「野球場で流れる、あのトランペットが印象的な曲は何?」「ティミー・トランペットのNARCOって、エドウィン・ディアスの登場曲なの?」と気になった人も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、あの曲はBlasterjaxx & Timmy Trumpetの「Narco」です。Timmy Trumpetは名前に「Trumpet」と付いているだけではなく、実際にこの楽曲でトランペットを担当しています。
さらに「Narco」は、MLBの救援投手エドウィン・ディアスが登場曲として使ったことで、EDMファン以外にも広く知られるようになりました。特に2022年のニューヨーク・メッツ時代の登場演出は大きな話題になりましたが、ディアスがこの曲を使い始めたのはもっと前です。
「ティミー・トランペット narco」「ナルコ トランペット」「エドウィン・ディアス トランペット」などと検索している場合、知りたいことはだいたい同じところに集まっています。曲名は何なのか、誰が演奏しているのか、なぜ野球場で有名なのか、そして現在も使われているのか、という点ですね。
この記事では、曲の正式なアーティスト名義から、ティミー・トランペットの人物像、ディアスとの関係、2026年現在の使用状況まで順番に整理します。「Narco」とNetflixドラマ「Narcos」の違いも含め、初めて知る人にもわかりやすく解説していきます。
- 「Narco」の正式なアーティスト名義とトランペット奏者
- Timmy Trumpetがどんな音楽家なのか
- エドウィン・ディアスの登場曲として有名になった経緯
- 2026年現在も「Narco」が使われているのか
- トランペットで演奏したい場合に気を付けたいこと
「Narco」はBlasterjaxxとTimmy Trumpetの共同作品で、エドウィン・ディアス専用に作られた曲ではありません。この2点を先に押さえておくと、曲と野球の関係がかなり理解しやすくなります。
NARCOのトランペット曲は誰の曲?
「ナルコのトランペット曲」と検索すると、Timmy Trumpetの名前が目立ちます。そのため、彼のソロ曲だと思われやすいのですが、正式にはBlasterjaxxとのコラボレーション作品です。
また、野球ファンの場合は「エドウィン・ディアスの曲」と覚えている人もいるでしょう。これも日常的な言い方としては意味が通じますが、音楽作品としてのアーティストはディアスではありません。
まずは曲名、アーティスト、トランペットを誰が演奏しているのかという基本情報から整理しておきましょう。
正式名義はBlasterjaxxとの共作
曲の正式タイトルは「Narco」、アーティスト名義はBlasterjaxx & Timmy Trumpetです。
楽曲は2017年11月13日にリリースされました。BlasterjaxxはオランダのDJ/音楽プロデューサーデュオで、Thom JongkindとIdir Makhlafの2人で知られています。一方のTimmy Trumpetは、オーストラリア出身のDJ、音楽プロデューサー、ソングライター、そしてトランペット奏者です。
そのため「NARCO=Timmy Trumpetの曲」とだけ説明すると、少し情報が足りません。「Timmy Trumpetの代表的な楽曲のひとつ」と考えることはできますが、正式な名義まで含めるならBlasterjaxxを外さないほうが正確です。
曲名を正確に伝えるなら「Blasterjaxx & Timmy Trumpetの『Narco』」です。野球場で聞いた曲を探すときも、この組み合わせで検索すると原曲へたどり着きやすくなります。
「Narco」は電子音楽/EDMを中心とした作品です。力強いキック、大きく展開するドロップ、リズムを押し出す電子音に加え、耳に残るトランペットのフレーズが大きな特徴になっています。
EDMになじみがない人のために簡単に説明すると、「ドロップ」とは楽曲の盛り上がりが一気に開放されるような部分のことです。クラブやフェスティバルでは、この瞬間に大きく盛り上がる曲も少なくありません。
「Narco」では、そこへトランペットのわかりやすい旋律が重なります。電子音だけが続くのではなく、生楽器を連想させるはっきりしたメロディーが前へ出てくるため、EDMを普段あまり聴かない人でも記憶に残りやすいんですね。
制作過程に関する情報では、Blasterjaxx側が先にビートやメロディーの原型を作り、初期にはフルート系の音色を想定していたとされています。その後Timmy Trumpetとのコラボレーションで、メロディーをトランペットに置き換えるアイデアが生まれ、Timmy Trumpetが演奏・録音したとされています。
