オカリナを始めたばかりのころは、「どの曲から練習すればいいのだろう」「簡単そうな曲を選んだのに意外と吹けない」と迷いやすいものです。
初心者が最初の曲を選ぶときは、知名度や好き嫌いだけでなく、使う音の数、音域、半音の有無、テンポ、リズム、音の跳躍などを確認することが大切です。
特に12穴のアルトC管で練習する場合、最初から出せる音をすべて使おうとする必要はありません。まずは中音域の数音だけで吹ける曲から始め、指使いと息を安定させながら少しずつ音域を広げていく方が、曲を最後まで完成させやすくなります。
初心者向けに編曲された楽譜なら、童謡や唱歌だけでなく、クラシック、ジブリ、J-POPなどにも段階的に挑戦できます。
この記事では、オカリナ初心者におすすめの曲、簡単な曲を見分ける基準、練習曲を難しくしていく順番、曲を吹く前に覚えておきたい基礎練習まで詳しく紹介します。
- 初心者が吹きやすい曲を見分けるポイント
- 最初の1曲に選びやすいおすすめ曲
- 少ない音から1オクターブ、半音へ進む練習順序
- 童謡・クラシック・ジブリ・J-POPの候補
- 楽譜が読めない場合の練習方法
- 高音や半音でつまずいたときの考え方
オカリナ初心者の曲選びの基本
オカリナは息を入れると比較的音を出しやすい楽器ですが、「音を鳴らせること」と「曲を止まらず演奏できること」は同じではありません。
曲を演奏するときは、次の音の指使いを考えながら、息の強さ、タンギング、リズム、息継ぎなども同時に処理します。
始めたばかりの時期に難しい曲を選ぶと、運指を覚えるだけで精一杯になり、息や音色まで意識しにくくなります。
そのため、最初の曲ほど「できるだけ簡単な条件がそろっているか」を確認することが重要です。
最初は少ない音と狭い音域で選ぶ
初心者が最初に確認したいのは、その曲で使われる音の数です。
たとえば、ド・レ・ミ・ファ・ソなど5音前後で演奏できる曲なら、覚える指使いが限られます。指のことを考える負担が減るため、音をまっすぐ出すことや、穴を確実に塞ぐことにも意識を向けやすくなります。
最初は使用音の少ない曲を選ぶことが、1曲を完成させる近道です。
音域も重要です。一般的な12穴オカリナでは、低いラ・シから高いファ程度までを基本音域とする製品があり、NIGHT OCARINAの公式FAQでも12穴シングル管について約1オクターブ半の音域が案内されています。12穴オカリナの基本音域についてはメーカー公式情報でも確認できます。
ただし、初心者が最初から広い音域を使う必要はありません。
中音域を中心にした曲から始め、基本の指使いが安定したら高い音や低い音を追加していく方が、原因を切り分けながら練習できます。
音域が狭い曲が練習しやすい理由
広い音域を使う曲では、音によって息の使い方が変わったり、複数の指を一度に大きく動かしたりする場面が増えます。
一方、狭い範囲の音だけでできている曲なら、似た指の形を連続して使えることが多く、運指の切り替えに集中できます。
初めは1オクターブ以内、さらにいえば中音域中心の曲を選ぶと取り組みやすいでしょう。
隣り合う音が多い曲を選ぶ
ドからレ、レからミのように隣り合う音へ順番に進む旋律は、初心者でも指を動かしやすい傾向があります。
反対に、ドからソ、ミから高いドなど大きく離れた音へ移る場面が連続すると、複数の指穴を一度に開閉する必要があります。
指の切り替えが少しずれると、途中の音が混ざったり、穴が塞がり切らず音が不安定になったりします。
楽譜を見るときは、音の高さだけでなく「音がどのように動いているか」も見ておきましょう。
知っているメロディーは間違いに気付きやすい
童謡や唱歌、有名曲など、頭の中で正しい旋律を思い浮かべられる曲は初心者の練習に向いています。
演奏中に音を間違えたり、リズムがずれたりしたとき、自分で違和感に気付きやすいからです。
楽譜だけを頼りに初めて聴く曲を練習するより、すでに旋律を知っている曲の方が、運指と実際の音を結び付けやすい場合があります。
半音や速い曲を避けるポイント
