「サックスのあぶらとり紙って、タンポのどこに挟めばいいの?」「紙を挟んだあと、そのまま引っ張って抜いても大丈夫?」と迷っていませんか。
サックスのお手入れ用品には、見た目がよく似たクリーニングペーパーとパウダーペーパーがあります。名前だけを見ると同じような紙に思えますが、この2つは目的が違います。
普段の演奏後にタンポやトーンホールへ残った水分・油分を取るために使うのは、基本的にクリーニングペーパーです。一方、パウダーペーパーは、クリーニングしたあとも残るタンポのベタつきを軽減するために使います。
つまり、「サックスのあぶらとり紙を探している」という場合、まず候補になるのはクリーニングペーパーです。最初からパウダーペーパーを使うわけではありません。
さらに大切なのが使い方です。クリーニングペーパーを挟んだまま、キイを閉じた状態で横へ引き抜くのは避けてください。紙に水分を吸わせたら、いったんキイを開き、圧力が抜けてからペーパーを取り出します。
ヤマハのクリーニングペーパーCP3の公式案内でも、タンポとトーンホールの間に紙を挟み、キイを軽く数回押し、位置を変えながら2~3回繰り返す方法が示されています。また、ヤマハの管楽器向けメンテナンス資料では、キイを閉じたままペーパーを引き抜かないよう注意されています。
この記事では、サックスの「あぶらとり紙」の正体から正しい挟み方、クリーニングペーパーとパウダーペーパーの違い、タンポのベタつきが取れないときの対処まで、初めてサックスのお手入れをする人にもわかりやすく整理します。
- サックスの「あぶらとり紙」が何を指すのか
- タンポを傷めにくいクリーニングペーパーの使い方
- クリーニングペーパーとパウダーペーパーの違い
- 演奏後のどのタイミングで使うのか
- 普通のあぶらとり紙やティッシュで代用できるのか
- タンポのベタつきが改善しないときの対処法
サックスのあぶらとり紙とは

サックスについて「あぶらとり紙」と検索すると、クリーニングペーパーやパウダーペーパーが出てくるため、初めて購入する人は「結局どちらを使えばいいの?」と迷いやすいところです。
まず押さえておきたいのは、日常的にタンポの水分や油分を取る紙と、ベタつきへの追加対策として使う紙は別物だということです。
基本の使い分け
演奏後の水分・油分を取る → クリーニングペーパー
水分・油分を取ってもタンポがベタつく → パウダーペーパー
「あぶらとり紙」という呼び方から、顔の皮脂を取る化粧用の紙を思い浮かべる人もいるかもしれません。しかし、サックスの日常的なタンポ清掃では、木管楽器用として作られた専用クリーニングペーパーを基準に考えるのがわかりやすいです。
基本はクリーニングペーパー
「サックス あぶらとり紙」と検索しているなら、多くの場合、探しているのは木管楽器用のクリーニングペーパーです。
クリーニングペーパーは、キイの裏側についているタンポと、管体側のトーンホールとの間に挟んで使います。そこで水分や油分を紙へ吸収させ、タンポ周辺を乾いた状態に近づけます。
サックスは息を吹き込んで演奏するため、演奏後には管内へ水分が残ります。その一部はトーンホール周辺やタンポにも付着します。
水分や汚れが残ったままになると、タンポがトーンホールへ貼り付きやすくなったり、キイを離した際の動きが鈍くなったりすることがあります。その予防としてクリーニングペーパーを使うわけです。
ヤマハはクリーニングペーパーを、タンポやトーンホールにたまった水分・油分を取るための用品として案内しています。日常のお手入れで使う紙はこちらです。
代表的な商品にはヤマハ クリーニングペーパー CP3があります。公式情報では70枚入りで、希望小売価格は506円(税込)。吸水性を高め、濡れても破れにくい紙質が採用され、取り出しやすいプルポップ式になっています。
ほかにもVIVACE クリーニングペーパーがあります。野中貿易のオリジナルブランドVIVACEの商品で、木管楽器のタンポやトーンホールの水分・汚れを取るための用品です。公式案内では吸水性、速乾性、耐久性が特徴とされ、70枚入り、サイズは64mm×101mmです。
VIVACEの商品説明には、人の皮脂を取る一般的な「あぶらとり紙」としても使える旨も記載されています。ただし、これはVIVACE製品についての説明です。化粧用として販売されているすべてのあぶらとり紙が、サックス用クリーニングペーパーと同じ仕様という意味ではありません。
そのため、サックスで日常的に使うなら、木管楽器用であることが明確なクリーニングペーパーを選ぶのが扱いやすいでしょう。
タンポとトーンホールの役割
