二胡のチューニング方法|内弦と外弦の合わせ方を初心者向けに解説

二胡とチューナーを配置し、内弦と外弦のチューニング方法を初心者向けに解説する記事のアイキャッチ画像。 二胡
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二胡を始めたばかりの頃は、「内弦と外弦はどの音に合わせるの?」「チューニングは440Hzと442Hzのどちらが正しいの?」と迷うことがありますよね。

二胡は2本の弦しかありませんが、音合わせには押さえておきたいポイントがあります。特に、弦を間違えて強く張ってしまうと、弦切れにつながることもあるので注意が必要です。

結論から言うと、二胡の基本的なチューニングは内弦D4(レ)・外弦A4(ラ)です。基準ピッチは440Hzを使用できますが、教室や合奏先によっては442Hzが指定されることもあります。

大切なのは、440Hzと442Hzのどちらかを無条件に正解と考えるのではなく、演奏する環境に合った基準を選ぶことです。

そして、チューナーに表示される音名と音の高さを確認しながら、糸巻きを少しずつ動かしていきます。

この記事では、二胡のチューニング方法を初心者向けに解説します。チューナーの設定から、糸巻きの安全な回し方、音が合わないときの対処法まで、順番に確認していきましょう。

この記事でわかること

  • 二胡の内弦D4・外弦A4の正しい音名と周波数
  • 440Hzと442Hzの違いと基準ピッチの選び方
  • 二胡に使えるチューナーの種類と必要な機能
  • チューナーを使った安全な音合わせの手順
  • 木製糸巻きと金属軸糸巻きの違い
  • 弦切れや音程の狂いを防ぐ注意点と対処法
  1. 二胡のチューニングは内弦D・外弦Aが基本
    1. 内弦と外弦の音名・ヘルツ一覧
      1. 内弦と外弦は完全5度の関係
    2. 440Hzと442Hzの違いと選び方
      1. Hz(ヘルツ)は音の高さを表す単位
      2. 440Hzと442Hzの差はどれくらい?
      3. 440Hzと442Hzはどちらを選ぶ?
  2. 二胡のチューニングに必要な道具
    1. 初心者向けチューナーの選び方
      1. クロマチックチューナー
      2. クリップ式チューナー
      3. スマートフォンのチューナーアプリ
      4. 耳で合わせる方法との違い
    2. 440Hz・442Hzの設定方法
      1. 442Hzに設定すると表示はどう変わる?
      2. 440Hz固定のチューナーしかない場合
  3. 二胡のチューニング方法と正しい手順
    1. 外弦A4の音合わせ
      1. 音が低いときの合わせ方
      2. 音が高いときの合わせ方
      3. チューナーの針が中央でも音名を確認
    2. 内弦D4の音合わせ
      1. 内弦と外弦を交互に確認する
    3. チューナーの表示と糸巻きの回し方
      1. チューナーの針が安定しないとき
      2. 木製糸巻きの調整
      3. 金属軸糸巻きの調整
  4. 二胡の調弦で失敗しないための注意点
    1. 弦切れを防ぐ調整とアジャスターの使い方
      1. 弦を切らないために確認したいこと
      2. 微調整アジャスターの使い方
      3. 弦が切れたときの対応
    2. 音が合わない・すぐ狂うときの対処法
      1. 糸巻きを回しても音が変わらない場合
      2. 合わせてもすぐ音が低くなる場合
      3. チューナーの針が安定しない場合
      4. 442Hzに設定したのに元に戻る場合
      5. 開放弦は合っているのに演奏すると音程がずれる場合
      6. 曲の調によって弦の音を変える必要はある?
  5. 二胡のチューニングに関するよくある質問
  6. まとめ

二胡のチューニングは内弦D・外弦Aが基本

二胡の音合わせで最初に覚えたいのは、2本の弦の音名です。

一般的な現代の二胡では、演奏者の体に近い側の内弦をD4(レ)、体から遠い側の外弦をA4(ラ)に合わせます。

内弦は太くて低い音、外弦は細くて高い音を担当します。

この2つの音の関係を理解しておけば、チューナーの表示を確認するときにも迷いにくくなりますよ。

なお、ここで説明するのは一般的な二胡の標準調弦です。特殊な作品や演奏法では異なる調弦を指定される場合もありますが、初心者が通常の曲を練習するときはD4・A4を基本として考えて問題ありません。

