二胡の楽譜を開くと、1・2・3・4・5・6・7という数字が並んでいて、「どうやって読むの?」と戸惑うことはありませんか?
数字の上下には小さな点があり、横線や曲線、見慣れない演奏記号が付いていることもあります。
二胡では、一般的に数字譜(すうじふ)という記譜方法が使われています。
数字譜は、基本的なルールを順番に覚えれば、音の高さだけでなく、音符の長さや休符、演奏方法まで読み取れるようになります。
ただし、数字をドレミに置き換えるだけでは十分ではありません。調の指定、内弦と外弦、指番号、弓の動かし方も理解する必要があります。
この記事では、二胡の数字譜の読み方を初心者向けに解説します。特に間違えやすい16分音符や付点、運弓記号についても、表や具体例を使って整理していきますよ。
この記事でわかること
- 数字譜の1~7とドレミの対応
- 上下の点と1=Dなどの調の読み方
- 八分音符・16分音符・付点・休符の見分け方
- 内弦・外弦・指番号・運弓記号の基本
- 数字譜を覚える練習手順と教則本の選び方
二胡の数字譜とは?初心者向けの基本
数字譜とは、音の高さを主に1~7の数字で表す楽譜です。
中国語では「簡譜(ジエンプー)」と呼ばれ、英語ではJianpuやNumbered Musical Notationなどと表記されます。
二胡は中国の伝統的な擦弦楽器で、2本の弦を弓でこすって音を出します。二胡の教則本や曲集では数字譜が広く使用されています。
五線譜が音符の位置で音の高さを表すのに対し、数字譜では数字が音階上の位置を示します。
ただし、数字だけでは音の高さや長さを完全には判断できません。次の情報を組み合わせて読みます。
| 楽譜の要素 | 意味 |
|---|---|
| 数字1~7 | 音階上の位置 |
| 数字の上下の点 | オクターブ |
| 右側の横線 | 音の延長 |
| 数字の下線 | 音の短縮 |
| 数字の右の点 | 付点による延長 |
| 0 | 休符 |
| 1=Dなど | 基準音の指定 |
| 運指・運弓記号 | 演奏方法 |
最初は数字と音高を理解し、次にリズム、最後に二胡の演奏方法と結び付けていくと覚えやすいでしょう。
数字1~7とドレミの対応
数字譜を読むために最初に覚えたいのが、数字とドレミの対応です。
| 数字 | 階名 |
|---|---|
| 1 | ド |
| 2 | レ |
| 3 | ミ |
| 4 | ファ |
| 5 | ソ |
| 6 | ラ |
| 7 | シ |
例えば「1 2 3 4 5 6 7」は「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」と読みます。
反対に「7 6 5 4 3 2 1」なら「シ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ・ド」です。
数字を「いち・に・さん」と読むより、ドレミに変換して声に出すと、音階との関係をつかみやすくなります。
数字は指番号ではない
二胡を始める方が間違えやすいのが、音符の数字と左手の指番号の混同です。
例えば、数字譜の3は階名のミを示します。薬指を使用するという意味ではありません。
どの指で押さえるかは、調や弦、ポジションなどによって変わります。
数字と音程の関係
長音階では数字が一つ増えると音も順番に高くなりますが、音と音の間隔はすべて同じではありません。
| 数字の動き | 音程 |
|---|---|
| 1→2 | 全音 |
| 2→3 | 全音 |
| 3→4 | 半音 |
| 4→5 | 全音 |
| 5→6 | 全音 |
| 6→7 | 全音 |
| 7→高い1 | 半音 |
3から4、7から高い1は半音です。それ以外の隣り合う音は全音になります。
二胡にはギターのようなフレットがないため、左手の押さえる位置と音程の関係を覚える必要があります。
数字だけでなく、音と音の間隔も意識していきましょう。
数字譜と五線譜の違い
数字譜は数字と点で音高を示し、五線譜は五本の線と音符の位置で音高を示します。
数字譜は階名を把握しやすく、五線譜は音の位置関係や複数の声部を視覚的に確認しやすいという特徴があります。
どちらも音楽を記録する方法であり、優劣があるわけではありません。
なお、ほかの楽器にも数字を使用した楽譜があります。ただし、数字が音階ではなく演奏位置を表す場合もあります。例えばハーモニカの数字譜と穴番号の違いでは、音階式と穴番号式の区別を解説しています。
二胡の数字譜では、まず1~7を階名として読むことが基本です。
上下の点と1=Dなどの調の読み方
数字譜では同じ数字を使って高い音や低い音も表します。
そのために使用するのが、数字の上や下に付ける点です。
数字の上の点は高い音