結果として、この変更が曲のキャラクターを決定付けました。同じメロディーでも、フルート系の音とトランペットでは受ける印象がかなり変わります。トランペットはアタックが明確で、高い音域では遠くまで突き抜けるような存在感が出やすい楽器です。
スタジアムのような広い空間で流したときにも、「何の曲かわからないけれど、あのトランペットは覚えている」となりやすいのは、この音色の強さも関係しているでしょう。
つまり、野球場で聴くと強烈に印象へ残るあのフレーズは、後から球場演出によって付け加えられたものではありません。「Narco」という楽曲そのものを特徴付ける重要な要素です。
「Narco」と「Narcos」は同じではない
ここで、検索時に混同しやすいポイントも整理しておきましょう。
楽曲のタイトルは「Narco」です。一方、Netflixには「Narcos」という犯罪ドラマがあります。表記がよく似ているので、「あのドラマのテーマ曲なのかな?」と思ってしまうかもしれません。
楽曲制作の背景を扱った情報では、犯罪ドラマ「Narcos」が曲名の由来として語られています。ただし、Blasterjaxx & Timmy Trumpetの「Narco」はNetflixドラマ「Narcos」の公式テーマ曲ではありません。
この違いは意外と重要です。「Narcosのテーマ曲を探している」のか、「エドウィン・ディアスが使っているトランペットのEDMを探している」のかで、探す音源がまったく変わるからです。
野球場のトランペット曲を探しているなら、「Narco Blasterjaxx Timmy Trumpet」と検索するとわかりやすいですよ。
トランペット演奏はTimmy Trumpet
「Narcoのトランペットは本物なの?」「シンセサイザーでトランペット風の音を作っているだけでは?」という疑問を持つ人もいるかもしれません。
この点ははっきりしていて、Timmy Trumpet自身がトランペット演奏のクレジットを持っています。プロデュースやプログラミングだけではなく、楽器としてのトランペットも担当しています。
そのため、「Timmy Trumpetという名前だからトランペットっぽい音を使った」というだけではありません。実際のトランペット奏者として参加しているところが、この曲を理解するうえで大切なポイントです。
また、ソングライターとしてはIdir Makhlaf、Thom Jongkind、Timothy Jude Smithの名前が確認できます。Timothy Jude SmithはTimmy Trumpetの本名です。
曲を探すときは「Timmy Trumpet Narco」でも見つけやすいですが、原曲を正確に探したい場合は「Narco Blasterjaxx Timmy Trumpet」と検索すると特定しやすくなります。
電子音楽では、実際の楽器を録音した音と、シンセサイザーやサンプルによる音が組み合わされることも珍しくありません。そのため、聴いただけで「これは完全に生楽器」「これは全部電子音」と判断するのは難しい場合があります。
ただし「Narco」については、Timmy Trumpetがトランペットを担当していることが確認できるため、少なくとも「トランペットっぽい電子音を使っているだけ」と断定するのは正確ではありません。
トランペット経験者でなくても、あの音を聞けば「何か管楽器っぽい」と感じる人は多いでしょう。音色の派手さだけでなく、フレーズそのものが短く覚えやすいことも強みです。
トランペットで「Narco」を演奏したい場合
この曲を知って、「あのフレーズを自分でも吹いてみたい」と思った人もいるかもしれません。トランペットが前面に出ている曲なので、演奏したくなるのも自然ですよね。
インターネット上には耳コピーによる演奏動画や、個人が作成した楽譜・TABのような資料が見つかることがあります。ただし、それらは内容の正確性や権利処理の状況がそれぞれ異なります。
演奏用の楽譜を入手する場合は、「見つかったからそのまま使う」ではなく、どこが提供しているのか、正規に利用できるものなのかを確認したほうが安心です。
今回確認できた範囲では、アーティスト側が「この市販譜が公式認定版です」と明示した特定の商品までは確定できていません。そのため、特定の楽譜をここで公式版として断定することは避けます。
また、「この曲を吹くには特定メーカーのトランペットが必要」ということも確認されていません。曲を演奏するためだけに、特定のメーカーやモデルを選ぶ必要があると考える必要はないでしょう。
独学だけでなく、実際に音を出しながら吹き方を習いたい場合は、トランペットを習えるEYS音楽教室のようなレッスンを利用する方法もあります。
楽譜は正確性と権利処理を確認して選ぶことが大切です。原曲を聴く場合も、正規の音楽配信サービスや公式に提供されている音源を利用すると安心ですよ。
Timmy Trumpetとは何者?
