ドラム初心者向け簡単な曲|8ビート中心の練習曲を厳選紹介

ドラム初心者向けの8ビート中心の簡単な練習曲を紹介する記事をイメージした、ドラムセットのアイキャッチ画像。 ドラム
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「ドラムを始めたから、そろそろ1曲叩けるようになりたい。でも、どの曲なら初心者でも最後まで演奏できるんだろう?」と迷っていませんか。

ドラム初心者向けの曲を探すと、「有名だから簡単」「8ビートだから初心者向け」と紹介されている曲がたくさん見つかります。ただ、実際の難しさは曲名だけでは判断できません。

同じ8ビートでも、テンポが速かったり、バスドラムが細かかったり、フィルインが頻繁に入ったりすると難易度は大きく変わります。反対に、原曲のドラムは少し難しくても、基本の8ビートへ簡略化すれば初心者でも取り組みやすくなる曲はあります。

ここで大切なのは、「初心者向けの曲=原曲をそのまま簡単に叩ける曲」と考えないことです。プロが録音したドラムには、ゴーストノート、細かなハイハットのニュアンス、アクセント、バスドラムの変化など、楽曲を豊かにする要素が含まれています。それを最初から全部コピーしようとすれば、初心者向けとして紹介される曲でも難しく感じることがあります。

最初の目標は、原曲の細かな音まで完全に再現することではなく、一定のテンポで止まらず1曲を演奏することです。

「フィルを省いたら曲を叩いたことにならないのでは?」と心配になるかもしれませんが、そんなことはありません。基本ビートを保ち、曲の区切りを把握しながら最後まで演奏できれば、曲練習として大切な要素をたくさん身につけられます。

  • ドラム初心者でも叩きやすい曲の選び方
  • 邦楽・洋楽から選べる簡単な定番練習曲
  • 難しい曲を初心者向けに簡単にする方法
  • 1曲を止まらず完成させるための練習手順

初心者向けドラム曲の選び方

初心者が最初の曲を選ぶときは、知名度や「かっこよさ」だけで決めるよりも、今の自分が一定のリズムを続けられるかを見ることが大切です。

特に確認したいのが、リズムの種類、テンポ、バスドラム、フィルイン、曲構成の5つです。ここがシンプルな曲ほど、演奏中に考えることが少なくなり、タイムキープや手足の動きへ集中しやすくなります。

初心者向けの練習曲を選ぶときは、「何音叩くか」だけでなく「同じ動きをどれくらい維持できるか」も見てください。数小節ごとにパターンが大きく変わる曲より、同じ基本ビートが続く曲のほうが、最初の1曲には取り組みやすいですよ。

8ビート中心の曲を選ぶ

ドラム初心者が曲練習を始めるなら、まず候補にしたいのが8ビートを中心にした曲です。

基本的な8ビートでは、右手でハイハットを8分音符で刻みながら、スネアを主に2拍目と4拍目へ入れ、そこにバスドラムを組み合わせます。

たとえば「1と2と3と4と」と数えながら、右手はすべての「1・と・2・と・3・と・4・と」を刻みます。そのうえで2拍目と4拍目へスネアを入れると、ロックやポップスでよく使われる基本的な骨格が見えてきます。

ハイハット、スネア、バスドラムの3つを中心に演奏できるため、セット全体を忙しく移動しなくても曲の土台を作りやすいのが8ビートの利点です。

初心者が最初に意識したい基本形

右手で一定のハイハットを刻み、2拍目と4拍目にスネアを入れ、無理のない位置へバスドラムを加えるところから始めます。音数を増やす前に、この3つが崩れず続く状態を目指しましょう。

ただし、「8ビートの曲なら全部簡単」というわけではありません。

同じ8ビートでも、ハイハットを細かく開閉したり、アクセントの位置が頻繁に変わったり、バスドラムが8分裏へ多く入ったりすれば、手足の独立が必要になります。

さらに、右手の8分刻み自体がシンプルでも、原曲のテンポが速ければ、それを数分間続ける体力が必要です。曲の冒頭では叩けても、後半になると右手が遅れたり、力んでテンポが速くなったりすることがあります。

そのため、曲を選ぶときは「8ビートかどうか」だけでなく、基本パターンをどれくらい長く繰り返せるかまで見ると失敗しにくいです。

初心者向けとして特に選びやすいのは、ハイハットの細かな開閉が少なく、バスドラムの位置が大きく変化せず、フィルを簡略化しても曲として成立しやすいものです。

逆に、16分音符のハイハットを長く刻く曲、ゴーストノートが大量に入る曲、バスドラムの連打が多い曲、変拍子が頻繁に登場する曲などは、最初の1曲としては負担が大きくなりやすいでしょう。

「好きな曲なのに条件から外れている」と感じても、諦める必要はありません。まず簡単な曲で8ビートを安定させてから戻ってくる方法もありますし、好きな曲自体を初心者向けに簡略化して練習する方法もあります。

