LFOは、音程や音量、フィルターなどを周期的に変化させる機能です。
ビブラートのような揺れや、周期的な音色変化を作るときに使用します。
初心者はこれらを一度に全部覚える必要はありません。
まずはプリセットを選び、フィルターやAttack、Releaseを少しずつ変えて、どのように音が変化するか確かめると理解しやすいでしょう。
また、調整前の音色を保存しておくと、設定を変えすぎたときに元へ戻しやすくなります。
STEP3:パートの役割に合わせて音色を選ぶ
シンセサイザーには、よく使われる音色の種類があります。
リードはメロディ向け、パッドは持続する和音や背景向け、シンセベースは低音向けです。
プラックは、弦を弾くような短い発音を特徴とする音色として使われます。
また、コードの構成音を順番に鳴らすアルペジオを取り入れる方法もあります。
アルペジエーターを搭載する音源なら、一定のパターンを自動演奏できる場合があります。
ここで大切なのは、すべてのパートを目立たせようとしないことです。
メロディが主役なら、コード用の音色はそのメロディを支えるように調整すると、全体のまとまりを考えやすくなります。
例えば、リード音色とコード音色が同じ音域に集中している場合、どちらも聞こえにくくなることがあります。
その場合は、音域を分けたり、コードの音量を少し下げたりして調整してみましょう。
STEP4:ミキシングで音のバランスを整える
ミキシングとは、複数のトラックの音量や音色、左右の配置などを調整して、楽曲全体を聴きやすくする作業です。
まずは各トラックの音量を調整し、メロディが聞こえる状態を作りましょう。
次に、ベースやキックが大きすぎないか、コード音色がほかのパートを隠していないかを確認します。
必要に応じて、EQやリバーブなどのエフェクトを使用できます。
EQは周波数帯域を調整する機能で、リバーブは空間的な響きや残響を加える機能です。
コンプレッサーを使って音量変化を調整する場合もあります。
パンを調整すれば、対応するステレオ環境で音の左右の位置を変えられます。
ただし、最初から複雑な処理を重ねる必要はありません。
音量調整だけでも、各パートの聞こえ方を整理できることがあります。
まずメロディを基準にして、その周囲にコード、ベース、ドラムを配置するような考え方でバランスを確認するとよいでしょう。
音量を上げすぎないように注意しましょう。
複数のトラックを重ねると、マスター出力のレベルが高くなりすぎる場合があります。音がひずんでいないか、マスター出力がクリッピングしていないか確認してください。
音が出ないときの対処と曲の書き出し
DTMを始めたばかりの頃は、音が出ない、MIDI機器が認識されない、再生が途切れるといった問題が起こることがあります。
そんなときは、一度に多くの設定を変更するよりも、原因を順番に確認するのがよいでしょう。
また、曲ができた後は、プロジェクトの保存だけでなく、音声ファイルへの書き出しまで行うことが大切です。
音が出ないときの確認順序
- パソコンの音量がミュートになっていないか
- DAWのオーディオ出力先が正しいか
- トラックがミュートされていないか
- ソフトウェア音源が読み込まれているか
- MIDIノートが入力されているか
- MIDIキーボードの入力が認識されているか
- 録音待機や入力モニターが適切に設定されているか
- トラックの音声出力先が正しいか
まずDAW内の音符をマウスで入力して音が鳴るか確認すると、MIDI機器側の問題と音声出力側の問題を切り分けやすくなります。
ソフトウェア音源では音が出るのに外部MIDIキーボードでは鳴らないなら、USB接続やMIDI入力設定を確認しましょう。
反対に、MIDI入力が正しく認識されていても音が出ないなら、音源やオーディオ出力に問題がある可能性があります。
設定を変更するときは、どこを変えたのかわかるように、一つずつ確認するのが基本です。
音が途切れる・遅れる場合
再生中に音が途切れる場合は、バッファーサイズやパソコンの処理負荷を確認します。
不要なアプリケーションを終了したり、使用しているプラグインを見直したりすることも対処方法の一つです。