次に確認したいのが、♯や♭などの変化記号です。
シ♭やファ♯などの半音では、基本的なドレミとは異なる運指を使います。まだ基本運指を覚えている途中で半音が何種類も登場すると、指使いを覚える負担が急に増えます。
初心者用教材でも、まず基本音を練習し、その後に高音やシ♭、ファ♯などを追加していく段階的な構成が見られます。ヤマハの初心者向けオカリナ教則本でも、基礎音階やタンギング、ブレスの後に高音や各種半音へ進む構成が確認できます。
そのため、最初の数曲では変化記号の少ない楽譜を選び、基本音が自然に出せるようになってから半音を加えると進めやすくなります。
速いテンポは後回しでよい
好きな曲を原曲と同じテンポで吹きたくなることもありますが、初心者の練習では速さを優先する必要はありません。
テンポを落とせば、次の指使いを考える時間ができます。また、音の出だし、息の強さ、息継ぎの位置も落ち着いて確認できます。
最初は原曲より遅いテンポで練習することを前提に考えてください。
ゆっくりしたテンポで正確に吹けるようになってから少しずつ速くした方が、間違った運指やリズムを繰り返し覚えてしまうのを避けやすくなります。
リズムが細かすぎないかを見る
4分音符や2分音符などを中心にした旋律は、指とリズムを同時に処理しやすいでしょう。
一方、細かな16分音符、シンコペーション、短い休符などが多い曲は、音程が簡単でもリズム面で難しくなります。
J-POPやアニメ曲では、歌のリズムをそのまま再現した譜面より、初心者用に簡略化した譜面の方が練習しやすい場合があります。
曲名だけで難しさを決めない
「童謡だから簡単」「ゆっくりした曲だから簡単」「有名な初心者曲だから必ず簡単」とは限りません。
同じ曲でも、調、使用音域、装飾音、リズム、伴奏に合わせるテンポなどは編曲によって変わります。
曲名だけで難易度を判断せず、実際に使用する音域・♯・♭・リズムを確認しましょう。
特にアルトC管で練習する場合は、「アルトC管用」「C管対応」「初心者向けアレンジ」などの記載を確認すると選びやすくなります。
初心者におすすめの簡単な5曲
最初の曲には、使用する音が少なく、旋律が短く、リズムを覚えやすいものが向いています。
ここでは、初心者向け教材の初期段階でも扱われる例がある曲を中心に、候補にしやすい5曲を紹介します。
よろこびの歌とメリーさんの羊
「よろこびの歌」は、ベートーヴェンの交響曲第9番で知られる旋律です。
初心者用に簡単にした編曲では、限られた音で練習でき、同じ音の繰り返しや隣り合う音への動きが多いため、初期の運指確認に使いやすい曲です。
短いフレーズに区切りやすいので、一度に曲全体を覚えなくても練習できます。
まず2〜4小節程度を吹けるようにし、その部分をつなげていけば「最初の1曲を完成させる」という目標に近づきやすくなります。
「メリーさんの羊」も初心者の練習候補として取り入れやすい曲です。
旋律を知っている人が多く、比較的狭い音域で演奏できます。
同じ音を続ける場所では、指を動かさずに音を区切るタンギングを練習できます。
同音を吹くたびに息を完全に止めるのではなく、「トゥ」などの発音をイメージして舌を使うと、音の輪郭を整える練習になります。
最初の練習では、一度も間違えずに吹くことよりも、短い部分を正しい指使いで繰り返すことを優先しましょう。
ちょうちょう・きらきら星・かえるの合唱
「ちょうちょう」は短く覚えやすく、初心者の運指確認に使いやすい曲です。
ただし、同じ曲でも楽譜によって調や使用音域が異なります。アルトC管向けの初心者用編曲を選びましょう。
「きらきら星」は、基本の音をいくつか覚えたあと、使用音を少し広げていく段階の候補です。
同じリズムや旋律パターンが繰り返されるため、曲の構造を覚えやすい一方、離れた音へ動くところがあります。
そのため、完全な初日より、「よろこびの歌」「メリーさんの羊」などで基本運指に少し慣れてから取り組む方法もあります。
「かえるの合唱」は、音階に沿った動きが多く、ドレミの運指練習を実際の旋律につなげるときに使いやすい曲です。