テンポとフィルの難しさを見る

次に確認したいのがテンポです。

リズムパターンそのものが簡単でも、テンポが速ければ右手でハイハットを刻み続けるだけで大変になります。そこへバスドラムやフィルインが加わると、初心者には一気に難しく感じられるでしょう。

特に「かっこいい曲」「盛り上がる曲」として選ばれやすいロックやパンク系の曲は、ストレートで分かりやすいビートでもテンポが速い場合があります。譜面を見たときは簡単そうでも、原曲へ合わせると右手が追いつかない、ということが起きやすいポイントです。

反対にテンポが遅い曲も、必ずしも簡単とは限りません。音と音の間隔が広いぶん、次の音を焦って早く叩かず、一定の間隔を保つ精度が求められるからです。

その意味では、ゆったりした曲もタイムキープの良い練習になります。「遅いから簡単」と油断せず、ハイハットの間隔が均等になっているか、スネアが前後へずれていないかを意識すると練習の質が上がります。

とはいえ、最初の曲では、速すぎる曲よりも一打一打を確認しながら叩ける曲のほうが取り組みやすいかなと思います。

フィルインも重要です。フィルとは、基本ビートから次のセクションへ移るときなどに入れる短いフレーズのことです。スネアだけで叩く場合もあれば、タムやフロアタムを移動しながら叩く場合もあります。

初心者の場合、このフィルへ入った瞬間に基本の拍を見失いやすくなります。フィル自体は叩けても、その次の小節の1拍目へ戻れなければ、曲全体の流れが止まってしまいます。

フィルで止まるなら無理に叩かなくて大丈夫です。

フィルを省いて基本ビートを続け、次の小節の1拍目だけクラッシュシンバルを入れる方法でも、曲の区切りは十分に表現できます。難しいフィルより、次の1拍目へ正確に戻れることを優先してください。

曲選びでは、変拍子が少ないこと、16分音符の細かな連打が少ないこと、ゴーストノートや複雑なハイハット操作が少ないことも判断材料になります。

また、途中でテンポが大きく変わる曲、短い間隔でビートパターンが何種類も切り替わる曲も、覚えることが増えます。初心者の最初の1曲では、曲の大部分を同じ基本ビートで進められるものを選ぶと、演奏に集中しやすいですよ。

曲選びで迷ったときの優先順位

まず「無理なく一定の8ビートを続けられるか」、次に「テンポが現在の実力に合うか」「曲構成を覚えやすいか」「フィルやバスドラムを簡略化できるか」を確認します。知名度やライブでの盛り上がりは、そのあとに考えると選びやすくなります。

最初の1曲におすすめの簡単な曲

最初の1曲は、「好きだから」だけではなく、最後まで演奏できそうかという視点でも選んでみましょう。

曲を1曲通せるようになると、8ビートだけでなく、曲構成の把握、タイムキープ、クラッシュを入れる位置、フィルから基本ビートへ戻る感覚などをまとめて練習できます。

ここでは、基本ビートを保ちながら曲全体を練習しやすい候補を紹介します。原曲を一音ずつ完全再現する前提ではなく、必要に応じて初心者向けに簡略化して演奏する考え方です。

3月9日・チェリーなど邦楽の定番

邦楽で最初の候補にしやすいのが、レミオロメンの「3月9日」とスピッツの「チェリー」です。

「3月9日」は落ち着いたテンポで、速い連打を追いかけるよりも、一定のビートを保ちながら曲に合わせる練習へ意識を向けやすい曲です。

速い曲では「次の音に間に合わせる」ことだけで精いっぱいになりやすいですが、落ち着いた曲では自分が叩いたスネアやバスドラムのタイミングを聴く余裕も作りやすくなります。

最初は細かなフレーズを省き、ハイハット、スネア、バスドラムによる基本ビートを崩さず演奏することを目標にするとよいでしょう。

ただし、ゆったりした曲ほどタイムキープを雑にしないことが大切です。次の音を待ちきれず早く叩く「走る」状態にならないよう、ハイハットの間隔を一定に保ちます。

スピッツの「チェリー」は、王道のポップ・ロック系8ビートを練習したい人に向いています。

曲を知っている人も多いため、歌の流れからAメロやサビなどの展開をつかみやすいのも初心者には助けになります。ドラムだけに集中するより、「次はサビだな」「ここで区切りが来るな」と曲全体を聴きながら演奏できると、曲練習としての意味が大きくなります。

「チェリー」でも、最初から原曲の細かな変化を全部再現する必要はありません。基本の8ビートで通し、余裕ができたらバスドラムの位置やフィルを少しずつ加えていくと進めやすいでしょう。

さらに候補として挙げやすいのが、あいみょんの「マリーゴールド」、スピッツの「楓」「空も飛べるはず」、BUMP OF CHICKENの「ベル」、Mr.Childrenの「Over」などです。

