クラリネットリードおすすめ|初心者向け硬さと種類の選び方

クラリネットと複数のリードを並べ、初心者向けのリードの硬さと種類の選び方を紹介するアイキャッチ画像 クラリネット
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クラリネットのリードを選ぼうとすると、「初心者は何番がいい?」「青箱と銀箱はどう違う?」「3と3半ならどちらを選ぶ?」と迷いやすいですよね。さらに、バンドーレンやダダリオには複数のシリーズがあり、天然ケーンだけでなく樹脂・合成リードという選択肢もあります。

先に結論をいうと、初心者のリード選びで大切なのは、人気の銘柄や数字の大きさだけで決めることではありません。現在使っているマウスピースとの相性を確認し、自分が無理なく鳴らせて、音をコントロールできる強度を選ぶことが基本です。

また、「3」「3½」といった強度番号はメーカーやシリーズをまたいだ共通規格ではありません。同じ数字でも吹奏感が同じとは限らないため、シリーズを変更するときは数字だけを見て選ばないことも重要です。

この記事では、クラリネットリードの硬さの意味から、バンドーレンの青箱・銀箱・V21・56ルピック、ダダリオ、天然ケーンと樹脂リードの違いまで整理します。最後まで読めば、「何となく有名だから」ではなく、自分の条件に合わせてリード候補を絞れるようになるはずです。

クラリネットリード選びの結論

クラリネットのリードは、単純に「初心者向け」「上級者向け」と番号だけで分けられるものではありません。リードの強度、シリーズごとの設計、マウスピースのティップオープニング、フェイシング、奏者のアンブシュアなどが組み合わさって、実際の吹奏感が決まります。

そのため、「初心者だから2½」「上達したから3½」という選び方を絶対的な基準にするのはおすすめできません。

硬いリードほど上級者向けとは限りません。大切なのは、必要な抵抗感がありながら、無理なく振動させられることです。

息を入れたときに自然に発音でき、弱音から強音まである程度コントロールできること。さらに低音、高音、タンギングなどを試したときに、特定の場面だけ極端に苦しくならないことが、ひとつの判断材料になります。

反対に、音を出すだけで大量の息が必要だったり、発音するために必要以上に噛んだりする場合は、リードが硬すぎる可能性があります。少ない息で簡単に鳴っても、少し強く吹いただけで音がつぶれるなら、柔らかすぎる可能性も考えられます。

ただし、こうした症状はリードだけで決まるわけではありません。マウスピースやリードの取り付け、奏法なども関係します。ひとつの症状だけを見て「絶対にリードが悪い」と判断しないことも重要です。

初心者は硬さより相性を優先

クラリネット初心者は、比較的柔らかいリードから始めることが多いです。しかし、「初心者なら必ず2½」のように、すべての人に共通する番号が決まっているわけではありません。

なぜなら、リードは単独で振動するのではなく、マウスピースに取り付けて使用するからです。

一般には、ティップオープニングが大きいマウスピースでは比較的柔らかいリード、小さいマウスピースでは比較的硬いリードを組み合わせやすい傾向があります。ただし、フェイシング長やリードのカット、アンブシュアなども関係するため、これは絶対的な決まりではありません。

具体例として、バンドーレンのB45では、公式に示されている推奨範囲がTraditional 2½〜3½、V.12 3〜3½+、56 Rue Lepic 3〜3.5、V21 3〜3.5+です。

一方、バンドーレン公式の5RVマウスピース情報では、Traditional 3〜4、V.12 3½〜4、56 Rue Lepic 3.5〜4、V21 3.5〜4が推奨範囲として示されています。

同じメーカーのマウスピースでも推奨される強度が異なることからも、「初心者だから何番」という決め方だけでは不十分だと分かります。

まず確認したいのは、現在使用しているマウスピースのメーカーと型番です。そのうえで、メーカーがリードの推奨強度を公開している場合は、その範囲を確認すると候補を絞りやすくなります。

リードが硬すぎる可能性がある状態としては、次のようなものがあります。

  • 息を入れても音が出にくい
  • 発音が遅れる
  • 低音や弱音が鳴らしにくい
  • 息苦しく感じる
  • 長時間吹くと口周辺が過度に疲れる
  • 必要以上に噛まないと高音が出しにくい