「Narco」を知ったことをきっかけに、Timmy Trumpetそのものに興味を持った人も多いでしょう。
「名前にトランペットが入ったDJ」というだけでもかなり目立ちますが、彼の特徴は単なる芸名ではありません。
彼の活動スタイルを理解すると、なぜEDMの楽曲でこれほどトランペットが前面に出ているのかもわかりやすくなります。
DJと生トランペットを融合
Timmy Trumpetは、オーストラリア出身のDJ、音楽プロデューサー、ソングライター、トランペット奏者です。本名はTimothy Jude Smithです。
大きな特徴は、DJとして電子音楽を流すだけではなく、ライブで実際にトランペットを演奏するスタイルにあります。
一般的なDJパフォーマンスでは、楽曲同士をつないだり、エフェクトを操作したり、会場の反応を見ながら曲を展開させたりします。Timmy Trumpetの場合は、そこへ自分自身のトランペット演奏を組み込むところに個性があります。
EDMというと、パソコンやシンセサイザーで作られた音を中心にした音楽をイメージするかもしれません。Timmy Trumpetはそこへ生のトランペットを組み合わせることで、音だけでなくステージ上の見た目にもわかりやすい特徴を作っています。
代表曲としては「Freaks」なども知られており、「DJとトランペット」という組み合わせそのものが彼の音楽活動を象徴する要素になっています。
Timmy Trumpetは「Trumpet」という芸名を使っているDJというだけではなく、DJプレイと実際のトランペット演奏を組み合わせるアーティストです。
この点がわかると、「Narco」であれだけトランペットが目立っていることにも納得しやすいでしょう。楽器の音をアクセントとして少し入れただけではなく、Timmy Trumpetというアーティスト自身の特徴が楽曲に強く反映されています。
なぜEDMとトランペットは相性がよく感じられるのか
音楽として考えても、トランペットは短いフレーズだけで強い印象を残しやすい楽器です。
特に高めの音域では音の輪郭が明確で、厚い電子音の中でも存在を感じ取りやすい特徴があります。低音が強いキックやシンセサイザーが鳴っている中でも、トランペットの明るく鋭い音色は別の帯域から飛び出してくるように感じられます。
もちろん、これは「トランペットなら何でもEDMに合う」という意味ではありません。演奏する音域、フレーズ、リズム、ほかの楽器とのバランスによって印象は変わります。
「Narco」が覚えやすいのは、音色の強さだけではなく、フレーズそのものがシンプルで識別しやすいことも大きいでしょう。数秒聞いただけで「あの曲だ」とわかる旋律は、登場曲としても強い武器になります。
さらにライブでは、実際に演奏している人物がトランペットを掲げる姿も視覚的な情報になります。音だけを聴く場合とは違い、「今ここで吹いている」というライブ感が生まれやすいんですね。
2022年にCiti FieldでTimmy Trumpet本人が「Narco」を演奏した場面が大きな話題になったのも、このスタイルとの相性が非常によかったからだと考えやすいでしょう。
「Narco」を知ってからTimmy Trumpetを聴くのも面白い
野球から「Narco」を知った場合、最初はTimmy Trumpetをミュージシャンとして意識していなかった人もいるかもしれません。
しかし「このトランペットを吹いている人自身がDJでもある」と知ると、楽曲の聴こえ方が少し変わってきます。
野球の登場曲という文脈をいったん離れて、EDMアーティストとしてTimmy Trumpetのほかの曲やライブ映像を見てみると、「Narco」だけに偶然トランペットが入っていたわけではないことがわかりやすいです。
特に、生楽器と電子音を組み合わせた音楽が好きな人には、入口として面白いアーティストだと思います。
NARCOが野球で有名になった理由
「Narco」はもともと2017年に発表されたEDMですが、野球ファンにとってはエドウィン・ディアスの登場曲という印象が強いでしょう。
野球中継やSNSでディアスの登場シーンを先に見て、あとから曲名を調べた人も少なくないはずです。
ここで重要なのは、「ディアスのために作られた曲」ではないことです。楽曲が先に存在し、その後ディアスが登場曲として選びました。
時系列で見ていくと、なぜ「2017年のEDM」が数年後に野球界で大きな話題になったのかがわかりやすくなります。
ディアスは2018年から使用
エドウィン・ディアスが「Narco」を登場曲として使い始めたのは、2018年のシアトル・マリナーズ時代です。
ディアスはプエルトリコ出身のMLB投手で、主に試合終盤を任される救援投手、いわゆるクローザーとして活躍してきました。
クローザーは、チームがリードしている終盤に登板し、そのまま試合を終わらせる役割を担うことが多い投手です。そのため、打者の打席への登場とはまた違った独特の緊張感があります。
スタジアム全体が「ここを抑えれば勝利」という雰囲気になったところで、ブルペンから投手が登場する。この瞬間の音楽は、選手本人だけでなく観客の気持ちを一気に高める演出にもなります。
ディアスが「Narco」を使い始めた経緯としては、マリナーズ側から提示された候補の中から本人がこの曲を選んだとされています。本人はトランペットの音がユニークで、ほかの選手とは違うと感じた趣旨を説明しています。