曲名 アーティスト 初心者向けポイント 練習時の注意
3月9日 レミオロメン 落ち着いて基本ビートを確認しやすい 遅いテンポでも走らないよう意識する
チェリー スピッツ 王道の8ビートを練習しやすい 細かな変化は後から追加する
マリーゴールド あいみょん 中速の8ビートを練習しやすい 原曲の細部は簡略化して始める
楓 スピッツ ゆったり曲を合わせる練習に向く 音量とテンポをそろえながら一定に叩く
ベル BUMP OF CHICKEN 初心者向けに整理した形で練習しやすい 原曲完全再現とは難易度が異なる
Over Mr.Children 曲を止めずに通す練習をしやすい 展開を覚えて基本ビートを維持する

「どれが一番簡単か」と順位を決めたくなるかもしれませんが、曲の難しさは使う譜面や簡略化の程度によっても変わります。

右手の8分刻みは得意でもバスドラムが苦手な人もいれば、ゆっくりした曲でテンポを保つのが難しい人もいます。そのため、ランキングよりも自分がどこでつまずきやすいかを基準に曲を選ぶほうが現実的です。

どれを選ぶ場合でも、最初から原曲の細かな装飾まで再現しようとしないことがポイントです。

基本ビートだけで曲を最後まで通せたら、それは十分に大きな一歩です。

そこから「次はサビだけクラッシュを入れよう」「次はフィルを1か所だけ加えよう」と、小さく完成度を上げていけば大丈夫です。

Let It Beなど洋楽の定番曲

洋楽から選ぶなら、The Beatlesの「Let It Be」は候補にしやすい曲です。

速さに追われにくいため、手と足を合わせながら基本的なタイムキープを練習できます。原曲の細かなニュアンスをすべて再現せず、まずはシンプルなビートで合わせてみましょう。

洋楽は歌詞を完全に覚えていなくても、イントロ、歌の始まり、サビなど大きな区切りを耳で覚えておくと演奏しやすくなります。ドラム譜だけを見続けるのではなく、曲そのものを何度も聴いて展開を把握することが大切です。

Creedence Clearwater Revivalの「Have You Ever Seen The Rain」も、ストレートなロックのリズムを感じながら8ビートを練習する候補です。

フィルを簡単にすれば基本ビートへ集中しやすく、ロックらしい一定のビートを維持する練習につなげられます。

Oasisの「Don’t Look Back in Anger」も、8ビートに少し慣れてきた段階でロックのタイム感を練習する候補になります。

洋楽の有名曲は「聴いたことがある」という親しみが練習を助けてくれることがあります。曲の展開が耳に入っていると、譜面だけを頼りにするより次のセクションを予測しやすいからです。

一方、Queenの「We Will Rock You」は初心者向けとして名前が挙がりやすいものの、少し性格が違います。

「We Will Rock You」で印象的なのは足踏みと手拍子によるリズムです。拍やアクセントを感じる練習には分かりやすいですが、一般的なドラムセットの8ビートをそのまま練習する曲とは分けて考えたほうがよいでしょう。

「有名な曲だからドラム初心者にも簡単だろう」と考えると、実際に練習を始めたときにギャップが生まれることがあります。

洋楽の有名曲を選ぶときも、「名曲だから初心者向け」と考えず、自分が無理なくテンポを保てるか、フィルを簡略化できるか、基本ビートの種類が多すぎないかを基準にしてください。

最初から曲の雰囲気まで完全に再現しようとせず、まず拍と基本ビートを安定させること。そのあとで強弱やシンバルの使い分けを加えていくと、段階的に曲らしさを出しやすくなります。

邦楽の有名曲を難易度別に紹介

有名な邦楽には、初心者向けとして紹介される曲がたくさんあります。

ただし、曲によって「パターンは簡単だけれど速い」「基本ビートは分かりやすいけれどフィルが難しい」など、つまずくポイントが違います。

そこで、単純に「簡単」「難しい」と決めるのではなく、どの部分が初心者に向いていて、どの部分が負担になりやすいのかを分けて考えることが大切です。

小さな恋のうたは本当に簡単?

MONGOL800の「小さな恋のうた」は、ドラム初心者向けの定番としてよく名前が挙がる曲です。

確かにリズムの考え方そのものは比較的つかみやすく、ストレートなロックの勢いも感じられます。曲を知っている人も多く、「いつか叩いてみたい」と目標にしやすい曲ですよね。

ただし、パターンが分かりやすいことと、原曲の速さで最後まで叩けることは別問題です。

完全な初心者が最初から原曲の勢いに合わせると、右手の8分刻みだけで疲れたり、サビで力んでテンポが乱れたりすることがあります。

最初の数十秒は叩けても、曲の後半まで同じ速さを保つには持久力も必要です。右手が疲れてくると、ハイハットの間隔が不ぞろいになり、その影響でスネアやバスドラムまでずれやすくなります。

このため、「小さな恋のうた」を最初の曲として選びたい場合は、原曲どおりに演奏することにこだわらなくても大丈夫です。

初心者向けの簡略化例

再生速度を落とし、ハイハットを追い続けるのが難しければ一時的に4分音符へ変更します。バスドラムも分かりやすい位置へ減らし、フィルは省略して基本ビートを続けます。まずは曲の流れを止めないことを優先しましょう。