数字の上に点が1個付いていれば、点のない数字より1オクターブ高い音です。
例えば、上に点が付いた1は高いド、点が2個ならさらに1オクターブ高いドになります。
数字の下の点は低い音
反対に、数字の下に点が1個付くと1オクターブ低い音です。
点が2個なら、点のない数字より2オクターブ低くなります。
| 表記 | 意味 |
|---|---|
| 1 | 基準のド |
| 上に点1個の1 | 1オクターブ高いド |
| 上に点2個の1 | 2オクターブ高いド |
| 下に点1個の1 | 1オクターブ低いド |
| 下に点2個の1 | 2オクターブ低いド |
同じ5でも、上下の点によって音域が変わります。点のない5、高い5、低い5を区別しましょう。
特に注意したいのは、数字の右側にある点です。右の点は通常、オクターブではなく付点として音の長さを表します。
1=C、1=D、1=Gの読み方
数字譜の冒頭には「1=C」「1=D」「1=G」などの指定が書かれることがあります。
これは数字1に対応する実際の音を示すものです。
1=Cなら1はC音、1=DならD音、1=GならG音になります。
つまり、数字の1は必ずC音になるわけではありません。
代表的な基準音と数字の対応を、長音階の場合で比較してみましょう。
| 数字 | 1=C | 1=D | 1=G |
|---|---|---|---|
| 1 | C | D | G |
| 2 | D | E | A |
| 3 | E | F♯ | B |
| 4 | F | G | C |
| 5 | G | A | D |
| 6 | A | B | E |
| 7 | B | C♯ | F♯ |
例えば1=Dの曲では、1はD、2はE、3はF♯です。
数字の並びが同じでも、基準音が変われば実際に演奏する音も変わります。
なお、これは長音階を前提とした表です。短調や異なる調式、臨時記号がある曲では、その指定も確認してください。
基準音と二胡の調弦は別
「1=D」と書いてあるからといって、二胡の弦を特別な音に調弦し直すという意味ではありません。
一般的な二胡は、内弦の開放音がD4、外弦の開放音がA4です。
このD-A調弦を基本として、さまざまな調の曲を演奏できます。
1=Dなら内弦開放音は1、外弦開放音は5です。1=Gなら内弦開放音は低い5、外弦開放音は2になります。
二胡の音域も確認しましょう
一般的なD-A調弦では、通常の奏法で内弦開放音D4より低い実音は出せません。数字譜に低い音が登場した場合は、基準音とオクターブを確認してください。
二胡の数字譜で音符とリズムを読む方法
数字と音の高さがわかったら、次はリズムの読み方です。
数字譜では、数字の右にある横線、数字の下線、付点などを使って音符の長さを表します。
同じ数字でも、1拍だけ演奏する場合と3拍伸ばす場合では、メロディーの流れが変わります。
横線・下線と音符の長さ
まずは、四分音符を1拍とする場合を考えましょう。
数字譜では、下線などがない数字1個は、基本的に四分音符を表します。
数字の右側の横線は音を伸ばす
数字の右側に付く横線は、音の長さを延長します。
| 表記 | 拍数 | 相当する音符 |
|---|---|---|
| 1 | 1拍 | 四分音符 |
| 1 – | 2拍 | 二分音符 |
| 1 – – | 3拍 | 付点二分音符相当 |
| 1 – – – | 4拍 | 全音符相当 |
例えば「1 – 2 3」という4/4拍子の小節では、1を2拍伸ばし、2と3をそれぞれ1拍演奏します。
ドを「1・2」と数えて伸ばし、3拍目でレ、4拍目でミを演奏するイメージです。
数字の下線は音を短くする
数字の真下に付く横線は、音を短くするために使われます。
| 表記 | 音符 | 長さ |
|---|---|---|
| 下線なし | 四分音符 | 1拍 |
| 下線1本 | 八分音符 | 1/2拍 |
| 下線2本 | 16分音符 | 1/4拍 |
| 下線3本 | 32分音符 | 1/8拍 |
下線が増えるほど、1個の音符の長さは短くなります。
ここで重要なのが、右の横線は延長、下線は短縮という違いです。
同じ横線でも、数字のどこに書かれているかによって意味が変わります。
下線がつながっている場合
実際の数字譜では、八分音符や16分音符が続くと、複数の数字の下線がつながっていることがあります。
その場合も、基本的には各数字の下に何本の線があるかを確認します。
ただし、文字だけの数字譜では下線の位置を正確に再現できない場合があります。スマートフォンで見るときは、譜面を拡大して確認するとよいでしょう。
16分音符・付点・休符の読み方
数字譜のリズムで特に迷いやすいのが16分音符です。
まず16分音符の意味を理解し、そのあと付点と休符も整理していきましょう。
16分音符とは?
