クラリネットを演奏していると、右手の親指に痛みや疲れを感じることがあります。特に練習時間が長くなるほど、指かけに親指を乗せて楽器を支える状態が続くため、「もう少し負担を減らしたい」と感じることもありますよね。
そんなときに候補になるのが、クラリネット用ストラップやサムレストクッションです。ただし、この2つは似た目的の用品ではありません。ストラップは楽器を支える力を補助して負担を分散するためのもの、サムレストクッションは指かけと親指が接触する部分を柔らかくするためのものです。
さらに、クラリネットは機種によって指かけの形状や大きさ、ストラップリングの有無などが異なります。そのため、「クラリネット用」と書いてあるかだけで選ぶと、実際には自分の楽器に合わないことがあります。
この記事では、クラリネットストラップの基本的な付け方から、ストラップアダプター、リング付きサムレスト、サムレストクッション、親指カバー、指かけゴムの選び方まで、右手親指の負担が気になる人が確認しておきたいポイントを順番に解説します。
- クラリネットストラップとサムレストクッションの役割の違い
- クラリネットストラップの基本的な付け方と長さ調整
- ストラップアダプターや指かけの適合確認方法
- 親指の負担に合わせた用品の選び方と注意点
クラリネットストラップは必要?
クラリネットストラップは、すべての演奏者に必要な用品というわけではありません。
一方で、右手の親指に楽器の重さが集中していると感じる場合には、負担を分散するための補助用品として検討できます。
ここで最初に理解しておきたいのは、ストラップを「楽器を完全に吊るすためのもの」と考えないことです。ストラップを使用していても、演奏中は楽器を手で支えながら使うことが基本になります。
ストラップは、右手親指だけに集中しやすい支える力を一部補助することで、構えを安定させたり、長時間演奏時の負担を分散したりするための用品です。
そのため、「クラリネットを持つのが大変だからストラップを使う」というだけでなく、「どの部分の負担を減らしたいのか」を考えて選ぶことが大切です。
親指の負担が気になる原因
クラリネットを構えたとき、右手の親指は指かけに触れて楽器を支える役割を担います。
この状態が長く続くと、親指の一点に圧力がかかっているように感じたり、指かけの硬さが気になったりすることがあります。
また、楽器を支えることそのものが負担になっている場合もあります。
たとえば、指かけが親指へ食い込むような感覚が主な問題なら、指かけと親指の間にクッション性を持たせる方法が考えられます。一方で、楽器の重量を右手で支え続けることがつらいのであれば、ストラップによって支える力を分散する方法が候補になります。
ここを区別せずに用品を選ぶと、「クッションを付けたけれど重量感は変わらない」「ストラップを付けたけれど指かけの当たりは気になる」ということが起こります。
まずは親指のどの部分が気になるのかを確認してみましょう。
指かけが当たっている場所だけが痛いのか、手全体が疲れるのか、演奏時間が長くなると負担が増えるのかによって、検討する用品も変わります。
もちろん、痛みの原因は用品だけで判断できるものではありません。演奏姿勢や楽器の持ち方などが関係している可能性もあるため、用品を追加するだけで解決しようとしないことも大切です。
親指の負担対策では、「指かけが当たる負担」と「楽器を支える負担」を分けて考えると、必要な用品を選びやすくなります。
ストラップとクッションの違い
ストラップとサムレストクッションは、どちらも右手親指の負担が気になるときに候補になりますが、役割はかなり違います。
ストラップは、楽器を支える力の一部を首や肩などへ分散することを目的とした用品です。右手親指だけで楽器を支え続ける状態を緩和するために使います。
一方、サムレストクッションは、指かけと親指の接触部分を柔らかくするための用品です。金属製などの硬い指かけが親指へ当たる感覚を和らげる目的で使われます。
| 項目 | ストラップ | サムレストクッション |
|---|---|---|
| 主な目的 | 楽器重量を分散し、右手への負担を補助する | 親指と指かけの接触を柔らかくする |
| 主な接続場所 | ストラップリング、アダプター、サムレストなど | 指かけ |
| 長さ調整 | 調整できる製品が多い | 基本的に長さ調整はない |
| サイズ確認 | 楽器、接続方式、体格 | 指かけのサイズ、形状、方式 |
| 併用 | クッションと併用できる場合がある | ストラップと併用できる場合がある |
つまり、楽器を支える力そのものを分散したいならストラップ、親指と指かけが接触する部分を柔らかくしたいならサムレストクッションが候補になります。
両方の負担が気になる場合には、目的を分けて併用する方法もあります。ただし、用品を増やせば必ず快適になるわけではありません。取り付けた後の楽器の位置や手の動きまで確認することが大切です。
クラリネットストラップの付け方
クラリネットストラップの付け方は、ストラップとクラリネットの接続方法によって変わります。
ストラップリングが付いている機種ではリングへフックを掛ける方式が基本ですが、製品によってはサムレストへ革製タブなどを接続するタイプもあります。
そのため、単純に「ストラップを首に掛けて、どこかに引っ掛ければよい」と考えるのではなく、使用する製品と楽器の接続方式を確認してから装着しましょう。
ストラップはどこに付ける?
