トランペットの有名な曲|初心者にも聴きやすい定番名曲を紹介

夕暮れの街並みを背景に、金色のトランペットと「トランペットの有名な曲|初心者にも聴きやすい定番名曲を紹介」の文字を配置したアイキャッチ画像。 トランペット
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「トランペットの有名な曲には何があるのだろう」と調べてみると、クラシックの協奏曲からジャズの歴史的録音、ポップス、映画音楽、アニメ音楽まで、かなり幅広い作品が見つかります。

ただし、検索結果に並ぶ曲を見ていくと、少し分かりにくい点もあります。ハイドンの『トランペット協奏曲』のように、最初からトランペットが重要な役割を担う作品もあれば、『スター・ウォーズ』や『アイーダ』のように、オーケストラの中でトランペットが強い印象を残す曲もあります。さらに、『歓喜の歌』や『上を向いて歩こう』のように、原曲はトランペット独奏曲ではなくても、トランペット用の編曲で広く演奏される曲もあります。

そのため、「トランペットの名曲を聴きたい」という場合と、「初心者でも吹ける有名曲を探したい」という場合では、選ぶべき曲が同じとは限りません。

この記事では、クラシック、ジャズ、ポップス、映画・アニメ音楽の中から、トランペットと結び付きの強い有名曲を整理して紹介します。あわせて、初心者が吹きやすい曲の考え方、原曲とやさしい編曲の違い、B♭トランペット用楽譜を選ぶときの注意点も解説します。

  • クラシックで代表的なトランペット名曲を知りたい
  • ジャズの有名なトランペット奏者と代表曲を聴きたい
  • 映画やアニメで印象に残るトランペット曲を探したい
  • 初心者でも吹ける有名曲を知りたい
  • トランペット用楽譜を選ぶときの注意点を知りたい

このような人は、まず「聴くための名曲」と「自分で吹くための曲」を分けながら見ていくと、自分に合った一曲を見つけやすくなります。

トランペットの有名曲を選ぶポイント

トランペットの有名曲を探すとき、最初に理解しておきたいのは、「有名なトランペット曲」という言葉が一つの種類だけを指しているわけではないということです。

トランペットのために書かれた協奏曲もあれば、ジャズ奏者の歴史的な演奏で有名になった曲、オーケストラの中でトランペットが目立つ曲、別のジャンルの有名曲をトランペット用に編曲したものもあります。

たとえば、クラシックでトランペットそのものの魅力を知りたいなら、ハイドンやフンメルの協奏曲が候補になります。一方、日本で親しみやすい映画音楽を吹いてみたいなら、『ハトと少年』や『宇宙戦艦ヤマト』などのトランペット用編曲を探すほうが目的に合うことがあります。

聴きたい曲と自分で吹きたい曲は分けて考えると、トランペットの有名曲を選びやすくなります。

また、「有名だから簡単」「よく聞く曲だから初心者向け」とも限りません。耳になじみのある旋律でも、原曲では高音域や速いタンギング、高度なアンサンブル技術が必要になることがあります。

逆に、本来は大編成のオーケストラ曲でも、初心者用に音域やリズムを整理したトランペット譜なら、比較的取り組みやすくなることがあります。

名曲とトランペット編曲曲の違い

トランペットの有名曲を整理するときは、まず「トランペットが中心となる作品」と「他の作品をトランペットで演奏する編曲」を区別しておくと分かりやすくなります。

前者の代表例として挙げられるのが、ハイドン、フンメル、アルチュニアンのトランペット協奏曲です。これらはトランペットが独奏楽器として大きな役割を担い、楽器特有の音域、音色、技巧を楽しめます。

ルロイ・アンダーソンの『トランペット吹きの子守歌』も、タイトルどおりトランペットを前面に出した作品です。トランペットというとファンファーレのような力強い音を想像しやすいですが、この曲では柔らかく歌うような音色を聴くことができます。

一方、『アイーダ』の「凱旋行進曲」、『スター・ウォーズ』のメイン・タイトル、『木星』『威風堂々』などは、本来はトランペット独奏のためだけに作られた作品ではありません。

それでも、金管楽器の響きや印象的な旋律がトランペットとよく合うため、トランペット用の楽譜として演奏されることがあります。

初心者が知っている曲を吹きたい場合には、この「編曲された有名曲」が重要です。

たとえば『歓喜の歌』はベートーヴェンの交響曲第9番第4楽章の主題で、本来は独奏トランペット曲ではありません。しかし、旋律が覚えやすく、初心者向けに音域やリズムを整理したトランペット譜にも向いています。