音が遅れて聞こえる場合は、対応するオーディオドライバーとバッファー設定を確認してください。
ただし、バッファーを小さくすれば必ず快適になるわけではありません。音切れが起きない範囲で調整する必要があります。
パソコンの負荷が高い場合には、使用していない音源やエフェクトを整理することも検討しましょう。
打ち込みが機械的に聞こえる場合
音符をグリッドに正確に配置すると、リズムはそろいますが、すべての音が同じ長さや強さだと単調に感じられる場合があります。
そんなときは、ベロシティや音符の長さを変えてみましょう。
例えば、ハイハットの強さを少し変えたり、メロディの一部に休符を入れたりする方法があります。
クオンタイズを強くかけすぎず、必要に応じてタイミングの変化を残すことも一つの方法です。
ただし、すべての音を不規則にする必要はありません。曲のリズムや表現に合わせて調整しましょう。
完成した曲をWAVやMP3で保存する
曲全体の構成とミキシングができたら、音声ファイルに書き出します。
ここで注意したいのが、DAWのプロジェクト保存と音声ファイルの書き出しは別の作業だということです。
プロジェクト保存では、MIDI情報や音源設定、ミキサー設定など、後から編集するための制作データを保存します。
一方、WAVやMP3への書き出しでは、再生できる音声ファイルを作成します。
- DAWのプロジェクトを保存する
- 書き出す曲の開始位置と終了位置を確認する
- 必要なトラックがミュートされていないか確認する
- 書き出し範囲を設定する
- WAVまたはMP3などの形式を選ぶ
- ファイル名と保存先を指定する
- 書き出した音声ファイルを再生して確認する
WAVは、一般的に非圧縮PCM音声を保存する際に使われ、制作データの保存や受け渡しなどにも利用されます。
MP3は音声を非可逆圧縮する形式で、ファイル容量を小さくできるため、試聴や一般的な共有にも使われます。
どちらを選ぶかは、保存や共有の目的、提出先の指定などによって判断しましょう。
また、MIDIファイルとして保存した場合は、通常、シンセサイザーが鳴らした音声そのものは含まれません。
別の環境でMIDIファイルを再生すると、使用する音源によって音色が変わる場合があります。
外部シンセサイザーを使っている場合の注意
ハードウェアシンセサイザーをMIDIで演奏させている場合、DAWにMIDIデータだけが保存されていても、本体の音声が保存されているとは限りません。
完成曲に実機の音を含めたいなら、対応するオーディオ入力を使って音声を録音するなどの方法が必要です。
外部音源を含む書き出しの方法は、DAWや接続環境によって異なります。
オフライン書き出しに対応しない構成では、リアルタイムでの録音や書き出しが必要になる場合もあります。
書き出し後は、実機のパートが音声ファイルに含まれているか必ず再生して確認しましょう。
独学でDTM作曲を覚えられる?
シンセサイザーを使ったDTMは、独学でも始められます。
最初から音楽理論やシンセサイザーの仕組みをすべて理解する必要はありません。
まずピアノロールで音符を入力し、コードとメロディを作り、ドラムやベースを重ねる。その作業を少しずつ繰り返すことで、制作の流れを学べます。
ただし、機材の接続設定で何度もつまずいたり、作曲の進め方がわからなくなったりする場合は、EYS音楽教室でシンセサイザーやDTMを講師から学ぶ方法もあります。
DTM教室を検討するときは、使用するDAW、指導内容、初心者への対応、料金、受講方法などを確認しましょう。
自分が使っているソフトや機材について相談できるかどうかも重要です。
一方、すでに自分の環境で音を出せていて、基本的な打ち込みを進められるなら、まず独学で短い曲を完成させる方法もあります。
レッスンの対応範囲や利用条件は教室によって異なるため、正確な情報は公式案内で確認し、必要に応じて担当者へ相談してください。
シンセサイザーのDTM作曲に関するよくある質問(FAQ)
最後に、シンセサイザーを使った作曲で初心者が疑問に感じやすいことをまとめます。
Q1. ピアノや鍵盤が弾けなくてもシンセサイザーで作曲できますか?