まず確認したいのが、クラリネット側の接続部分です。
ストラップリングが用意されているモデルなら、ストラップを首に掛けたうえで、ストラップのフックをリングへ接続します。
リングの位置や形状はモデルによって異なるため、無理な方向へ引っ張らず、フックが自然に掛かる位置を確認してください。
一方で、ストラップによってはサムレスト部分を利用して接続する方式があります。たとえば、革製タブをサムレストへ接続するクラリネット用ネックストラップもあります。
このように、ストラップの接続先は製品ごとに異なります。
「クラリネットストラップ」という名称だけを見て、すべて同じ付け方ができると考えないことが重要です。
装着するときは、まずストラップを首に掛け、楽器を手で支えた状態で接続します。そしてフックやタブが確実に固定されているかを確認します。
フックが正しく掛かっていない状態で演奏すると、ストラップが外れて楽器を落とす原因になる可能性があります。
接続部分がきちんと固定されていることを確認してから、次に長さを調整しましょう。
長さ調整の基本と注意点
ストラップの長さは、実際にクラリネットを演奏するときの姿勢で調整するのが基本です。
座って練習することが多いなら座った姿勢で、立って演奏することが多いなら立った姿勢でも確認してみましょう。
短すぎるストラップは、楽器を上方向へ引っ張るような状態になり、不自然な構えにつながることがあります。
反対に長すぎる場合は、ストラップが十分に補助できず、右手親指に支える力が残りやすくなります。
調整するときは、最初から極端に短くしたり長くしたりせず、楽器を手で支えながら少しずつ長さを変えてください。
適切な位置では、ストラップにある程度の補助感がありながら、首や肩が強く引っ張られない状態を目指します。
また、長さを合わせるときには左手の動きも確認してください。
クラリネットは左手も多くのキーを操作するため、ストラップが左手へ触れたり、手を動かす範囲へ入り込んだりすると、演奏に集中しにくくなる場合があります。
鏡を使って正面から構えを確認すると、楽器が不自然に持ち上がっていないか、ストラップがどの位置にあるかを確認しやすくなります。
ストラップは楽器を完全に吊り下げるためのものではありません。演奏中も楽器を手で支え、ストラップは補助として使うことを意識しましょう。
ヤマハのクラリネット取扱説明書でも、ストラップリング付きの楽器ではフックをリングに掛けて使用する一方、演奏中は楽器を手で支えるよう案内されています。リングへ過度な重量をかけると破損の原因になる場合があるため、取り付け後も楽器を手で支えることが重要です。ヤマハ「クラリネット 取扱説明書」
ストラップリングがない場合
クラリネットにストラップリングがない場合でも、すぐにストラップが使えないと決めつける必要はありません。
対応するストラップアダプターを使う方法や、リング付きサムレストへ交換する方法があります。
ただし、ここで最も重要なのが適合性です。
クラリネットのメーカーだけでなく、モデル、型番、指かけの形状、台座の種類などを確認しなければならない製品があります。
ストラップアダプターは、メーカーや指かけの形状に合わせて複数タイプが用意されている場合があります。
そのため、「リングがないから、とりあえず汎用品を取り付ける」という選び方は避けたほうがよいでしょう。
特に楽器本体へ加工を加える方法は、自己判断で行わないことが大切です。
対応するアダプターが用意されているなら、指定された取り付け方法に従いましょう。
自分の楽器に対応する製品が分からない場合は、楽器の型番と指かけ部分を確認して、メーカーや販売元などに適合を確認する方法もあります。
クラリネットストラップの選び方
クラリネット用ストラップを選ぶときは、価格や見た目だけで決めないことがポイントです。
最初に確認したいのは、クラリネット側の接続方法です。そのうえで、長さ、体格、演奏姿勢、左手との干渉、首や肩に触れる部分の構造などを見ていきます。
ストラップは直接身体へ触れる用品でもあるため、接続できることだけでなく、演奏中に無理なく使えるかという視点も必要です。
接続方法と対応機種を確認
ストラップ選びで最初に確認するのは、楽器との接続方法です。
ストラップリングが付いているクラリネットなら、リングへフックを掛ける方式を候補にできます。
