エレキベースのチューニング方法と音合わせの基本|入門ガイド

チューニングは最初の練習であり毎日の正しい音が音感を育てることを示したスライド ベース
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エレキベースを買って初めて音を出そうとしたとき、「どの弦を何の音に合わせればいいの?」「ペグはどちらに回すの?」と迷いますよね。

チューナーを取り付けて弦を鳴らしてみても、針が左右に動き続けたり、EにしたいのにDやFが表示されたりすると、「自分のやり方が間違っているのかな」と不安になるかもしれません。

うん、その感覚はかなり自然です。

エレキベースのチューニングは、慣れている人が何気なく行っているため簡単そうに見えますが、初心者には弦番号、音名、ペグの方向、チューナーの表示など、最初に覚えることがいくつかあります。

でも、基本の順番さえ理解すれば、決して難しい作業ではありません。

一般的な4弦ベースなら、太い弦からE・A・D・Gの4音へ合わせます。

日本語の音名で言うと、太い弦からミ・ラ・レ・ソです。

私は音楽高校で音程や聴音を学び、その後はベーシストとしてバンド演奏を続けてきましたが、練習の質を支えるのは難しい音楽理論だけではありません。

むしろ初心者の時期ほど、毎回きちんと音を合わせ、正しい音を耳に入れながら練習する習慣が大切です。

チューニングは、上手な人だけが細かく気にする作業ではなく、初心者が最初に覚える基本動作です。

正しいフレットを押さえていても、開放弦の音がずれていれば、曲や伴奏とは合いません。

反対に、毎回正しくチューニングしてから練習すれば、自分が出している音の違いに気づきやすくなり、独学でも上達を実感しやすくなります。

この記事では、エレキベースのチューニング方法を、標準となる音、チューナーの設定、ペグの回し方、表示の読み方、音が合わないときの対処まで順番に解説します。

初めてベースを手にした人でも、記事を読みながら1本ずつ合わせられるように説明していきますよ。

  • 4弦・5弦・6弦ベースの標準的な音
  • チューナーの設定と表示の読み方
  • ペグを回して音を合わせる手順
  • 音程が安定しない原因と対処法

先に結論

一般的な4弦エレキベースは、太い弦からE・A・D・Gへ合わせます。

チューナーをA=440Hzに設定し、1本ずつ弱めに鳴らして、音名とメーターの中央を確認すれば大丈夫です。

音が低いときは弦を少し張り、音が高いときは少し緩めます。

すべての弦を合わせた後は、最初のE弦からもう一度確認しましょう。

  1. エレキベースの標準チューニング
    1. 4弦・5弦・6弦の基本音
      1. 5弦ベースは低いBを加える
      2. 6弦ベースは高いCも加わる
  2. チューナーを使う前の準備
    1. 基準ピッチはA=440Hz
      1. チューナーの種類を確認する
    2. BASSとクロマチックの違い
      1. 変則チューニングでは音名を見る
  3. チューニングの正しいやり方
    1. 太い弦から1本ずつ合わせる
      1. ペグは少しだけ回す
      2. 低い側から目標音へ近づける
      3. 最後に全弦を確認する
    2. 音名とメーターを確認する
      1. メーターの左右が示す意味
      2. 別の音名が出た場合
      3. 1オクターブ高くしない
  4. 音を正確に合わせるコツ
    1. 弱めに弾いて余韻を読む
      1. 何度も短く弾かない
      2. 弾く位置を変える
      3. ケーブル接続時の設定
    2. 鳴らさない弦をミュートする
      1. 右手と左手を使い分ける
      2. クリップ式の取り付け位置
      3. アンプの音は消してもよい
  5. 合わないときの原因と対処
    1. ハーモニクスで反応を安定
      1. ハーモニクスの出し方
      2. ハーモニクスでも安定しない場合
      3. 5フレットで相対的に確認する
    2. 弦やペグの状態を確認する
      1. 新しい弦は伸びやすい
      2. 古い弦は音程が不安定になる
      3. 弦の巻き方を確認する
      4. ナットに弦が引っかかる
      5. ペグや固定部品の緩み
      6. 押さえた音だけずれる
      7. 温度の変化でも音はずれる
    3. 練習前に毎回確認する習慣
      1. 音感を育てるためにも必要
      2. 曲に合わせる前に確認する
      3. 録音やバンド練習では再確認する
      4. 毎回同じ順番で行う
    4. エレキベースのチューニングに関するよくある質問(FAQ)

エレキベースの標準チューニング

最初に覚えたいのは、自分が使っているベースの各弦を何の音に合わせるかです。

一般的な4弦、5弦、6弦ベースは、基本となる音の並びがほぼ決まっています。

曲によっては半音下げやドロップDなどの変則的なチューニングも使われますが、初心者はまず標準チューニングを確実に覚えましょう。

標準チューニングを覚えておけば、教則本、動画教材、バンドスコアなどの多くを、そのままの設定で練習できます。

また、変則チューニングへ変更するときも、標準のE・A・D・Gを基準にすると、どの弦をどれくらい下げるのか判断しやすくなります。

4弦・5弦・6弦の基本音

4弦ベースを太い方からE・A・D・Gのミ・ラ・レ・ソに合わせる図一般的な4弦エレキベースは、演奏する姿勢で構えたときの上側にある太い弦から、E・A・D・Gへ合わせます。

日本語の音名では、太い弦からミ・ラ・レ・ソです。

ベースを膝の上に置いて構えたとき、自分の顔に近い側が太いE弦、床に近い側が細いG弦になります。

ここで混乱しやすいのが、弦を数える順番です。

ベースの弦番号は細い方から数えるため、最も細いG弦が1弦、最も太いE弦が4弦になります。

つまり、チューニングの説明で「太い方からE・A・D・G」と言うときは、弦番号では4弦、3弦、2弦、1弦の順に並んでいるわけです。

標準音 日本語の音名 周波数の目安 見分け方
4弦・最も太い弦 E1 約41.20Hz 最も低く太い音
3弦 A1 55.00Hz E弦より少し細い
2弦 D2 約73.42Hz 高音側から2本目
1弦・最も細い弦 G2 約98.00Hz 最も細く高い音