『聖者の行進』も同様です。ニューオーリンズ・ジャズと結び付きの強い曲で、トランペットとの相性がよく、旋律を簡略化した初心者向けの編曲もあります。

初心者が実際に演奏する場合は、原曲のジャンルよりも、自分のレベルに合ったトランペット用編曲があるかを確認するほうが重要です。

もう一つ、曲名だけでは分かりにくい例が『Trumpet Voluntary』として知られる『デンマーク王子の行進曲』です。

この曲は古い資料などでヘンリー・パーセル作曲とされることがありますが、一般に有名な『デンマーク王子の行進曲』の作曲者はジェレマイア・クラークです。また、もともとの作品と、現在広く知られている華やかなトランペットを使った演奏イメージの間には、後世の編曲も関係しています。

こうした違いを知っておくと、「トランペットのために書かれた曲」と「トランペットで演奏すると映える有名曲」を混同しにくくなります。

聴く曲と吹く曲は分けて考える

トランペットの名曲を探す目的が「聴くこと」なら、難易度を気にせず幅広い作品を楽しめます。

ハイドンの協奏曲、バッハの『ブランデンブルク協奏曲第2番』、ルイ・アームストロングの『West End Blues』、ディジー・ガレスピーの『A Night in Tunisia』などは、それぞれ異なる時代・ジャンルのトランペットを知るうえで非常に興味深い作品です。

一方、自分で吹くとなると事情は変わります。

バッハの『ブランデンブルク協奏曲第2番』では、トランペットが非常に高い音域を担当します。鑑賞するだけなら華やかな高音を楽しめますが、原曲パートを演奏するのは高度な技術を要します。

ルイ・アームストロングの『West End Blues』も、旋律の音を追うだけなら楽譜にできますが、1928年の録音で聴けるタイミング、音色、フレージングまで再現するとなると、初心者向けとはいえません。

『Penny Lane』のピッコロトランペット・ソロも同じです。曲自体を知っている人は多くても、原演奏では一般的なB♭トランペットとは異なるピッコロトランペットが使われ、非常に高い音域を担当します。

このように、「聴くと親しみやすい曲」と「原曲どおりに演奏しやすい曲」は別です。

初心者が実際に吹きたい場合は、『聖者の行進』『歓喜の歌』『きらきら星』『アメイジング・グレイス』など、やさしい編曲が見つかりやすい曲から探す方法があります。

また、『ハトと少年』『アイーダ』の「凱旋行進曲」、『木星』『上を向いて歩こう』なども、初心者向けに整理されたトランペット譜が確認できる曲です。

憧れの曲を聴くことと、現在の技術で吹ける曲を選ぶことを分ければ、「好きだけれど難しすぎるから諦める」という必要はありません。

まず原曲や名演を聴いてトランペットの魅力を知り、演奏するときは自分に合った編曲を選ぶ。この考え方なら、初心者でも有名曲を楽しみながら段階的にレベルアップできます。独学で音域や吹き方につまずく場合は、トランペットをレッスンで習う方法も選択肢になります。

クラシックの有名なトランペット曲

クラシックには、トランペットの音色と技巧を正面から楽しめる名曲が数多くあります。

高音域の華やかさ、ファンファーレのような力強さ、柔らかく歌う音色など、同じ楽器でも作品によって表情は大きく変わります。

クラシックのトランペットを初めて聴く人は、一曲だけで印象を決めず、時代や作曲家の違う曲を何曲か聴き比べてみるとおもしろいでしょう。

ハイドン・フンメルの協奏曲

クラシックのトランペット名曲として代表的な作品の一つが、ヨーゼフ・ハイドンの『トランペット協奏曲 変ホ長調 Hob.VIIe:1』です。

1796年に作曲され、半音階を演奏できる鍵式トランペットを開発したアントン・ヴァイディンガーのために書かれました。

全3楽章で構成され、トランペットの明るい音色や動きのあるパッセージ、旋律的な表現を楽しめます。特に第3楽章は華やかで、「クラシックのトランペットらしい曲を聴きたい」という人にも特徴が伝わりやすいでしょう。

トランペットという楽器は、長い歴史の中で構造や演奏できる音が変化してきました。ハイドンの協奏曲は、半音階を扱える新しいトランペットの可能性を生かして書かれたという点でも重要です。

ただし、聴きやすい旋律があることと、初心者が簡単に演奏できることは別です。

原曲を本格的に演奏する場合は、音域だけでなく、正確なアーティキュレーション、息のコントロール、フレーズの処理などが求められます。初心者が最初に吹く曲というより、クラシック・トランペットを学んでいく中で目標になりやすい作品と考えると分かりやすいでしょう。