リングがない場合は、対応するアダプターやリング付きサムレストが必要になることがあります。
さらに、同じメーカーのクラリネットでも、世代やモデルによって指かけの形状が異なる場合があります。
そのため、商品説明に「クラリネット用」と書かれていることだけを確認するのでは不十分な場合があります。
自分の楽器のメーカー、モデル名、型番、指かけの形状まで照合することが大切です。
特にストラップアダプターは、メーカーや形状ごとにタイプが分かれている製品があります。
購入前には「クラリネット用か」だけでなく、「自分のクラリネットに取り付けられるか」を確認しましょう。
たとえばB.AIRのクラリネット用アダプターは、フックリングのないクラリネットで対応するストラップを使うための製品ですが、型番ごとに適応機種が異なります。購入時には自分の楽器と製品の適応表を照合してください。
B.AIR BS-CLADP002では、ビュッフェ・クランポン、セルマー、ヤマハの具体的な対応機種が掲載されています。また、BS-CLADP004のように、旧型の固定式サムレストなどを対象とする別タイプもあります。
このように、アダプターは「クラリネット用」というだけでなく、具体的な型番まで確認することが重要です。
また、B♭クラリネットとAクラリネットの両方に対応するストラップがある一方、すべてのクラリネットを対象にしているとは限りません。
バスクラリネットなど別の種類のクラリネットを使用している場合は、ソプラノクラリネット向けの製品と混同しないようにしてください。
商品名に「クラリネット」とだけ書かれている場合でも、対応する楽器の種類を製品説明で確認する習慣をつけると安心です。
接続方式や対応機種を確認したうえで候補を比較したい場合は、クラリネット用ストラップをAmazonで確認できます。
長さと体格に合わせて選ぶ
ネックストラップは、長さを調整できる製品が多くあります。
調整幅があると、自分の体格や演奏姿勢に合わせやすくなります。
たとえば、小柄な人が長すぎるストラップを使用すると、楽器を支える補助力が十分に得られない場合があります。
反対に短すぎる場合は、楽器を上方向へ引っ張るような感覚が出ることがあります。
首や肩へ余計な力が入っていないかも確認しましょう。
ストラップを付けた状態で、普段どおりにクラリネットを構えます。そのとき、ストラップが少し補助してくれている感覚がありながら、楽器の位置を無理に固定していない状態がひとつの確認ポイントになります。
長さを決めるときは、「短いほどしっかり支えられる」「長いほど自由に動ける」と単純に考えないことが大切です。
体格だけでなく、座って演奏するか立って演奏するか、楽器をどの高さで構えるかによっても適した位置は変わります。
購入時に長さを調整できるか、調整方法が分かりやすいかも確認しておきましょう。
たとえばD’Addario WoodwindsのRico Clarinet Neck Strapは、B♭・Aクラリネットに対応し、クイックアジャスターで長さを調整できる構造です。サムレストへ接続する革製タブを採用しているため、リング方式とは接続方法が異なります。D’Addario「Rico Clarinet Neck Strap」
左手との干渉も確認する
ストラップを使うと、右手親指の負担は補助できても、ストラップ本体が左手やキー操作の邪魔になる場合があります。
特にクラリネットは両手で多くのキーを操作する楽器なので、ストラップが手の動く範囲へ入り込まないか確認することが重要です。
ストラップを装着した状態で、普段と同じように左手の指を動かしてみましょう。
左手がストラップへ当たる、指を動かすたびにストラップがずれる、キー操作に意識が向いてしまうといった場合は、まず長さや位置を調整してみます。
それでも干渉するなら、ストラップそのものの構造が自分の演奏姿勢に合っていない可能性があります。
クラリネット専用品には、左手との干渉を考慮した構造を特徴としている製品もあります。
ただし、製品にそのような特徴があっても、すべての人に同じように合うとは限りません。
手の大きさや楽器の構え方には個人差があるため、最終的には装着した状態で自然にキー操作できるかを確認することが大切です。
ストラップアダプターとは?