反対に、柔らかすぎる可能性がある状態には、次のようなものがあります。

  • 少ない息ですぐ鳴るが、強く吹くと音がつぶれる
  • 大きな音で安定させにくい
  • 音程や音色をコントロールしにくい
  • 高音域が安定しにくい
  • 必要以上に明るく薄い音に感じることがある

ただし、これらはあくまで判断材料です。奏法やマウスピースの状態などでも似た症状が出るため、リードだけが原因だと断定しないようにしましょう。自分だけでは原因を切り分けにくい場合は、クラリネットをレッスンで学べるEYS音楽教室で、実際の発音や吹奏感を見てもらう方法もあります。

リードの数字と3・3半の違い

クラリネットリードに書かれている1、1½、2、2½、3、3½、4などの数字は、一般にリードのStrength(強度)を示します。

基本的には数字が大きくなるほど抵抗が強く、数字が小さいほど柔らかくなります。「3半」と呼ばれているものは3½、つまり3.5のことです。

そのため、同一シリーズで3と3½を比べれば、3½の方が強度の高いリードです。

しかし、ここで覚えておきたい重要な点があります。

強度番号にはメーカー横断の統一規格がありません。

たとえばバンドーレンの3とダダリオの3を、まったく同じ硬さだと考えることはできません。同じバンドーレンでもTraditionalの3とV.12の3では設計が異なるため、実際に感じる抵抗感も同一とは限りません。

リードにはティップ、ハート、スパイン、ヴァンプ、ヒールなどの部分があります。各部分の厚みや形状、ブランクなどの設計が違えば、同じ数字でも振動の仕方や抵抗感は変わります。

そのため、現在Traditionalの3を使っている人がV.12へ変更するときに、「今が3だから銀箱も3」と機械的に決めるのは避けた方がよいでしょう。

メーカーが公開している強度比較表を確認し、そのうえで実際の吹奏感を比較するのが基本です。

また、「3が楽に吹けるようになったから、そろそろ3½にしなければ」と考える必要もありません。

3で強く息を入れたときに音がつぶれる、コントロールしにくいなどの問題があれば、3½などを試す余地があります。一方で、3で弱音から強音までコントロールできているなら、数字を上げること自体を目標にする必要はありません。

3½に変更して発音が苦しくなったり、弱音が出しにくくなったりするなら、現在のマウスピースとの組み合わせでは硬すぎる可能性があります。

バンドーレンのリードを比較

クラリネット用リードを探していると、バンドーレンのTraditional、V.12、V21、56 Rue Lepicといった名前を目にすることがあります。

日本ではTraditionalを「青箱」、V.12を「銀箱」と呼ぶこともあります。

初心者のうちは「箱の色が違うだけなのでは?」と思うかもしれません。しかし、これらはパッケージだけを変更した製品ではなく、リード自体の設計に違いがあります。

モデル 通称 主な特徴 B♭用強度
Traditional 青箱 定番、幅広い用途 1〜5
V.12 銀箱 長いパレット、厚めのティップ、豊かで深い音を意図 2½〜5+
V21 ― V.12と56ルピックの設計要素を組み合わせたモデル 2.5〜5
56 Rue Lepic 56ルピック 太いケーン、芯や安定性、レスポンスを意図 2.5〜5

この4種類についても、単純な上下関係として考えない方が分かりやすいでしょう。それぞれ設計や狙いが異なるため、自分のマウスピースや求める吹奏感に合わせて比較します。

青箱と銀箱V.12の違い

バンドーレンの「青箱」は一般にTraditional、「銀箱」はV.12を指します。

バンドーレン公式のTraditional B♭クラリネット用リードでは、強度1、1½、2、2½、3、3½、4、5が用意されています。

10枚入りが基本的な箱単位で、型番ではCR1025が2½、CR103が3、CR1035が3½といった違いがあります。

国内公式資料で確認できる寸法は、長さ67.5mm、幅13mm、先端0.09mmです。

一方のV.12は、アルトサクソフォン用リードと同等の直径を持つ太いケーン材から切り出されています。Traditionalより両端が厚く、長いパレットを持つ設計です。