ハイハットを4分音符にすると、原曲より音数は減ります。しかし、その分だけ右手に余裕が生まれ、スネアとバスドラムのタイミングへ意識を向けられます。

その状態で曲を最後まで通せるようになったら、再び8分音符へ戻す方法があります。いきなり原曲の完成形へ挑戦するのではなく、段階を作るわけです。

フィルも同様です。原曲のタム回しが難しければ、フィルを完全に省く、スネアだけで短く叩く、4拍目だけフィルにする、といった方法で難易度を下げられます。

3月9日やチェリーなどで8ビートを安定させてから挑戦すると、曲の勢いを楽しむ余裕も出てくるでしょう。

「簡単なパターンの曲」ではあっても、「ゆっくりで誰でも簡単に叩ける曲」とは限らない。この違いを知っておくだけでも、曲選びの失敗を減らせます。

もし練習中に「初心者向けのはずなのに叩けない」と感じても、その曲があなたに向いていないと決めつける必要はありません。テンポを落とす、音数を減らす、フィルを省くなど、曲を今の自分に合わせる方法があります。

基礎後に挑戦したい有名曲

基本の8ビートを止まらず叩けるようになったら、少し速い曲や変化の多い曲へ進んでみましょう。

候補としては、「負けないで/ZARD」「ずっと好きだった/斉藤和義」「バンザイ~好きでよかった~/ウルフルズ」「Butter-Fly/和田光司」「前前前世/RADWIMPS」などがあります。

この段階では、ただ基本ビートを続けるだけでなく、Aメロとサビで音量を変えたり、小節の区切りにクラッシュを入れたりすると、演奏がより曲らしくなってきます。

初心者のステップアップで重要なのは、難しいフレーズをたくさん増やすことだけではありません。基本ビートから別のビートへ切り替えたあと、再び安定して戻れることも大切です。

たとえばAメロではハイハットを抑えめに叩き、サビ頭でクラッシュを入れるだけでも曲の強弱を表現できます。フィルの音数を増やさなくても、こうした変化で演奏はかなり音楽らしくなります。

段階 曲の候補 主な練習目標
初めて曲を叩く 3月9日、チェリー、楓、Let It Be、ベル、Over 基本8ビートを止めずに続ける
8ビートに慣れた マリーゴールド、空も飛べるはず、負けないで、ずっと好きだった、わたがし バスドラムや簡単なフィルを増やす
ステップアップ 小さな恋のうた、Butter-Fly、前前前世、Basket Case、Tomorrow never knows、Don’t Look Back in Anger 速い8ビートや曲ごとの変化へ対応する

最初の段階では、「基本ビートを止めない」「2拍目と4拍目のスネアを安定させる」という目標だけでも十分です。

次の段階では、バスドラムの位置を少し増やしたり、小節の終わりへ短いフィルを入れたりしてみます。

さらに慣れてきたら、Aメロ・Bメロ・サビでビートを切り替えたり、速い8ビートでも力まないようにしたり、原曲のアレンジへ少しずつ近づけていきます。

難易度には統一された基準があるわけではありません。同じ曲でも、原曲完全コピーと初心者向けアレンジでは難しさがかなり違います。

市販や配布されているドラム譜を利用するときも、「初心者向け」「簡単アレンジ」と「原曲コピー」が同じ内容だとは限りません。

自分が使っている譜面やアレンジの内容を確認しながら、無理のない段階で進めてください。

かっこいい・盛り上がる練習曲

せっかくドラムを始めたなら、「簡単なだけでなく、叩いていてかっこいい曲がいい」「文化祭やライブで盛り上がる曲を演奏したい」と思いますよね。

もちろん、そうした曲を目標にするのも良い方法です。好きな曲や人前で演奏したい曲があると、繰り返し練習する理由にもなります。

ただ、盛り上がる曲と簡単な曲は必ずしも同じではありません。勢いのあるロック曲は、パターンがシンプルでもテンポが速く、長時間叩き続ける体力が必要になることがあります。