ここは時系列を押さえておくと誤解しにくいです。
| 時期 | 「Narco」とディアスの関係 |
|---|---|
| 2017年11月 | Blasterjaxx & Timmy Trumpetが「Narco」をリリース |
| 2018年 | シアトル・マリナーズ時代のディアスが登場曲として採用 |
| 2019年 | メッツ移籍後、一度別の曲へ変更 |
| 2020年 | 「Narco」に戻す |
| 2021年 | 引き続き使用 |
| 2022年 | Citi Fieldでの登場演出が大きな話題になる |
| 2022年8月31日 | Timmy Trumpet本人がCiti Fieldで生演奏 |
| 2023年 | ディアスは負傷によりMLBシーズンを全休 |
| 2024年 | メッツで復帰し「Narco」も再び登場 |
| 2025年シーズン終了後 | メッツを離れ、ドジャースへ移籍 |
| 2026年 | ドジャースやWBCでも引き続き「Narco」を使用 |
「Narco」のリリースは2017年11月で、ディアスが使い始めたのが2018年。つまり、エドウィン・ディアス専用に制作された登場曲ではありません。
ディアスが「Narco」を使い始めたのは2018年です。「2022年にメッツがディアス用として作った曲」という理解は正確ではありません。
その後、2019年にニューヨーク・メッツへ移籍した際には、一度「Narco」から別の曲へ変更しています。2019年はMiky Woodzの「No Hay Limite」を使用しました。
シーズン後、ディアスの妻が以前使っていたトランペットの曲へ戻すことを提案したと本人が説明しており、2020年から「Narco」を再び使用します。
この流れも、「メッツに移籍してからずっとNarcoだった」というイメージとは少し違います。2019年には一度離れ、2020年に戻しているんですね。
2020年は新型コロナウイルスの影響による無観客試合が行われていたため、のちに知られるような観客を巻き込んだ登場演出にはなりにくい状況でした。2021年も使用を続け、そして2022年に大きな注目を浴びます。
「登場曲」と「打席曲」は少し意味が違う
日本語では、選手が出てくるときに流れる曲をまとめて「登場曲」と呼ぶことが多いですよね。
ただし英語では、使用される場面によってwalk-up songやentrance music、walkout musicなど表現が変わることがあります。
ディアスの場合は打者ではなくリリーフ投手です。ブルペンからマウンドへ向かう場面で「Narco」が流れるため、クローザーのentrance music、walkout musicという意味合いが強くなります。
一方、打者が自分の打席へ向かうときに流す曲はwalk-up songと呼ばれることが一般的です。
どちらも日本語では「登場曲」と説明できるので、普段はそこまで厳密に考えなくても大丈夫です。ただ、「William ContrerasもNarcoを使っていた」という話を見るときには、ディアスと使用場面が違うことを知っておくと混乱しません。
2022年メッツで大きな話題に
「Narco」とエドウィン・ディアスの組み合わせが世界的に知られる大きなきっかけになったのが、2022年のニューヨーク・メッツ時代です。
Citi Fieldでディアスがブルペンからマウンドへ向かう場面に「Narco」が流れ、静かに始まるイントロからリズムが高まり、印象的なトランペットのフレーズとともにクローザーが登場する演出が大きな話題になりました。
救援投手、とくにクローザーは試合の終盤に登場します。わずかな点差を守り切る緊張感の高い場面で流れるため、楽曲が持つ高揚感とも非常に相性がよかったわけです。
しかもCiti Fieldでは、単にスピーカーから曲を流すだけではありませんでした。
イニング間を利用しながら映像や音楽の開始タイミングを調整し、ディアスがブルペンから姿を現す瞬間に合わせて「Narco」が始まるような演出が作られていました。
ディアス本人も曲のテンポに合わせてマウンドへ向かっていたと説明しています。曲が鳴っているだけではなく、選手の動きまで含めてひとつのショーのように感じられるわけですね。
そこへスタジアムの照明、映像、観客の歓声や手拍子が重なります。
テレビ中継や短いSNS動画でも、この登場シーンは非常にわかりやすいです。野球のルールに詳しくない人でも、「何かすごい選手が出てきた」という空気が伝わりやすかったのでしょう。
2017年の曲が2022年にもう一度注目された
「Narco」が面白いのは、2022年に発売された新曲ではないところです。
リリースは2017年。それからおよそ5年たった2022年に、ディアスの登場シーンが話題になったことで米国を中心に再び注目されました。
MLB公式では、2022年の再注目時にSpotifyのViral 50で1位になったことや、米BillboardのDigital Song Salesで13位まで上昇したことも紹介されています。
曲そのものが先にヒットして野球場で使われた例はたくさんあります。しかし「Narco」の場合は、すでに存在していた曲が選手の登場演出と結び付き、時間がたってから新しい層へ届いた点が特徴的です。