周波数は音の高さを数字で表したもので、上の数値は一般的な目安です。

数値が小さいほど低い音になり、数値が大きいほど高い音になります。

ベースのE弦は約41.20Hzとかなり低いため、スマートフォンのマイクや低音に対応していないチューナーでは、反応が遅くなることがあります。

ただし、通常のチューニングでは周波数を暗記する必要はありません。

チューナーに表示されるE・A・D・Gを見て、針やメーターを中央に合わせれば問題ありません。

エレキベースの仕組みやギターとの違いから確認したい人は、エレキベースの基礎知識を初心者向けに解説した記事も参考にしてください。

5弦ベースは低いBを加える

一般的な5弦ベースは、4弦ベースの太い側に、さらに低いB弦を加えた構成です。

太い弦から並べると、B・E・A・D・Gになります。

日本語の音名では、シ・ミ・ラ・レ・ソです。

5弦ベースでも、E・A・D・Gの4本は4弦ベースと同じ音へ合わせます。

そのため、4弦ベースから5弦ベースへ持ち替えた場合も、追加されたB弦だけを新しく覚えれば、基本的な考え方は変わりません。

最も太いB弦は約30.87Hzと非常に低く、耳だけでは音程を判断しにくいことがあります。

スマートフォンのマイクやギター向けのチューナーでは、表示が動かない、別の音名が出る、針が大きく揺れるといったこともあります。

その場合は、後ほど解説する12フレットのハーモニクスを使うと認識されやすくなります。

なお、一部の5弦ベースには、低いB弦ではなく、高いC弦を追加したE・A・D・G・Cの仕様もあります。

中古ベースや特殊なモデルを使っている場合は、現在張られている弦の太さやメーカーの仕様も確認してください。

6弦ベースは高いCも加わる

一般的な6弦ベースは、5弦ベースの高音側にC弦を加えた構成です。

太い弦から、B・E・A・D・G・Cへ合わせます。

弦番号では、最も細いC弦が1弦、G弦が2弦、D弦が3弦、A弦が4弦、E弦が5弦、最も太いB弦が6弦です。

低音だけでなく高音域も広がるため、コード演奏、ソロ演奏、複雑なフレーズでも使いやすい構成です。

ただし、弦が増えるほど、チューニング中に鳴らしていない弦が共振しやすくなります。

6弦ベースを合わせるときは、鳴らす弦以外へ右手や左手を軽く触れ、余計な音をしっかり止めることが大切です。

5弦や6弦には標準とは異なる弦の並びを使うモデルもあるため、購入した楽器の仕様や弦の種類も確認してください。

弦数ごとの特徴や初心者との相性は、4弦・5弦・6弦ベースの違いを整理した記事で詳しく確認できます。

覚え方は「太い方からミ・ラ・レ・ソ」

アルファベットが覚えにくい間は、4弦から「ミ・ラ・レ・ソ」と声に出して確認すると覚えやすいですよ。

チューナーにはアルファベットが表示されるため、E=ミ、A=ラ、D=レ、G=ソの組み合わせも少しずつ覚えましょう。

毎回同じ順番で合わせていると、数日から数週間ほどで自然に口から出るようになります。

チューナーを使う前の準備

基準ピッチAイコール440HzとBASS・CHROMATICモードの違いを示した比較表チューナーを取り付けてすぐに弦を鳴らす前に、設定と接続状態を確認します。

チューナーの設定が間違っていると、メーターの中央へ合わせても、曲やほかの楽器とは音がずれてしまいます。

特に確認したいのは、基準ピッチ、チューニングモード、ベース本体の音量、チューナーの取り付け位置です。

準備にかかる時間はわずかですが、ここを飛ばすと「何度合わせても曲と合わない」という状態になりやすいんですよね。

まずはチューナーの画面を落ち着いて確認し、通常の設定になっていることを確かめましょう。

基準ピッチはA=440Hz

一般的な練習では、チューナーの基準ピッチをA=440Hzに設定します。

チューナーの画面には、「440」「CAL 440」「A4 440」などと表示されることがあります。

A=440Hzとは、中央付近にあるラの音を440Hzとする基準です。

ベースのA弦自体を440Hzに合わせるという意味ではありません。

ベースの開放A弦はA1なので55Hzですが、同じAという音名の仲間として、A=440Hzの基準をもとに計算されています。

少しややこしく感じるかもしれませんが、初心者の間は「チューナーの設定画面を440にする」と覚えれば十分です。

基準ピッチを変更できない簡易的なチューナーは、最初から440Hzに固定されていることもあります。

一方、基準を変更できる機種では、ボタンを長押ししたり、電源を入れるときに別のボタンへ触れたりすると、意図せず438Hzや442Hzへ変わることがあります。

弦同士はきれいに合っているのに、動画や伴奏と一緒に弾くと全体がずれて聞こえる場合は、基準ピッチを確認してください。

KORGのチューナー取扱説明書でも、基準ピッチの初期設定としてA4=440Hzが示されています。

(出典:KORG「PitchCrow-G Owner’s Manual」)

440Hz以外を使う場面もあります

吹奏楽、オーケストラ、録音現場などでは、演奏する団体や曲によって別の基準ピッチが指定されることがあります。

ピアノや管楽器など、その場で基準になる楽器に合わせる場合もあります。

特別な指定がある場合は、その場の責任者やほかの楽器に合わせてください。

指定が分からない通常の個人練習では、A=440Hzで問題ありません。

【ちょっと雑学】
合奏の授業で習ったのですが、吹奏楽ではA4=442Hzにしています。
442Hzにすると全体的に音が明るい感じになるんです♪
A=440Hz、A=442Hz同じ曲の比較音源を聞いたのですが結構違うものです。
たった2Hzですが不思議です。

チューナーの種類を確認する

エレキベースのチューニングには、クリップ式、ペダル式、ケーブル接続式、スマートフォンアプリ、アンプやマルチエフェクターの内蔵機能などを使えます。

どれを使っても基本的な目的は同じですが、音を読み取る方法と使いやすい場面が異なります。

初心者が自宅で使うなら、ベースのヘッドへ取り付けるクリップ式チューナーが手軽です。

クリップ式は楽器本体の振動を読み取るため、アンプやシールドケーブルを用意しなくても使えます。

専用のチューナーを持っていない人は、低いE弦や5弦ベースにも対応したベース対応のクリップ式チューナーを選ぶと使いやすいです。

テレビや会話の音がある部屋でも、マイク式よりは周囲の音の影響を受けにくいのが特徴です。

ただし、取り付け位置によって反応が変わることがあるため、表示が安定しないときはヘッドの先端、中央、裏側などへ少し動かしてみてください。

ライブやスタジオでは、電気信号を直接読み取るペダルチューナーの方が周囲の音に影響されにくく、足元で操作できて便利です。

チューナーを作動させたときにアンプへの音を消せる機種なら、ライブの曲間でも客席へ調整音を出さずにチューニングできます。

バンド練習やライブで使う予定がある人は、チューニング中の出力を消せるベース対応のペダルチューナーも候補になります。

スマートフォンのアプリでも合わせられますが、低いE弦やB弦をうまく認識できないことがあります。

特にテレビ、エアコン、話し声などがある場所では、別の音を拾って表示が変わることがあります。

アプリを使う場合は静かな部屋で、スマートフォンをベースやアンプの近くへ置きましょう。

チューナーの種類 音の読み取り方 向いている場面 主な注意点
クリップ式 本体の振動 自宅練習・持ち運び 取り付け位置で反応が変わる
ペダル式 ケーブルの電気信号 ライブ・スタジオ 電源とケーブルが必要
ハンディー式 マイクまたはケーブル 自宅・楽器の確認 機種により低音の対応範囲が違う
スマホアプリ スマートフォンのマイク 一時的な確認 周囲の音を拾いやすい
内蔵チューナー アンプや機材の入力信号 普段使う機材での練習 操作方法が製品ごとに異なる