ライブで盛り上がる邦楽曲

ライブで盛り上がりやすい邦楽候補としては、「小さな恋のうた」「Butter-Fly」「負けないで」「前前前世」「バンザイ~好きでよかった~」などが挙げられます。

こうした曲を演奏するときも、最初から原曲のすべてをコピーしようとしないことがポイントです。

文化祭や初心者バンドの演奏では、ドラムだけが細かなフィルを完璧に再現しても、バンド全体のテンポがずれてしまえばまとまりにくくなります。

反対に、ドラムのフレーズがシンプルでも、一定のテンポを保ち、サビ頭や曲の区切りがそろっていれば、バンド全体は演奏しやすくなります。

知名度が高い曲は、演奏する側だけでなく聴く側も曲の展開を知っている場合があり、バンド全体で一体感を作りやすいでしょう。

ただし、盛り上げようとしてドラムが力みすぎるのは避けたいところです。

サビだからといって腕に力を入れて大きな音を出すだけでは、テンポが速くなったり、スネアとバスドラムのタイミングがずれたりします。

かっこいい演奏は「大きい音を出すこと」と同じではありません。

ハイハットを均一な間隔で刻き、2拍目と4拍目のスネアが安定し、バスドラムと手のタイミングがそろっているだけでも、シンプルなビートはかなり引き締まって聞こえます。

シンプルでもテンポが安定している演奏のほうが、バンド全体はまとまって聞こえます。

さらに、Aメロは少し抑え、サビでは音量を少し上げるなど、セクションごとに強弱を付けると曲の展開が伝わりやすくなります。

クラッシュシンバルも毎小節鳴らすのではなく、サビ頭や大きな区切りなど必要な場所に絞ると、アクセントとして機能しやすくなります。

ライブでは細かなフレーズを完璧にコピーすることより、バンド全体が同じテンポで進むことを優先してください。難しいフィルを無理に入れて次の1拍目を外すくらいなら、基本ビートを続けるほうが演奏は安定します。

特にフィルの直前は、緊張してテンポが速くなりやすい場面です。「ここでフィルを入れなければ」と意識しすぎると、その前の基本ビートまで崩れることがあります。

フィルへ入る前もハイハットの間隔を保ち、短いフィルを叩いたら次の1拍目へ戻る。この流れを個別に練習しておくと、曲中でも使いやすくなります。

洋楽ロックのステップアップ曲

洋楽でかっこいいロックを叩きたいなら、Green Dayの「Basket Case」なども目標になります。

ストレートなロックのビートを感じやすい一方で、テンポが速いため、完全初心者が最初に挑戦する曲というより、8ビートが安定してからのステップアップ向けです。

勢いのある曲ほど、原曲へ合わせようとして体に力が入りやすくなります。まずは速度を落とし、右手の動きが無理なく続く状態から始めてください。

速い8ビートでは、右手だけを速く動かそうとすると肩や腕へ余計な力が入りやすくなります。力んだ状態で繰り返すより、ゆっくりしたテンポで一定の動きを続け、その感覚を保ったまま少しずつ速度を上げるほうが取り組みやすいです。

「Don’t Look Back in Anger」なども、ロックのタイム感を意識する練習候補です。

Earth, Wind & Fireの「September」のように初心者向け8ビート練習曲として紹介されることがある曲でも、原曲らしいグルーヴや細かなニュアンスまで完全に再現しようとすると難しさは上がります。

ここでいうグルーヴは、単に譜面どおりの位置で音を出すだけではなく、曲全体のノリとして感じられるリズムのまとまりです。初心者の段階では、まずテンポを安定させることを優先し、そのあとでアクセントや強弱を加えていけば大丈夫です。

初心者向けという言葉は、「原曲のすべてが簡単」という意味ではなく、基本パターンへ整理して練習しやすいという意味で使われる場合もあります。

そこを理解しておくと、有名曲へ挑戦したときに「初心者向けと書いてあったのに叩けない」と必要以上に落ち込まずに済みますよ。

むしろ、「どの部分なら今できるか」を探してみてください。基本ビートだけなら通せる、Aメロまでは原曲に近づけられる、サビだけ速度を落とせば演奏できる、と段階を分ければ練習を続けやすくなります。

初心者向けに曲を簡単にする方法

「好きな曲を選んだけれど、原曲のドラムが難しすぎる」。そんなときは、曲を諦める必要はありません。

初心者の練習では、原曲の音を全部再現するよりも、曲の骨格を残しながら簡単なパターンへ置き換える方法があります。

ここでいう簡略化は、適当に叩くことではありません。曲のテンポ、拍、スネアのバックビート、セクションの区切りなど大切な部分を残しながら、今は難しい装飾を減らす考え方です。

まずハイハットは、複雑なアクセントや開閉をいったん省き、8分音符の一定打ちへ統一します。右手が追いつかない場合は、一時的に4分音符で刻んでも構いません。

ハイハットオープンが入る曲でも、開閉でリズムが崩れるなら最初は閉じたままで演奏します。ライドシンバルへ移動する場面も、移動した瞬間にテンポが崩れるならハイハットを続けても大丈夫です。

スネアは2拍目と4拍目を中心にします。ゴーストノートのような小さな装飾音は後回しで構いません。

ゴーストノートは曲のニュアンスを作る重要な要素になることがありますが、基本ビートがまだ不安定な段階で無理に追加すると、メインのスネアまで弱くなったりタイミングがずれたりすることがあります。

まず2拍目・4拍目をしっかり安定させ、そのうえで余裕ができたら追加しましょう。

バスドラムも、原曲が複雑なら音数を減らします。まずは自分が確実に踏める位置だけにして、手のリズムを崩さないことを優先します。

たとえば細かなバスドラムが連続している場所でも、最初は1拍目や3拍目など自分が分かりやすい位置へ整理する方法があります。

足が複雑になると上半身まで崩れてしまう人は、バスドラムを思い切って減らしてください。手だけでは安定していた8ビートが、足を加えた瞬間に崩れるなら、足のパターンを簡単にする余地があります。