豊かで深みのある音色を狙ったモデルで、厚めのティップによってアタックに芯を与え、耐久性の向上も意図されています。

B♭クラリネット用の強度は2½、3、3½、3½+、4、4½、5、5+です。Traditionalにはない3½+などもあり、強度をより細かく選べます。

型番ではCR1925が2½、CR193が3、CR1935が3½、CR1935+が3½+です。国内公式資料で確認できる寸法は、長さ67.5mm、幅13mm、先端0.10mmとなっています。

つまり、青箱と銀箱は単なる色違いではありません。

「銀箱3」と呼ばれるものはV.12のStrength 3、「銀箱3半」はV.12のStrength 3½です。同じV.12で比較すれば3½の方が強度は高くなります。

ただし、青箱3から銀箱3へ変更すれば、まったく同じ抵抗感のまま音色だけ変えられる、という意味ではありません。シリーズ変更時には強度比較表なども参考にしてください。

また、青箱と銀箱を「初心者用と上級者用」「下位と上位」という関係で考える必要もありません。それぞれの設計上の特徴と、自分の演奏条件との組み合わせで判断します。

V21と56ルピックの特徴

V21の公式製品情報では、V.12のプロファイルと56 Rue Lepicの形状を組み合わせたB♭クラリネット用リードとして説明されています。

温かさと深みのある音、素早い振動、音の投射を意図して設計されており、音域を大きく跳躍するフレーズでも均質な音色を維持しやすいことが特徴とされています。

B♭クラリネット用では2.5、3、3.5、3.5+、4、4.5、5の強度があります。V.12と56ルピック双方の設計上の特徴を取り入れたV21という選択肢です。

56 Rue Lepicは、バンドーレン本社所在地「56 rue Lepic」に由来する商品名です。

より太い直径のケーンを使用し、ヒールはジャーマンカット系リードに似た設計となっています。豊かで芯のある音、安定性、全音域での素早いレスポンスを狙ったモデルです。

強度は2.5、3、3.5、3.5+、4、4.5、5。国内公式資料では長さ67.5mm、幅13mm、先端0.11mmが確認されています。

「V21はV.12の新しい版」と単純に捉えるより、V.12と56 Rue Lepicの設計要素を組み合わせた別モデルとして考える方が適切です。

また、「クラリネット ブラックダイヤモンド」と検索してリードを探している場合は、製品の種類を確認しましょう。

バンドーレンにはBlack Diamond(ブラックダイヤモンド)というクラリネット用マウスピースシリーズがあり、BD4、BD5、BD6、BD7などのモデルが存在します。

一方、今回確認されているバンドーレン公式のB♭クラリネット用リードには、Traditional、V.12、56 Rue Lepic、V21、Junoなどがあり、「Black Diamond」という名称のリードは確認されていません。

したがって、「ブラックダイヤモンドリード」という商品があると考えるのではなく、Black Diamondマウスピースに組み合わせるリードを探している可能性があります。

たとえばBlack Diamond BD5では、公式推奨リード強度としてTraditional 3〜3½、V.12 3〜3½+、56 Rue Lepic 3〜3.5+、V21 3〜3.5+が示されています。

ダダリオのリードを比較

クラリネット用リードでは、ダダリオも代表的な選択肢のひとつです。

天然ケーン製ではOrganic Reserve、Organic Reserve Classic、Organic Reserve Evolutionなどがあり、初心者や学生を主な対象としたRico Organicもあります。

ここでも重要なのは、バンドーレンとダダリオの強度番号を、そのまま同じものとして考えないことです。

ダダリオはクラリネット用リードのStrength Comparison Chartを公開しており、メーカーによってリード強度が異なることを前提に、ブランドやシリーズをまたいだ比較の目安を示しています。

ただし、比較表も完全な等価関係を保証するものではありません。マウスピースや奏者によって感じ方は変わり、天然ケーンの場合は個体差もあります。

Reserve系とRico Organicの違い

Organic Reserveは天然ケーン製で、短めのヴァンプ、丸みのあるティップコーナー、薄めのティップを採用しています。Filedカットで、全音域の均一性、温かさ、素早いレスポンスを意図した設計です。