16分音符とは、全音符を16等分した長さの音符です。
四分音符を1拍とした場合、16分音符1個は1/4拍になります。
| 音符 | 1個の長さ | 1拍分の個数 |
|---|---|---|
| 四分音符 | 1拍 | 1個 |
| 八分音符 | 1/2拍 | 2個 |
| 16分音符 | 1/4拍 | 4個 |
| 32分音符 | 1/8拍 | 8個 |
数字譜では、数字の下に線が2本あれば基本的に16分音符です。
例えば、1・2・3・4という数字にそれぞれ下線が2本ある場合、4個合わせて1拍になります。
音の高さは「ド・レ・ミ・ファ」ですが、リズムは1拍の中に4音を均等に入れます。
16分音符の数え方
16分音符は、最初から二胡で演奏しようとしなくても大丈夫です。
まずは手拍子を使い、1拍を4つに分ける練習をします。
一定の拍を打ちながら「タカタカ」と4音を均等に唱えましょう。
「1・e・&・a」と数える方法もあります。
最初の2音だけ速くなったり、最後の音が次の拍にずれたりしないよう、間隔をそろえることが大切です。
慣れてきたら、八分音符と16分音符を組み合わせます。
| 組み合わせ | 合計 |
|---|---|
| 八分音符2個 | 1拍 |
| 16分音符4個 | 1拍 |
| 八分音符1個+16分音符2個 | 1拍 |
| 16分音符2個+八分音符1個 | 1拍 |
| 付点八分音符1個+16分音符1個 | 1拍 |
16分音符は必ず速い音ではない
16分音符は、拍に対する相対的な長さを示します。実際の速度はテンポによって変わります。
| テンポ | 四分音符 | 八分音符 | 16分音符 |
|---|---|---|---|
| ♩=60 | 1秒 | 0.5秒 | 0.25秒 |
| ♩=120 | 0.5秒 | 0.25秒 | 0.125秒 |
同じ16分音符でも、テンポが2倍になれば実際の時間は半分です。
最初から速く弾こうとせず、遅いテンポで正確に拍を分割できることを目指しましょう。
二胡で16分音符を演奏する場合
リズムが読めたら、次は左手と弓の動きを合わせます。
16分音符が4個続いていても、必ず4回弓を動かすとは限りません。
連弓の指定があれば、複数の音を一度の運弓で演奏する場合があります。
一方、分弓では音ごとに弓を分けます。
まず楽譜の運弓指定を確認し、音高とリズムを理解してから弓の動きと組み合わせてください。
数字の右側の付点とは?