クリーニングペーパーをどこに挟むのか理解するには、タンポとトーンホールの関係を知っておくとわかりやすくなります。
タンポはサックスのキイの裏側についている部品で、キイを操作したときにトーンホールを密閉する役割があります。
一方のトーンホールは、管体に設けられている音孔です。演奏中は複数のトーンホールを開閉することで管の実質的な長さが変わり、音程が変化します。
タンポがトーンホールを正しくふさげなければ空気が漏れ、発音や音程、吹奏感に影響する可能性があります。つまり、タンポとトーンホールの接触面は、サックスを正常に鳴らすうえで非常に大切な場所です。
この接触面に水分や汚れが残ると、キイを離した瞬間にタンポがトーンホールへ貼り付き、「ペチャッ」「パチッ」といった感触や音が出ることがあります。
貼り付きが強くなれば、キイが開くタイミングがわずかに遅れ、特定の音だけ反応しにくいと感じることもあります。
クリーニングペーパーはタンポを磨く紙ではありません。
タンポとトーンホールの間に挟み、軽くキイを押して、水分や油分を紙へ移すための道具と考えると使い方を間違えにくくなります。
タンポは消耗部品であり、状態によっては将来的に交換や調整が必要になります。だからこそ、日常のお手入れでは強くこするのではなく、余計な負担を与えず水分を取ることが重要です。
クリーニングペーパーの使い方

サックス用クリーニングペーパーの使い方そのものは難しくありません。
ただし、検索者が特に迷いやすいのが「紙を挟んだあと、どうやって抜くのか」という点です。
正しい流れを先に覚えてしまえば簡単です。
挟む → 軽く押す → キイを開く → ペーパーを抜く
この4つの動作を基本にしてください。
正しく挟む位置と手順
クリーニングペーパーを使う場所は、タンポとトーンホールの間です。
演奏後、まずネックや管体内部に残った水分はサックス用クリーニングスワブで取り除きます。その後、水分が付いているタンポを確認し、必要な場所へクリーニングペーパーを使います。
基本的な手順は次のとおりです。
- 水分が残っているタンポのキイを開く
- タンポとトーンホールの間へクリーニングペーパーを1枚挟む
- キイを軽く数回押す
- キイを完全に開く
- キイが開いた状態でペーパーを取り出す
- 紙の乾いた部分へ位置を変える
- 必要に応じて2~3回程度繰り返す
ポイントは、紙を動かして汚れを削り取るのではなく、キイを軽く押して水分を紙へ吸収させることです。
ヤマハCP3の公式説明でも、タンポとトーンホールの間に挟んでキイを軽く数回押し、ペーパーの位置を変えながら2~3度繰り返す方法が示されています。
キイを強く押し込む必要はありません。普段キイを操作するとき以上の力を加えても、吸水効果が大きく増えるわけではありません。
むしろ、キイやタンポは繊細な調整のうえで動いているので、日常のお手入れで不必要な力をかけないことを意識しましょう。
紙を挟んだら「軽く押して吸わせる」が基本です。強く締め付けたり、紙でこすったりする必要はありません。
キイを閉じたまま引かない
サックスのクリーニングペーパーを使ううえで、特に注意したいのがこの点です。
キイを閉じた状態のまま、クリーニングペーパーを横方向へ引き抜かないでください。
キイを閉じている間は、タンポとトーンホールの間でペーパーが押さえ付けられています。その状態で紙を引くと、タンポの表面と紙の間に摩擦が生じます。
ヤマハ公式「サクソフォンのお手入れ:演奏後のお手入れ」でも、キイを閉じたままクリーニングペーパーを引き抜かないよう注意されています。
正しい順番は次のとおりです。
1. ペーパーを挟む
2. キイを軽く押す
3. キイを開く
4. ペーパーを取り出す
「あぶらとり紙なら、挟んで横へ引っ張れば汚れが取れそう」と考える人もいるかもしれません。しかし、サックスのクリーニングペーパーは、紙の摩擦でタンポを磨く用品ではありません。
水分や油分を紙へ吸収させることが目的なので、タンポへ圧力がかかっていない状態で取り出してください。
やってはいけない使い方
- キイを閉じた状態で紙を横へ引き抜く
- タンポを紙で強くこする
- 必要以上に強くキイを押し込む
- 濡れた場所を何度も使い続ける
- 無理にキイ周辺を分解して掃除する
タンポを長く良い状態で使うためにも、「汚れを力で取る」より「水分をやさしく吸わせる」という意識でお手入れしましょう。
水分が残るときの対処
一度クリーニングペーパーを挟んでも、まだタンポに水分が残っていることがあります。
その場合は、同じ濡れた場所を何度も押し当てるのではなく、ペーパーの乾いている部分へ位置をずらしてください。