公式強度は2.0、2.5、3.0、3.5、3.5+、4.0、4.0+、4.5。クラシックや室内楽、吹奏楽などが想定されています。

Organic Reserve Classicは、長めのヴァンプ、角型のティップコーナー、厚めのティップが特徴です。こちらもFiledカットで、音色や音量の柔軟性と発音時の支えを意図しています。

Organic Reserve Evolutionは、Reserveクラリネットシリーズの中で最も厚いブランクを採用し、太いスパインと厚めのティップを備えています。Unfiledカットで、丸みのある音、プロジェクション、明確なアーティキュレーション、温かさや柔軟性を意図した設計です。

一方、Rico Organicは初心者や学生を主対象とした選択肢です。鳴らしやすさ、明瞭な音、反応のよさを重視した位置づけなので、初めてのリードを探している場合はReserve系だけに絞る必要はありません。

シリーズ カット・設計 特徴 想定
Organic Reserve Filed、短めヴァンプ・薄めティップ 均一性、温かさ、素早い反応 吹奏楽・クラシックなど
Organic Reserve Classic Filed、長めヴァンプ・厚めティップ 温かさ、深み、柔軟性 クラシック・ソロなど
Organic Reserve Evolution Unfiled、厚いブランク・太いスパイン 豊かさ、投射力、柔軟性 クラシック・ソロなど
Rico Organic 学生向け設計 鳴らしやすさを重視 初心者・学生

「ダダリオとバンドーレンならどちらがおすすめ?」という疑問に対しても、一方をすべての人におすすめすることはできません。

同じメーカー内でもシリーズごとに設計が異なります。まず現在のマウスピースと強度を基準にし、求める抵抗感や反応などから候補を絞る方が合理的です。

天然ケーンと樹脂リードの違い

クラリネットリードには、天然ケーンを使ったものと、樹脂などの合成素材を使ったものがあります。

一般的な天然リードの素材はケーン(Arundo donax)です。クラリネットで長く使用されてきた標準的な素材で、メーカー、シリーズ、強度の選択肢が非常に豊富です。

一方で天然素材なので、同じ箱の中でも個体差があります。同じブランド、同じシリーズ、同じ強度だからといって、10枚すべてが完全に同じ吹奏感になるわけではありません。

さらに、水分、湿度、乾燥などの影響を受け、使用しているうちにも状態が変化します。割れや欠け、反りなどによって使用できなくなる場合もあります。

樹脂・合成リードは、「樹脂リード」「プラスチックリード」「シンセティックリード」などの名称で探されることがあります。

代表例のひとつがLégère(レジェール)です。Légèreは独自処方のポリプロピレンを使った合成リードを製造しています。

Légèreの公式情報では、素材が水分を吸収しないため演奏前に水へ浸す必要がなく、温水と中性洗剤による手入れができると案内されています。

項目 天然ケーン 樹脂・合成リード
素材 天然のケーン ポリマーなどの人工素材
個体差 出やすい 比較的小さい
演奏前の準備 適度に湿らせる 製品により不要
湿度の影響 受けやすい 受けにくい
1枚の価格 比較的安い 高めになりやすい
寿命 状態・使用頻度で変動 一般に長期間使用しやすい
選択肢 非常に多い 天然ケーンより限定的

天然ケーンと樹脂リードのどちらが音質面で絶対的に優れている、と一律に決めることはできません。奏者、マウスピース、用途、求める音色によって適した選択肢が変わります。

樹脂リードが向いている人

樹脂・合成リードを検討しやすいのは、個体差や湿度による状態変化をできるだけ抑えたい場合です。

安定した吹奏感を重視するなら合成リードも選択肢になります。

LégèreのB♭クラリネット用にはEuropean Cut、French Cut、Signature、Classicなどがあります。

European Cutはクラリネットの汎用リードとして推奨され、音色の豊かさ、安定性、反応性を重視したモデルです。French Cutは暗く豊かで芯のある音、安定した抵抗、コントロール性を狙ったクラシック系モデルです。

Signatureは温かさ、素早いレスポンス、滑らかなアーティキュレーションを重視したバランス型で、Classicは学生向けとして位置づけられています。

つまり、「樹脂リードならどれを選んでも同じ」ではありません。天然ケーンと同じように、合成リードでもカットによって吹奏感や音色の方向性が異なります。

ダダリオにもVENN B♭ Clarinet Reedsという現行ラインがあり、クラシック系の音色特性と合成リードの長寿命性を組み合わせた製品として位置づけられています。