初心者セットに入っているチューナーや機材の違いを確認したい人は、エレキベース初心者セットの選び方も参考になります。

BASSとクロマチックの違い

チューナーには、「BASS」「GUITAR」「CHROMATIC」などのモードが用意されていることがあります。

標準的な4弦や5弦ベースを合わせるだけなら、BASSモードが分かりやすいでしょう。

BASSモードでは、音名ではなく「4E」「3A」のように、弦番号と音名が表示される機種もあります。

ベース専用の弦番号で表示されるため、「どの弦を合わせているのか分からなくなった」という初心者にも使いやすいモードです。

一方、クロマチックモードは、入力された音に最も近い音名を12音すべてから表示します。

標準チューニングだけでなく、半音下げやドロップDなどの変則チューニングにも対応しやすいモードです。

クロマチックモードでは、目的の音から大きく外れているとD♯やFなど別の音名が表示されます。

最初は難しく見えるかもしれませんが、音名の変化を確認しながら少しずつペグを回せば大丈夫です。

モード 主な表示 向いている使い方 初心者の使いやすさ
BASS 弦番号や標準音 4弦・5弦の標準チューニング 分かりやすい
CHROMATIC 最も近い音名 標準・半音下げ・ドロップ系 慣れると便利
GUITAR ギターの弦番号 基本的にはエレキギター用 ベースでは避ける

ベースをGUITARモードで合わせようとすると、低い音域を正しく認識しなかったり、弦番号の表示が合わなかったりする場合があります。

ギターとベースでは共通する音名もありますが、実際の高さは異なるため、ベースではBASSまたはCHROMATICを選んでください。

機種によって名称や対応する音域が異なるため、反応しないときは取扱説明書も確認しましょう。

変則チューニングでは音名を見る

半音下げチューニングでは、4弦ベースをE♭・A♭・D♭・G♭へ合わせます。

チューナーによっては、E♭がD♯、A♭がG♯、D♭がC♯、G♭がF♯と表示されることがあります。

表記は違いますが、同じ高さの音なので問題ありません。

ドロップDでは、E弦だけを1音下げてD・A・D・Gにします。

ほかのA・D・G弦は標準チューニングのままです。

BASSモードが標準音しか認識しない機種では、変則チューニングに対応できない場合があります。

その場合はクロマチックモードへ切り替え、目的の音名を一つずつ確認しましょう。

なお、1音以上大きく下げると弦の張りが弱くなり、音がぼやけたり、フレットへ当たりやすくなったりする場合があります。

太い弦への交換や楽器の調整が必要になることもあるため、頻繁に低いチューニングを使う場合は楽器店へ相談すると安心です。

◆音高卒バンドマンのワンポイントアドバイス

初心者のうちは、BASSモードで基本のE・A・D・Gを覚え、慣れてきたらクロマチックモードを使う流れが分かりやすいです。

最初から半音下げやドロップ系まで一度に覚えようとしなくて大丈夫ですよ。

まずは標準チューニングを迷わずできる状態を目指してください。

チューニングの正しいやり方

弦を弱く鳴らして表示を確認しペグを少しずつ回すチューニングの基本ループここからは、実際にチューナーを使って音を合わせる手順を説明します。

大切なのは、弦を1本ずつ鳴らし、音名を合わせてからメーターを中央へ動かすことです。

ペグを大きく回さず、表示の変化を見ながら少しずつ調整しましょう。

初めて行うときは、ベースを椅子に座って安定させ、ヘッドとチューナーの画面が見やすい姿勢を作ると安心です。

立ったまま行う場合はストラップを使い、ペグを回すときにベースを落とさないようにしてください。

太い弦から1本ずつ合わせる

4弦ベースでは、最も太い4弦のEからチューニングを始めます。

フレットは何も押さえず、開放弦の状態で鳴らしてください。

左手でフレットを押さえると、押さえた場所に応じて音が高くなるため、標準チューニングにはなりません。

4弦を鳴らしたとき、チューナーにEと表示される状態を目指します。

E弦が合ったら、3弦のA、2弦のD、1弦のGという順番で進みます。

太い弦から順に進める決まりが絶対にあるわけではありませんが、毎回同じ順番で行うと弦を飛ばしにくく、確認漏れも減らせます。

4弦ベースのチューニング手順

4弦=E、3弦=A、2弦=D、1弦=Gの順番で合わせます。

各弦はフレットを押さえず、開放弦を1本ずつ鳴らします。

すべて合わせたら、もう一度4弦のEへ戻って確認します。

ペグは少しだけ回す

ヘッドに付いているペグを回すと、弦の張りが変わります。

弦を張ると音は高くなり、緩めると音は低くなります。

ただし、ペグを回す方向は、ヘッドの形やペグの取り付け方によって異なります。

4個のペグが片側に並ぶタイプと、左右に分かれているタイプでは、見た目上の回転方向が違って見えることもあります。

「時計回りなら必ず音が高くなる」と暗記しない方が安全です。

弦を鳴らした状態でペグをほんの少し動かし、チューナーの表示が高い方と低い方のどちらへ動くか確認してください。

画面の針が右へ動けば音が高くなり、左へ動けば音が低くなったと判断できます。

目的の音から大きく離れている場合でも、一気に何周も回すのは避けましょう。

ペグを大きく回すと、目的の音を通り過ぎたり、別のオクターブへ近づいたりする可能性があります。

特に細いG弦を必要以上に高く張ると、弦が切れたり、強い音と一緒に跳ねたりする可能性があります。

顔をヘッドへ近づけすぎず、弦の正面を避けながら調整してください。

低い側から目標音へ近づける

音が高い場合はいったん目標より低く緩めてから中央まで上げる手順音が目標より高くなった場合は、一度少し低いところまで緩めてから、改めて張りながら目標音へ近づけると安定しやすくなります。