フィルインはさらに簡単にできます。

タムを何個も使うフィルが難しければ、スネアだけを4分音符や8分音符で叩く形へ置き換えます。それでも難しければ、フィル自体を省いてください。

たとえば1小節すべてを使う長いフィルが難しいなら、4拍目だけを短いフィルにする方法があります。それなら基本ビートを3拍目まで保ったまま、短い動きだけで次の小節へつなげられます。

さらに簡単にするなら、フィルは一切入れず、次の小節の1拍目でクラッシュシンバルとバスドラムを同時に鳴らします。これだけでもセクションが変わったことを表現しやすくなります。

簡略化しても残したいもの

曲のテンポ、2拍目・4拍目のスネア、曲の区切り、次の1拍目へ戻る位置。この4つを大きく崩さなければ、音数を減らしても曲の骨格は保ちやすくなります。

最初から原曲を完全コピーする必要はありません。

プロの録音には、細かなハイハット表現、ゴーストノート、強弱、微妙なタイミングの変化など、多くの要素が含まれています。それらを初心者が一度に再現しようとすると、曲全体を演奏する練習が進まなくなることがあります。

「この1か所のフィルができないから先へ進めない」という状態になったら、いったんフィルを外して曲全体へ戻りましょう。

1つの難しいフレーズだけを何度も練習することも必要ですが、それによって曲を最初から最後まで演奏する練習がなくなってしまうと、曲構成や持久力、タイムキープを練習する機会が減ってしまいます。

まずは「簡単なドラムで1曲完成」、その後に少しずつ原曲へ近づける。この順番なら、自分の上達も感じやすいですよ。

簡略化したパターンで通せたら、次は1か所だけ原曲へ戻します。

たとえば「サビのバスドラムだけ原曲に近づける」「イントロのフィルだけ覚える」「最後のクラッシュ位置を合わせる」といった具合です。

一度に複数の要素を変えると、何が原因で崩れたのか分かりにくくなります。1つ追加して安定したら次へ。この流れを繰り返すと、初心者アレンジから原曲に近い演奏へ段階的に移行できます。

どの音を残し、どこを簡略化すればよいか自分では判断しにくい場合は、EYS音楽教室のレッスンについてまとめたページも参考にしながら、実際に演奏を見てもらう方法を検討できます。

ドラム譜を使う場合も注意してください。同じ曲でも、原曲完全コピー譜と初心者向けアレンジ譜では内容が違います。

「この曲は初心者向けと聞いたのに譜面が難しい」と感じた場合、原曲に忠実なコピー譜を見ている可能性もあります。曲そのものの難易度だけでなく、どの譜面を使っているかも確認してください。

さらに、ドラム譜で各太鼓やシンバルをどの位置へ書くかは、すべての出版物で完全に統一されているとは限りません。使う楽譜の凡例を最初に確認すると安心です。

ハイハット、ライド、クラッシュ、タムなどの表記を思い込みで読み進めず、その譜面でどう記されているかを最初に確認しておくと、練習途中で混乱しにくくなります。

また、譜面によってはフィルの位置だけ示され、具体的なフレーズが細かく指定されていない場合もあります。初心者のうちは、そこで難しいフィルを自作しようとせず、スネアだけの短いフィルへ置き換えても構いません。

初心者が曲練習で最低限使うドラムセット

基本はハイハット、スネアドラム、バスドラムの3つです。曲の区切りでクラッシュシンバルを加え、余裕が出てきたらライドシンバルやタム、フロアタムを使ったフィルへ広げていくと整理しやすくなります。

自宅で練習環境を作るなら、電子ドラムを使った練習についても確認しておくと選択肢を整理しやすくなります。特にキックペダルを使う場合は音量だけでなく床へ伝わる振動も考える必要があるため、楽器の防音・防振対策もあわせて確認してください。

難しい曲を簡略化することは、上達を避けることではありません。むしろ、今できる形で曲全体を経験しながら、必要な技術を1つずつ加えるための方法です。

1曲を止まらず叩く練習手順

曲を決めたら、いきなり最初から最後まで原曲どおりに叩こうとしないことが大切です。

一つずつ要素を足していくと、どこで崩れているのかを確認しやすくなります。

最初に曲を何度か聴き、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、間奏、アウトロなど、大まかな構成を把握します。

この段階ではドラムの細かな音を全部拾う必要はありません。「イントロが何小節くらい続くか」「歌がどこから始まるか」「サビへ入る直前にどんな変化があるか」など、大きな流れをつかみます。