ストラップアダプターは、ストラップリングなどがないクラリネットで、対応するストラップを使用するための補助用品です。
ストラップを使いたいけれど、現在のクラリネットにリングがない場合に検討する用品のひとつです。
ただし、アダプターにも対応するメーカーや形状があります。アダプターなら何でも取り付けられるわけではありません。
アダプターが必要なケース
クラリネットにストラップを取り付けたいけれど、楽器側にストラップリングがない場合、対応するアダプターが候補になります。
B.AIRには、フックリングが付いていないクラリネットで同社ストラップを使用するためのクラリネット用アダプターがあります。
BS-CLADPは複数のタイプが用意されており、クランポン、セルマー、ヤマハに対応するラインナップがあります。
ここで重要なのは、同じメーカーのクラリネットだからといって、すべて同じタイプのアダプターが使えるとは限らないことです。
自分の楽器のメーカーだけでなく、モデルや指かけの形状を確認してから選びましょう。
特に古いクラリネットを使用している場合は、現行モデルとは異なる形状の部品が使われている可能性があります。
そのため、購入前に楽器の型番を確認し、製品側の対応機種と照らし合わせることが大切です。
アダプターを無理に取り付けたり、楽器本体を加工したりするのではなく、メーカーが指定する取り付け方法を優先してください。
また、取り付け後はストラップを接続する前に、アダプターが正しい位置に固定されているか確認します。
少しでもぐらつきがある場合や、取り付け方法が分からない場合は、そのまま演奏を始めないほうが安全です。
自分の楽器のメーカー・モデル・指かけ形状を確認してから、クラリネット用ストラップアダプターをAmazonで確認すると選びやすくなります。
リング付きサムレストという方法
ストラップを使うために、サムレストそのものをリング付きタイプへ交換する方法もあります。
リング付きサムレストは、既存のサムレストと交換してストラップを接続できるようにする考え方の用品です。
B.AIRにはクラリネット用のリング付きサムレストがあり、ビュッフェ・クランポン製クラリネットについては、新型台座用と旧型台座用のモデルが用意されています。
ここでも重要なのは台座の種類です。
新型台座に対応するモデルと旧型台座に対応するモデルが分かれている場合、価格や見た目だけで選ぶのではなく、自分の楽器に合う台座用かどうかを確認する必要があります。
たとえばB.AIRでは、2021年秋以降発売の新型台座付きビュッフェ・クランポン製クラリネットに対応するリング付きサムレストが案内されています。一方、旧台座対応モデルも別に用意されています。
B.AIR「リング付きサムレスト:シルバー(旧台座対応)」の製品情報でも、ビュッフェ・クランポン専用であり、一部の製品には適合しない場合があること、ストラップに楽器を吊り下げる用途ではなく補助的に使用することなどが案内されています。
リング付きサムレストは、取り付ける楽器の台座を間違えると適合しない場合があります。購入前に新型・旧型などの対応条件を確認し、合わない部品を無理に取り付けないようにしましょう。
サムレストは楽器を支える部分でもあるため、取り付けが適切であることが重要です。
交換に不安がある場合は、楽器店やメーカーなど、取り付けについて確認できる専門窓口へ相談する方法もあります。
台座や対応条件を確認できたら、クラリネット用リング付きサムレストをAmazonで確認できます。
サムレストクッションの選び方
クラリネットのサムレストクッションは、右手親指と指かけの接触を柔らかくするための用品です。
「親指カバー」「指かけゴム」「サムレストパッド」など、さまざまな呼び方がありますが、検索上では指かけへ装着して親指への当たりを柔らかくする用品を指しているケースがあります。
ただし、名称が似ていてもサイズや形状は同じではありません。