付点は、元の音符の長さにその半分を加える記号です。
例えば、四分音符は1拍ですが、付点が付くと1.5拍になります。
| 音符 | 通常 | 付点付き |
|---|---|---|
| 四分音符 | 1拍 | 1.5拍 |
| 八分音符 | 0.5拍 | 0.75拍 |
| 16分音符 | 0.25拍 | 0.375拍 |
| 二分音符 | 2拍 | 3拍 |
付点四分音符と八分音符が続く場合、1.5拍と0.5拍で合計2拍です。
付点八分音符と16分音符なら、0.75拍と0.25拍で合計1拍になります。
また、点が2個付く複付点では、元の音価の1.75倍になります。
点の位置による違い
- 上の点:高いオクターブ
- 下の点:低いオクターブ
- 右の点:音を1.5倍にする付点
音高を変える点と音価を変える点を区別しましょう。
数字譜の0は休符
数字譜で音符の位置に書かれた0は、原則として休符を表します。
| 表記 | 意味 | 長さ |
|---|---|---|
| 0 | 四分休符相当 | 1拍 |
| 0 – | 二分休符相当 | 2拍 |
| 0 – – – | 4拍分の休み | 4拍 |
| 0の下に線1本 | 八分休符 | 1/2拍 |
| 0の下に線2本 | 16分休符 | 1/4拍 |
例えば「1 2 0 3」という4/4拍子では、ドとレを1拍ずつ演奏し、3拍目で休み、4拍目にミを演奏します。
休符の間も拍は進みます。音を出さなくても、頭の中では拍を数え続けましょう。
なお、運指欄に書かれた0は開放弦を意味する場合があります。音符の0とは区別してください。
拍子記号と小節線の見方
数字譜にも五線譜と同じように、拍子記号や小節線があります。
拍子記号は、1小節の中にどれだけの音価が入り、どのように拍を感じるかを示します。
| 拍子 | 意味 |
|---|---|
| 2/4 | 四分音符2個分が1小節 |
| 3/4 | 四分音符3個分が1小節 |
| 4/4 | 四分音符4個分が1小節 |
| 6/8 | 八分音符6個分が1小節 |
4/4拍子の読み方
4/4拍子では四分音符4個分が1小節に入ります。
例えば「1 2 3 4 | 5 6 7 高い1 |」で、すべて四分音符なら各小節は4拍です。
縦線「|」は小節線と呼ばれ、小節の区切りを示します。
3/4拍子と2/4拍子
3/4拍子なら「1・2・3」、2/4拍子なら「1・2」と数えます。
例えば3/4拍子の「1 2 3 | 4 5 6 |」では、各小節に3拍ずつ入ります。
右の横線や休符がある場合も、合計の音価を確認しましょう。
6/8拍子の特徴
6/8拍子は八分音符6個分が1小節です。
一般的には八分音符3個ずつをひとまとまりとして、大きな2拍を感じます。
四分音符を常に1拍として数えるだけでなく、拍のまとまりを意識することが大切です。
テンポ記号と小節線
「♩=60」は、四分音符が1分間に60回進む速度です。
「♩=120」なら1分間に120回です。
また、複縦線は楽曲の区切り、終止線は曲の終わりなどを示します。
数字譜を読むときは、数字が何の音かだけでなく、小節のどの拍にあるかも確認しましょう。
二胡の楽譜で使う演奏記号の読み方
数字譜の音高とリズムがわかっても、それだけで二胡の演奏方法がすべて決まるわけではありません。
二胡には内弦と外弦があり、同じ高さの音でも異なる弦やポジションで演奏できる場合があります。
さらに、弓を引くか押すか、音をつなげるか区切るかによっても演奏方法が変わります。
内弦・外弦と指番号の関係
二胡には2本の弦があります。
奏者に近い側が内弦、遠い側が外弦です。
標準的な調弦では、内弦開放音がD4、外弦開放音がA4になります。
1=Dの場合の開放弦
1=Dなら、数字1がD音、数字5がA音です。
そのため、標準調弦では内弦開放音が1、外弦開放音が5に対応します。
この組み合わせを「1-5弦」と呼びます。
1=Gの場合の開放弦
1=Gなら、数字1はG音、数字2はA音、数字5はD音です。
標準調弦の内弦開放音D4は低い5、外弦開放音A4は2に対応します。
これを「5-2弦」と呼びます。
内弦の5は低いオクターブなので、上下の点を含めて正しく判断しましょう。