A. はい、作曲できます。DAWのピアノロールを使えば、マウスで音符を入力できるため、鍵盤をリアルタイムで演奏する必要はありません。音階やコードの基礎知識があると作曲しやすくなりますが、最初から音楽理論を完全に理解している必要はありません。
Q2. シンセサイザーがなくてもDTMで作曲できますか?
A. はい、できます。パソコンとDAW、ソフトウェア音源があれば、外部のハードウェアシンセサイザーを用意しなくても作曲可能です。DAWに付属している音源を使えば、追加の音源を購入せずに始められる場合もあります。
Q3. シンセサイザー1台だけでドラムや伴奏も作れますか?
A. 機種や搭載機能によって異なります。複数パートの演奏情報を記録できるシーケンサーや、ドラム音色を搭載する製品なら、さまざまなパートを作れる場合があります。ただし、曲全体を記録して音声ファイルまで完成できるかは、録音機能や書き出し機能の確認が必要です。
Q4. MIDIキーボードとオーディオインターフェースは両方必要ですか?
A. 必ずしも必要ありません。ソフトウェア音源をマウスで打ち込む場合は、どちらも用意せずに始められることがあります。MIDIキーボードは鍵盤による演奏入力に便利で、オーディオインターフェースは外部機材の音声録音などに使用します。必要性は制作方法によって変わります。
Q5. 無料のDAWやソフトウェア音源でも1曲完成できますか?
A. MIDI編集、音源再生、ミキシング、音声書き出しなど、必要な機能を備えた無料DAWや無料エディションなら可能です。ただし、使用できるトラック数、プラグイン、書き出し形式などの制限は製品によって異なります。導入前に公式の対応機能や利用条件を確認しましょう。
Q6. 楽譜が読めなくても作曲できますか?
A. はい。ピアノロールでは音符を画面上に配置するため、五線譜を読み書きできなくても制作できます。ただし、拍子や音階、コードの基礎を少しずつ覚えると、メロディや伴奏を考えやすくなります。
Q7. 1曲作るには何トラック必要ですか?
A. 決まった数はありません。この記事ではメロディ、コード、ベース、ドラムを分けていますが、少数のトラックでも作曲できます。必要なパートや使用する音源に合わせて決めましょう。
Q8. 1曲を完成させるには何時間かかりますか?
A. 曲の長さ、経験、アレンジの複雑さなどによって大きく異なります。決まった完成時間はありません。最初は短い曲を作り、打ち込みから音声書き出しまでの工程を確認することを目標にするとよいでしょう。
Q9. シンセサイザーのMIDIを録音すると本体の音も保存されますか?
A. いいえ。MIDIデータそのものには音声が含まれません。シンセサイザー本体の音を保存するには、対応するオーディオ入力を使って録音するなど、別の音声保存方法が必要です。
Q10. 作った曲をインターネットで公開できますか?
A. 公開することは可能です。ただし、使用したサンプルやループ、プリセット、その他の音声素材について、ライセンス条件を確認しましょう。既存楽曲を利用する場合には著作権などにも注意が必要です。
まとめ
シンセサイザーを使ったDTM作曲は、鍵盤演奏の経験がなくても始められます。
パソコンとDAW、ソフトウェア音源があれば、マウスで音符を入力してメロディや伴奏を制作できます。
今回の重要なポイントを振り返ってみましょう。
- シンセサイザーは音を作り、DAWは曲を編集・完成させるための制作環境
- MIDIは演奏情報であり、音声データそのものではない
- 初心者はDAW付属のソフトウェア音源から始められる
- MIDIキーボードや外付けオーディオインターフェースは必須ではない
- ピアノロールを使えば、鍵盤が弾けなくても打ち込みができる
- コード、メロディ、ベース、ドラムを組み合わせれば曲の土台を作れる
- ハードウェアシンセサイザー1台で制作を完結できるかは搭載機能によって異なる
- 完成曲はDAWからWAVやMP3などの音声ファイルに書き出す
最初から複雑なアレンジや本格的な音作りを目指す必要はありません。
まずは4小節のコードとメロディを入力し、ベースとドラムを重ねてみてください。
その短いフレーズを少しずつ発展させ、最後に音声ファイルとして保存できれば、1曲を完成させる基本的な流れが理解できます。