クッションを選ぶときは、商品名だけでなく、どの指かけに対応しているのかまで確認しましょう。
指かけのサイズを確認
サムレストクッションを選ぶときに最も重要なのが、指かけのサイズと形状です。
「クラリネット用」という表示だけで判断すると、サイズが合わない可能性があります。
たとえば、ヤマハの現行TRCBK3は、ヤマハクラリネットの固定式・可動式の指かけに使用できる一方、大型可動式は対象外とされています。大型指かけには別のTRCLBK2が用意されています。
ヤマハ「TRCBK3 サムレストクッション」では、サイズがS/M共用で、ヤマハクラリネットの固定式・可動式(大型可動式以外)に使用できることが案内されています。
また、ヤマハには大型の指かけに対応したTRCLBK2もあります。つまり、同じメーカーのサムレストクッションでも、指かけの大きさによって適合する製品が変わります。
この違いを確認せずに購入すると、装着できなかったり、装着できても演奏中にずれたりする可能性があります。
購入前には、クラリネットのメーカーや型番だけでなく、指かけが大きいのか小さいのか、固定式なのか可動式なのかを確認しましょう。
写真だけで判断するのが難しい場合は、製品の適合表と楽器の仕様を照らし合わせるのが確実です。
適合するサイズや指かけの形状を確認してから、クラリネット用サムレストクッションをAmazonで確認すると、候補を探しやすくなります。
固定式と可動式の違い
クラリネットの指かけには、固定式と可動式があります。
可動式は位置を調整できる構造を持つものがあり、指の位置や手の大きさに合わせて調整できる場合があります。
ヤマハの一部クラリネットでは、ストラップリング付きの可動式指かけを採用し、操作しやすい位置へセットすることで親指の痛みや疲れを防ぐ考え方が示されています。
ただし、可動式だからすべて同じサイズというわけではありません。
大型の可動式指かけなど、通常サイズのサムレストクッションが適合しない場合もあります。
クッションを選ぶときは、「固定式か可動式か」という分類だけでなく、実際の指かけの大きさや製品の適合表まで確認することが重要です。
また、可動式指かけそのものを調整できる場合でも、クッションを付けることで厚みが変われば、親指を置く位置も変わります。
クッションを取り付けた後に、親指の位置が以前と大きく変わっていないか確認してください。
古いクラリネットを使用している場合は、さらに注意が必要です。
旧型のクラリネットでは、現行品とは異なる指かけ形状が採用されている場合があります。
型番が分かるなら、現行クッションの対応機種と照らし合わせて確認すると安心です。
「昔から使っているクラリネットだから、このサイズで大丈夫だろう」と決めつけず、現在販売されているクッションの対応条件を確認するようにしましょう。
ゴム・シリコン製の特徴
サムレストクッションには、ゴムなどの柔らかい素材を使ったものがあります。
硬い指かけと親指の間にクッション性のある素材を入れることで、接触したときの感覚を柔らかくすることが期待できます。
一方で、柔らかい素材なら何でもよいわけではありません。
サイズが合っていないと、装着後に左右へずれたり、演奏中に回転したりすることがあります。
特にゴム製品は、指かけの形状との相性によって装着状態が変わることがあります。
厚みについても注意が必要です。
クッションを厚くすればするほど快適になるとは限りません。厚みが変わることで親指を置く位置や指の角度が変わり、かえって構えに違和感が出る可能性があります。
装着後は、親指を置いたときに自然か、クッションが動かないか、キー操作を邪魔しないかを確認しましょう。
また、クッションには指かけへはめ込むタイプだけでなく、貼り付けるタイプもあります。
はめ込むタイプは、サイズが合っていれば比較的シンプルに装着できますが、無理に引っ張って取り付けると製品を傷める可能性があります。
貼り付け式の場合は位置を決めてから固定するため、貼り付け場所を慎重に確認する必要があります。