単純な音階練習だけでは飽きやすい人でも、曲として練習すれば音の順番を覚えやすくなるでしょう。
最初の5曲をどう並べるか
一例として、次のような順番で進められます。
- よろこびの歌
- メリーさんの羊
- ちょうちょう
- きらきら星
- かえるの合唱
ただし、これは絶対的な難易度順ではありません。
同じ曲でも編曲によって使用する音が変わりますし、得意な指の動きにも個人差があります。
楽譜を見て、自分がすでに覚えた音で吹ける曲から選んでください。
練習曲を段階的に難しくする方法
簡単な曲を1曲吹けるようになったら、次は新しい要素を少しだけ含む曲へ進むと効率的です。
いきなり高音・半音・速いテンポ・広い音域が同時に登場する曲へ進むと、どこでつまずいているのか分かりにくくなります。
新しい課題は一度に増やしすぎないことが、段階的な上達のポイントです。
5音から1オクターブへ広げる
最初の段階では、中音域の少ない音でできる曲を使い、基本運指、タンギング、一定の息を覚えます。
「よろこびの歌」「メリーさんの羊」「ちょうちょう」などが候補になります。
段階1:少ない音で基礎を固める
この段階では、曲を難しくするより、一つひとつの音が安定しているかを確認します。
特に大切なのは、指穴を完全に塞ぐことです。少しでも穴が開いていると、息が漏れて音が不安定になったり、狙った高さにならなかったりします。
速さよりも確実さを優先してください。
段階2:使用する音を少し増やす
基本の数音に慣れたら、「きらきら星」などで使用音を増やします。
ここでは新しい指使いを覚えるだけでなく、離れた音へ移動するときの指の切り替えも練習します。
うまく音がつながらない場合は、曲全体を吹くのではなく、移動しにくい2音だけを繰り返してみましょう。
段階3:高いドまで広げる
次に、シや高いドまで含む曲へ進みます。
「かごめかごめ」「うさぎ」なども、楽譜によってはこの段階の候補になります。
指穴を開ける数が増えてくると、楽器を支えるバランスにも注意が必要になります。指だけでなく、楽器が安定した状態で音を変えられるように練習しましょう。
段階4:1オクターブを曲の中で使う
「春の小川」「ふじの山」などは、ドから高いド程度までの音を実際の旋律でつなぐ練習候補になります。
音階として順番に吹けても、曲になると違う順番で音が現れます。
ここで、指使いを「ドレミの順番」として覚える段階から、「楽譜を見て必要な指へ直接動かす」段階へ進めます。
| 段階 | 曲の例 | 主な練習内容 |
|---|---|---|
| 最初の数音 | よろこびの歌、メリーさんの羊、ちょうちょう | 基本運指、タンギング、一定の息 |
| 初級前半 | きらきら星、かえるの合唱、聖者の行進 | 使用音を増やす、指の切り替え |
| 初級中盤 | かごめかごめ、うさぎ、春の小川、ふじの山 | 高いドまで、1オクターブ程度の運指 |
| 初級後半 | 故郷、紅葉、おぼろ月夜、大きな古時計 | 半音、高いレ、広い音域 |
| レパートリー入門 | アメイジング・グレイス、赤とんぼ、きよしこの夜 | ロングトーン、フレーズ、音色 |
| 有名曲へ発展 | さんぽ、翼をください、上を向いて歩こう、涙そうそう | 長い曲、歌もののリズム |
高音と半音は基本運指のあとに挑戦
高い音が出てくると、基本運指を覚えるだけでは対応しにくい場合があります。
オカリナは息の量やスピード、楽器の角度などでも音色や音程が変わるため、高音域では中音域とは違った感覚が必要になることがあります。
高音がかすれるとき
高音がうまく鳴らないと、「指は合っているのに、なぜ音が出ないのだろう」と感じるかもしれません。
その場合は、穴が正しく開閉できているかだけでなく、息の量、息のスピード、楽器の角度、姿勢なども確認します。
自分では原因を切り分けにくい場合は、オカリナを学べるEYS音楽教室の特徴も確認し、実際の音や吹き方を見てもらう方法があります。
高音を多用する曲を最初から選ぶと、曲の練習より「1音を出す練習」に時間がかかることがあります。