例えばE弦が少し高い場合は、いったんEより低い側まで緩め、そこから再び少しずつ音を上げます。

高い側からペグを緩めて止めただけでは、ペグやナット付近に残った緩みが、演奏中に動くことがあります。

その結果、合わせた直後は中央だったのに、弾き始めると音が低くなることがあります。

目標より少し低い音から、ゆっくり音を上げて中央で止めるのが基本です。

中央へ近づいたら、ペグを回す幅をさらに小さくしてください。

ほんの少し動かすだけでも、細い弦では音程が大きく変わる場合があります。

ただし、特殊なペグやロック機構を持つモデルは操作方法が異なる場合があるため、正確な情報は公式サイトや取扱説明書をご確認ください。

最後に全弦を確認する

E・A・D・Gを最後まで合わせた後にE弦からもう一周確認する流れ1弦のGまで合わせたら、作業は終わりではありません。

ほかの弦の張りを変えた影響で、最初に合わせたE弦がわずかにずれることがあります。

特にすべての弦が大きく緩んでいた場合や、変則チューニングから標準へ戻した場合は、ネックへかかる力も変化します。

もう一度E・A・D・Gの順に確認し、必要なら2周から3周ほど繰り返しましょう。

2周目では大きな調整をする必要はなく、針が少し左右へずれている部分だけを整えれば十分です。

弦交換の直後は、新しい弦が伸びるため、何度合わせても少しずつ低くなることがあります。

数分演奏して再度合わせる作業を繰り返すと、徐々に安定してきます。

音名とメーターを確認する

チューナーを見るときは、最初に音名を確認し、その後でメーターを中央へ合わせます。

この順番を逆にすると、違う音へきれいに合わせてしまうことがあります。

例えばE弦を鳴らしたときにDと表示されている場合、メーターが中央でもE弦の正しい音ではありません。

それは「Dの音として正確に合っている」という意味です。

まずペグを少しずつ回して表示をEにし、それから細かなずれを調整してください。

音名を合わせる作業と、針を中央へ合わせる作業は別と考えると分かりやすいかなと思います。

メーターの左右が示す意味

一般的なチューナーでは、針やランプが左側にあると、目標音より低い状態です。

左側には、マイナス記号やフラットを表す「♭」が表示される場合があります。

この場合は、弦を少し張って音を高くします。

反対に右側へ動いている場合は、目標音より高い状態です。

右側には、プラス記号やシャープを表す「♯」が表示される場合があります。

この場合は、弦を少し緩めて音を低くします。

中央、0、緑色のランプなどが、音程がほぼ合っている目印です。

機種によっては、中央へ近づくと液晶の色が赤から緑へ変わったり、左右のランプが同時に点灯したりします。

表示 音の状態 行う調整 ペグ操作の考え方
左・-・♭ 目標より低い 弦を少し張って高くする 針が中央へ近づく方向へ回す
中央・0・緑 ほぼ合っている その位置で止める 数秒安定するか確認する
右・+・♯ 目標より高い 弦を少し緩めて低くする 一度低めにしてから上げ直す