EDMを聴かない野球ファンが曲名を調べ、反対に音楽ファンがディアスの登場映像を見る。異なる層がひとつの曲をきっかけにつながった形です。
日本語ではどちらも「登場曲」と呼ばれますが、ディアスの場合はリリーフ投手がブルペンからマウンドへ向かう際のentrance musicやwalkout musicとして使われています。打者が打席へ入るときのwalk-up songとは使用場面が異なります。
William Contrerasも「Narco」を使用
「Narco」を野球で使用したのはディアスだけではありません。
2022年にはアトランタ・ブレーブスのWilliam Contrerasも、打者として打席へ入る際のwalk-up songとして「Narco」を使用しました。
当時、メッツとブレーブスが同じナ・リーグ東地区で争っていたこともあり、同じ曲をどちらの選手が使っているのかという話題にもなりました。
ただし、ここで「Narcoは本来ディアス専用だから他の選手は使えない」と考える必要はありません。ディアスだけに専用曲として使用権が与えられたという情報は確認できていません。
違いは使われ方です。
Contrerasは打者が打席へ向かう際のwalk-up songとして使用。一方、ディアスはクローザーとしてブルペンからマウンドへ向かう場面のentrance musicとして使用しています。
同じ曲でも、打席へ向かう数十秒と、試合終盤に守護神が登場する場面とでは印象がかなり変わります。
なぜトランペットがスタジアムで映えるのか
「Narco」がディアスの登場曲としてこれほど印象に残る理由を、音楽面から考えてみましょう。
まず、曲には盛り上がりの段階があります。最初からすべての音が鳴るのではなく、イントロからリズムを積み上げ、トランペットのフレーズへ向かいます。
この構造が、選手がブルペンを出てマウンドへ向かう時間と合わせやすいんですね。
次に、トランペットの音色です。高く明瞭な音は、観客の歓声やスタジアムの反響がある環境でも特徴を認識しやすい傾向があります。
そして何より、「このフレーズが鳴ったらディアスが来る」という結び付きができたことです。
繰り返し同じ組み合わせを見るうちに、曲のイントロを聞いただけで選手の登場を予想できるようになります。これは音楽そのものの力だけではなく、スポーツ演出によって生まれる条件付けのような面もあります。
照明、映像、観客、音楽、選手の動き。どれかひとつだけではなく、すべてが組み合わさったことで「Narco=ディアス」という印象が強くなったのでしょう。
本人がCiti Fieldで生演奏
「Narco」とエドウィン・ディアスの関係をさらに象徴的なものにした出来事が、2022年8月31日のCiti Fieldで起きました。
メッツはTimmy Trumpet本人を球場へ招き、ディアスが登板する場合には「Narco」を生演奏する企画を用意しました。
当初は8月30日のロサンゼルス・ドジャース戦で、ディアスが登板する場面に合わせて演奏する予定でした。しかし、その日は試合展開の関係でディアスが登板しませんでした。
そのため、Timmy Trumpet本人は球場に来ていたものの、「ディアスがNarcoで登場し、本人が生演奏する」という場面は実現していません。
普通ならここで企画が終わってしまいそうですが、Timmy Trumpetは翌8月31日にも球場を訪れました。
そしてメッツ対ドジャース戦の9回。ディアスが登板する場面で、Timmy Trumpet本人が三塁線付近からトランペットで「Narco」を演奏しました。
ディアスはその試合を締め、メッツは2対1で勝利しています。
2022年8月31日はTimmy Trumpet本人が生演奏し、その音に合わせてディアスが登場しました。録音音源ではなく、楽曲に参加した本人が球場で吹いたことが大きな話題になったポイントです。
普段は録音された楽曲として流れているトランペットを、実際にその演奏者本人が球場で吹き、その音に合わせて選手がマウンドへ向かう。
音楽とスポーツがこれ以上ないほどわかりやすく重なった場面ですよね。
Timmy Trumpet自身はオーストラリア出身で、当時は野球に深くなじみがある人物ではありませんでした。それでも自分が参加した曲が、遠く離れた米国の球場でひとりの投手を象徴する音楽になったわけです。
アーティストにとっても、最初から想定していた使われ方ではなかったはずです。
ここから「ティミー・トランペット narco 登場曲」「エドウィン・ディアス トランペット」といった検索が増えるのも自然です。野球ファンが曲を知り、音楽ファンが野球での使われ方を知るきっかけになりました。
2026年もディアスはNARCOを使用
2022年当時の記事や映像が検索結果に多く残っているため、「エドウィン・ディアスは現在もメッツでNarcoを使っている」と思っている人もいるかもしれません。
しかし2026年現在、ディアスの所属先はニューヨーク・メッツではありません。
2019年から長く所属したメッツを2025年シーズン終了後に離れ、2026年はロサンゼルス・ドジャースの投手としてプレーしています。
そして所属が変わっても、「Narco」との関係は続いています。
ドジャース移籍後も継続
エドウィン・ディアスは2019年から2025年までニューヨーク・メッツに所属したあと、2025年シーズン終了後にチームを離れ、ロサンゼルス・ドジャースへ移籍しました。