まずは高いド程度までで完成できる曲を何曲か吹き、その後に高いレなどを追加すると取り組みやすいでしょう。
半音は基本音のあとに覚える
シ♭やファ♯などでは、基本のドレミとは違う指使いを使います。
半音自体が特別に悪いわけではありませんが、初心者が最初から複数の半音を同時に覚えようとすると、基本運指との区別が難しくなることがあります。
「故郷」「紅葉」「大きな古時計」なども初心者用教材で扱われる例がありますが、実際にどの半音を使うかは編曲によって異なります。
楽譜の最初に付く♯・♭や、途中で現れる変化記号を確認してから練習を始めましょう。
ジャンル別の初心者向け有名曲
基本の曲を何曲か吹けるようになったら、好きなジャンルの曲へ広げていきましょう。
童謡・唱歌だけでなく、海外民謡、クラシック、ジブリ、J-POPなどにも初心者向けの編曲があります。
大切なのは、「有名だから簡単」と考えるのではなく、今の自分の音域や運指で吹けるアレンジを選ぶことです。
童謡・唱歌・クラシックのおすすめ
童謡・唱歌では、「春の小川」「ふじの山」「赤とんぼ」「故郷」「紅葉」「さくらさくら」「蛍の光」などが候補になります。
知っている旋律が多いため、自分の演奏が正しいかを耳で確かめやすいのが利点です。
春の小川・ふじの山
「春の小川」「ふじの山」は、基本音域を広げたあとの練習曲として考えやすい曲です。
少ない音だけの曲から、1オクターブ程度を使う旋律へ移る段階で、音階練習を実際の曲へつなげられます。
故郷・紅葉・赤とんぼ
「故郷」はオカリナ曲集でも見かける定番曲ですが、編曲によってはシ♭などの半音を使います。
完全な最初の1曲というより、基本音を覚えたあとのレパートリー候補として考えるとよいでしょう。
「紅葉」も同様に、初心者向け楽譜であっても編曲によって運指が変わるため、変化記号を確認してください。
「赤とんぼ」はゆったりした歌唱的な旋律なので、速く指を動かす練習より、音を丁寧につなぐ練習へ進みたいときの候補になります。
アメイジング・グレイス
「アメイジング・グレイス」は初心者向けオカリナ曲集でも取り上げられることがある曲です。
テンポをゆっくり取れるため、長い音を安定させるロングトーンの感覚や、フレーズを意識した演奏へ発展させやすいでしょう。
装飾をたくさん加えると難易度が上がるため、最初はシンプルなアレンジを選びます。
きよしこの夜・埴生の宿
「きよしこの夜」「埴生の宿」も、ゆったりした旋律を使って息の流れを意識しやすい曲です。
速さよりも、一つひとつの音が急に強くなったり弱くなったりしないように吹く練習へつなげられます。
G線上のアリア・コンドルは飛んでいく
「G線上のアリア」や「コンドルは飛んでいく」などもオカリナで演奏されることのある曲ですが、原曲そのままと初心者向け編曲では難しさが異なります。
広い音域や装飾を含むアレンジは後回しにし、まずはオカリナ向けに音域を調整したシンプルな譜面を選ぶとよいでしょう。
ジブリ・J-POPの目標曲
童謡や基礎曲だけでなく、「好きなジブリ曲やJ-POPを吹きたい」という目標を持って練習するのもよい方法です。
ただし、原曲の歌唱表現を忠実に再現した楽譜は、音域やリズムが複雑になることがあります。
初心者向けのアルトC管アレンジを選ぶことが重要です。
さんぽ
「さんぽ」は旋律を知っている人が多く、初心者向け曲集にも収録例があります。
ただし軽快なテンポの曲なので、原曲の速さで吹こうとすると指が追いつかないことがあります。
最初はかなりゆっくりしたテンポで音と指を確認し、途中で止まらず吹けるようになってから速度を上げていきましょう。
風のとおり道・テルーの唄
「風のとおり道」「テルーの唄」などは、比較的ゆったりした雰囲気を持つ曲です。
基本運指に慣れたあと、音をつなげて旋律を歌うように吹く練習の候補になります。
ただし使用音域は楽譜によって異なるため、実際の譜面を確認してください。
君をのせて・やさしさに包まれたなら
「君をのせて」「やさしさに包まれたなら」は、基本曲を何曲か終えた後の目標曲として考えやすいでしょう。