内弦と外弦の音名・ヘルツ一覧

二胡には、太くて低い音を出す内弦と、細くて高い音を出す外弦があります。

それぞれの基本的な音名と周波数をまとめると、次のようになります。

項目 内弦 外弦
弦の位置 体に近い側 体から遠い側
弦の太さ 太い 細い
音名 D(レ) A(ラ)
音高 D4 A4
440Hz基準 約293.66Hz 440.00Hz
442Hz基準 約295.00Hz 442.00Hz
対応する糸巻き 通常は上側 通常は下側

ここでいうD4やA4は、音の名前だけでなく、高さも表したものです。

アルファベットのDはレ、Aはラに対応します。そして、数字の4はオクターブの位置を表しています。

例えば、A3とA4は同じ「ラ」ですが、A4の方が1オクターブ高い音になります。

二胡の外弦を合わせるときは、単にAと表示されればよいのではなく、外弦はA4、内弦はD4の高さに合わせることが重要です。

オクターブを取り違えると、正しい音名に見えていても、弦を必要以上に張ってしまう危険があります。

内弦と外弦は完全5度の関係

内弦のD4と外弦のA4は、音楽用語で完全5度という関係にあります。

完全5度とは、12平均律で半音7個分離れた音程のことです。

例えば、Dから数えてD♯、E、F、F♯、G、G♯、Aと進むと、AはDより7半音高い音になります。

バイオリンのD弦とA弦も、同じ音の組み合わせになっています。

ただし、二胡とバイオリンでは楽器の構造や弦の仕様が異なります。開放弦の音高が同じだからといって、弦そのものを共用できるという意味ではありません。

二胡の調弦に慣れてきたら、D4とA4を交互に鳴らし、完全5度の響きを耳でも確認するとよいでしょう。

最初から耳だけで正確に合わせる必要はありません。チューナーで確認した音を繰り返し聴くことも、音程感覚を身につける練習になります。

内弦と外弦を逆に覚えないようにしましょう。

基本の調弦は「内弦がD4、外弦がA4」です。内弦をA4まで強く張ろうとすると、弦切れの危険があります。弦の位置や音名に自信がない場合は、調整する前に確認してください。

440Hzと442Hzの違いと選び方

二胡のチューニングについて調べると、440Hzと442Hzという2つの数字を見かけることがあります。

「二胡は442Hzで合わせるもの」と聞いたことがある方もいるかもしれません。

しかし、442Hzだけが二胡の正しい基準というわけではありません。

440Hzと442Hzは、音合わせの基準となるA4(ラ)の周波数を表しています。

Hz(ヘルツ)は音の高さを表す単位

Hz(ヘルツ)は、1秒間に何回振動するかを表す周波数の単位です。

440Hzなら1秒間に440回、442Hzなら442回の振動に相当します。

音の基本周波数が高くなるほど、一般的に高い音として感じられます。

二胡のチューニングでは、外弦のA4を基準として、ほかの音の高さを決めます。

ここで注意したいのは、二胡の2本の弦を両方440Hzや442Hzにするわけではないという点です。

440Hz基準では外弦A4が440Hz、内弦D4が約293.66Hzになります。

442Hz基準では外弦A4が442Hz、内弦D4が約295Hzになります。

比較項目 440Hz基準 442Hz基準
外弦A4 440.00Hz 442.00Hz
内弦D4 約293.66Hz 約295.00Hz
弦の音名 D4・A4 D4・A4
2弦の音程差 完全5度 完全5度
相対的な音高差 基準 約7.85セント高い

表の周波数は、12平均律に基づく計算値です。

12平均律では、1オクターブを12の等しい音程に分けます。D4はA4より7半音低いため、次の関係で求められます。

D4の周波数=A4の周波数×2の(−7/12)乗

この計算によって、A4が440HzならD4は約293.66Hz、A4が442HzならD4は約295.00Hzとなります。

なお、耳で純正完全5度に合わせる場合は、12平均律による計算値とわずかに異なることがあります。通常の初心者向けチューニングでは、クロマチックチューナーの基準に従って確認すると分かりやすいでしょう。

440Hzと442Hzの差はどれくらい?

440Hzと442Hzの差は、外弦A4で2Hzです。

音程の細かな差を表す単位に「セント」があり、半音が100セントに相当します。

440Hzと442Hzの音高差は約7.85セントです。

半音と比べれば小さな違いですが、合奏では基準ピッチが異なると、音のずれが気になる場合があります。

例えば、伴奏音源が440Hz基準なのに二胡だけ442Hzで調弦すると、同じ音名を演奏しても二胡の音がわずかに高くなります。

そのため、一人で練習するときだけでなく、ほかの楽器と合わせる場面では基準ピッチの統一が大切です。

440Hzと442Hzはどちらを選ぶ?