どちらのタイプでも、装着後に演奏中の位置が安定しているか確認してください。
ストラップとクッションを併用する方法
ストラップとサムレストクッションは、どちらか一方しか使えないというものではありません。
役割が異なるため、両方を組み合わせる方法もあります。
ただし、併用する場合も「用品を多く付けるほど負担が減る」と考えるのではなく、それぞれの役割を確認して使うことが大切です。
それぞれの役割を分けて使う
ストラップは楽器を支える力を補助し、サムレストクッションは親指と指かけの接触を柔らかくします。
たとえば、楽器の重量を右手親指で支えている感覚が強い場合は、ストラップによって支える力を分散することを考えられます。
一方、指かけの金属部分が親指へ食い込むように感じる場合は、サムレストクッションを追加する方法があります。
両方が気になる場合は、ストラップとクッションを併用する選択肢もあります。
このとき、まずクッションだけを装着した状態、ストラップだけを使った状態、それぞれの状態を確認すると、どの用品が何に役立っているのかを把握しやすくなります。
両方を一度に追加すると、楽器の構えが変わったときに原因を判断しにくくなるためです。
ストラップを装着したことで左手が動かしにくくなったり、クッションを厚くしたことで親指の位置が変わったりすることもあります。
一つずつ調整しながら、自分の演奏姿勢に合う状態を探してください。
重量の分散はストラップ、指かけの当たりの改善はサムレストクッション、と役割を分けて考えると選びやすくなります。
また、ストラップを併用しても、クッションがずれる場合はクッション側のサイズを見直す必要があります。
反対に、クッションを付けても楽器そのものが重く感じられるなら、ストラップによる補助を検討する余地があります。
用品ごとの役割を理解しておくと、「どれを買えばいいか分からない」という状態から抜け出しやすくなります。
痛みが続くときの注意点
ストラップやクッションを使っても親指の痛みが続く場合は、用品だけで解決しようとしないことも重要です。
楽器の持ち方、手の位置、指かけの調整、演奏時間など、別の要因が関係している可能性があります。
たとえば、親指へ強く力を入れて楽器を固定していないか、肩や腕にも余計な力が入っていないかなど、演奏姿勢を見直してみましょう。
ストラップは補助用品なので、装着しただけで持ち方の問題がすべて解消するわけではありません。
サムレストクッションも、親指と指かけの接触を柔らかくする用品であり、痛みの原因そのものを治療するためのものではありません。
痛みを我慢して演奏を続けるのではなく、まず演奏姿勢を見直してみることが大切です。
また、強い痛みや症状が続く場合は、演奏を中断して専門家へ相談することも検討してください。
強い痛みや症状が続く場合は、用品を追加して我慢するのではなく、必要に応じて医療機関などの専門家へ相談してください。用品は演奏を補助するためのもので、痛みの原因を判断するものではありません。
痛みがある状態で「もっと柔らかいクッションにすれば大丈夫」「ストラップを強く張れば大丈夫」と自己判断で調整を続けるのではなく、症状が続く場合は専門的な確認を受けることも大切です。
特に、普段の演奏以外でも痛みがある、痛みが強くなっている、演奏を休んでも改善しないなどの場合は、用品選びとは別の問題として考えましょう。
よくある質問
クラリネットストラップの疑問
Q1. クラリネットにストラップは必要ですか?
A. 必須用品ではありません。右手や親指への負担を軽減するための補助用品として使うものなので、楽器の重量を支えることが気になる場合などに候補になります。ストラップリングの有無や体格、演奏姿勢によって必要性は変わります。
まずは、現在の構えで右手親指にどの程度の負担を感じているのかを確認してみましょう。ストラップが必要かどうかは、演奏者によって異なります。
Q2. クラリネットストラップはどこに付けますか?