代表的な調と開放弦の対応
| 基準音 | 内弦開放音 | 外弦開放音 | 呼び方 |
|---|---|---|---|
| 1=D | 1 | 5 | 1-5弦 |
| 1=G | 低い5 | 2 | 5-2弦 |
| 1=F | 低い6 | 3 | 6-3弦 |
| 1=C | 2 | 6 | 2-6弦 |
| 1=A | 4 | 高い1 | 4-1弦 |
| 1=B♭ | 3 | 7 | 3-7弦 |
この表は標準的なD-A調弦を前提としています。
同じ開放弦でも、基準音の指定が変われば数字譜上の数字も変わります。
数字だけを見て使う弦を決めず、音域や運指指定、前後のフレーズも確認してください。
運指番号の0~4
二胡の運指番号は、一般的に左手の指を0~4で表します。
| 指番号 | 意味 |
|---|---|
| 0 | 開放弦 |
| 1 | 人差し指 |
| 2 | 中指 |
| 3 | 薬指 |
| 4 | 小指 |
音符としての3はミですが、運指番号の3は薬指を意味します。
また、音符位置の0は休符ですが、運指番号の0は開放弦です。
ここで覚えておきたいのが、数字譜の数字と左手の指番号は別の情報ということです。
まず音符の数字を確認し、次に運指指定を見るようにすると混乱を減らせます。
ポジション移動と換把
二胡では、左手の位置を移動して高い音を演奏することがあります。
このポジション移動を「換把」と呼びます。
ただし、高い音だからといって必ずポジション移動が必要とは限りません。
現在使っている弦や指、音域、楽譜の指定などによって判断します。
運弓・スラー・タイなどの記号
二胡の演奏では、左手の運指と同じくらい右手の運弓も重要です。
楽譜には、弓の方向や音のつなげ方、装飾などを示す記号が使われます。
| 記号・用語 | 基本的な意味 |
|---|---|
| 内 | 内弦を使う |
| 外 | 外弦を使う |
| 拉弓 | 弓を引く |
| 推弓 | 弓を押す |
| 連弓 | 複数の音を一度の運弓で演奏する |
| 分弓 | 音ごとに弓を分ける |
| 換弓 | 弓の方向を切り替える |
| 揉弦 | 音程に揺れを与える |
| 滑音 | 音と音の間を滑らせる |
| 打音 | 指で素早く押さえて装飾する |
| 泛音 | ハーモニクスを出す |
| 頓弓 | 音を区切る運弓技法 |
拉弓と推弓の違い
拉弓は弓を引く方向、推弓は弓を押す方向で演奏することです。
二胡ではV形や屋根形などの記号を使用する教材もありますが、記号の形と弓方向の対応は教材によって異なる場合があります。
西洋弦楽器の上げ弓・下げ弓記号と形だけで対応させず、教材の凡例を優先してください。
連弓と分弓の違い
連弓は、複数の音を一度の運弓で演奏する方法です。
分弓は、音ごとに弓を分けて演奏する方法です。
例えば16分音符が4個続いていても、連弓の指定があれば一度の運弓で複数音を演奏します。
数字を正確に読むことと、弓の動きを判断することは分けて考えましょう。
スラーとタイの違い
数字譜にも、音符同士を曲線で結ぶ記号があります。
代表的なのがスラーとタイです。
| 記号 | 主な役割 |
|---|---|
| スラー | 異なる音を滑らかにつなぐ |
| タイ | 同じ高さの音の長さを合計する |
スラーは二胡の連弓と関係する場合がありますが、フレーズのまとまりを示す場合もあります。
一方、タイは同じ高さの音をつなぎ、後ろの音を新しく発音しません。
例えば四分音符と二分音符がタイで結ばれていれば、合計3拍分の音を続けます。
装飾音・揉弦・滑音
揉弦は、左手の指を動かして音程に揺れを与える奏法で、ビブラートに相当します。
滑音は、音と音の間を滑らせる奏法です。
打音や装飾音は、主要な音に短い音を加えるなどして装飾します。
こうした記号は、楽譜によって表し方が異なる場合があります。凡例や対応する演奏例を確認しましょう。
反復記号と強弱記号
数字譜には、五線譜と共通する記号も使用されます。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| p | 弱く |
| f | 強く |
| mp | やや弱く |
| mf | やや強く |