結論は、基準ピッチは一緒に演奏する相手に合わせることです。

個人練習で特別な指定がなければ、440Hzを使用できます。

一方、二胡教室の先生や所属する楽団が442Hzを指定している場合は、442Hzに設定しましょう。

基準ピッチの選び方

  • 個人練習で指定がない場合:440Hz
  • 先生が440Hzを指定している場合:440Hz
  • 先生が442Hzを指定している場合:442Hz
  • 楽団で演奏する場合:楽団の指定値
  • 伴奏音源に合わせる場合:音源の基準ピッチ
  • ピアノなどと合奏する場合:基準となる楽器の音高

合奏前には、基準ピッチだけでなく、どの楽器を基準として音合わせするのかも確認しておくと安心です。

442Hzは二胡専用の基準ではなく、管弦楽などで採用される場合もあります。

ただし、すべての二胡奏者や中国民族楽団が442Hzに統一しているわけではありません。

また、検索で見かける「二胡 調音 442」「二胡 调音 442」という表現も、二胡の文脈ではA4=442Hzを基準に音合わせする意味で用いられる場合があります。

「调音」は中国語の簡体字表記です。どの言葉で調べた場合でも、まずは内弦D4・外弦A4という標準調弦と、A4の基準周波数を区別して理解しましょう。

二胡のチューニングに必要な道具

二胡の調弦は、基準音を聴きながら耳で合わせる方法もあります。

ただ、初心者のうちは音の高さを正確に判断するのが難しいこともありますよね。

そこで役立つのが、音名と音程のずれを画面で確認できるチューナーです。

特別な二胡専用品でなくても、必要な音を測定できる製品なら使用できます。

二胡の音合わせには、チューナーのほかに楽器本体と弓も必要です。弓で十分に発音できない場合は、弓毛や松脂の状態も確認しておきましょう。

初心者向けチューナーの選び方

二胡に使用するチューナーを選ぶときは、まずクロマチックチューナーに対応しているか確認しましょう。

クロマチックチューナーは、ド・ド♯・レなど、12種類の音名を判別できる機器です。

二胡の内弦D4と外弦A4も検出できるため、正しい音名と音程のずれを確認できます。

主な選択肢には、次のようなものがあります。

種類 特徴 確認したい点
クロマチックチューナー 音名と音程のずれを表示する D4・A4の測定と基準設定
クリップ式チューナー 楽器の振動を検出する製品が多い 二胡への装着のしやすさ
スマートフォンアプリ スマホのマイクなどで音を測定する 442Hzへの変更機能
電子キーボード 基準音を鳴らして比較できる 基準ピッチの設定
音叉・調子笛 耳で基準音に合わせる 音高の聴き分け

クロマチックチューナー

初めてのチューニングなら、音のずれが目でわかるクロマチックチューナーが扱いやすいでしょう。

特に確認しておきたいのは、次の機能です。

  • D4とA4を測定できる
  • 現在の音名を表示できる
  • 基準音より高いか低いかを表示できる
  • 必要な基準ピッチへ変更できる
  • 二胡の演奏音を安定して検出できる

画面の見やすさも大切です。音名と針の位置を同時に確認できれば、どの程度調整すればよいか判断しやすくなります。

442Hzで調弦する予定がある場合は、基準ピッチ変更機能を確認してください。

クリップ式チューナー

クリップ式には、楽器の振動を直接検出する方式の製品が多くあります。

周囲の楽器音や雑音の影響を受けにくい場合があるため、演奏環境によっては便利です。

ただし、二胡はギターなどとは形状が異なります。

棹などに安定して取り付けられるか、十分に振動を検出できるかを確認する必要があります。

クリップを無理に固定すると、楽器の表面に傷を付ける可能性もあります。取り付ける位置や方法は、製品の説明に従ってください。

スマートフォンのチューナーアプリ

スマートフォンのチューナーアプリも、二胡の音合わせに利用できます。

スマートフォンのマイクで音を検出する方式が一般的で、画面に音名や音程のずれを表示します。

ただし、アプリごとに機能が異なります。

無料で使えるアプリでも、基準ピッチの変更やクロマチック表示が利用できるとは限りません。

442Hzを使用する予定がある場合は、設定範囲と変更方法を確認しましょう。

また、マイクへのアクセス許可が必要な場合があります。周囲の音が多い環境では、表示が不安定になることもあります。

耳で合わせる方法との違い

ピアノ、電子キーボード、音叉などで基準音を鳴らし、耳で二胡の弦を合わせる方法もあります。

ただし、音の高さを聴き分ける力が必要です。

初心者の場合は、チューナーを使って正しい音高を確認し、その音を耳でも覚えていく方法が分かりやすいでしょう。

ギター用チューナーでも使える?