原曲らしい歌い回しや表現まで最初から再現しようとすると難しくなるため、まずは正しい音とリズムで最後まで吹くことを目標にします。
翼をください・上を向いて歩こう
J-POP・歌謡曲系では、「翼をください」「上を向いて歩こう」などが初心者向け曲集に収録される例があります。
メロディーを知っている人なら、運指を確認しながら曲の流れをつかみやすいでしょう。
ただし曲の後半で音域が広がるアレンジもあるため、最高音と最低音を確認してください。
見上げてごらん夜の星を・涙そうそう
「見上げてごらん夜の星を」「涙そうそう」は、比較的ゆったりした歌唱的な曲としてレパートリー候補にできます。
短い基礎曲を終えたあと、フレーズを長くつないだり、息を安定させたりする練習へ進みたいときに使いやすいでしょう。
少年時代・糸
「少年時代」「糸」なども初心者向け曲集に収録例がありますが、最初の数日で吹く基礎曲というより、基本音域に慣れてから取り組む目標曲として考える方が無理がありません。
まず音とリズムを正確に吹き、その後に曲らしい表情を加えていきましょう。
好きな曲へ進むタイミング
「簡単な曲を何曲吹いたら好きな曲へ進める」という決まった数はありません。
目安として、ドから高いド程度までの運指を大きく迷わず動かせて、短い曲を途中で止まらず吹けるようになったら、好きな曲へ挑戦してみる段階に入っています。
好きな曲にまだ覚えていない高音や半音がある場合は、その部分の運指だけ先に練習してから曲へ戻ると進めやすくなります。
曲を吹く前に覚えたい基礎練習
簡単な楽譜を選んでも、一つひとつの音が不安定なままでは曲の途中で止まりやすくなります。
曲を吹く前に、指穴、ロングトーン、タンギング、音階、息継ぎを少し確認しておくだけでも、実際の曲練習が進めやすくなります。
独学で運指や息の使い方が合っているか判断しにくいときは、オカリナのレッスンに対応するEYS音楽教室のように、実際の演奏を見てもらえる方法も選択肢になります。
ロングトーンとタンギング
まず指穴を確実に塞ぐ
オカリナでは、指穴が少しでも開いていると息が漏れ、正しい音になりにくくなります。
特に複数の指を一度に動かした直後は、どこかの穴がわずかに開いていないか確認してください。
曲を速く吹くことより、まず各音を確実に鳴らすことが優先です。
ロングトーンで一定の息を覚える
ロングトーンは、1音を一定の息でまっすぐ伸ばす練習です。
音が途中で大きく揺れないか、急に弱くならないかを確認します。
オカリナは息の強さによって音程が変わりやすいため、単に長く吹くだけでなく、できるだけ一定した息を保つことが大切です。
チューナーを使う場合も、最初からメーターを完全に中央へ合わせ続けることだけを目的にせず、自分の息と音程の関係を確かめる補助として使うとよいでしょう。NIGHT OCARINAではアルトC調の試奏方法として、チューナーを見ながら低音側では息を弱め、高音側では少し強めて音程を確認する方法を案内しています。息の強さと音程の確認方法はメーカー公式解説も参考になります。
タンギングで音の始まりをそろえる
タンギングは、「トゥ」「ト」などを発音するときのように舌を使って息を区切る基本奏法です。
同じ音を続けるときに、毎回息を完全に止めて吹き直すのではなく、舌で音の始まりを作ります。
「メリーさんの羊」など同音反復のある曲なら、実際の旋律の中でタンギングを確認できます。
音階を上り下りする
ドレミファソラシドをゆっくり上り、同じように下ります。
速さは必要ありません。各音が切り替わるときに不要な音が入らないかを確認します。
基本音階を考えずに動かせるようになると、曲を吹くときにリズムや息へ意識を向けやすくなります。
息継ぎする場所を決める
曲の途中で息が足りなくなる場合、肺活量だけが原因とは限りません。
息を吸う場所を決めていないため、限界まで吹き続けているケースもあります。
歌詞のある曲なら、歌として自然に区切れる位置を息継ぎの参考にできます。