それでも紙がすぐに濡れる場合は、新しいペーパーへ交換します。
ヤマハの案内では、位置を変えながら2~3回程度繰り返す方法が示されています。大切なのは回数そのものではなく、乾いた紙面を使って水分をきちんと吸わせることです。
演奏時間が長かった日や、湿度が高い環境では、普段より多く水分が残ることもあります。状態を見ながら調整してください。
また、通常時に閉じているキイは水分や汚れが残りやすく、貼り付きが気になることがあります。
サクソフォンでは、G#キイとLow C#キイなどで貼り付きが気になることがあります。
これらのキイが「パチッ」と貼り付くように感じる場合は、まずクリーニングペーパーで水分や汚れを取り除きます。
それでもベタつきが残る場合にパウダーペーパーを使う、という順番です。
ただし、何度お手入れしてもキイの戻りが明らかに悪い場合は、水分やタンポのベタつきだけが原因とは限りません。バネやキイバランスなど別の問題も考えられます。
演奏後のお手入れで使う場面

クリーニングペーパーは便利ですが、これだけでサックス全体のお手入れが完了するわけではありません。
サックスには、タンポ、管体内部、ネック、マウスピース、外装など、それぞれ別の場所に水分や汚れが付着します。
そのため、タンポにはクリーニングペーパー、管内にはスワブというように、場所ごとに用品を使い分けることが大切です。
毎回使うべきタンポの目安
クリーニングペーパーを使うタイミングは、基本的に演奏後、ケースへ収納する前です。
「演奏するたびに、すべてのタンポへ必ず使うの?」と疑問に思う人もいるでしょう。
重要なのは、演奏後に水分が付いているタンポを濡れたまま放置しないことです。日常的なメンテナンスとして、目で水分が確認できる場所、普段から貼り付きが起きやすい場所を中心に状態を確認しましょう。
毎回すべてのタンポへ機械的に何度も紙を挟むというより、その日の水分量を見ながら必要な場所へ使うと考えるとわかりやすいです。
長時間練習したあとや、湿度が高い季節、室温差が大きい環境では、いつもより水分が残ることがあります。そのような日は丁寧に確認してください。
お手入れを含め、サックスの扱い方や演奏の基礎を初心者のうちから個別に学びたい場合は、対面マンツーマン中心のEYS音楽教室の特徴とレッスン内容を確認して、独学以外の選択肢と比べてみる方法もあります。
一方、パウダーペーパーは毎回の通常清掃用品ではありません。
クリーニングペーパー:水分や油分があるときの日常のお手入れ
パウダーペーパー:クリーニング後もベタつきが残るときの追加対策
新品のタンポでも、ベタつきがなければパウダーペーパーを常用する必要はありません。
「パウダーを毎回付ければ貼り付き予防になる」と考えるより、まず通常のクリーニングを行い、症状があるときだけ追加で使う方が整理しやすいでしょう。
パウダーペーパーを「毎回使うもの」と覚えないことがポイントです。まず水分を取る。ベタつきが残ったときだけパウダーを使います。
スワブとの役割の違い
クリーニングペーパーと一緒に覚えておきたいのが、サックス用のクリーニングスワブです。
この2つは、どちらも水分を取るお手入れ用品ですが、使用する場所が違います。
| お手入れ用品 | 主に使う場所 | 主な目的 |
|---|---|---|
| クリーニングペーパー | タンポとトーンホールの間 | 水分・油分・汚れを吸収する |
| クリーニングスワブ | ネックや管体内部 | 管内に残った水分や汚れを取り除く |
クリーニングペーパーを管体内部へ通すわけではありません。また、スワブを管体内部へ通しただけでは、タンポとトーンホールの接触面に残る水分をピンポイントで取ることはできません。
ヤマハのサクソフォン向けお手入れ案内でも、クリーニングスワブとクリーニングペーパーは別の工程として紹介されています。
演奏後のお手入れを大まかに整理すると、次のようになります。
- リードを外し、適切に保管する
- マウスピースに残った水分や汚れを取る
- ネック内部を清掃する
- 本体内部へサックス用スワブを通す
- タンポ周辺の水分をクリーニングペーパーで取る
- 外装に付いた指紋や皮脂を楽器用クロスで拭く
このように、サックスのお手入れは1種類の道具ですべてを済ませるのではなく、場所に応じて用品を使い分けます。
アルトサックス、テナーサックス、ソプラノサックスなど種類が違っても、タンポとトーンホールの間へクリーニングペーパーを挟んで吸水する基本的な考え方は共通です。
一方、管体内部へ通すクリーニングスワブは楽器のサイズや構造に合ったものを使う必要があります。購入する際は、自分のサックスに対応しているか確認してください。