ギター用として販売されているチューナーでも、クロマチックモードでD4とA4を検出できれば二胡に使用できます。ただし、ギターの標準弦だけを認識する専用モードでは、適切に表示されないことがあります。

440Hz・442Hzの設定方法

チューナーを準備したら、弦を鳴らす前に基準ピッチを確認しましょう。

基準ピッチの設定機能は、機種によって「CALIB」「CALIBRATION」などと表記されることがあります。

表示される440や442という数字は、一般的にA4の基準周波数を表しています。

440Hzから442Hzに変更する場合の基本手順は、次のとおりです。

  1. チューナーの電源を入れる
  2. クロマチックモードを選択する
  3. 基準ピッチの設定画面を開く
  4. A4の基準値を440から442へ変更する
  5. 表示が442Hzになったことを確認する
  6. 外弦A4と内弦D4を順番に調弦する
  7. 最後に両方の開放弦を再確認する

例えば、KORGのクロマチックチューナーCA-40は、メーカー公式仕様によると、A4=410~480Hzの範囲を1Hz単位で設定できる製品です。

そのため、440Hzと442Hzの両方に対応しています。ただし、これは機能を確認できる製品例であり、現在の販売状況を示すものではありません。

チューナーによっては440Hz固定の製品もあるため、すべての機器で442Hzに変更できるとは限りません。

442Hzに設定すると表示はどう変わる?

一般的なクロマチックチューナーでは、442Hzに変更しても音名はAやDのままです。

変わるのは、その音名が正しい高さになる基準周波数です。

例えば、440Hz設定ではA4が440Hzのときにメーターが中央付近を示します。

442Hz設定では、A4が442Hzのときに中央付近を示すようになります。

つまり、440Hz設定で正しく合わせた弦をそのまま442Hz設定で測定すると、音が少し低いと表示されます。

設定変更だけでは、実際の弦の音は変わらないためです。

442Hzで演奏する場合は、設定を変えたあとで弦の音高も調整してください。

440Hz固定のチューナーしかない場合

440Hz固定のチューナーでも、440Hzを基準とする通常の調弦は行えます。

442Hzが必要な場合は、442Hzへ変更できるチューナーや基準音を利用する方法があります。

理論上は、440Hz基準の表示で約7.85セント高く合わせる方法もありますが、表示精度や読み取りやすさによって調整が難しくなります。

初心者のうちは、必要な基準ピッチを直接設定できる機器の方が分かりやすいでしょう。

チューナーの設定値と弦の周波数は区別しましょう。

442Hzに設定した場合、外弦A4は442Hzですが、内弦D4の目標は約295Hzです。内弦まで442Hzに合わせようとしないでください。

二胡のチューニング方法と正しい手順

ここからは、実際に二胡の弦を合わせる方法を説明します。

基本は、チューナーで現在の音を確認し、糸巻きを少しずつ動かして目標音へ近づけることです。

調弦の前に、弦が正しく張られているか、駒や千斤に目立ったずれがないかも確認しておきましょう。

駒は弦の振動を胴へ伝える部品で、千斤は棹の上部で2本の弦をまとめる部品です。

駒が倒れていたり、千斤の位置が大きく変わっていたりする場合は、自己判断で無理に直さず、指導者や専門家に確認してください。

また、弓毛が2本の弦の間を通っているか、十分に発音できる状態かも確認します。

弓で音が出にくい場合は、弓毛や松脂の状態が影響していることもあります。音が出ないからといって、糸巻きを締め続けないようにしましょう。

今回は初心者にも流れをつかみやすいよう、外弦A4から合わせ、その後に内弦D4を調整する方法を紹介します。

外弦A4の音合わせ

最初に合わせるのは、細くて高い音が出る外弦です。

外弦の目標音はA4(ラ)。440Hz基準なら440Hz、442Hz基準なら442Hzになります。

左手で弦を押さえず、開放弦の状態で音を鳴らします。

二胡の弓毛は2本の弦の間を通っているので、外弦だけが安定して鳴るように弓を動かしましょう。

極端に強い力を加えず、できるだけ一定の速度で弓を動かすと、チューナーの表示を確認しやすくなります。

外弦A4の基本手順

  1. チューナーの基準ピッチを設定する
  2. 外弦を開放弦で鳴らす
  3. 表示された音名を確認する
  4. 目標音より低ければ弦を少し張る
  5. 目標音より高ければ弦を少し緩める
  6. 音を鳴らし直して表示を確認する
  7. A4でメーターが中央付近になるまで微調整する