そして新しい球団へ移ってからも、「Narco」を登場曲として継続して使用しています。
2025年12月にドジャース加入が正式に決まった時点から、ディアスは新天地でも「Narco」を使う意向を示していました。
実際、2026年3月27日(米国時間)のドジャースでの公式戦デビューでも、「Narco」とともにブルペンから登場しています。
このときは球場で生のトランペット演奏も行われました。ただし、ここは2022年のCiti Fieldと混同しないよう注意が必要です。
ドジャースでのデビュー時に演奏したのはTimmy Trumpet本人ではなく、ロサンゼルスを拠点に活動するトランペット奏者Tatiana Tateでした。
2022年8月31日のCiti FieldではTimmy Trumpet本人が演奏しました。一方、2026年3月のドジャースでの登場時に生演奏したのはTatiana Tateです。この2つは別の出来事です。
ディアス本人は、生トランペットが用意されていることを事前には知らされておらず、試合後には驚いたことを話しています。
メッツ時代に非常に有名になった演出を、そのまま完全コピーするのではなく、ドジャースでも新しい形で生トランペットが取り入れられたことになります。
さらに2026年7月30日、故障者リストから復帰した試合でもDodger Stadiumで「Narco」が流れました。
2026年シーズンのドジャース公式Walk-Up Musicにも、Edwin Díazの曲として「Narco/Blasterjaxx, Timmy Trumpet」が掲載されています。
したがって、「Narco」はメッツ時代だけの登場曲ではありません。球団が変わっても、ディアスを象徴する登場曲として引き継がれています。
「現在もメッツの守護神」は古い情報
検索結果では2022年や2024年の記事、動画が目立つことがあります。
そこで注意したいのが、記事が公開された当時の所属球団を現在の情報と混同しないことです。
ディアスがメッツに所属していたのは2019年から2025年まで。2026年現在はロサンゼルス・ドジャース所属です。
過去の動画について「メッツのディアスがNarcoで登場している」と説明するのは正しいですが、現在形で「メッツの守護神エドウィン・ディアス」と説明すると情報が古くなります。
一方で、所属球団が変わったからといって「Narco」まで過去のものになったわけではありません。
むしろドジャース移籍後も継続していることで、この曲が球団の演出ではなく、ディアス本人と強く結び付いた登場曲であることがさらにわかりやすくなりました。
2023年はMLBで聞けなかった理由
時系列を追っていると、「2023年のディアスとNarcoはどうなっていたの?」と気になる人もいるでしょう。
ディアスは2023年、WBCでの負傷によってMLBシーズンを全休しました。そのため、メッツの公式戦でクローザーとして登場し、「Narco」が流れる場面もありませんでした。
2024年にはメッツで復帰し、登場曲として「Narco」も復活しています。
曲を変更したから一時的に聞かれなくなったのではなく、本人がシーズンを欠場していたことが理由です。
WBCでも登場曲として使用
「Narco」がディアスと結び付いていることは、MLB球団での登場だけを見てもわかりますが、2026年には国際大会でもその関係が確認されました。
2026年3月、ディアスはプエルトリコ代表としてワールド・ベースボール・クラシックに出場しました。
プエルトリコ・サンフアンのHiram Bithorn Stadiumで行われたコロンビア戦でも、「Narco」とともに登場しています。
つまり、マリナーズ、メッツ、ドジャースという所属球団をまたいだだけではなく、プエルトリコ代表で登板する場面でも使われていることになります。
ここまで長く、場所を変えながら使われていることを考えると、「Narco」は単なる一時的な流行曲というより、ディアスの登場演出そのものと強く結び付いた曲になったと理解しやすいでしょう。
一方で、音楽作品としての作者関係は変わりません。
「エドウィン・ディアスの曲」と呼ばれることがあっても、正式にはBlasterjaxx & Timmy Trumpetの楽曲をディアスが登場曲として使用しているという関係です。
「ディアスの曲」という言い方は間違いなのか
会話の中で「あのディアスの曲、何だっけ?」と言うくらいなら、意味は十分伝わります。
スポーツでは、特定の曲と選手のイメージが非常に強く結び付くことがあります。原曲のアーティスト名を知らなくても、選手の名前で曲を覚えることは珍しくありません。
ただし、音楽作品について正確に説明するときは「ディアスの曲」ではなく、「ディアスが登場曲として使っている曲」とするのが適切です。
曲は2017年にリリースされ、ディアスが使用を始めたのは2018年です。この順番を知っていれば、「ディアスのために作られた曲」と誤解することもなくなります。
NARCOの疑問を整理
ここまでの内容を踏まえ、「Narco」について特に間違えやすいポイントをFAQ形式で整理します。
曲そのものの情報と、野球での使われ方を分けて考えると、かなり理解しやすくなりますよ。
NARCOに関するよくある質問
Q1. NarcoはTimmy Trumpetだけの曲ですか?