パウダーペーパーとの違い

クリーニングペーパーとパウダーペーパーは、どちらもタンポとトーンホールの間へ挟んで使うため、初めて見ると違いがわかりにくいかもしれません。
しかし、役割は明確に異なります。
| 項目 | クリーニングペーパー | パウダーペーパー |
|---|---|---|
| 主目的 | 水分・油分の除去 | タンポのベタつき対策 |
| 主な使用場面 | 演奏後の通常のお手入れ | 清掃後もタンポが貼り付くとき |
| 使う順番 | 先 | 必要な場合のみ後 |
| 使用頻度の考え方 | 水分があるときの日常的なお手入れ | 症状があるときに限定 |
「水分を取るならパウダーペーパーでもいい」と考えるのではなく、まずクリーニングペーパーで水分と油分を取ることが基本です。
ベタつきが残るときに使う
パウダーペーパーは、タンポのベタつきを改善するために特殊なパウダーが付けられた紙です。
代表的な商品としてヤマハ パウダーペーパー PP3があります。
ヤマハ公式情報では50枚入り、希望小売価格は660円(税込)。半透明の特殊パウダーによってタンポのベタつきを取り、キイレスポンスの改善を目的とした商品です。
PP3で重要なのは、使用前にクリーニングペーパーでタンポの水分と油分を取り除くよう明記されていることです。
したがって、「キイが貼り付くから、いきなりパウダーペーパー」という順番ではありません。
基本手順は次のとおりです。
1. クリーニングペーパーで水分・油分を除去する
2. キイを動かしてベタつきが残るか確認する
3. ベタつく場合だけパウダーペーパーを使う
PP3をタンポとトーンホールの間へ挟んだら、キイを数回動かします。必要に応じてペーパーの位置を変え、2~3回程度繰り返します。
PP3ではパウダーが付いているのは印刷面です。ヤマハ公式説明では、パウダーはタンポ側でもトーンホール側でも使用できるとされています。
なぜ先にクリーニングペーパーを使うのでしょうか。
ひとつは、単純に水分や汚れが原因でタンポが一時的に貼り付いている可能性があるからです。その場合、通常のクリーニングだけで改善することがあります。
また、PP3自体も使用前に水分と油分を取り除くことを前提とした用品です。
まず乾燥・清掃し、それでもベタつくときだけパウダーと覚えておくと迷いません。
実際に購入を検討する場合は、本文中のヤマハ パウダーペーパー PP3から販売状況を確認できます。
パウダーを常用しない理由
パウダーペーパーは便利ですが、毎回すべてのタンポへ使うものではありません。
クリーニングペーパーの目的は水分や油分の除去ですが、パウダーペーパーはタンポへパウダーを付着させてベタつきに対処する用品です。
そのため、水分を取るだけならパウダーペーパーを使う必要はありません。
「予防のため毎回パウダーを付けた方がいいのでは?」と思うかもしれませんが、日常的なお手入れと症状への追加対策は分けて考えましょう。
次のような使い方は避けましょう。
- 毎回すべてのタンポへパウダーペーパーを使う
- 水分を取る目的だけでパウダーペーパーを使う
- 水分が残ったままパウダーペーパーを使う
- 貼り付きが直らないのに何度もパウダーを追加する
通常はクリーニングペーパーで十分です。
それでも特定のタンポが貼り付く場合に限り、パウダーペーパーを追加します。
それでも症状が繰り返される場合は、タンポの汚れ以外に原因がある可能性も考えてください。
おすすめの専用ペーパー

サックス用の「あぶらとり紙」を購入するなら、まずは木管楽器向けとして作られた専用品から選ぶと迷いにくいです。
特に初めて購入する人は、クリーニング用なのか、ベタつき対策用なのかを確認してください。
見た目が似ているからといって用途まで同じとは限りません。
CP3とPP3の使い分け
用途の違いがわかりやすいのが、ヤマハのクリーニングペーパー CP3とパウダーペーパー PP3です。
| 項目 | クリーニングペーパー CP3 | パウダーペーパー PP3 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 水分・油分の除去 | タンポのベタつき対策 |
| 使用場面 | 演奏後の日常的なお手入れ | 清掃後もタンポが貼り付くとき |
| 使う順番 | 先に使う | 必要な場合のみ後から使う |
| 内容量 | 70枚 | 50枚 |
| 希望小売価格 | 506円(税込) | 660円(税込) |
「どちらか1つだけ用意するなら?」という人は、日常のお手入れが目的ならヤマハ クリーニングペーパー CP3のような専用品を先に用意するとよいでしょう。