曲構成が分からないまま叩き始めると、演奏自体はできていても「次は何だっけ」と迷って止まりやすくなります。

逆に、曲の流れを先に覚えていれば、ドラムパターンを簡単にしても最後まで進みやすくなります。

次にドラムを叩かず、手拍子や声のカウントだけで曲へ合わせます。ここで拍の感覚がつかめていないと、ドラムセットへ座ったときにも迷いやすくなります。

「1、2、3、4」と数えながら曲を聴き、スネアが入る2拍目と4拍目を手拍子で確認してみると、基本のバックビートを感じやすくなります。

その後、ハイハットだけで曲へ合わせます。

右手が一定に動くようになったら、2拍目と4拍目へスネアを追加します。この時点ではバスドラムを入れなくても構いません。

ハイハットとスネアだけで曲の最後まで合わせられるなら、手のタイムキープはかなり整理されています。

次に最低限のバスドラムを加え、基本の8ビートを作ります。

原曲のバスドラムが複雑でも、そのままコピーする必要はありません。最初は自分が分かる位置だけにして、手のリズムが崩れないことを確認します。

ここまでできたら、フィルなしで構わないので、曲を最初から最後まで止まらず演奏してみてください。

おすすめの練習順

  1. 曲構成を確認する
  2. 手拍子やカウントでテンポを取る
  3. ハイハットだけで合わせる
  4. 2拍目・4拍目へスネアを加える
  5. 簡単なバスドラムを加える
  6. 基本8ビートだけで最後まで通す
  7. 曲の区切りへクラッシュを加える
  8. 短いフィルを追加する
  9. 原曲のバスドラムやハイハットの変化を加える
  10. 細かなフィルやニュアンスへ近づける

この順番で大切なのは、6番目の「基本8ビートだけで最後まで通す」を飛ばさないことです。

初心者は、原曲を聴いているとどうしても派手なフィルやシンバルの変化が気になり、そこから練習したくなることがあります。

しかし、フィルを1つきれいに叩けても、基本ビートが途中で止まってしまえば1曲としてはつながりません。

まず土台を作り、その上へ装飾を乗せていくイメージが分かりやすいでしょう。

フィルインを加える段階でも、重要なのはフィルそのものよりフィル後の1拍目へ正確に戻ることです。

たとえば4拍目だけ短いフィルにして、次の小節頭でクラッシュとバスドラムを合わせる練習から始めます。

「フィルを叩く → 次の1拍目へ戻る」という部分だけを繰り返し練習するのも有効です。

フィルの最後まで叩くことに意識が向きすぎると、次の1拍目が遅れることがあります。フィルはそれ自体がゴールではなく、次の基本ビートへ戻るためのつなぎだと考えると整理しやすいです。

途中でテンポが崩れるなら、再生速度やメトロノームを落として練習してください。

速いテンポで何度も失敗するより、遅いテンポで手足の位置を確認しながら安定して演奏したほうが、動きを整理しやすくなります。

テンポを落とすと、手と足が同時になる場所、バスドラムだけ少しずれる場所、フィル後に急いでいる場所なども見つけやすくなります。

速度を戻すときも、一気に原曲の速さへ上げるのではなく、安定した演奏を維持できる範囲で少しずつ上げていきます。

大切なのは「原曲テンポに到達したか」だけではなく、その速度で曲の最後まで安定して演奏できるかです。

タイムキープでは、特にフィルの前後とサビに注意しましょう。初心者はフィルへ入る直前に焦ったり、サビで気持ちが高まったりするとテンポが速くなることがあります。

ハイハットの間隔を一定に保つ意識を持つと、手足全体のリズムも整えやすくなります。

また、足が複雑になった瞬間にテンポが崩れる場合は、バスドラムを一度簡単に戻してください。

「原曲どおり踏めないからダメ」ではなく、「簡単な足ならテンポを保てる」という状態をまず作ります。そのあと1音ずつ追加していけばよいのです。

練習中によくある失敗として、毎回違う叩き方をしてしまうことも挙げられます。

今日は原曲のフィル、次は別の簡略フィル、その次は何となく違うバスドラムという状態では、基本パターンが定着しにくくなります。

最初は「この曲はこの簡単パターンで通す」と形を決め、何度か同じ演奏を再現できるようにしましょう。

その形が安定したあとで、原曲のフレーズへ近づけるほうが、何を変えたのかも分かりやすくなります。

曲練習で避けたい進め方

  • 知名度だけで最初の曲を決める
  • 最初から原曲を完全コピーしようとする
  • 1つのフィルができないだけで曲全体の練習を止める
  • 速いテンポで崩れた演奏を繰り返す
  • フィルばかり練習して基本ビートを安定させない
  • サビで力み、テンポまで速くする
  • 毎回違うパターンで叩き、基本形が定着しない

そして、1曲通せるようになったら、バスドラムの細かな変化、ハイハットの開閉、原曲のフィルなどを一つずつ追加します。

一度に全部完成させる必要はありません。昨日より一つできることが増えたなら、それも立派な上達です。

初心者向けの簡単な曲を練習しても意味がない、ということもありません。

基本ビートを数分間安定させること、一定の音量でハイハットを刻むこと、2拍目と4拍目のスネアを維持すること、バンド全体を聴きながら演奏することは、シンプルな曲だからこそ集中して取り組める要素です。

こうした順番で練習しても同じ場所で止まる場合は、どこでリズムが崩れているかを実際に見てもらう方法もあります。独学以外の練習方法も比較したい場合は、EYS音楽教室について解説しているページも判断材料の一つになります。

生ドラムでしっかり音を出して練習したいものの自宅では難しい場合は、音楽スタジオの個人練習を利用する方法もあります。

難しいフレーズを叩けることだけが上達ではありません。簡単なビートを安定して続けられることも、ドラムでは重要な力です。

よくある質問(FAQ)

Q1. ドラム初心者が最初に覚えるなら何ビートがよいですか?