A. いいえ。正式なアーティスト名義はBlasterjaxx & Timmy Trumpetです。Timmy Trumpetの名前で検索されることが多い曲ですが、Blasterjaxxとの共同作品として発表されています。「Timmy TrumpetのNarco」と言っても意味は通じますが、正式名義まで紹介するならBlasterjaxxも含めるのが正確です。
Q2. Narcoのトランペットは本当にTimmy Trumpetが吹いていますか?
A. はい。Timmy Trumpetは「Narco」でトランペットのクレジットを持っています。電子的なトランペット風の音だけで構成されているという理解ではなく、本人が実際にトランペット演奏を担当した楽曲です。
Q3. エドウィン・ディアスは2022年からNarcoを使い始めたのですか?
A. いいえ。初めて使用したのは2018年のシアトル・マリナーズ時代です。2019年のメッツ移籍時には一度別の曲へ変更し、2020年から「Narco」へ戻しました。2022年は使い始めた年ではなく、Citi Fieldでの登場演出が特に大きな話題になった年です。
Q4. Narcoはエドウィン・ディアスのために作られた曲ですか?
A. いいえ。「Narco」は2017年にリリースされ、ディアスが登場曲として使い始めたのは2018年です。そのため、ディアス専用曲として制作された作品ではありません。野球界では非常に強く結び付いていますが、音楽作品としてはBlasterjaxx & Timmy Trumpetの一般リリース作品です。
Q5. Timmy Trumpet本人が野球場でNarcoを演奏したことはありますか?
A. はい。2022年8月31日、ニューヨーク・メッツの本拠地Citi Fieldで、ディアスの登板時にTimmy Trumpet本人が「Narco」を生演奏しました。メッツ対ドジャース戦の9回に実現し、ディアスはその試合を締めています。
Q6. 2026年ドジャースで吹いているのもTimmy Trumpet本人ですか?
A. 2026年3月のドジャースでの公式戦デビュー時に生演奏を担当したのは、Timmy Trumpet本人ではなく、ロサンゼルスを拠点とするトランペット奏者Tatiana Tateです。2022年のCiti FieldでTimmy Trumpet本人が演奏した場面とは区別しておきましょう。
Q7. 2026年現在もエドウィン・ディアスはNarcoを使っていますか?
A. はい。2026年現在、ディアスはロサンゼルス・ドジャースに所属しており、移籍後も「Narco」を登場曲として使用しています。ドジャースでの公式戦デビュー時だけでなく、2026年7月の故障者リストからの復帰戦でも使用されています。
Q8. WBCでもNarcoを使っていますか?
A. はい。2026年3月、プエルトリコ代表としてWBCに出場した際にも「Narco」で登場しています。MLBの特定球団だけで使用している曲ではなく、代表チームでの登板でも本人を象徴する曲として使われています。
Q9. NarcoはNetflixドラマ「Narcos」のテーマ曲ですか?
A. いいえ。「Narco」とNetflixドラマ「Narcos」は別作品です。楽曲名の背景としてドラマとの関連が語られることはありますが、Blasterjaxx & Timmy Trumpetの「Narco」がドラマの公式テーマ曲という意味ではありません。
Q10. Narcoはディアスしか野球で使っていない曲ですか?
A. いいえ。2022年にはWilliam Contrerasも打席へ向かう際のwalk-up songとして使用していました。ディアスの場合は主にクローザーとしてブルペンからマウンドへ向かう際に使っているため、同じ曲でも使用場面が異なります。
Q11. Narcoの楽譜はありますか?