ハイドンを最初に聴く理由

クラシックのトランペット曲をほとんど知らない人にとって、ハイドンの協奏曲が分かりやすい理由は、トランペットの音がはっきり前に出てくることです。

オーケストラ作品では、多くの楽器の中からトランペットの音を聞き分ける必要があります。しかし協奏曲では独奏楽器として扱われるため、音色やフレーズに集中して聴きやすくなります。

「トランペットのクラシック曲をまず一曲」という場合に候補へ入れやすいのは、そのためです。

ハイドンと並ぶ重要な作品が、ヨハン・ネポムク・フンメルの『トランペット協奏曲』です。

1803年に作曲され、こちらもアントン・ヴァイディンガーのために書かれました。原曲はホ長調ですが、現在では変ホ長調版でも広く演奏されています。

ハイドンとフンメルの協奏曲は、トランペットのクラシック・レパートリーを知るときに並べて挙げられることの多い作品です。

同じ協奏曲でも音楽の流れや旋律の雰囲気は異なります。ハイドンだけを聴いて終わるのではなく、フンメルも続けて聴いてみると、「クラシックのトランペット」とひとことで言っても表現の幅があることが分かります。

クラシックの入口はハイドンとフンメルの聴き比べにすると、トランペット協奏曲の特徴をつかみやすくなります。

どちらも原曲演奏は初心者向けではありません。そのため、これからトランペットを始める人は「最初に吹く曲」ではなく、「まず聴いて知っておきたい代表曲」として楽しむのがおすすめです。

バッハ・アルチュニアンの名曲

古典派のハイドン、フンメルとは違うトランペットの姿を知りたいなら、J.S.バッハの『ブランデンブルク協奏曲第2番 ヘ長調 BWV1047』があります。

この作品では、トランペット、リコーダー、オーボエ、ヴァイオリンが独奏群を担当します。

特にトランペットは非常に高い音域で華やかな存在感を放ち、バロック時代のトランペットの特徴を感じられる作品として重要です。

一般的なオーケストラ曲では、トランペットは全体の響きを支えたり、重要な場面で強いアクセントを与えたりします。しかし『ブランデンブルク協奏曲第2番』では、他の独奏楽器と並んで前面に出るため、高音域の輝きが非常によく分かります。

その一方で、原曲のトランペットパートは極めて難しいことで知られています。

初心者が演奏曲として選ぶのではなく、「トランペットはここまで高い音域で活躍できるのか」と楽器の可能性を知る鑑賞曲として聴くと楽しみやすいでしょう。

時代を大きく進めると、20世紀を代表する作品としてアレクサンドル・アルチュニアンの『トランペット協奏曲 変イ長調』があります。

1950年に完成した作品で、アルメニア的な旋律、叙情的な部分、速いタンギングを伴う華やかな技巧など、さまざまな要素が盛り込まれています。

ハイドンやフンメルの協奏曲と比べると、音楽の雰囲気がかなり異なります。「クラシックのトランペット曲はどれも似ている」と感じている人は、時代の離れた作品を比べると印象が変わるかもしれません。

アルチュニアンの協奏曲も本格的なトランペット・レパートリーであり、初心者向けではありません。速い動きや表現の変化が多く、高度な演奏技術が求められます。

柔らかいトランペットを聴くなら

協奏曲とは違う方向からトランペットの魅力を知りたいなら、ルロイ・アンダーソンの『トランペット吹きの子守歌(A Trumpeter’s Lullaby)』があります。

1949年の作品で、トランペットを大音量のファンファーレ楽器としてではなく、柔らかく歌う楽器として聴けるのが特徴です。

トランペットというと、運動会や式典のファンファーレ、オーケストラの強い金管サウンドを連想する人もいるでしょう。しかし実際には、息の使い方や音色によって、かなり穏やかな表情も作れます。