メーターが中央付近で少し揺れている程度なら、通常の個人練習では神経質になりすぎなくても大丈夫です。

ただし、録音や複数人での演奏では、小さなずれが重なって聞こえることがあるため、できるだけ中央へ安定させましょう。

別の音名が出た場合

E弦を鳴らしてDやD♯と表示される場合は、目的のEより低い状態です。

弦を少しずつ張り、D、D♯、Eという順に上がっていくことを確認します。

E弦を鳴らしてFやF♯と表示される場合は、目的のEより高い状態です。

この場合は弦を緩めて、表示がEへ戻るまで音を下げます。

途中で表示が急に変わる場合は、弦を強く弾きすぎているか、別の弦が共振している可能性があります。

一度すべての弦を手で止めてから、合わせたい弦だけを弱めに鳴らしてください。

アルファベットの順番が分からない場合は、C・C♯・D・D♯・E・F・F♯・G・G♯・A・A♯・Bの順番を確認してください。

EとF、BとCの間には♯や♭の音名がないことも覚えておくと、表示の変化を追いやすくなります。

1オクターブ高くしない

チューナーによっては、E1やE2のようなオクターブ番号が表示されず、Eという音名だけが表示されます。

Eと表示されていても、本来より1オクターブ高いEまで張り続けると、弦や楽器へ強い負担がかかります。

ベースの4弦Eは、体に響くような非常に低い音です。

ギターのような高いEへ近づいている場合は、明らかに張りすぎている可能性があります。

音が極端に高く感じる場合や、ペグが急に重くなった場合は、それ以上回さないでください。

購入直後で大きく音が外れている場合は、チューナーだけでなく、基準となるベース音源を聞きながら大まかな高さを確認すると安全です。

弦交換後に自信がない場合は、4本すべてを一度大きく緩めるのではなく、1本ずつ交換して合わせる方法もあります。

ペグが重いときは無理に回さない

弦がナットに引っかかっている場合や、違う太さの弦が取り付けられている場合は、無理に回すと弦や部品を傷める可能性があります。

ペグを回したときに「ピン」という音がする、急に音程が跳ねる、強い抵抗を感じる場合は注意してください。

操作に不安がある場合は、最終的な判断を楽器店やリペアの専門家にご相談ください。

音を正確に合わせるコツ

正しい音名が分かっていても、弦の鳴らし方によってチューナーの表示が大きく揺れることがあります。

ベースは低音の振動が強く、ほかの弦も共振しやすい楽器です。

また、弦を強く弾いた瞬間と、音が伸びて落ち着いた後では、チューナーに表示される音程がわずかに変わることがあります。

弾く強さ、弾く位置、余韻の読み方、ミュートを少し意識するだけで、表示はかなり読みやすくなります。

弱めに弾いて余韻を読む

チューニング中の弦は、強く弾きすぎないことが大切です。

ベースの弦を強く弾くと、鳴らした瞬間だけ音程が少し高くなり、その後に低い方へ落ち着くことがあります。

特に太いE弦やB弦は振れ幅が大きいため、強く弾いた直後の針が右側へ大きく動くことがあります。

チューナーの針が最初だけ右へ振れ、その後に中央へ戻るのは珍しいことではありません。

普段演奏するときと同じくらいか、やや弱めの力で1回だけ鳴らしてください。

弾いた瞬間の表示だけで判断せず、音が少し伸びて安定したところを読みます。

ただし、あまりに弱く弾くとチューナーが反応しないため、音が数秒伸びる程度の力は必要です。

何度か試しながら、自分のチューナーが最も安定して反応する強さを探してみましょう。

何度も短く弾かない

針が見えにくいからといって、弦を短く何度も弾くと、毎回のアタックをチューナーが拾って表示が安定しません。

弾くたびに音程が少し高くなり、その直後に下がる動きを繰り返すため、針が中央へ止まりにくくなります。

1回鳴らして音を伸ばし、表示が消えたらもう一度鳴らす方が合わせやすいです。

ピックで強く弾くよりも、指の腹で軽く弾く方が針の動きを読みやすい場合があります。

普段ピック弾きをしている人も、チューニングだけは指で軽く鳴らして問題ありません。

ただし、普段ピックで強めに演奏する人は、最後に実際の演奏に近い強さでも音程を確認すると安心です。

強く弾いたときだけ音程が大きく上がる場合は、弦の太さや弦高が演奏方法に合っていない可能性もあります。

弾く位置を変える

チューナーの反応が悪いときは、弦を弾く位置も変えてみてください。

ネック寄りで弾くと丸い音になりやすく、低い成分が強く出る場合があります。

チューナーによっては、この丸い低音を読み取りにくいことがあります。

反応が安定しないときは、ピックアップの上や少しブリッジ寄りで軽く弾くと認識されやすくなることがあります。

ブリッジ寄りでは高い倍音が少し強くなるため、音名を判断しやすくなるからです。

ただし、ブリッジのすぐ近くを強く弾く必要はありません。

チューナーごとに拾いやすい倍音が違うため、数センチ位置を動かすだけで表示が変わることもあります。

ケーブル接続時の設定

ペダルチューナーやケーブル式チューナーを使う場合は、ベース本体のボリュームを十分に上げてください。

ベースの音量が0になっていると、チューナーへ電気信号が送られません。

ジャズベースのように複数のボリュームがあるモデルでは、使用しているピックアップの音量が下がっていないか確認します。

トーンを完全に絞ると反応が鈍くなる機種もあるため、反応しないときは一度トーンも上げてみてください。

強い歪み、コーラス、オクターバーなどを使っている場合は、一度エフェクトを切った状態で合わせます。

エフェクターが複数ある場合は、ベースから最初にチューナーへ接続すると、加工前の信号を安定して読み取りやすくなります。

アクティブベースで反応が急に弱くなった場合は、本体に入っている電池の消耗も確認しましょう。

アクティブベースは、シールドケーブルを差したままにすると電池を消耗するモデルが多いため、演奏後は抜いておくと安心です。

◆音高卒バンドマンのワンポイントアドバイス

スタジオでは、ほかのメンバーが音を出している状態でマイク式チューナーを使うと、別の楽器の音を拾うことがあります。

周囲が騒がしい場所では、振動を拾うクリップ式か、信号を直接受けるペダル式を使うと合わせやすいですよ。

バンド全員で一度音を止め、同じ基準ピッチで確認する時間を作るのも大切です。

鳴らさない弦をミュートする

合わせる弦だけを鳴らしほかの弦へ指を触れて共振を止める方法チューニングする弦以外は、指を軽く触れて振動を止めます。

ベースの低音は楽器全体を大きく振動させるため、弾いていない弦まで自然に鳴ることがあります。

例えばE弦を鳴らした振動によって、A弦やほかの弦がわずかに共振することがあります。

複数の弦が同時に鳴ると、チューナーがどの音を読めばよいか迷い、表示される音名が次々に変わります。

チューニングは、必ず1本だけが鳴っている状態で行いましょう。

これはチューニングだけでなく、実際の演奏で音をきれいにするためにも必要な技術です。

チューニングの時間を使って、鳴らしていない弦へ自然に触れる感覚も身につけていくといいですよ。

右手と左手を使い分ける

E弦を合わせるときは、A・D・G弦へ左手や右手の指を軽く触れます。

A弦を合わせるときは、E弦とD・G弦を止めます。

弦を強く押さえてフレットへ当てる必要はなく、音が伸びない程度に軽く触れるだけで大丈夫です。

強く押さえると、ミュートしたつもりの弦から別の音が鳴ることがあります。

最初はすべての弦を同時に止めようとせず、近くの弦から順番に触れてみてください。

太い弦を合わせるときは左手を細い弦側へ軽く置き、細い弦を合わせるときは右手の親指を太い弦へ置く方法も使えます。

手の大きさやベースの弦数によってやりやすい方法は変わるため、無理のない形を探しましょう。

クリップ式の取り付け位置

クリップ式チューナーは、通常ベースのヘッド部分へ取り付けます。

表示が見やすく、ペグの操作を邪魔しない位置を選びましょう。

ヘッドの先端、側面、裏側など、取り付けられる場所はいくつかあります。

反応が弱い場合は、クリップの位置や角度を少し変えると改善することがあります。

楽器の振動がチューナーへ伝わりやすい位置は、ベースの形やチューナーの構造によって異なります。

画面が上下逆になった場合は、表示を回転できる機種もあります。

塗装面を長時間強く挟み続けると、楽器によっては跡が付く可能性があるため、使用後は外しておくと安心です。

ラッカー塗装などデリケートな仕上げの楽器では、メーカーやチューナーの注意事項も確認してください。

アンプの音は消してもよい

ケーブル式やペダル式チューナーは、チューニング中にアンプへの出力を消せる機種があります。

ライブ中は、ペグを調整する音を客席へ出さずに済むため便利です。

アンプから音が出ていなくても、チューナーの画面が反応していれば調整できます。

自宅でも大きな低音を鳴らさずに合わせられるため、夜間の確認にも使いやすいでしょう。

クリップ式チューナーも楽器本体の振動を読むため、アンプの電源を入れなくても使えます。

集合住宅では、アンプの音量だけでなく、ベース本体から床や椅子へ伝わる振動にも気を配ると安心です。

合わないときの原因と対処

基本の手順どおりに進めても、低い弦を認識しない、合わせてもすぐにずれる、押さえた音だけ合わないといった問題が起こることがあります。

このようなとき、すぐに「ベースが壊れた」と考える必要はありません。

弾く強さ、周囲の音、チューナーの設定、弦の状態など、簡単に直せる原因も多くあります。

チューナーの故障と決めつける前に、鳴らし方、弦の状態、ペグやナット、楽器本体の調整を順番に確認しましょう。

初心者でも対応できる範囲と、専門家へ相談した方がよい範囲を分けて考えることが大切です。

症状 考えられる原因 最初に試すこと
音名が次々変わる ほかの弦の共振 鳴らさない弦をミュートする
針が大きく揺れる 強く弾きすぎている 弱めに1回鳴らす
E弦を認識しない 低音を拾えていない 12フレットハーモニクスを使う
すぐ音が下がる 新しい弦・巻き方・ペグ 再調整して弦の状態を見る
押さえた音だけずれる オクターブ調整や押さえる力 12フレット付近を確認する