音が低いときの合わせ方

外弦の音が目標より低い場合は、弦の張力を少しずつ上げます。

このとき、糸巻きを一度に大きく回してはいけません。

少し動かしたら弦を鳴らし直し、チューナーで音高がどの程度変わったか確認します。

目標音に近づくほど調整量を小さくすると、行き過ぎを防ぎやすくなります。

音名がA以外の場合は、まず現在の音がA4より低いのか高いのかを判断する必要があります。

表示が安定しない場合や高さを判断できない場合は、無理に張らず、基準音と比較するなどして確認してください。

音が高いときの合わせ方

外弦の音がA4より高い場合は、弦を少しずつ緩めます。

必要に応じて目標音より少し低いところまで下げ、そこから音高を上げながら合わせる方法もあります。

ただし、どちらの場合も必ず音を確認しながら操作することが重要です。

すでに高すぎる状態なのに、反対方向へ回してさらに張ってしまうと危険です。

チューナーの針が中央でも音名を確認

チューナーの針が左側を示している場合、多くの機種では基準より低い音を意味します。

反対に右側なら、基準より高い状態です。

ただし、表示方式は製品によって異なるので、実際に使う機種の説明書も確認しましょう。

大切なのは、針の位置だけでなく音名も見ることです。

例えば、A4に合わせたいのにG♯が表示されている状態で針が中央になっていても、調弦は完了していません。

まずA4の高さまで近づけ、その後に細かいずれを調整します。

また、チューナーにAと表示されていても、A3やA5など、異なるオクターブを検出していないか注意してください。

内弦D4の音合わせ

外弦A4が合ったら、次は太くて低い音が出る内弦を調弦します。

内弦の目標音はD4(レ)です。

440Hz基準では約293.66Hz、442Hz基準では約295Hzになります。

外弦と同じように、左手で弦を押さえず、内弦だけを鳴らしましょう。

内弦D4の基本手順

  1. 内弦を開放弦で鳴らす
  2. チューナーに表示された音名を確認する
  3. D4より低い場合は少しずつ張る
  4. D4より高い場合は少しずつ緩める
  5. D4の表示になるまで調整する
  6. メーターが中央付近になるように微調整する
  7. 最後に外弦A4をもう一度確認する

内弦D4は外弦A4より完全5度低い音です。

外弦の方が高く、内弦の方が低いという関係は、440Hzでも442Hzでも変わりません。

ここで間違えやすいのが、442Hzに設定したからといって内弦まで442Hzに合わせようとすることです。

442Hz基準では、内弦D4の目標周波数は約295Hzです。

内弦と外弦を同じ周波数に合わせると、二胡の標準調弦ではなくなってしまいます。

内弦と外弦を交互に確認する

内弦を合わせたら、2本の弦を交互に鳴らして確認しましょう。

内弦D4から外弦A4へ移ると、完全5度高い音になります。

最初は耳だけで判断する必要はありません。両方の弦をチューナーで確認することが大切です。

チューナーを使って正しい状態を確認したうえで、2本の音の違いを聴き比べると、音程の関係を少しずつ理解しやすくなります。

なお、調弦する順番は必ず外弦からでなければならないわけではありません。

内弦Dから合わせる方法もあります。指導者から手順を指定されている場合は、その方法に従って問題ありません。

調弦が終わったら両方の弦を再確認

外弦A4と内弦D4を合わせたあと、もう一度両方の開放弦を鳴らしてみましょう。糸巻きの状態や弦の張力が落ち着く過程で、最初に合わせた音がわずかに変化する場合があります。