この曲は、そうしたトランペットの柔らかさを知るのに向いています。

華やかさを楽しむなら

同じルロイ・アンダーソンでも、1954年の『トランペット吹きの休日(Bugler’s Holiday)』は方向性が大きく異なります。

3本のトランペットが活躍する高速で華やかな作品で、速いタンギングと息の合ったアンサンブルが聴きどころです。

『トランペット吹きの子守歌』と『トランペット吹きの休日』を続けて聴くと、同じ楽器が柔らかく歌うことも、明るく駆け抜けることもできることが分かります。

ただし、『Bugler’s Holiday』を原曲に近い形で演奏する場合は、速いタンギングだけでなく、複数奏者で音のタイミングをそろえる精度も必要です。

初心者が吹く曲というより、まずは「トランペットらしい華やかさ」を分かりやすく楽しむ鑑賞曲として聴くのがおすすめです。

ジャズの有名なトランペット曲

ジャズのトランペットでは、クラシックとは違った聴き方ができます。

楽譜に書かれた旋律だけでなく、奏者ごとの音色、タイミング、アドリブ、フレーズの切り方、あえて音を出さない「間」まで音楽になります。

同じトランペットという楽器でも、ルイ・アームストロング、マイルス・デイヴィス、ディジー・ガレスピー、チェット・ベイカーでは、印象が大きく違います。

ジャズをよく知らない人ほど、代表的な奏者を一人ずつ聴き比べてみると、トランペットの表現力を感じやすいでしょう。

アームストロングとマイルス

ジャズ・トランペットの歴史を知るうえで外せない奏者の一人が、ルイ・アームストロングです。

代表的な歴史的録音として挙げられるのが『West End Blues』です。曲自体はジョー・“キング”・オリヴァーの作曲ですが、アームストロングによる1928年の録音が特に有名です。

冒頭では、伴奏なしのトランペットが強烈な存在感を放ちます。

「昔のジャズだから難しそう」と構えなくても、最初のフレーズを聴くだけで、トランペットがソロ楽器として音楽の中心に立つ感覚をつかみやすいでしょう。

ただし、これを自分で完全に再現しようとすると話は別です。

音の高さだけを楽譜で追っても、アームストロングらしいリズム、強弱、フレーズの方向、音色まではそのまま再現できません。ジャズでは、譜面に書き切れない部分が演奏の個性になります。

マイルス・デイヴィスで「間」を聴く

そこから時代を進めると、マイルス・デイヴィスの『So What』があります。

1959年のアルバム『Kind of Blue』に収録された曲で、モード・ジャズを代表する作品として知られています。

『West End Blues』と『So What』を続けて聴くと、同じジャズ・トランペットでも音の使い方が大きく違うことが分かります。

マイルスの演奏では、速い音を大量に並べることよりも、必要な音を選び、音と音の間を生かす感覚を聴き取りやすくなっています。

トランペットを始めたばかりのころは、「速く吹けるほど上手」「高い音が出るほど上手」と考えがちです。しかし音楽では、それだけが表現力ではありません。

音数が少なくても音色と間で音楽を作れることを感じやすいのが、マイルス・デイヴィスの魅力の一つです。

なお、『So What』は音数が比較的少ない場面があるからといって、同じニュアンスを簡単に再現できるという意味ではありません。

初心者が学ぶ場合には、まずメロディーや短いフレーズを吹き、その後に原演奏と比べながら、音の長さや入り方の違いを聴く方法があります。

ガレスピーとチェット・ベイカー

スピード感のあるビバップのトランペットを聴きたいなら、ディジー・ガレスピーの『A Night in Tunisia(チュニジアの夜)』があります。

1940年代に生まれた代表的なジャズ・スタンダードで、アフロ・キューバン的なリズムとジャズのスウィング感が共存しています。

アームストロング、マイルス、ガレスピーの順に聴いてみると、時代が変わるにつれてジャズ・トランペットの語法や音の使い方が変わっていくことを感じやすくなります。

『A Night in Tunisia』を本格的に演奏する場合は、テーマを吹くだけでなく、速いフレーズやジャズ特有のリズム、アドリブへの理解も必要です。

そのため、原演奏の再現は初心者向けではありません。

ただし、ジャズを聴く入口としては非常に分かりやすく、「ビバップのトランペットとはどんな雰囲気なのか」を知るのに向いています。

柔らかな音色ならチェット・ベイカー

速さや鋭さとは違う魅力を聴きたい人には、チェット・ベイカーの『My Funny Valentine』があります。

もともとはリチャード・ロジャース作曲のスタンダードですが、チェット・ベイカーを象徴するレパートリーの一つとして知られています。

チェット・ベイカーのトランペットは、強く前へ押し出すというより、柔らかく歌うような印象を持ちやすい演奏です。

『A Night in Tunisia』と続けて聴くと、同じジャズ・トランペットでも方向性がまったく違うことがよく分かります。

『My Funny Valentine』は、メロディーだけをトランペットで演奏する編曲もあります。

ここで覚えておきたいのは、「チェット・ベイカーの演奏を完全にコピーすること」と「曲のメロディーをトランペットで吹くこと」は別だという点です。

アドリブやニュアンスまで再現するのは簡単ではありませんが、旋律を中心にした編曲なら、より取り組みやすい楽譜を探すことができます。

ジャズに興味を持った初心者は、いきなり難しいアドリブをしようとしなくても大丈夫です。まずは有名な演奏を聴き、主旋律を吹き、好きな奏者の音色をまねしようと耳を使うだけでも、ジャズを楽しむ第一歩になります。