ハーモニクスで反応を安定

12フレットの金属部分へ軽く触れてハーモニクスを鳴らす手順低いE弦やB弦を開放で鳴らしてもチューナーが反応しない場合は、12フレットのハーモニクスを使います。

ハーモニクスとは、弦をフレットへ押し付けず、軽く触れて高く澄んだ音を出す奏法です。

12フレットの真上へ指先を軽く触れ、弦を弾いた直後に触れている指を離します。

成功すると、開放弦より1オクターブ高い、長く伸びる音が鳴ります。

音の高さは1オクターブ上がりますが、音名は変わりません。

E弦の開放音と12フレットハーモニクスは、どちらもEという音名です。

周波数が高くなるため、チューナーが音を判断しやすくなります。

12フレットハーモニクスの音名

E弦で鳴らせばE、A弦ならA、D弦ならD、G弦ならGとして表示されます。

5弦ベースのB弦ならB、6弦ベースの高いC弦ならCです。

周波数が高くなるため、スマートフォンや低音に弱いチューナーでも認識されやすくなります。

ハーモニクスの出し方

12フレットの金属部分の真上に、左手の指を軽く触れます。

フレットとフレットの間ではなく、12フレットの金属部分の真上を狙うのがポイントです。

通常の演奏のように弦を指板まで押し込まないでください。

右手で弦を鳴らした直後に左手を離すと、澄んだ音だけが残ります。

指を離すタイミングが早すぎると開放弦が鳴り、遅すぎると音が止まります。

「ポン」という短い音になった場合は、触れる位置がずれているか、押さえる力が強すぎます。

最初は音をきれいに出すことが難しくても、12フレットの真上を数ミリずつ探すと鳴る場所が見つかります。

ハーモニクスはチューニングだけでなく、ベースの演奏表現としても使われる音です。

チューニングのたびに少し練習しておくと、自然に出せるようになりますよ。

ハーモニクスでも安定しない場合

ほかの弦が共振していないか、ベースのボリュームが下がっていないかを確認します。

ケーブル接続なら、INPUTとOUTPUTを反対につないでいないかも見てください。

シールドケーブルが奥まで挿さっていない場合や、断線している場合もチューナーが反応しません。

クリップ式なら、ヘッドへしっかり取り付けられているか、電池が弱っていないかを確認します。

画面が暗い、表示が途中で消える、反応が遅い場合は、電池交換で改善することがあります。

スマートフォンアプリを使っている場合は、テレビや会話の音が少ない静かな場所へ移動しましょう。

スマートフォンをアンプの前へ置く方法もありますが、アンプの音量を上げすぎる必要はありません。

B弦だけ反応しない場合は、使用しているチューナーが5弦ベースの低音域へ対応していない可能性もあります。

製品仕様に「ベース対応」「5弦ベース対応」「B0対応」などの記載があるか確認してください。

5フレットで相対的に確認する

少なくとも1本の弦が正しく合っていれば、5フレットを使って隣の弦との音程を確認できます。

E弦の5フレットは、A弦の開放音と同じ高さです。

A弦の5フレットはD弦の開放音、D弦の5フレットはG弦の開放音と同じ高さになります。

押さえる場所 同じ高さになる開放弦
E弦の5フレット A弦の開放音
A弦の5フレット D弦の開放音
D弦の5フレット G弦の開放音

2つの音を交互に鳴らし、音の揺れや違和感が少なくなるように合わせます。

音が近づくと、2つの音の間に聞こえる「うなり」がゆっくりになっていきます。

ただし、基準にしたE弦がずれていれば、ほかの弦も同じようにずれます。

また、1本ずつ隣の弦へ音を移していくと、小さな誤差が重なることがあります。

耳での確認は補助として使い、最後は電子チューナーで確認する方が確実です。

弦やペグの状態を確認する

チューニングを合わせてもすぐに音が下がる場合は、弦やペグの状態を確認します。

新品の弦と古い弦では、ずれる原因が異なります。

新しい弦は伸びることで音が下がり、古い弦は汚れや劣化によって音程が不安定になることがあります。

弦の巻き方、ナットの引っかかり、ペグの緩み、ネックやブリッジの調整不足が関係している場合もあります。

原因を一度に決めつけず、一つずつ分けて確認しましょう。

新しい弦は伸びやすい

交換したばかりの弦は、演奏やチューニングを繰り返すうちに少しずつ伸びます。

一度E・A・D・Gへ合わせても、数分後にすべて低くなっていることがあります。

これは新品の弦ではよくある変化で、すぐに故障と考える必要はありません。

新しい弦を取り付けたら、チューニングし、数分演奏し、再び合わせる作業を何度か繰り返してください。

ライブや録音の直前に弦を交換する場合は、交換後に十分な時間を取って音を安定させる必要があります。

弦を手で強く引っ張りすぎると、弦やフレット、ナットへ負担をかける可能性があります。

弦を伸ばす場合は、指で少し持ち上げる程度にして、力任せに引かないようにしましょう。

弦を伸ばした後は必ず再チューニングし、すべての弦をもう一度確認します。

古い弦は音程が不安定になる

古い弦には汗、皮脂、ほこり、さびなどが付着します。

弦の場所によって重さや太さがわずかに変わり、開放弦を合わせてもフレットごとの音程が安定しない場合があります。

チューナーの針が落ち着かない、音の伸びが極端に短い、フレットによって違和感がある場合は、弦の劣化も疑ってください。

表面がざらつく、さびが見える、音が極端にこもる、チューニングが合いにくいと感じたら交換を検討しましょう。

さびやざらつきがある場合は、現在使っている弦と同じ弦数・太さを確認したうえで、交換用のエレキベース弦を用意しましょう。

弦の交換時期は演奏時間、手汗、保管環境、弦の材質によって変わるため、一律に何か月と決める必要はありません。

明るい音が好きな人は早めに交換し、落ち着いた音が好きな人は長く使うこともあります。

ただし、音の好みとは別に、さび、変形、チューニングの不安定さが出ている場合は交換した方が安心です。

弦の巻き方を確認する

ペグへ巻いた弦が重なっていたり、巻き数が少なすぎたりすると、演奏中に弦が動いて音程が下がることがあります。

巻いた部分に大きな隙間がある場合や、弦が交差している場合も安定しにくくなります。

弦はペグポストの上から下へ向かうように、重ならない状態で整えて巻きます。

下へ向かって巻くことで、ナットへ適度な角度が付きやすくなります。

必要な巻き数はペグや弦によって異なりますが、一般的には数周分を確保します。