A. ストラップリングが付いているモデルでは、リングへフックを掛ける方式があります。製品によってはサムレストへ革製タブなどを接続する方式もあります。どこへ取り付けるかはストラップと楽器の説明書で確認してください。
接続方式が分からない場合は、ストラップを無理に掛けず、製品の取り付け方法を確認してから使用しましょう。
Q3. ストラップリングがないクラリネットでも使えますか?
A. 対応するストラップアダプターやリング付きサムレストを使える場合があります。ただし、メーカーやモデル、指かけの形状によって適合する製品が異なるため、購入前に対応機種を確認する必要があります。
特にアダプターは複数タイプが用意されている製品もあるため、メーカー名だけで判断しないことが大切です。
Q4. サムレストクッションはどれを選べばいいですか?
A. 指かけの大きさ、形状、固定式か可動式かを確認して選びます。「クラリネット用」と書かれているだけでは適合を判断できない場合があります。特に大型可動式や古いクラリネットでは、対応機種やサイズを詳しく確認してください。
通常サイズ向けと大型指かけ向けで製品が分かれている場合もあります。購入前には、クラリネットの型番と指かけの状態を確認しましょう。
Q5. ストラップとサムレストクッションは併用できますか?
A. 目的が異なるため、対応する組み合わせなら併用できます。ストラップで楽器を支える負担を補助し、サムレストクッションで親指と指かけの接触を柔らかくするという使い分けができます。
ただし、装着後に左手の動きや親指の位置が変わらないか確認してください。どちらか一方だけで十分な場合もあるので、負担の原因に合わせて選びましょう。
まとめ
クラリネットの右手親指への負担が気になるときは、まず「楽器を支えること自体が負担なのか」「指かけが親指へ当たることが負担なのか」を分けて考えると、用品を選びやすくなります。
楽器の重量を右手親指だけに集中させたくない場合は、クラリネット用ストラップが候補になります。ストラップリングがあるモデルならリングへ接続し、リングがない場合は対応するアダプターやリング付きサムレストを検討します。
一方、指かけの硬さや食い込みが気になるなら、サムレストクッションや親指カバー、指かけゴムなどが候補です。
ただし、サムレストクッションはサイズや形状の適合が重要です。固定式、可動式、大型可動式など、指かけの構造によって対応製品が変わる場合があります。
ストラップについても、クラリネット用というだけで選ぶのではなく、接続方法、対応機種、長さ調整、体格、左手との干渉を確認しましょう。
ストラップは楽器を完全に預けるためのものではなく、親指や右手への負担を分散するための補助用品と考えることが大切です。
また、サムレストクッションは楽器の重量を別の場所へ移す用品ではありません。あくまで指かけと親指の接触を改善するための用品です。
そのため、楽器の重量が気になるのか、指かけの当たりが気になるのかによって、選ぶ用品は変わります。
ストラップとクッションを併用する場合も、それぞれの役割を分けて考えると調整しやすくなります。
購入前には、クラリネットのメーカー、モデル名・型番、B♭かAか、指かけの形状、固定式か可動式か、ストラップリングの有無、クッションのサイズ、ストラップの接続方式を一つずつ確認しておきましょう。
特に古いクラリネットの場合は、現行製品の適合条件だけで判断できない場合があります。楽器の型番が分かるなら、製品の対応情報と照らし合わせることが大切です。
ストラップの長さも、数字だけで決めるのではなく、実際に演奏姿勢を取った状態で確認します。短すぎても長すぎても自然な構えを妨げる可能性があるためです。
用品を使っても痛みが続く場合は、演奏姿勢や楽器の持ち方も見直してください。
強い痛みや症状が続く場合は、用品だけで対処しようとせず、演奏を中断して専門家へ相談することも検討しましょう。
クラリネットの負担対策は、必ずしも高価な用品を選ぶことが答えではありません。
自分の楽器に合う接続方法か、自分の指かけに合うサイズか、演奏中に自然に使えるかという順番で確認していくと、必要な用品を判断しやすくなります。
正確な適合情報や取り付け方法については、各メーカーの公式情報や製品の取扱説明書も確認してください。