ポップス・映画のトランペット曲

クラシックやジャズに詳しくない人でも、ポップス、映画、アニメ音楽なら「この曲は知っている」と感じるものが見つかりやすいでしょう。

トランペットは明るく輪郭のはっきりした音を出せるため、ポップスの印象的なフレーズや映画音楽のファンファーレでも存在感があります。

有名なメロディーから入れば、トランペットそのものに詳しくなくても音色を意識しやすくなります。

ハーブ・アルパートと有名ポップス

ポップで聴きやすいトランペットの入口として挙げやすいのが、Herb Alpert & the Tijuana Brassです。

代表曲の一つ『Spanish Flea』は、1960年代のHerb Alpert & the Tijuana Brassを象徴する軽快なインストゥルメンタルです。

明るく、リズムも親しみやすく、トランペットが音楽のキャラクターを分かりやすく作っています。

クラシック協奏曲のような長い構成に慣れていない人でも聴きやすいため、「まずトランペットが目立つ楽しい曲を聴きたい」という場合の入口になります。

同じく『A Taste of Honey』も、Herb Alpertを代表するインストゥルメンタルの一つです。

『Spanish Flea』と合わせて聴くと、Tijuana Brass特有の明るいトランペット・サウンドを楽しめます。

ビートルズの『Penny Lane』

ポップス史に残る印象的なトランペット・フレーズの例としては、The Beatlesの『Penny Lane』があります。

1967年に発表された曲で、中間部に非常に高いピッコロトランペットのソロが登場します。

この演奏を担当したのは英国のクラシック奏者David Masonです。

ピッコロトランペットは、一般的なB♭トランペットよりも高い音域を担当する小型のトランペットです。『Penny Lane』のソロが独特の輝きを持って聞こえる理由の一つが、この楽器の音域と音色にあります。

聞き覚えのある有名曲でも原演奏が簡単とは限らないので、吹く場合は編曲レベルを確認しましょう。

『Penny Lane』も曲自体は親しみやすいですが、原曲のピッコロトランペット・ソロを初心者がそのまま再現する曲ではありません。

「知っている曲だから吹けそう」という印象と、実際の演奏難易度を分けて考えることが大切です。

ラピュタ・ルパン・映画音楽の定番

日本でトランペットを吹いてみたい人にとって、特に親しみやすいのが映画やアニメの曲です。

その代表例の一つが、久石譲作曲の『ハトと少年』です。

映画『天空の城ラピュタ』の劇中でトランペットの旋律が印象的に使われるため、日本では「トランペットで吹いてみたい曲」として思い浮かべる人も多い作品です。

『ハトと少年』は初心者向けのトランペット曲集にも収録例があります。

ただし、同じ曲名でもすべて同じ難易度ではありません。

初心者向けに音域やリズムを整理したものもあれば、ソロとしてより本格的に演奏する編曲もあります。

これは、トランペット楽譜を選ぶうえで非常に分かりやすい例です。

『ルパン三世のテーマ』は編曲によって難しさが変わる

大野雄二作曲の『ルパン三世のテーマ』も、トランペットで吹きたい曲として親しまれています。

ジャズやファンクの要素を持ち、管楽器の音が映えるため、トランペットとの相性を感じやすい曲です。

一方で、速いフレーズや細かなリズム処理が入る編曲では、完全な初心者には難しい場合があります。

曲をよく知っていると「意外と吹けそう」と感じることがありますが、実際の演奏ではテンポ、リズム、息の配分など複数の要素を処理する必要があります。

最初から原曲の雰囲気をすべて再現しようとするのではなく、メロディーを中心に整理された楽譜から始める方法もあります。

映画音楽ならジョン・ウィリアムズ

海外映画のトランペットを含む金管サウンドとして印象的なのが、ジョン・ウィリアムズの作品です。

『Star Wars Main Title』は独奏トランペット曲ではありませんが、冒頭から金管楽器の輝かしい響きが前面に出ます。

トランペットを始める前からこのサウンドを知っている人も多いでしょう。

しかし、映画で聴くオーケストラのFirst Trumpetパートと、初心者向けのトランペット・ソロ楽譜は別物です。

オーケストラの実際のパートでは、音域、スタミナ、音量、アンサンブル能力などが必要になります。初心者が映画のメロディーを楽しみたい場合には、旋律を吹きやすい音域に整理した編曲を探すほうが現実的です。