A. ロックやポップスの曲を演奏したいなら、8ビートは最初の候補にしやすいです。ハイハット、スネア、バスドラムの基本的な組み合わせを覚えることで、多くの曲へ応用できます。最初は音数を増やすより、一定のテンポで続けることを優先しましょう。

Q2. 楽譜が読めなくても1曲練習できますか?

A. 曲を聴きながら構成やビートを覚える方法でも練習できます。ただ、ドラム譜の基本が分かると、パートの切り替わりやフィルの位置を整理しやすくなります。譜面を使う場合は、その譜面で使われている記号や凡例を最初に確認してください。

Q3. 小さな恋のうたは初心者でも簡単ですか?

A. リズムの考え方は比較的つかみやすい一方、原曲はテンポが速いため、完全初心者が最初から同じ速さで叩き続けるのは難しく感じることがあります。速度を落としたり、ハイハットやバスドラムを簡単にしたりすると練習しやすくなります。最初の1曲というより、基本8ビートを覚えた後のステップアップ曲として考える方法もあります。

Q4. フィルインができない場合は省略してもよいですか?

A. 初心者の曲練習では省略して構いません。難しいフィルで演奏が止まるより、基本ビートを維持して次の1拍目へ戻るほうが曲全体は安定します。慣れてからスネアだけの短いフィルやタム移動を追加しましょう。

Q5. 原曲と違うドラムを叩いても問題ありませんか?

A. 初心者が練習する段階では、原曲を簡略化しても問題ありません。テンポと基本的な拍を守り、曲を最後まで支えられるパターンを優先してください。基本形が安定したあとで、原曲のバスドラムやフィル、ハイハットの変化へ少しずつ近づけていけば大丈夫です。

Q6. 速い曲を練習すれば早く上達しますか?

A. 必ずしもそうとは限りません。速いテンポで崩れた演奏を繰り返すより、速度を落として正確な動きを確認するほうが、手足の関係を整理しやすくなります。安定して叩けるテンポから始め、少しずつ速度を上げてください。

Q7. 簡単な曲ばかりでは上達しませんか?

A. 簡単な曲でも、タイムキープ、ハイハットの均一な刻み、スネアのバックビート、バスドラムとの連動、フィル後の戻り、曲構成の把握など多くの要素を練習できます。まずシンプルな曲で土台を作り、その後に難しい曲へ進む方法は十分に意味があります。

まとめ

ドラム初心者が最初の曲を選ぶときは、知名度や派手さだけでなく、8ビート中心で、極端に速くなく、フィルが少なく、同じパターンを繰り返しやすいかを確認することが大切です。

最初の候補としては、「3月9日」「チェリー」「マリーゴールド」「Let It Be」など、基本ビートへ整理しやすい曲から考えると取り組みやすいでしょう。

とにかく簡単なところから始めたいなら、落ち着いたテンポで基本ビートを確認しやすい曲を選びます。

王道の8ビートを練習したいなら「チェリー」や「マリーゴールド」などを候補にし、ロックらしい勢いのある曲へ進みたくなったら、基本ビートが安定したあとで少し速い曲へ挑戦していきます。

「小さな恋のうた」「前前前世」「Basket Case」などは有名で盛り上がる曲ですが、テンポの面では完全な初心者の最初の1曲より、8ビートへ慣れた後のステップアップ曲として考える方法があります。

そして何より大切なのは、原曲を完璧に再現できるまで1曲を完成扱いにしない、という考えから少し離れることです。

原曲完全コピーと初心者アレンジは、同じ曲でも難易度が違います。

プロの演奏に含まれる細かなゴーストノート、ハイハットの開閉、複雑なフィル、細かなバスドラムまで最初から全部再現しようとすると、「1曲を演奏する」という目的へなかなか到達できないことがあります。

フィルを省いても、バスドラムを簡単にしても、一定のテンポで最後まで演奏できれば大きな成果です。

まず基本8ビートだけで1曲を通す。その後にクラッシュを加え、短いフィルを加え、バスドラムやハイハットを原曲へ近づける。この順番なら、何ができるようになったのかも分かりやすくなります。

簡単な曲であっても、数分間テンポを安定させること、音量をそろえること、曲の展開を覚えること、バンド全体を聴くことなど、ドラム演奏に必要な要素をたくさん練習できます。

「この曲を叩けるようになりたい」という気持ちは、練習を続ける大きな力になります。最初から完成形だけを求めず、あなたが今できる形から少しずつ曲を仕上げていってください。

1曲を最後まで演奏できた経験は、その次の曲へ挑戦するときにも役立ちます。音楽は技術を競うだけのものではありません。好きな曲を自分の手足で少しずつ形にしていく過程も、ドラムを始める楽しさの一つですよ。