合成リードは、一般的な天然ケーンリード1枚より購入価格が高くなりやすい一方、長期間使用しやすいため、1枚の購入価格だけでコストを比較することはできません。

また、合成リードも永久に使えるわけではありません。摩耗や損傷が生じたり、吹奏感が変わったりした場合には交換を検討します。

リードの値段と寿命を考える

クラリネット用リードの値段は、ブランド、シリーズ、強度、入り数、販売店、為替などによって変動します。

そのため、「このリードはいくら」と固定価格で覚えるよりも、購入するときに最新価格を確認することが大切です。

バンドーレンの天然ケーン製B♭クラリネット用リードは、10枚入りで販売されるモデルが中心です。ダダリオでは、製品によって3枚、10枚、25枚など複数のパック数があります。

そのため、箱の価格だけを比較すると判断を誤ることがあります。

値段は1箱ではなく1枚あたりでも比較すると、実際のコストを考えやすくなります。

たとえば同じような箱価格でも、入っている枚数が違えば1枚あたりの金額は変わります。通販では送料も加わるため、商品価格だけでなく送料や販売元も確認しましょう。

また、商品画像だけで判断せず、正式な商品名、楽器の種類、シリーズ、強度、入り数を確認することも大切です。

特にクラリネットにはB♭、E♭、アルト、バスなどがあるため、対応する楽器を間違えないようにします。TraditionalとV.12など、同じメーカーの別シリーズを取り違えないことも重要です。

天然ケーンリードの寿命については、「何日使ったら交換」という一律の基準はありません。

使用頻度、1回の吹奏時間、保管環境、湿度、奏者、リードそのものの個体差などによって状態は大きく変わります。

交換を検討する状態としては、先端が欠けた、割れた、大きく反った、以前より極端に反応しなくなった、音色や抵抗感が著しく悪化した、といったものがあります。

合成リードも永久に使用できるものではなく、摩耗や損傷、吹奏感の変化があれば交換候補になります。

コストを考えるときは、「1枚が何日使えるか」を固定値として計算するのではなく、自分の使用頻度と実際の交換ペースを把握していく方が現実的です。

失敗しにくいリードの選び方

初心者がクラリネットリード選びで失敗しにくくするには、いきなり「おすすめ商品」を決めるのではなく、現在の演奏環境を順番に確認していくことが大切です。

基本的な流れは次のように考えられます。

  1. 現在のマウスピースのメーカー・型番を確認する
  2. メーカーが示す推奨リード強度を確認する
  3. 現在使っているリードのブランド・シリーズ・強度を確認する
  4. 硬すぎる・柔らかすぎる症状がないか確認する
  5. 必要なら近い強度を複数試す
  6. ブランド変更時は強度比較表を確認する
  7. 低音・高音・弱音・強音・タンギングなどを比較する
  8. 天然ケーンでは複数枚を試して判断する

この手順なら、「人気だから」「プロが使っているから」「数字が大きいから」といった理由だけで選ぶことを避けやすくなります。

マウスピースとの相性を確認

最初に確認したいのは、現在使っているマウスピースです。

リード選びはマウスピースとの組み合わせが基準になります。

マウスピースのメーカーと型番が分かれば、メーカーが推奨リード強度を公開していないか確認できます。

次に、現在使っているリードを確認します。「バンドーレン3」のような確認だけではなく、「Traditionalの3」「V.12の3」のようにシリーズまで把握しましょう。

そのうえで、今の状態に問題があるかを考えます。

たとえば発音が苦しく、低音や弱音が出にくく、長く吹くと口周辺が極端に疲れるなら、現在の組み合わせではリードが硬すぎる可能性があります。

反対に、簡単に音は出るものの、強く吹くと音がつぶれたり、高音域を安定させにくかったりするなら、柔らかすぎる可能性があります。

必要であれば、いきなり大きく強度を変えるのではなく、半段階程度の違いから比較する方法があります。

ブランドやシリーズを変更する場合は、メーカーの強度比較表を参考にしてください。同じ数字だから同じ強度だと決めつけず、近い候補を選びます。

試すときは、数音を鳴らすだけでは十分に判断できないことがあります。低音、高音、弱音、強音、タンギングなど、実際の演奏で必要になる条件を確認すると判断しやすくなります。