ジョン・ウィリアムズの『Olympic Fanfare and Theme』も、トランペットを含む華やかな金管サウンドを味わえる作品です。

1984年ロサンゼルス・オリンピックのために作曲された作品で、ファンファーレらしい力強さを楽しめます。

『アイーダ』の凱旋行進曲も有名

ヴェルディの歌劇『アイーダ』より「凱旋行進曲」も、トランペットを連想しやすい有名曲です。

本来はオペラ/オーケストラ作品であり、独奏トランペットだけのために作曲された曲ではありません。

しかし、ファンファーレ風の金管サウンドが強く印象に残るため、初心者向けに主旋律を取り出したトランペット編曲もあります。

このような曲は、「原曲が独奏曲かどうか」にこだわるより、「自分が知っている旋律をトランペットで楽しめるか」という視点で選ぶとよいでしょう。

初心者が吹きやすい有名曲の選び方

初心者が有名曲を吹くときは、「何の曲を選ぶか」と同じくらい「どの編曲を選ぶか」が重要です。

同じ曲でも、音域、調、テンポ、リズム、伴奏、フレーズの長さによって難しさは大きく変わります。

たとえば、原曲では高い音が多い曲でも、初心者向けの楽譜では音域を下げている場合があります。速いフレーズを簡略化したり、複雑な間奏を省略したりすることもあります。

そのため、「この曲は初心者向け」「この曲は上級者向け」と曲名だけで完全に分類することはできません。

初心者用の編曲を探しやすい有名曲には、次のようなものがあります。

  • 聖者の行進
  • 歓喜の歌
  • きらきら星
  • アメイジング・グレイス
  • トランペット・ヴォランタリー
  • アイーダ「凱旋行進曲」
  • 木星
  • 威風堂々第1番
  • 上を向いて歩こう
  • 見上げてごらん夜の星を
  • 宇宙戦艦ヤマト
  • ハトと少年
  • さんぽ
  • 星に願いを

ここで大切なのは、「これらの原曲が簡単」という意味ではないことです。

初心者が取り組みやすい形に編曲されたトランペット譜が存在する、という意味で考えてください。

たとえば、2026年に発売されたヤマハの初心者向け曲集『無理なく吹ける かんたん トランペット・レパートリー』(Amazonで同曲集を確認)では、2オクターブ程度の基礎音域を想定した編曲が採用され、『聖者の行進』『歓喜の歌』『トランペット・ヴォランタリー』『アイーダ』の「凱旋行進曲」、『ハトと少年』『宇宙戦艦ヤマト』『上を向いて歩こう』などが収録されています。

このように、市販の初心者向け曲集では、原曲の難しい部分をそのまま再現するのではなく、基礎的な音域でも演奏できるよう整理されている場合があります。

B♭管対応と編曲の難易度を確認する

初心者がトランペットの楽譜を選ぶときに、曲名と同じくらい重要なのが、楽器の調です。

一般的によく使われるトランペットはB♭管です。

B♭トランペットで楽譜上のCを演奏すると、実際に鳴る音はコンサートピッチのB♭になります。

これはB♭トランペットが移調楽器だからです。

一人でメロディーを吹くだけなら、ピアノ譜を見ながら音を出すこと自体はできます。しかし、ピアノや伴奏音源と一緒に演奏するときは注意が必要です。

ピアノ譜に書かれた旋律をB♭トランペットでそのまま演奏すると、伴奏と実際に鳴る音の高さがずれる場合があります。

伴奏と合わせるならB♭トランペット用楽譜を選ぶことが基本です。

楽譜の商品説明に「B♭ Trumpet」「B♭管トランペット」と書かれているか、伴奏がトランペット用に用意されているかを確認すると安心です。

曲名より先に見るべきポイント

初心者向け楽譜を選ぶときは、次のような項目を確認すると失敗しにくくなります。

確認項目 見るポイント
対象楽器 B♭トランペット用かどうかを確認する
対象レベル 入門、初級、中級などの表示を確認する
音域 現在出せる最高音・最低音の範囲に収まっているかを見る
テンポ 速すぎるフレーズが多くないか確認する
伴奏 ピアノ伴奏、カラオケ音源などの有無を見る
編成 ソロなのか、デュオなのか、合奏用なのかを確認する
補助情報 運指、練習用音源、解説などが付いているかを見る