長く残しすぎると巻きが重なり、短く切りすぎると十分に固定できない場合があります。

取り付けに不安がある場合は、無理に巻き直さず、楽器店で弦交換を依頼する方法もあります。

ナットに弦が引っかかる

ペグを回したときに「ピン」「カチッ」という音がして、音程が急に跳ねる場合は、ナットの溝で弦が引っかかっている可能性があります。

通常はペグを回すと音程がなめらかに変化しますが、引っかかっている場合は、しばらく変化せず急に動くことがあります。

標準より太い弦へ交換した後や、長期間調整していない楽器で起こることがあります。

ナット溝に対して弦が太すぎると、弦が自由に動けず、ペグ側と指板側で張力の差が生まれます。

ナットの溝を自分で削ると、削りすぎた部分を簡単には元へ戻せません。

溝が深くなりすぎると、開放弦だけがフレットへ当たってビリつく原因にもなります。

引っかかりが続く場合は、最終的な判断を楽器店やリペアの専門家にご相談ください。

ペグや固定部品の緩み

ペグ本体を固定するナットやネジが緩んでいると、弦の張力を安定して支えられない場合があります。

ペグを触ったときに大きくぐらつく、回しても手応えがない、演奏中に急に音が下がるときは注意してください。

チューニングキーを回したときに空回りする感覚がある場合は、内部部品の摩耗や故障も考えられます。

表面から確認できるネジでも、強く締めすぎると木部や金属部品を傷める可能性があります。

工具のサイズが合っていない状態で回すと、ネジ山やナットを傷めることもあります。

原因を判断できない場合は、自己流で分解せず専門家へ相談しましょう。

押さえた音だけずれる

開放弦は正確に合っているのに、12フレット付近を押さえると音が高い、または低い場合は、オクターブ調整がずれている可能性があります。

確認するときは、開放弦を合わせた後に、12フレットのハーモニクスと、12フレットを普通に押さえた音を比較します。

12フレットハーモニクスは弦の基準となる音程を示し、12フレットを押さえた音は実際にフレットを使ったときの音程を示します。

押さえた音だけ高い場合は、弦の実際に振動する長さが短い可能性があります。

押さえた音だけ低い場合は、弦の振動する長さが長い可能性があります。

ブリッジサドルを動かして調整できますが、調整するたびに開放弦のチューニングをやり直す必要があります。

弦高、ネックの状態、ナット、弦の太さも音程に関係するため、初心者がブリッジだけを大きく動かすのはおすすめしません。

また、フレットを必要以上に強く押さえると、弦が引っ張られて音が高くなることがあります。

フレットのすぐ手前を、音がきれいに出る最低限の力で押さえてみてください。

Fenderの公式サポートでも、ベースのセットアップではチューニング、ネック、弦高、ピックアップ、オクターブ調整などを順番に確認する手順が案内されています。

(出典:Fender Support「How do I set up my bass guitar properly?」)

通常のチューニングと楽器調整は別の作業です

開放弦のE・A・D・Gをペグで合わせる作業が、通常のチューニングです。

フレットを押さえた音のずれをブリッジで直す作業は、オクターブ調整と呼ばれます。

ネック、弦高、ナット、ブリッジの調整は互いに影響するため、正確な情報はメーカー公式サイトをご確認ください。

調整に不安がある場合は、最終的な判断を楽器店やリペアの専門家にご相談ください。

温度の変化でも音はずれる

冬の屋外から暖房の効いた室内へ入ったときや、暑い車内からスタジオへ移動したときは、弦やネックの状態が変化します。

金属の弦や木材で作られたネックは、温度や湿度の影響を受けます。

ケースから出した直後に合わせても、楽器が室温になじむ間に音程が変わることがあります。

移動後は少し時間を置き、数分演奏してからもう一度チューニングしましょう。

寒い場所から移動した直後に、急いで何度も調整しても、楽器の温度が変わるたびに再びずれることがあります。

ライブでは照明の熱や演奏中の体温でも音程が変わるため、リハーサル後や本番直前の確認も大切です。

ケースを直射日光の当たる場所や車内へ長時間放置すると、音程だけでなく楽器本体へ負担がかかる可能性があります。

保管場所の温度が大きく変わらないようにすることも、チューニングを安定させるポイントです。

練習前に毎回確認する習慣

正しいチューニングと毎日の練習の積み重ねが音感の成長につながることを示した図チューニングは、一度正しく合わせれば何日もそのままでよい作業ではありません。

見た目では変化がなくても、温度、湿度、弦の伸び、演奏の強さ、楽器の移動などによって音程は少しずつ動きます。

前日に正確に合わせたベースでも、翌日に弾くとわずかに低くなったり、高くなったりすることがあります。

練習を始める前に、毎回E・A・D・Gを確認してください。

慣れれば、4弦すべてを確認しても1分ほどで終わります。

最初の1分で音を整えることが、その後の30分の練習を正しい音で進めることにつながります。

「今日は少しだけしか弾かないから」と省略したくなる日もあるかもしれません。

でも、短い練習だからこそ、正しい音で始めることが大切です。

音感を育てるためにも必要

チューニングがずれたベースで繰り返し練習すると、正しいフレットを押さえていても、耳にはずれた音が入り続けます。

初心者の時期は、指の動きだけでなく、正しい音の響きを少しずつ覚えることも大切です。

毎回チューナーを使うと、E弦の低さ、A弦の響き、D弦とG弦の明るさの違いも自然に分かるようになります。

最初はチューナーの画面だけを見ていても、続けるうちに「今日はE弦が少し低いかも」と耳で気づけるようになります。

耳だけで完璧に合わせる必要はありませんが、機械で確認した正しい音を聞き続けることが音感の土台になります。

音高で聴音を学んだ経験から言っても、音感は特別な才能だけで決まるものではありません。

正しい音を意識して何度も聞き、違いを確認する積み重ねが大きいです。

あなたは今、E・A・D・Gを聞き分けられなくても大丈夫。

毎回同じ順番で鳴らしていれば、少しずつ音の高さと響きが耳に残るようになりますよ。

チューニングを覚えた後は、正しい音を確認しながら、持ち方や弦の押さえ方を順番に練習していくことが大切です。自宅で自分のペースで進めたい人は、初心者向けのベース動画教材も確認してみてください。