| cresc. | 次第に強く |
| dim. | 次第に弱く |
| D.C. | 曲の冒頭へ戻る |
| D.S. | セーニョへ戻る |
| Fine | 終了位置 |
| フェルマータ | 音や休符を通常より延ばす |
最初から全部を覚える必要はありません。実際の楽譜に登場するものから確認していきましょう。
二胡の数字譜の覚え方と練習方法
数字譜は、ルールを読んだだけですぐにスラスラ読めるとは限りません。
最初は数字をドレミに変換するだけでも時間がかかるかもしれませんね。
音高、リズム、指番号、運弓を一度に覚えようとせず、段階的に練習すると取り組みやすくなります。
短い数字譜を読む練習
第1段階:1~7をドレミで読む
まずは数字を見て、すぐに階名を言えるようになることを目指します。
1 2 3 4 5 6 7
「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」です。
次に「7 6 5 4 3 2 1」を逆向きに読んでみましょう。
慣れてきたら「1 3 5 3 1」など、順番に並んでいない数字にも挑戦してください。
第2段階:高い音と低い音を区別する
次に、数字の上下に点が付いた音を読みます。
点のない5、上に点のある5、下に点のある5は、階名は同じソでもオクターブが異なります。
数字と点の位置をセットで確認する習慣を付けましょう。
第3段階:リズムだけを読む
音高の次は、下線や右側の横線からリズムを確認します。
最初は四分音符と二分音符から始め、八分音符、16分音符、休符、付点へ進みましょう。
この段階では音高を気にせず、手拍子やメトロノームを使って拍を一定に保つ練習も役立ちます。
第4段階:二胡の弦と数字を結び付ける
数字とリズムに慣れたら、二胡の弦との関係を確認します。
例えば1=Dなら、標準調弦で内弦開放音が1、外弦開放音が5です。
教則本の運指指定を見ながら、音符の数字と指番号を区別してください。
第5段階:短い曲で組み合わせる
最後に短い曲を使い、音高、リズム、運指、運弓を組み合わせます。
最初は四分音符が中心で、ポジション移動や複雑な運弓が少ない曲が取り組みやすいでしょう。
音を出す前に数字を読み、手拍子でリズムを確かめてから演奏します。
練習例1:四分音符だけの数字譜
1 2 3 4 | 5 6 7 高い1 |
4/4拍子で、すべて四分音符とします。
1小節目はド・レ・ミ・ファ、2小節目はソ・ラ・シ・高いドです。
各音を1拍ずつ数えながら読んでみてください。
練習例2:二分音符を含む数字譜
1 – 2 3 | 4 – 5 – |
1小節目は1が2拍、2と3が各1拍です。
2小節目は4と5が各2拍になります。
どちらの小節も合計4拍です。
練習例3:休符を含む数字譜
1 2 0 3 | 4 – 0 5 |
1小節目は、1拍目にド、2拍目にレ、3拍目で休み、4拍目にミを演奏します。
2小節目はファを2拍伸ばし、1拍休んでからソを演奏します。
休符の間も拍を止めないようにしましょう。
練習例4:八分音符
1と2の下にそれぞれ線が1本付いている場合、この2個は八分音符です。
各音が1/2拍なので、合わせて1拍になります。
手拍子で1拍を取りながら、「タタ」と2等分してみましょう。
練習例5:16分音符
1・2・3・4の数字それぞれの下に線が2本ある場合、4個合わせて1拍です。
「タカタカ」と唱えながら、1拍を均等に4分割します。
最初は音高を付けず、リズムだけ確認するとわかりやすいでしょう。
練習例6:付点四分音符
数字1の右に付点があり、そのあとに八分音符が続く場合を考えます。
付点四分音符は1.5拍、八分音符は0.5拍で、合わせて2拍です。
次の音へ入るタイミングを拍で確認しましょう。
練習するときの基本手順
- 数字をドレミに置き換える
- 上下の点から音域を確認する
- 横線・下線・付点・休符を読む
- 拍子に合わせて手拍子を取る
- 内弦・外弦と指番号を確認する
- 運弓を組み合わせて演奏する
練習を続ける工夫
毎回長い曲を読む必要はありません。
短いフレーズを選び、今日は階名、次はリズムというように、課題を分けてもよいでしょう。
数字譜を手で書くと、上下の点や下線の位置を確認できます。