同じ『ハトと少年』でも、初心者向けに基礎音域へ整理された版と、本格的なソロ版では難易度が大きく変わります。

『ルパン三世のテーマ』も、メロディー中心の比較的取り組みやすい編曲と、ジャズ/ファンクのリズムや速い動きを生かした編曲では、求められる技術が違います。

ですから、「有名曲だから初心者でも吹けるはず」と考えるのではなく、その楽譜自体の難易度を確認してください。

最初は知っている曲から選んでもよい

初心者が最初に吹く曲は、必ずしもクラシックの練習曲だけである必要はありません。

すでに知っているメロディーには、自分が正しい音を吹けているか判断しやすい利点があります。

『聖者の行進』『歓喜の歌』『きらきら星』のように旋律を覚えている曲なら、音程やリズムの違いにも気付きやすくなります。

日本の曲が好きなら、『上を向いて歩こう』『見上げてごらん夜の星を』『宇宙戦艦ヤマト』『ハトと少年』などのやさしい編曲を探す方法もあります。

「クラシックでなければ練習にならない」と決めつけるより、まず音を出すことを楽しみ、知っている曲を一曲最後まで演奏する経験を作ることも大切です。自分だけでは音の出し方や練習方法を判断しにくい場合は、トランペットのレッスンを受けながら練習する方法もあります。

正規楽譜を選ぶ

ポップスや映画音楽には著作権が存続している曲も多くあります。

インターネット上にはさまざまな楽譜がありますが、曲の権利関係や内容を確認できない譜面もあります。

市販されている正規楽譜なら、出版社の商品情報から対象楽器、編成、難易度、伴奏の有無などを確認しやすくなります。

運指付き、ピアノ伴奏付き、カラオケ音源付きなど、曲集によって形式も異なります。

初心者の場合は、単に曲数が多いものよりも、自分が使いやすい補助情報が付いているかを見るのもよいでしょう。

「有名曲」と「有名トランペット奏者の曲」は同じではない

検索していると、少し紛らわしい曲もあります。

代表例の一つが、ルイ・アームストロングの『What a Wonderful World』です。

アームストロングは世界的に有名なトランペット奏者ですが、『What a Wonderful World』の代表録音は歌を中心とした作品です。

そのため、「有名なトランペット独奏曲」と考えるより、「有名トランペット奏者の代表曲で、現在はトランペット用の編曲でも演奏される曲」と整理するほうが正確です。

Chuck Mangioneの『Feels So Good』も間違えやすい例です。

この曲は「有名なトランペット曲」と紹介されることがありますが、代表録音でMangioneが中心に演奏している楽器はフリューゲルホルンです。

フリューゲルホルンはトランペットと近い金管楽器ですが、別の楽器です。

音色が似ているため混同されやすいものの、「トランペットの代表曲」と断定する場合は注意したほうがよいでしょう。

目的別に曲を選ぶ

まだ聴きたい曲や吹きたい曲が決まらない場合は、目的から選ぶ方法もあります。

目的 候補
トランペットらしい華やかさを聴きたい ハイドン『トランペット協奏曲』、『Bugler’s Holiday』、『アイーダ』凱旋行進曲、『Olympic Fanfare and Theme』
柔らかい音色を聴きたい 『A Trumpeter’s Lullaby』、Chet Baker『My Funny Valentine』、Miles Davis『So What』
ジャズらしいソロを聴きたい Louis Armstrong『West End Blues』、Miles Davis『So What』、Dizzy Gillespie『A Night in Tunisia』
ポップで聴きやすい曲がよい Herb Alpert『Spanish Flea』『A Taste of Honey』、The Beatles『Penny Lane』
日本でなじみのある曲を吹きたい 『ハトと少年』『ルパン三世のテーマ』『宇宙戦艦ヤマト』『アイーダ』凱旋行進曲
初心者向け編曲を探したい 『聖者の行進』『歓喜の歌』『きらきら星』『アメイジング・グレイス』など

最初の一曲に正解があるわけではありません。

華やかな音が好きな人もいれば、チェット・ベイカーのような柔らかい音色に魅力を感じる人もいます。

クラシックが好きなら協奏曲、ジャズが好きなら有名奏者の録音、映画が好きなら映画音楽から入ってもよいでしょう。

自分がまた聴きたい、吹いてみたいと思える曲を選ぶことが、長く楽しむうえでは大切です。

トランペットの有名曲に関するよくある質問(FAQ)

Q1. トランペットで一番有名なクラシック曲は何ですか?

A. 一曲だけを絶対的な「一番」と決めることはできませんが、独奏トランペットのクラシック作品では、ハイドンの『トランペット協奏曲 変ホ長調』が代表的な作品の一つです。フンメルの『トランペット協奏曲』も並んで重要なレパートリーです。クラシックのトランペットを初めて聴くなら、この2曲を聴き比べると違いを感じやすいでしょう。

Q2. 初心者が最初に吹きやすい有名曲はありますか?