曲に合わせる前に確認する

動画や音源と一緒に弾く前にも、チューニングを確認しましょう。

自分の演奏だけを聞いていると気づきにくいずれも、伴奏と重なると強い違和感になります。

ベースは単音で弾くことが多いため、少しくらいずれていても分かりにくいと思われがちです。

しかし、ギター、ピアノ、ボーカルなどと重なると、低音のずれが曲全体の落ち着かなさにつながります。

ただし、原曲自体が半音下げ、1音下げ、ドロップDなどになっている場合があります。

標準のE・A・D・Gで合わないときは、曲で使われているチューニングを確認してください。

動画の説明欄、楽譜、バンドスコア、公式の演奏解説などに記載されていることがあります。

古い録音や速度を変更した動画では、音源全体がA=440Hzから少しずれている場合もあります。

動画サイトの速度変更やキー変更機能が有効になっていないかも確認してください。

録音やバンド練習では再確認する

録音では、わずかな音程のずれも繰り返し再生されるため目立ちやすくなります。

演奏中には気づかなかったずれも、ヘッドホンで聞き直すと気になることがあります。

録音を始める前だけでなく、数曲演奏した後や、強いスラップを続けた後にも確認しましょう。

録音の途中で弦を交換した場合は、音色だけでなくチューニングの安定性も変わります。

バンド練習では、全員が同じ基準ピッチを使っているかも大切です。

ベースだけが正しくても、ギターやキーボードの設定が違えば、全体として合わなくなります。

チューナーによって440Hz以外へ変更されている人がいると、各自の楽器内では合っていても、全員で鳴らすとずれます。

違和感があるときは誰か一人を責めず、全員でチューナーの基準と曲の設定を確認すると解決しやすいですよ。

毎回同じ順番で行う

私は、ベースをケースから出し、ケーブルをつなぎ、音量を確認し、E・A・D・Gの順にチューニングしてから練習を始めます。

毎回同じ順番にすると、チューニングを面倒な準備ではなく、演奏を始める合図として習慣化できます。

チューナーをベースケースの決まった場所へ入れておくと、探す手間もなくなります。

クリップ式ならベースのヘッドへ付けたままにせず、演奏後にケースの小物入れへ戻す流れを決めてもよいでしょう。

あなたはベースを持ったとき、最初に何をしていますか。

すぐに好きなフレーズを弾きたくなる気持ちは分かります。

私もベースを持つと、つい何か弾きたくなります。

ただ、その前のわずかな確認が、音の気持ちよさを大きく変えます。

正しい音で鳴らした最初の一音は、それだけでも気持ちがいいものです。

チューニングを確認したいタイミング

練習前、曲に合わせる前、録音前、スタジオ練習前、ライブ本番前、弦交換後、楽器を移動した後には確認しましょう。

室温が大きく変わったときや、強いスラップ、チョーキングを続けた後にも確認すると安心です。

演奏中に音へ違和感を覚えたときも、運指を疑う前に開放弦を確認すると原因を見つけやすくなります。

エレキベースのチューニングに関するよくある質問(FAQ)

Q1. エレキベースは何の音にチューニングしますか?

A. 一般的な4弦エレキベースは、太い弦からE・A・D・Gへ合わせます。

A. 日本語の音名ではミ・ラ・レ・ソで、弦番号では4弦E、3弦A、2弦D、1弦Gです。

A. 5弦は太い側にBを加えたB・E・A・D・G、6弦は高い側にCも加えたB・E・A・D・G・Cが一般的です。

A. 特殊な弦構成を使っているモデルもあるため、中古楽器や多弦ベースではメーカーの仕様も確認してください。

Q2. チューナーの針が左右に動くときはどうしますか?

A. 弦を強く弾きすぎているか、ほかの弦が共振している可能性があります。

A. 合わせる弦以外へ指を軽く触れてミュートし、対象の弦を弱めに1回だけ鳴らしてください。

A. 弾いた直後ではなく、音が少し伸びて針の動きが落ち着いたところを読みます。

A. それでも安定しない場合は、チューナーの電池、取り付け位置、ベース本体のボリュームも確認しましょう。

Q3. スマホアプリだけでもチューニングできますか?

A. 静かな部屋であれば、スマートフォンのチューナーアプリでも基本的なチューニングは可能です。

A. ただし、低いE弦やB弦を認識しにくく、周囲の話し声やテレビの音を拾うことがあります。

A. 反応しないときは12フレットのハーモニクスを使うか、ベースの振動を直接拾うクリップ式チューナーを試してください。

A. ライブやバンド練習など周囲が騒がしい場所では、ペダル式やケーブル接続式の方が安定しやすいです。

Q4. チューニングしてもすぐに音が下がるのは故障ですか?

A. 弦交換の直後であれば、新しい弦が伸びている可能性が高く、必ずしも故障ではありません。

A. チューニングと短い演奏を数回繰り返すと、少しずつ安定します。

A. 古い弦、巻き方の緩み、ナットの引っかかり、ペグの緩みでも音が下がるため、改善しない場合は楽器店へ相談してください。

A. ペグを回したときに異音がする、急に音程が変わる、部品がぐらつく場合は、無理に操作しない方が安全です。

Q5. チューニングは毎日する必要がありますか?

A. ベースを弾く日は、毎回練習前に確認するのがおすすめです。

A. 弦やネックは温度、湿度、演奏、移動などの影響を受けるため、前日に合わせた音がそのままとは限りません。

A. 慣れれば1分ほどで終わるため、ベースを構えた後の最初の動作として習慣にしましょう。

A. 短い練習でも正しい音で始めることで、音感と演奏の精度を育てやすくなります。

この記事のまとめ

  • 4弦ベースは太い弦からE・A・D・Gへ合わせる
  • 5弦はB・E・A・D・G、6弦はB・E・A・D・G・Cが一般的
  • チューナーの基準ピッチは通常A=440Hzに設定する
  • 音名を確認してからメーターを中央へ合わせる
  • 弦は弱めに1本ずつ鳴らしてほかの弦をミュートする
  • 音が高い場合は一度低くしてから上げ直す
  • 低い弦を認識しないときは12フレットハーモニクスを使う
  • すべて合わせた後はE弦からもう一度確認する
  • 練習前には毎回チューニングを行う

エレキベースのチューニングは、最初こそ表示やペグの方向に迷いますが、何度か繰り返せば自然にできるようになります。

最初からすばやく合わせる必要はありません。

E・A・D・Gの音名を確認し、針がどちらへ動くかを見ながら、1本ずつ丁寧に進めれば大丈夫です。

大切なのは、耳だけで何となく合わせるのではなく、チューナーを使って正しい音を毎回確認することです。

チューナーを使うことは、耳に自信がないから行うものではありません。

経験のある演奏者でも、録音、ライブ、練習の前には機械を使って客観的に確認します。

正しい音で練習すると、曲との一体感が生まれ、自分の演奏が昨日より整って聞こえる瞬間が増えていきます。

今まで弾きにくいと思っていたフレーズも、実はチューニングのずれによって気持ち悪く聞こえていただけかもしれません。

ベースの音が伴奏へきれいに重なったときの感覚は、シンプルですが、とても気持ちのよいものです。

年齢や音楽経験に関係なく、最初のE・A・D・Gを丁寧に合わせるところから、新しい音楽の時間は始まります。

始めるのに遅すぎることはありません。

チューニングを覚えることも、立派な演奏技術の一つです。

まずは今日の練習前に、太いE弦を1回鳴らすところから始めてみてください。