模範演奏がある場合は、音源を聴きながら数字を目で追い、音高やリズムを照合する方法もあります。
「きらきら星」「かえるの合唱」「チューリップ」などを簡単な数字譜にした教材も、練習の候補になります。
ただし、調や編曲によって数字の並びや運指は異なるため、使用する楽譜の指定を確認してください。
教則本の選び方とレッスンの活用
二胡の数字譜を覚えたい場合、初心者向けの教則本を利用する方法があります。
ただし、二胡用の教則本でも、数字譜の説明や収録内容はそれぞれ異なります。
数字譜対応の教則本を選ぶポイント
| 確認項目 | チェックする内容 |
|---|---|
| 楽譜形式 | 数字譜が掲載されているか |
| 音高 | 1~7、上下の点、調の説明があるか |
| リズム | 八分音符、16分音符、付点、休符を扱うか |
| 調弦 | 内弦・外弦の説明があるか |
| 運指 | 指番号が記載されているか |
| 運弓 | 拉弓・推弓・連弓などの説明があるか |
| 音源 | 模範演奏を確認できるか |
| 難易度 | 自分の習熟度に合っているか |
音源付き教材なら、数字譜から読み取った音高やリズムを実際の音と照合できます。
ただし、音源があるだけで必要な内容がすべて学べるとは限りません。
目次やサンプルページで、数字譜の読み方が解説されているか確認しましょう。
教則本と曲集の違い
教則本は基本的な奏法や読み方を段階的に学ぶ教材です。
一方、曲集は楽曲を中心に構成され、数字譜の説明が少ない場合があります。
これから数字譜を覚えるなら、読み方や演奏記号の説明がある教則本が向いています。
すでに基本を理解している場合は、演奏したい曲が掲載された曲集で読譜に慣れる方法もあります。
購入前には掲載形式、収録曲、版、付属音源などを確認してください。価格や在庫は購入時点の情報を確かめましょう。
独学で数字譜を覚える場合
数字とドレミの対応、上下の点、音価、休符などの基本は独学でも取り組めます。
自分のペースで短い譜面を繰り返し読めることが利点です。
一方、実際の二胡演奏では、音程や指の位置、弓の使い方が正しいか、自分だけでは判断しにくい場合があります。
読譜だけでなく運指や運弓も確認しながら進めたい場合は、EYS音楽教室のレッスンを活用する方法もあります。
レッスンを活用する場合
数字譜の読み方と演奏方法を一緒に学びたい場合は、レッスンを受けながら学ぶ方法も選択肢になります。
講師に確認してもらえば、読譜の間違いだけでなく、運指や運弓の疑問も整理しやすくなります。
| 学び方 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 独学 | 自分のペースで覚えたい人 | 運指・運弓の誤りを判断しにくい場合がある |
| レッスン | 読譜と演奏を一緒に学びたい人 | 費用・場所・日時の確認が必要 |
| 併用 | 自習しながら疑問を確認したい人 | 学習内容を整理する必要がある |
どちらか一方に決める必要はありません。
「まず数字譜を読めるようになりたい」のか、「楽譜を見ながら二胡を演奏したい」のかによって選びましょう。
レッスンを検討する際は、数字譜を扱っているか、初心者向けの内容か、受講日時や費用が自分に合っているかを確認してください。
料金や受講条件は教室によって異なります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。演奏方法の判断に迷う場合は、二胡の指導者などの専門家に相談することをおすすめします。
二胡の数字譜でよくある疑問と間違い
数字譜を読むときに間違えやすいのは、数字そのものよりも、記号の役割を混同することです。
特につまずきやすいポイントを整理しましょう。
間違い1:数字の1を必ずC音だと思う
数字の1は階名のドですが、実際の音は1=C、1=Dなどの指定で変わります。
必ず楽譜の基準音を確認してください。
間違い2:数字の上下の点を見落とす
数字が同じでも、点によってオクターブは異なります。
点のない5、高い5、低い5はそれぞれ音域が違います。
間違い3:右の点と下の点を混同する
右の点は付点で、音価を変えます。下の点は低いオクターブを示します。