A. インターネット上には耳コピーや非公式の楽譜が見つかることがありますが、今回確認できた範囲では、アーティスト側が公式認定した特定の市販トランペット楽譜までは確定できていません。購入や利用をする場合は、販売元、権利表示、編曲内容などを確認してください。
音源を探すなら正式名義で検索
原曲を聴きたい場合は、正規の音楽配信サービスなどで「Narco Blasterjaxx Timmy Trumpet」と検索すると見つけやすいでしょう。
「Timmy Trumpet Narco」だけでもかなり探しやすいですが、同名曲や関連動画が多く表示される場合はBlasterjaxxまで加えると、正式なアーティスト名義に近い検索になります。
野球の登場シーンを探したい場合は、「Edwin Diaz Narco」「Edwin Diaz trumpet song」といった検索でも情報へたどり着きやすいです。
日本語なら「ティミー・トランペット NARCO」「エドウィン・ディアス NARCO」「ナルコ トランペット」などでも十分探せるでしょう。
演奏目的なら原曲と楽譜を分けて考える
トランペットで演奏したい場合は、「原曲を聴くこと」と「演奏用の譜面を用意すること」を分けて考えると整理しやすいです。
原曲を確認したいなら、まず正規配信されている音源でフレーズや曲全体の雰囲気を把握します。
一方、楽譜を使うなら、誰が作成したものなのか、販売・配布が適切に行われているのかを確認します。一般的なB♭管を使って原曲や伴奏と合わせたい場合は、B♭トランペットの楽譜と移調の仕組みも理解しておくと選びやすくなります。
耳コピーの動画を参考にする場合も、「動画に出ていた音が原曲と完全に同じ」とは限りません。演奏者向けに音域を変えたり、簡単にしたり、別のキーへ移調したりしている場合もあります。
特に初心者の場合は、「動画と自分の音が違う=自分が間違っている」とすぐ考えないほうがいいですよ。アレンジの違い、楽譜の違い、楽器の違いなど、原因はいくつか考えられます。
原曲を特定することが目的なら正式名義を確認し、演奏することが目的なら楽譜の出所や編曲内容も確認する。この2段階で考えると失敗しにくくなります。
まとめ
「ナルコのトランペット曲」として知られる「Narco」は、Blasterjaxx & Timmy Trumpetによる2017年の楽曲です。Timmy Trumpetはプロデュースだけではなく、実際にトランペット演奏も担当しています。
野球ファンの間で特に有名になったのは、エドウィン・ディアスが登場曲として使ったことがきっかけです。
- 正式曲名は「Narco」
- 正式名義はBlasterjaxx & Timmy Trumpet
- トランペットはTimmy Trumpet本人が担当
- 楽曲は2017年11月にリリース
- エドウィン・ディアスは2018年のマリナーズ時代から登場曲として使用
- 2019年に一度別曲へ変更し、2020年から再び使用
- 2022年にメッツのCiti Fieldでの登場演出が大きな話題に
- 2022年8月31日にはTimmy Trumpet本人が球場で生演奏
- 2026年現在はドジャース所属となったディアスが引き続き使用
- 2026年のWBCでもプエルトリコ代表として登場する際に使用
- 2026年のドジャースでの生演奏はTatiana Tateが担当
- Netflixドラマ「Narcos」の公式テーマ曲ではない
野球をきっかけに「Narco」を知った人にとっては、エドウィン・ディアスの曲という印象が強いかもしれません。
ただ、もともとはBlasterjaxxとTimmy TrumpetによるEDM作品であり、その印象的なトランペットフレーズが球場演出と結び付いたことで、新しい魅力が生まれました。
2017年に発売された楽曲をディアスが2018年に選び、2022年にCiti Fieldで大きな話題となり、Timmy Trumpet本人の生演奏まで実現。そして2026年には所属球団がドジャースへ変わっても曲が使われ続けています。
こうして時系列で見ると、「Narco」が一時的な流行ではなく、長い時間をかけてエドウィン・ディアスの登場と結び付いていったことがよくわかります。
そして音楽面では、Timmy Trumpetというアーティスト自身がDJと生トランペットを組み合わせるスタイルを持っていることも大きなポイントです。
トランペットという生楽器の音が、EDMとスポーツの両方でこれほど強い存在感を持つのは面白いところですよね。
曲を聴くだけでなく、「自分でもこのフレーズを吹いてみたい」と感じたなら、それも音楽を楽しむ新しい入口になるかもしれません。
その場合は、原曲は正規の配信音源で確認し、楽譜を利用するときは正確性や権利処理を確認したうえで選んでください。