チューナーの表示と糸巻きの回し方

二胡のチューニングで難しく感じやすいのが、チューナーの表示を読みながら糸巻きを操作する部分です。

まず、チューナーでは次の3点を確認します。

  1. 音名がDまたはAになっているか
  2. 目標とするオクターブの高さか
  3. 音程のずれを示す針やバーが中央付近か

チューナーには、♯(シャープ)や♭(フラット)が表示される機種もあります。

シャープは半音高い音、フラットは半音低い音を表す記号です。

例えば、D♯とDは別の音名です。表示がD♯になっている場合は、内弦D4の調弦が完了しているわけではありません。

また、セント表示がある機種では、基準音に一致すると0セント付近になります。

プラスは高い方向、マイナスは低い方向のずれを意味します。

チューナーの針が安定しないとき

針が激しく動く場合は、弓の速度が安定していなかったり、周囲の音や倍音を拾っていたりする可能性があります。

まずは静かな場所で1本の弦だけを鳴らし、表示が落ち着くか確認してください。

弓を動かす速度や圧力が大きく変わると、発音が不安定になることがあります。

また、弓が別の弦に触れている場合も、測定したい音が正確に検出されない可能性があります。

音が安定したところで表示を読み、必要に応じて機器の設置位置も調整しましょう。

木製糸巻きの調整

二胡には、木製の摩擦式糸巻きを使用したものがあります。

木製糸巻きは、回転と摩擦によって弦の張力を保持する構造です。

調整するときは、必要に応じて糸巻きを適切に押し込みながら回します。

押し込みが不足すると、糸巻きが戻って音程が下がることがあります。

一方で、強く押し込みすぎたり、動かない糸巻きを無理に回したりすることも避けましょう。

一般的な構造では、内弦と外弦で弦を巻き取る方向が逆になる場合があります。

ただし、時計回り・反時計回りという説明は、楽器をどちら側から見ているかによって変わります。

そのため、回転方向だけを丸暗記するのは避けた方が安全です。

少し回して音が高くなるか低くなるか確認することを基本にしてください。

金属軸糸巻きの調整

金属軸の機構を持つ二胡では、木製の摩擦式とは調整方法が異なることがあります。

押し込み操作が必要ないタイプや、内弦と外弦を同じ方向へ回して調整する構造の製品もあります。

ただし、すべての金属軸糸巻きが同じ仕組みではありません。

使用している二胡の構造と指定された操作方法を確認してください。

比較項目 木製糸巻き 金属軸糸巻き
基本構造 摩擦式 機械式など
張力の保持 木軸の摩擦 機構による
押し込み 通常必要 不要なタイプもある
微調整 慣れが必要 比較的容易な製品がある
回転方向 内外弦で逆の場合がある 同方向の場合がある

木製と金属軸のどちらが必ず優れているというわけではありません。

調整のしやすさや音程の保持性能は、各製品の構造や状態によって異なります。

糸巻きは必ず少しずつ動かしましょう。

回転方向がわからないまま強く締めるのは危険です。大きな抵抗を感じる場合や、音高が予想どおりに変化しない場合は、無理に操作を続けないでください。

二胡の調弦で失敗しないための注意点

二胡の調弦では、正しい音に合わせることと同じくらい、安全に操作することが大切です。

特に初心者のうちは、音程が合わないからといって糸巻きを大きく回してしまうことがあります。

しかし、弦の張力を急激に変えることは、弦切れや楽器への負担につながります。

弦切れを防ぐための基本的な考え方と、音が合わないときの確認方法を知っておきましょう。

弦切れを防ぐ調整とアジャスターの使い方

二胡の弦は、張力を上げるほど音が高くなります。

ただし、強く張れば張るほどよい音になるわけではありません。

目標よりも高く張りすぎると、弦が切れたり、楽器に負担がかかったりする可能性があります。

特に注意したいのが、音名のオクターブを取り違えることです。

音名 周波数 二胡の基本調弦
D3 約146.83Hz 対象外
D4 約293.66Hz 内弦の目標
D5 約587.33Hz 対象外
A3 220Hz 対象外
A4 440Hz 外弦の目標
A5 880Hz 対象外

この表は、A4=440Hzを基準とした12平均律の数値です。

内弦をD5、外弦をA5に合わせようとしてはいけません。

音が大きくずれているときほど、現在の音名と高さを慎重に確認してください。

弦を切らないために確認したいこと

まず、弦に錆び、ほつれ、変形などがないか確認しましょう。

弦が傷んでいる場合は、正常な調弦でも切れる危険が高くなることがあります。

弦の巻き付け部分や金具との接触部分に問題がないかも確認してください。

また、調整するときは次の点を守ることが大切です。

  • 現在の音名を確認してから動かす
  • 少し動かすたびに音を鳴らし直す
  • 目標音に近づいたら調整幅を小さくする
  • 高すぎる音をさらに張らない
  • 糸巻きが動かないときは無理に力をかけない
  • 弦の状態に異常があれば作業を中断する