息が苦しくなってから慌てて吸うのではなく、余裕のある位置で計画的に吸いましょう。
楽譜の読み方と練習の進め方
楽譜が読めないからといって、オカリナを始められないわけではありません。
初心者向け教材には、音符へドレミのふりがなが付いたものや、曲ごとに運指図を掲載したものがあります。
ヤマハの「はじめよう!オカリナ ~初心者のためのオカリナ入門~」でも、持ち方や呼吸法、運指、タンギング、ブレス、音階練習から段階的に学ぶ構成になっており、練習曲の音符にドレミふりがなが付いていることが公式に案内されています。初心者向け教材の構成はヤマハ公式ページで確認できます。
模範演奏音源が用意されている教材なら、楽譜と実際の旋律を照らし合わせながら練習できます。
初心者向け楽譜で確認したい項目
- アルトC管用・C管対応か
- ドレミのふりがながあるか
- 運指図があるか
- 模範演奏音源があるか
- 初心者向けに移調されているか
- ♯・♭が少ないか
- 原曲そのままではなく簡単なアレンジか
- 基礎練習から段階的に進める教本か
候補の曲を探すときも、曲名だけで決めず、こうした条件を実際の譜面で確認することが大切です。楽譜サービスを使う場合は、ヤマハ「ぷりんと楽譜」の使い方と選び方も参考にできます。
最初はふりがなを見ながら吹いても構いません。
ただし長く続けるなら、少しずつ五線譜上の音と実際の運指を結び付けていくと、新しい曲を覚えるときの負担が減ります。
1曲を効率よく練習する手順
1曲を練習するときは、最初から何度も通して吹くより、順番を決めて練習した方が弱点を見つけやすくなります。
- 楽譜全体を見る
- 最高音と最低音を確認する
- ♯・♭の有無を確認する
- 知らない運指がないか調べる
- メロディーを歌える程度に確認する
- テンポを十分に落とす
- 2〜4小節程度に区切る
- 難しい小節だけ繰り返す
- 短い区間同士をつなぐ
- 最後に曲全体を通す
短く区切って苦手な場所だけ練習する方が、毎回最初から吹き直すより効率的です。
運指だけを確認する方法
音を出すとリズムや息にも意識が向いてしまう場合は、まず楽譜を見ながら指だけ動かしてみる方法もあります。
特に複数の指を同時に動かす場所や、半音へ切り替える場所を先に確認しておけば、実際に吹いたときの混乱を減らせます。
原曲のテンポへ近づけるのは最後
ゆっくりなら吹ける曲を、いきなり原曲のテンポまで速くする必要はありません。
少しテンポを上げて安定したら、また少し上げるというように段階的に進めます。
伴奏音源が速すぎる場合は、まず伴奏なしで曲を完成させる方がよいでしょう。
装飾やビブラートは後回しにする
曲らしく吹こうとして、最初から装飾音やビブラートを加える必要はありません。
まず正しい音とリズムで止まらず吹ける状態を作り、その後にフレーズや表情を加えていきます。
基礎が安定していれば、表現へ意識を向ける余裕も生まれます。
オカリナ初心者のよくある質問
ここでは、オカリナ初心者が曲選びや練習で疑問に感じやすい点をまとめます。
同じ曲でも編曲によって難しさが変わるため、曲名だけでなく実際の楽譜を確認することを前提に考えてください。
初心者の曲選びで迷うポイント
オカリナ初心者の曲選びに関するよくある質問(FAQ)
Q1. オカリナ初心者が最初に吹くなら何の曲がおすすめですか?
A. 「よろこびの歌」「メリーさんの羊」「ちょうちょう」など、使用音が少なく、音域が狭く、リズムが分かりやすい曲が候補です。「きらきら星」「かえるの合唱」は、少し音を増やす次の段階にも使いやすいでしょう。ただし、同じ曲でも編曲によって使う音は変わるため、初心者向けアルトC管用楽譜か確認してください。
Q2. 楽譜が読めなくてもオカリナで曲を吹けますか?
A. 始めることはできます。初心者向け教材には、ドレミのふりがなや運指図が付いた楽譜があります。模範演奏音源付きの教材もあります。最初はそれらを利用しながら、少しずつ五線譜上の音と運指を結び付けていくと、新しい曲も覚えやすくなります。
Q3. ジブリの曲は初心者でも吹けますか?