ほかにはVIVACE クリーニングペーパーも選択肢になります。
野中貿易の公式情報では、木管楽器のタンポやトーンホールの水分・汚れを取るための商品で、吸水性、速乾性、耐久性を特徴としています。70枚入りで、サイズは64mm×101mm、日本製です。
また、紙以外の選択肢としてNONAKA 吸水シートのような吸水用品もあります。
野中貿易のサックス向け公式案内では、タンポやトーンホールの水分や汚れを取る用品としてNONAKA吸水シートとVIVACEクリーニングペーパーが案内されています。使い捨ての紙以外も比較したい人は候補になります。
商品を選ぶときは、次の点を見るとよいでしょう。
- 木管楽器のタンポ用であることが明記されている
- 吸水性がある
- 濡れたときに破れにくい
- 紙片や毛羽が残りにくい
- 使用方法をメーカーが明示している
価格や在庫、パッケージ仕様は販売時期や店舗によって変わる可能性があります。購入時にはメーカーや販売店の最新情報を確認してください。
代用品を使うときの注意点
「普通の化粧用あぶらとり紙を使えば安く済むのでは?」と考える人もいるでしょう。
実際、市販のあぶらとり紙を代用する奏者はいます。ただし、化粧用あぶらとり紙は商品ごとに紙質、厚さ、強度、成分が違います。
サックスメーカーが、市販されているすべての化粧用あぶらとり紙を専用品と同じものとして推奨しているわけではありません。
特に注意したいのは、次のような製品です。
- 濡れると簡単に破れるもの
- 香料が付いているもの
- 化粧成分が付いているもの
- パウダーなどが塗布されているもの
- 毛羽や紙片が残りやすいもの
紙片がタンポ周辺へ残れば、かえってトラブルにつながる可能性があります。
ティッシュについても同様です。身近なので一時的に使いたくなるかもしれませんが、濡れたときに破れやすく、毛羽や細かな紙片が残ることがあります。
代用品でも、キイを閉じたまま紙を引き抜かないでください。
紙の種類に関係なく、タンポへ圧力がかかった状態で横方向へ動かせば摩擦が生じます。
専用クリーニングペーパーは、楽器のお手入れ用途を想定して吸水性や耐久性を考えられた商品です。
日常的に使うなら、私は専用品を1つケースに入れておく方が扱いやすいと思います。価格だけでなく、「濡れた状態でも安全に扱いやすいか」という視点で選んでください。
ベタつきが直らない場合の対処

クリーニングペーパーで水分や油分を取り、それでもベタつくのでパウダーペーパーも使った。しかし、同じキイが何度も貼り付く。
このような場合は、ペーパーだけで解決しようとしない方がよいことがあります。
キイの戻りが悪くなる原因は、タンポの水分や汚れだけではないからです。
たとえば、次のような可能性があります。
- タンポそのものの劣化
- タンポ表面への汚れの蓄積
- キイのバネの不具合や強さの問題
- キイバランスの狂い
- タンポの位置や当たり方の調整不良
- キイ機構そのものの動作不良
まずクリーニングペーパーで水分や汚れを除去し、それでもベタつく場合にパウダーペーパーを使う、という順番で対処します。
自分でできる対処は、次の順番で考えるとよいでしょう。
1. クリーニングペーパーで水分と油分を取る
2. キイを動かしてベタつきを確認する
3. 必要な場合のみパウダーペーパーを使う
4. 改善しなければ楽器店やリペア技術者へ相談する
特に、キイを離しても明らかに戻ってこない、音孔が正常に開閉していない、特定の音だけ急に出しにくくなった、といった場合は無理にパウダーを足し続けないでください。
また、「汚れているならキイを外して掃除しよう」と自分で分解するのもおすすめできません。
サックスのキイ機構は複数のキイが連動し、タンポがトーンホールを適切な位置と圧力でふさぐよう細かく調整されています。
不用意にキイを外したり、ネジやバネを触ったりすると、組み直したあとにバランスが変わる可能性があります。
ヤマハの公式お手入れ案内でも、トーンホールを掃除するために自分で楽器を分解することは勧められておらず、楽器店でのメンテナンスが案内されています。
通常のお手入れで改善しない貼り付きや動作不良は、楽器店や専門のリペア技術者へ相談してください。
「キイが戻りにくい=タンポが汚れている」とは限りません。
クリーニングペーパーとパウダーペーパーで改善しないときは、タンポの劣化、バネ、キイバランスなど別の原因を専門家に確認してもらう方が安心です。
サックスのあぶらとり紙に関するよくある質問(FAQ)
Q1. サックスのあぶらとり紙は挟んだまま引き抜いても大丈夫ですか?