特に、チューナーの表示が正しく読めない状態で締め続けるのは避けましょう。

微調整アジャスターの使い方

木製糸巻きの二胡では、弦の微調整をしやすくするためにアジャスターを使用する場合があります。

アジャスターは、弦の張力を細かく調整するための補助部品です。

基本的な使い方は、まず糸巻きで目標音の近くまで合わせ、残った小さなずれをアジャスターで調整するというものです。

例えば、外弦A4の音名は合っているものの、チューナーの針が少し左にある場合、対応するアジャスターで細かく調整できることがあります。

ただし、アジャスターの調整範囲には限界があります。

大まかな調弦は糸巻き、細かな調整はアジャスターと役割を分けて考えましょう。

大幅に音がずれているときは、アジャスターだけで無理に合わせようとせず、糸巻きによる調整が必要です。

また、取り付け位置や方向は製品によって異なります。

千斤より上側に取り付けるタイプもありますが、すべての二胡用アジャスターが同じ方式とは限りません。

二胡に適合する製品を選び、取り付け方法がわからない場合は指導者や専門家に確認しましょう。

弦が切れたときの対応

弦が切れた場合は、無理に演奏を続けないでください。

切れた弦の先端でけがをしないよう注意し、二胡に適した交換弦を使用します。

交換するときは、内弦と外弦を取り違えないことが重要です。

新しい弦を取り付けたあとは、急激に張らず、音高を確認しながら少しずつ目標音へ近づけます。

巻き付け部分が落ち着くまで音程が変化する場合もあるため、交換直後は複数回確認しましょう。

安全なチューニングの基本

  • 必ず開放弦で音を確認する
  • 糸巻きを一気に回さない
  • D4とA4のオクターブを間違えない
  • 目標音に近づいたら調整量を小さくする
  • 弦に傷みや異常があれば無理に張らない

音が合わない・すぐ狂うときの対処法

チューニングしているのに音が合わない、合わせてもすぐ狂ってしまう。そんなときは、必ずしも調弦の操作だけに原因があるとは限りません。

症状によって確認する場所が変わるので、順番に見ていきましょう。

糸巻きを回しても音が変わらない場合

まず、調整している糸巻きが対象の弦につながっているか確認してください。

二胡では通常、上側の糸巻きが内弦、下側の糸巻きが外弦に対応しています。

ただし、楽器の構造によって例外も考えられるため、実際に弦のつながりを確認することが確実です。

弦が糸巻き部分で滑っている場合や、チューナーが音を正しく検出していない場合もあります。

音が変わらないからといって、さらに強く締めることは避けましょう。

合わせてもすぐ音が低くなる場合

木製糸巻きが戻ってしまったり、弦の巻き付け部分が緩んでいたりする可能性があります。

木製糸巻きでは、適切な押し込みによって張力を保持する構造が一般的です。

また、新しく交換した弦は、巻き付け部分が落ち着くまで音程が変化する場合があります。

調弦後にもう一度音を確認し、繰り返し大きく狂う場合は楽器の状態を点検してもらいましょう。

チューナーの針が安定しない場合

弓の速度や圧力が一定でなかったり、周囲の楽器音を拾っていたりすることが考えられます。

まず静かな場所で、対象の弦を安定して鳴らしてください。

スマートフォンアプリを使っている場合は、マイクの位置や使用許可の設定も確認してみましょう。

また、倍音を誤って検出している可能性もあります。

倍音とは、弦が振動するときに基本となる音と一緒に生じる高い周波数の成分です。

チューナーが倍音を強く拾うと、実際の開放弦とは異なる音名やオクターブが表示される場合があります。

こうした場合は、一度弓を止め、対象の弦だけを安定して鳴らし直して確認しましょう。

442Hzに設定したのに元に戻る場合

チューナーによっては、電源を切ったときに設定が保存されない場合があります。

また、電池交換やアプリの設定変更などによって、基準ピッチが初期値に戻る可能性もあります。

特に合奏前は、音合わせのたびに440Hzまたは442Hzの設定を確認すると安心です。

442Hzへ変更したはずなのに音が合わない場合は、弦を動かす前にチューナーの設定画面を再確認してください。

開放弦は合っているのに演奏すると音程がずれる場合

これは、チューニングとは別の問題かもしれません。

二胡にはバイオリンのような指板がなく、左手で弦を押さえる位置によって音程が変わります。

そのため、開放弦を正しくD4とA4に合わせても、指の位置がずれれば演奏中の音程も変化します。

また、千斤の位置が変わっている場合も、弦の位置や演奏時の音程感に影響することがあります。

開放弦の調弦と演奏中の音程は別の問題として考えることが大切です。

曲の調によって弦の音を変える必要はある?