点の位置に注意しましょう。
間違い4:横線をすべて同じ意味だと思う
右側の横線は音を伸ばし、下線は音を短くします。
線の位置と本数を確認してください。
間違い5:0をすべて開放弦だと思う
音符位置の0は原則として休符、運指番号の0は開放弦です。
書かれている場所で意味を区別します。
間違い6:数字と指番号を一致させる
音符の3はミですが、運指の3は薬指です。
同じ数字でも、音高と指番号は別の情報です。
間違い7:16分音符は必ず速く演奏すると考える
16分音符は四分音符の1/4の長さです。
実際の速さはテンポによって異なります。拍を均等に4分割することが大切です。
間違い8:音の高さだけを読む
階名が合っていても、音価や休符が違えば曲のリズムは変わります。
音高とリズムを別々に確認してから組み合わせましょう。
間違い9:音符の数だけ弓を動かす
二胡では音符1個に対して必ず弓を1回動かすとは限りません。
連弓・分弓などの運弓指定を確認してください。
迷ったときの確認順序
- 1=Dなどの基準音を確認する
- 数字と上下の点から音高を読む
- 横線・下線・付点・休符を確認する
- 拍子に合わせて拍数を数える
- 弦と指番号を確認する
- 運弓指定を確認する
一度にすべての情報を読もうとせず、音高、リズム、運指、運弓を分けて確認することが大切です。
二胡の数字譜に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 二胡は五線譜が読めなくても始められますか?
A. はい、始められます。二胡では数字譜が広く使われているため、五線譜が読めなくても入門曲に取り組めます。ただし、数字だけでなく、音符の長さや休符、拍子の読み方も必要です。
Q2. 数字の下に線が2本あるのは何の音符ですか?
A. 基本的には16分音符です。四分音符を1拍とすると1個は1/4拍で、4個で1拍です。手拍子で1拍を取りながら「タカタカ」と4等分する練習から始めましょう。
Q3. 二胡の数字譜で1=Dとはどういう意味ですか?
A. 数字の1を実音Dに対応させる指定です。長音階を基準にすると2はE、3はF♯、5はAになります。弦を調弦し直すという意味ではありません。
Q4. 数字譜の0は休符ですか?それとも開放弦ですか?
A. 音符位置の0は原則として休符です。一方、運指番号の0は開放弦を意味する場合があります。書かれている位置と楽譜の凡例を確認して判断しましょう。
Q5. 二胡の数字譜を覚えるにはどれくらいかかりますか?
A. 習得期間には個人差があるため、一律には示せません。1~7とドレミの対応は比較的単純ですが、音価、調、運指、運弓を組み合わせて読むには練習が必要です。まずは短い数字譜を正しく読めることを目標にしましょう。
まとめ
二胡の数字譜は、1~7の数字で音階を示し、点や横線などの記号を組み合わせて音の高さや長さを表す楽譜です。
初めて見ると難しく感じるかもしれませんが、それぞれの記号には基本的な役割があります。
重要なポイントを振り返っておきましょう。
- 数字譜の1~7はド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シに対応する
- 数字の上下の点はオクターブの違いを表す
- 1=Dなどの指定によって数字の実音が変わる
- 右の横線は音を伸ばし、下線は音を短くする
- 下線2本は基本的に16分音符
- 右の付点は元の音符の長さを1.5倍にする
- 音符位置の0は原則として休符
- 数字譜の数字と指番号は別の情報
- 内弦・外弦や運弓の指定も確認する
特に大切なのは、音高・リズム・運指・運弓を分けて理解することです。
まずは1~7をドレミで読めるようにし、次に上下の点、音符の長さ、休符を覚えましょう。
その後、短い曲を使いながら、内弦・外弦や指番号、弓の動かし方と結び付けていくと、数字譜を実際の演奏に活かしやすくなります。
焦って難しい曲へ進む必要はありません。
数字譜を見て「どの音を、どれくらいの長さで、どのように演奏するのか」が理解できることが大切です。
まずは短い数字譜を一つ選び、数字をドレミで読むところから始めてみてくださいね。