A. 初心者向けに移調・簡略化された楽譜であれば挑戦できる曲があります。「さんぽ」「風のとおり道」などは初心者向け曲集にも収録例があります。「君をのせて」「やさしさに包まれたなら」などは、短い基礎曲を何曲か終えてからの目標曲として考えやすいでしょう。
Q4. J-POPは初心者には難しいですか?
A. 原曲そのままの楽譜では、広い音域、半音、細かなリズムなどが難しいことがあります。一方、初心者向けに移調・簡略化されたアルトC管用の譜面なら取り組みやすくなります。「翼をください」「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」「涙そうそう」「少年時代」「糸」などは初心者向け曲集に収録される例があります。
Q5. アルトC管ではどのくらいの音域を演奏できますか?
A. 一般的な12穴タイプでは、低いラ・シから高いファ程度までを基本音域とする製品があります。ただし、メーカーや穴数、楽器の仕様によって異なります。初心者が最初から全音域を使う必要はなく、中音域を中心に少しずつ広げる方法が取り組みやすいでしょう。
Q6. 高い音がかすれるのは楽器の故障ですか?
A. 必ずしも故障とは限りません。息の量やスピード、指穴の塞ぎ方、楽器の角度、姿勢などによっても高音の鳴り方や音程は変わります。基本的な吹き方を確認しても全音域で極端に鳴りにくいなど、楽器そのものに問題があると感じる場合は、メーカーや販売店などへ確認する方法があります。
Q7. 半音がある曲は初心者には難しいですか?
A. 演奏できないわけではありませんが、シ♭やファ♯などでは基本音とは違う運指を使います。基本のドレミを覚えている途中で半音が何種類も出てくると混乱しやすいため、最初は変化記号の少ない曲を選び、基本運指が安定してから半音を追加する方法が取り組みやすいでしょう。
Q8. 何曲くらい簡単な曲を練習したら好きな曲へ進めますか?
A. 固定された曲数はありません。ドから高いド程度までの基本運指がある程度自然に動き、短い曲を止まらず吹けるようになったら、好きな曲への挑戦を考えられます。好きな曲にまだ覚えていない半音や高音がある場合は、その運指だけを先に練習してから曲に取り入れると進めやすくなります。
Q9. 「初心者向け」と書かれた曲なら必ず簡単ですか?
A. 必ずしも同じ難易度とは限りません。初心者向け曲集でも、前半と後半で難易度を段階的に上げている場合があります。また、同じ曲名でも編曲によって音域、変化記号、リズムが異なります。自分が現在覚えている音で吹けるかを確認してください。
Q10. 無料の楽譜を使ってもよいですか?
A. 著作権が残っている楽曲では、権利者の許諾なく公開された楽譜が存在する可能性もあります。利用条件を確認し、出版社が発行する正規楽譜や、公式に提供されている譜面などを選ぶと、権利面や編曲内容を確認しやすくなります。
まとめ
オカリナ初心者が最初の曲を選ぶときは、単に「有名だから」「好きだから」という理由だけで決めるのではなく、実際の楽譜の内容を見ることが大切です。
特に確認したいのは、使用する音の数、音域、♯・♭、テンポ、リズム、大きな音の跳躍があるかどうかです。
- 最初は「よろこびの歌」「メリーさんの羊」「ちょうちょう」など、少ない音で吹ける曲から始める
- 「きらきら星」「かえるの合唱」などで使用する音を少しずつ増やす
- 基本運指が安定したら1オクターブ、高音、半音へ段階的に進む
- ジブリやJ-POPは初心者向けのアルトC管アレンジを選ぶ
- 曲名だけではなく最高音・最低音・変化記号・リズムを確認する
- ロングトーン、タンギング、音階を曲練習と並行して行う
- 難しい場所は短く区切り、その部分だけを繰り返す
最初から一番難しい好きな曲を完璧に再現しようとすると、運指、高音、半音、リズムなど複数の課題へ同時に取り組むことになります。
それよりも、短く簡単な曲を最後まで吹く経験を作りながら、少しずつ新しい音や技術を追加していく方が、現在の課題を確認しながら練習を進めやすくなります。
短い曲を完成させながら段階的に難しくすることを意識し、最終的には自分が演奏したい名曲や有名曲へつなげていきましょう。