通常の二胡では、曲の調性が変わっても開放弦はD4・A4のままです。

二胡では数字譜がよく使用されますが、数字譜の「1」は曲の調によって異なる音に対応します。

例えば、D調なら内弦Dが「1」、外弦Aが「5」に対応します。

G調では、内弦Dは低い「5」、外弦Aは「2」に対応します。

これは開放弦を調弦し直すという意味ではありません。

曲の調によって、主に数字譜の読み方や左手の運指が変わるということです。

特殊な調弦が指定された作品では、その指示に従ってください。

曲の調が変わっても通常は調弦を変えません。

例えば「1=G」と書かれていても、内弦をGに調弦するという意味ではありません。通常は内弦D4・外弦A4のまま、曲の調に合わせて数字譜を読み、運指を変えます。

なお、何度調整しても音程が安定しない場合や、糸巻き・千斤・駒に異常がある場合は、無理に作業を続けないことが大切です。

正確な取り扱い方法は楽器や部品の公式説明を確認し、判断が難しいときは二胡を習える音楽教室の指導者や楽器の専門家に相談してください。

二胡のチューニングに関するよくある質問

最後に、二胡の音合わせについて初心者が迷いやすい疑問をまとめました。

440Hzと442Hzの使い分けや、チューナーの選び方など、よくあるポイントを確認しておきましょう。

Q1. 二胡のチューニングは440Hzと442Hzのどちらが正しいですか?

A. どちらも使用できます。個人練習で特別な指定がなければ440Hzを基準にできますが、先生や楽団から442Hzを指定されている場合は、その基準に合わせましょう。

440Hzと442Hzの違いは、A4の基準周波数です。どちらを選んでも、内弦D4・外弦A4という基本的な音名は変わりません。

Q2. 二胡を442Hzで調弦すると、内弦も442Hzに合わせるのですか?

A. いいえ。442Hzは外弦A4の基準周波数です。

442Hzを基準にする場合、外弦A4は442Hz、内弦D4は12平均律で約295Hzになります。2本の弦を同じ周波数に合わせるわけではありません。

Q3. 二胡のチューニングはスマートフォンでもできますか?

A. 対応するチューナーアプリを使えば可能です。

D4とA4を検出できるクロマチック表示に対応していることを確認しましょう。442Hzで調弦したい場合は、基準ピッチを変更できる機能も必要です。

スマートフォンのマイクで音を検出する場合は、静かな場所で1本ずつ弦を鳴らすと測定しやすくなります。

Q4. 二胡のチューニングは毎日行う必要がありますか?

A. 毎回必ず糸巻きを動かす必要はありませんが、演奏前には音程を確認することが基本です。

温度変化や弦の状態などによって音程が変わる場合があります。開放弦がすでに正しい音に合っていれば、無理に調整する必要はありません。

練習前にD4とA4をチューナーで確認する習慣をつけるとよいでしょう。

Q5. チューナーの針が中央なのに音が合わないのはなぜですか?

A. 目標とは違う音名で中央になっている可能性があります。

内弦ならD4、外弦ならA4が表示されているか確認してください。また、チューナーの基準ピッチが伴奏や合奏先と一致しているかも重要です。

開放弦が正しく合っているのに演奏時の音程がずれる場合は、左手の押弦位置なども確認しましょう。

まとめ

二胡のチューニングは、2本の弦の音名と基準ピッチを理解すれば、初心者でも手順を整理しやすくなります。

今回の重要なポイントをまとめます。

  • 二胡の基本的な調弦は内弦D4(レ)・外弦A4(ラ)
  • 440Hz基準では内弦が約293.66Hz、外弦が440Hz
  • 442Hz基準では内弦が約295Hz、外弦が442Hz
  • 基準ピッチは先生・楽団・伴奏音源に合わせて選ぶ
  • クロマチックチューナーを使うと音名と音高を確認しやすい
  • 糸巻きは一気に回さず、音を確かめながら少しずつ調整する
  • 最後に両方の開放弦をもう一度確認する

特に大切なのは、440Hzと442Hzのどちらかだけが正解だと思い込まないことです。

一人で練習するときと、ほかの楽器に合わせて演奏するときでは、適切な基準が異なる場合があります。

また、チューニングをするときは、音名だけでなくオクターブと基準ピッチも確認してください。

まずは内弦D4・外弦A4を確実に覚え、チューナーで音名を確認しながら、安全に調弦する習慣を身につけていきましょう。

正しい音合わせができるようになると、その後の音程練習にも取り組みやすくなりますよ。

二胡
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この記事を書いた人 音高卒バンドマン
音高卒バンドマン

音楽高校を卒業後、ベーシストとしてバンド活動を経験♪

音楽を新しく始めたい方が気軽に楽しめるよう、楽器選びや音楽教室について分かりやすく発信しています。