また、「リードが合わない」と考える前に、取り付け状態も確認してください。

リードの平らな面をマウスピースのテーブル側に合わせ、先端位置が大きくずれていないか、左右に傾いていないかを確認します。そのうえでリガチャーを適切に固定します。

取り付け位置が大きくずれていると、同じリードでも吹奏感が変わる可能性があります。

リガチャーはリードをマウスピースに固定する部品です。リガチャーも音や反応に影響しますが、リードの硬さそのものを置き換えるものではありません。

吹奏感に問題がある場合は、まずリードの強度、リードの状態、取り付け、マウスピースとの相性を切り分けて確認しましょう。こうした点を実際の演奏とあわせて確認したい場合は、EYS音楽教室のクラリネットレッスンを選択肢にできます。

慣らし方・保管・交換のポイント

新品の天然ケーンリードは、いきなり長時間吹き続けるのではなく、段階的に慣らしていく方法があります。

ダダリオでは天然ケーンについて、最初の3〜5日をブレークイン期間として案内しています。

同社が示す方法の例では、湿度を安定させたあと、水に約30秒浸し、最初は1枚につき5分を超えない程度から演奏し、徐々に演奏時間を延ばします。

ただし、これはひとつの方法です。メーカーや奏者によって慣らし方には違いがあるため、唯一の正解として考える必要はありません。

通常の演奏前にも、天然ケーンは適度に湿らせます。

長時間水に浸しておけばよいわけではありません。ダダリオは水で湿らせることを推奨し、2分以上水に浸したままにしないよう案内しています。

演奏後は余分な水分を取り除いて保管します。

天然ケーンは湿度変化によって反りや状態変化が起きるため、リードを平らに保持し、湿度を管理できる専用リードケースを使用する方法があります。

複数枚をローテーションして使用することも、リードの状態を管理する方法のひとつです。

たとえば複数枚を順番に使えば、特定の1枚だけを連続して使う状態を避けられます。また、それぞれの吹奏感を比較できるため、天然ケーンの個体差も把握しやすくなります。

同じ箱の同じ強度でも吹きやすさが違うのは、天然素材には個体差があるためです。

そのため、新品の1枚だけを試して「このシリーズは自分には合わない」と判断するのではなく、複数枚を比較してみることも大切です。

初心者のうちは、吹きにくいリードを知識なしに大きく削ることは避けた方がよいでしょう。極端な加工によってリードのバランスが崩れる可能性があります。

クラリネットリードのよくある質問

ここでは、クラリネットのリード選びで特に迷いやすい疑問をまとめます。

クラリネットリードのよくある質問(FAQ)

Q1. クラリネット初心者は何番のリードがいいですか?

A. 比較的柔らかい強度から始めることは多いですが、絶対的な番号は決められません。使用しているマウスピースの開きや、メーカーが示している推奨強度を優先して確認してください。「初心者なら必ず2½」という決め方ではなく、無理なく発音でき、音をコントロールできる強度を探します。

Q2. 3と3半ならどちらがおすすめですか?

A. 一律にどちらが優れているとはいえません。同一シリーズなら3½の方が強度は高くなります。3で強く吹くと音がつぶれるのか、3½では発音や弱音が苦しくなるのかなどを比較してください。使用するマウスピースとの相性も重要です。

Q3. 青箱と銀箱はどちらが上位ですか?

A. 上下関係として考える製品ではありません。一般に青箱はTraditional、銀箱はV.12を指します。V.12はTraditionalより両端が厚く、長いパレットを持つなど、リード自体の設計が異なります。自分のマウスピースや求める吹奏感に合わせて選びます。

Q4. 銀箱とは何ですか?

A. 一般にバンドーレンV.12を指す日本での通称です。Traditionalより両端が厚く、長いパレットを持つ設計で、豊かで深みのある音色を意図したモデルです。

Q5. 銀箱3半とは何ですか?

A. Vandoren V.12のStrength 3½を指します。V.12には3½と4の間に3½+という強度も設定されています。

Q6. V21とはどんなリードですか?