A. キイを閉じてタンポへ圧力がかかっている状態のまま、横方向へ引き抜くのは避けてください。タンポとトーンホールの間へクリーニングペーパーを挟んだらキイを軽く数回押し、その後キイを完全に開いてから紙を取り出します。紙でタンポをこするのではなく、水分や油分を吸収させる意識で使うのが基本です。
Q2. クリーニングペーパーは演奏するたびに使った方がいいですか?
A. 演奏後にタンポが湿っている場合は、水分を残さないようクリーニングペーパーで吸収するとよいでしょう。すべてのタンポへ機械的に何度も使うというより、水分が確認できる場所や貼り付きやすいキイを中心に状態を見ながら使います。長時間演奏した日や湿度が高い日は、いつもより丁寧に確認してください。パウダーペーパーは毎回使う必要はありません。
Q3. クリーニングペーパーとパウダーペーパーはどちらを買えばいいですか?
A. 普段の演奏後のお手入れなら、まずクリーニングペーパーです。タンポとトーンホールに残った水分や油分を取るために使います。それでもタンポのベタつきが残る場合に、追加でパウダーペーパーを使います。どちらか一方を最初に用意するなら、通常のお手入れに使えるクリーニングペーパーを優先するとよいでしょう。
Q4. 普通の化粧用あぶらとり紙やティッシュで代用できますか?
A. 代用品を使う奏者もいますが、紙質や濡れたときの強度、含まれる成分は製品によって異なります。香料、化粧成分、パウダー付きの紙などは避けた方がよいでしょう。ティッシュも濡れると破れたり、毛羽や紙片が残ったりする可能性があります。日常的に使うなら、木管楽器用として作られたクリーニングペーパーを選ぶ方が扱いやすいです。
Q5. パウダーペーパーを使ってもタンポのベタつきが直らない場合はどうすればいいですか?
A. パウダーを何度も追加して症状を隠そうとせず、楽器店やリペア技術者へ相談してください。タンポの劣化だけでなく、キイのバネ、バランス、タンポの当たり方などが原因になっている可能性があります。自分でキイを分解すると調整を崩すことがあるため、通常のお手入れで改善しない場合は専門家に確認してもらうのが安心です。
サックスの「あぶらとり紙」として日常的に使うものは、基本的にはクリーニングペーパーです。
タンポとトーンホールの間へ紙を挟み、キイを軽く数回押して水分を吸収させます。そして、紙を取り出す前に必ずキイを開く。この順番を覚えておけば、タンポへ余計な摩擦をかけにくくなります。
水分が一度で取り切れない場合は、濡れた部分を何度も使うのではなく、ペーパーの乾いた場所へずらしながら2~3回程度繰り返してください。
パウダーペーパーは別用途です。まずクリーニングペーパーで水分と油分を取り、それでもタンポがベタつく場合だけ使用します。
迷ったときは、「日常のお手入れはクリーニングペーパー、ベタつきが残ったときだけパウダーペーパー」と覚えておけば大きく間違えません。
そして、ペーパー類を正しく使ってもキイの貼り付きや戻りの悪さが改善しない場合は、無理に自分で分解したりパウダーを追加したりせず、楽器店やリペア技術者へ相談しましょう。
サックスのお手入れは、難しい作業をすることよりも、演奏後に水分を残さない習慣をつけることが大切です。
まずは「挟む、軽く押す、キイを開く、紙を抜く」というクリーニングペーパーの基本から身につけてください。