A. 初心者向けに編曲された『聖者の行進』『歓喜の歌』『きらきら星』『アメイジング・グレイス』などは候補にしやすい曲です。ただし、同じ曲でも編曲によって音域やリズムが変わります。曲名だけで難易度を判断せず、自分の音域に合うB♭トランペット用楽譜を選んでください。

Q3. ジャズのトランペットを初めて聴くなら何がおすすめですか?

A. ルイ・アームストロングの『West End Blues』、マイルス・デイヴィスの『So What』、ディジー・ガレスピーの『A Night in Tunisia』を順に聴くと違いが分かりやすいです。初期ジャズの力強いソロ、音数と間を生かした表現、ビバップのスピード感を比較できます。柔らかい音色も聴きたいなら、チェット・ベイカーの『My Funny Valentine』も加えるとよいでしょう。

Q4. What a Wonderful Worldはトランペットの曲ですか?

A. ルイ・アームストロングの代表曲として非常に有名ですが、代表的な録音は歌が中心です。そのため、もともとのトランペット独奏曲というより、「有名トランペット奏者の代表曲で、現在はトランペット用にも編曲されている曲」と考えるほうが正確です。トランペット用の正規編曲を選べば、旋律を演奏して楽しむことはできます。

Q5. Feels So Goodはトランペットの有名曲ですか?

A. Chuck Mangioneの有名曲ですが、代表録音で中心となっている楽器はフリューゲルホルンです。フリューゲルホルンはトランペットに近い金管楽器ですが別の楽器なので、厳密には「代表的なトランペット曲」と断定せず区別しておくほうがよいでしょう。

Q6. Star Warsは初心者でもトランペットで吹けますか?

A. オーケストラで演奏される実際のFirst Trumpetパートと、初心者向けに旋律を簡略化したトランペット譜は別物です。原曲のパートをそのまま再現するのではなく、音域やリズムが整理された初心者向けのB♭トランペット用編曲を選ぶと取り組みやすくなります。

Q7. ピアノの楽譜をそのままトランペットで吹けますか?

A. 一人で旋律を吹くだけなら音を出すことはできますが、一般的なB♭トランペットは移調楽器です。ピアノや原曲音源と一緒に演奏すると、同じ楽譜上の音でも実際の高さが一致しない場合があります。伴奏と合わせるなら、B♭トランペット用に移調された楽譜を使うのが基本です。

まとめ

トランペットの有名な曲には、さまざまな種類があります。

クラシックでトランペットそのものの代表曲を知りたいなら、ハイドンやフンメルの協奏曲が重要です。バッハの『ブランデンブルク協奏曲第2番』では華やかな高音域、アルチュニアンの協奏曲では20世紀らしい技巧的で表情豊かなトランペットを楽しめます。

柔らかい音色を聴きたいなら『トランペット吹きの子守歌』、華やかなアンサンブルなら『トランペット吹きの休日』もあります。

ジャズでは、ルイ・アームストロングの『West End Blues』、マイルス・デイヴィスの『So What』、ディジー・ガレスピーの『A Night in Tunisia』、チェット・ベイカーの『My Funny Valentine』を聴き比べると、同じトランペットでも奏者によって表現が大きく変わることが分かります。

ポップで聴きやすい曲から入りたいなら、Herb Alpert & the Tijuana Brassの『Spanish Flea』『A Taste of Honey』があります。ポップスの印象的なトランペットとしてはThe Beatlesの『Penny Lane』、映画音楽では『Star Wars Main Title』や『Olympic Fanfare and Theme』も有名です。

日本でなじみのある曲を自分で吹きたいなら、『ハトと少年』『ルパン三世のテーマ』『宇宙戦艦ヤマト』『アイーダ』の「凱旋行進曲」なども候補になります。

初心者の場合は、原曲の難易度だけを見て諦める必要はありません。

『聖者の行進』『歓喜の歌』『きらきら星』『アメイジング・グレイス』など、やさしい編曲なら取り組みやすい有名曲があります。

その際は、曲名だけでなく、対象レベル、音域、テンポ、伴奏の有無、そしてB♭トランペット用に書かれているかを確認してください。

有名な曲を原曲どおり吹くことより、自分の今のレベルに合った編曲を選ぶことが大切です。

まずはいろいろなトランペットの名演を聴いて、「この音が好き」「この曲を吹いてみたい」と感じる一曲を見つけてみてください。

そこから自分に合った楽譜を選べば、聴いて楽しむだけだった有名曲を、自分で音にする楽しみへつなげていけます。