A. V.12のプロファイルと56 Rue Lepicの形状を組み合わせたバンドーレンのリードです。温かさと深みのある音、素早い反応、音の投射を意図して設計されています。

Q7. 56ルピックとは何ですか?

A. Vandoren 56 Rue Lepicのことです。名称はバンドーレン本社所在地に由来します。より太い直径のケーンを使用し、芯のある音や安定性、全音域での素早いレスポンスを意図したモデルです。

Q8. ダダリオとバンドーレンの同じ3は同じ硬さですか?

A. 同一とは限りません。強度番号にはメーカー横断の統一規格がないため、メーカー公式の強度比較表を目安にしてください。比較表で近い強度でも完全に同じ吹奏感になるとは限らないため、最終的には実際に吹いて確認します。

Q9. 樹脂リードは濡らす必要がありますか?

A. 製品によって異なります。Légèreは素材が水分を吸収しないため、水へ浸さずに演奏できるとしています。使用する製品のメーカーが示している取り扱い方法を確認してください。

Q10. 天然リードは何分水につければいいですか?

A. ダダリオは水で湿らせることを推奨し、2分以上浸したままにしないよう案内しています。また、新品の慣らし方の例では約30秒水に浸す手順が示されています。長時間浸せばよいというものではありません。

Q11. リードは何日使えますか?

A. 天然ケーンに一律の日数はありません。使用頻度、吹奏時間、湿度、保管方法、リードの個体差などで寿命が変わります。先端の欠けや割れ、大きな反り、反応や抵抗感の著しい悪化などを交換の判断材料にします。

Q12. 高いリードを買えば上手く吹けますか?

A. 価格だけでは決まりません。マウスピースや奏者に合うカットと強度であることが重要です。高価であることや強度番号が大きいことを、リード選びの目標にする必要はありません。

Q13. ブラックダイヤモンドというリードはありますか?

A. 今回確認されているバンドーレン公式のB♭クラリネット用リードには、その名称は確認されていません。Black Diamondは同社のクラリネット用マウスピースシリーズとして存在します。Black Diamondマウスピースに合うリードを探している場合は、そのマウスピースの推奨リード強度を確認してください。

まとめ

クラリネットのリード選びでは、人気のブランドや「初心者ならこの番号」という情報だけで決めるのではなく、マウスピースとの相性と無理なくコントロールできる強度を基準に考えることが大切です。

リードの1、2、2½、3、3½などは強度を表しますが、メーカー横断の統一規格ではありません。同じ3でも、バンドーレンとダダリオ、TraditionalとV.12では実際の吹奏感が異なる可能性があります。

バンドーレンにはTraditional(青箱)、V.12(銀箱)、V21、56 Rue Lepicなどがあり、それぞれ設計や特徴が異なります。青箱と銀箱についても上下関係ではなく、自分に合うかどうかで比較しましょう。

ダダリオにもOrganic Reserve、Organic Reserve Classic、Organic Reserve Evolution、Rico Organicなどがあり、用途や設計に違いがあります。メーカーを変更するときは強度比較表も参考になります。

天然ケーンは製品や強度の選択肢が多い一方、天然素材ならではの個体差や湿度による状態変化があります。樹脂・合成リードは個体差や湿度の影響を抑えやすいものの、製品ごとに素材やカット、特徴が異なります。

値段を比較するときは箱の価格だけでなく、入り数を確認して1枚あたりの価格も考えてください。寿命についても一律の日数はなく、使用頻度や保管環境、個体差によって変わります。

迷ったときは、まず現在使っているマウスピースのメーカーと型番を確認し、メーカーが示している推奨リード強度を調べます。次に、現在のリードのブランド、シリーズ、強度を確認し、硬すぎる・柔らかすぎる症状がないか整理しましょう。

そのうえで必要なら近い強度を試し、低音、高音、弱音、強音、タンギングなどを比較します。天然ケーンでは1枚だけで判断せず、複数枚を試すこともポイントです。

自分が無理なく音をコントロールできることが最優先です。数字の大きさや価格を目標にせず、マウスピースとリードの組み合わせを確認しながら、自分に合ったクラリネットリードを探していきましょう。