ギターを始めたばかりのとき、多くの人が最初につまずきやすいのがチューニングです。「6本の弦を何の音に合わせるのか」「1弦と6弦はどちらが太いのか」「チューナーに出てくる440Hzとは何なのか」と、覚えることが多そうに見えるかもしれません。
しかし、一般的な6弦ギターの基本だけに絞れば、最初に覚える内容はそれほど複雑ではありません。初心者が通常使うのはレギュラーチューニングで、6弦から1弦へE・A・D・G・B・Eの順番に合わせます。
チューナーを使う場合は、特別な指定がなければ基準ピッチをA=440Hzにしておきます。そして、6弦から1本ずつ鳴らし、表示される音名とメーターの位置を確認しながら調整していけば大丈夫です。
重要なのは、一度6本を合わせただけで終わりにしないことです。1本の弦を調整すると、ほかの弦の張力にもわずかな影響が出ることがあります。6本すべてを合わせたら、もう一度6弦から確認するとチューニングの精度を上げやすくなります。
最初に覚える基本は4つです。
- 6弦から1弦はE・A・D・G・B・E
- 6弦が最も太く低く、1弦が最も細く高い
- チューナーの基準ピッチは通常A=440Hz
- 6本を合わせたあとに、もう一度確認する
この記事では、ギターチューニングのやり方を初心者向けに整理しながら、弦番号、音階、合わせる順番、440Hzの意味、チューナーの見方、チューニングがずれる原因まで詳しく解説します。
ギターのレギュラーチューニングとは
一般的な6弦ギターで基本となるのが、レギュラーチューニングです。「標準チューニング」「Standard Tuning」と表記されることもあります。
一般的なエレキギター、アコースティックギター、6弦クラシックギターでは、標準状態なら基本的に同じE・A・D・G・B・Eへ合わせます。
ギター向けのコード表、スケール練習、初心者向け教則教材なども、特別な指定がなければレギュラーチューニングを前提としていることが多いため、最初に覚えるチューニングとして適しています。
一方で、すべての楽曲がレギュラーチューニングとは限りません。半音下げやDrop Dなど、曲ごとに別のチューニングが指定されることもあります。ただし、まず標準状態を正確に理解しておけば、変則チューニングとの違いも判断しやすくなります。
6弦から1弦はE・A・D・G・B・E
レギュラーチューニングでは、6弦から1弦までを次の音に合わせます。一般的な6弦ギターの弦番号と開放弦の関係については、ヤマハの楽器解説でも確認できます。
| 弦 | 音名 | 日本語 | 音域表記 | 周波数の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 6弦 | E | ミ | E2 | 約82.41Hz |
| 5弦 | A | ラ | A2 | 110.00Hz |
| 4弦 | D | レ | D3 | 約146.83Hz |
| 3弦 | G | ソ | G3 | 約196.00Hz |
| 2弦 | B | シ | B3 | 約246.94Hz |
| 1弦 | E | ミ | E4 | 約329.63Hz |
初心者はまず、6弦から「E A D G B E」と覚えてください。日本語の音名なら「ミ・ラ・レ・ソ・シ・ミ」です。
「EADGBE」と表記される場合、一般には低い6弦から高い1弦へ並べた順番を意味します。そのため、EADGBEをそのまま6弦から追っていけば、各弦を何の音へ合わせればよいか確認できます。
逆に1弦から順番に言うと、E・B・G・D・A・Eです。ここを混同すると、チューナーの表示を見ながら別の弦用の音まで張り上げてしまう可能性があります。
6弦と1弦はどちらもEだが高さが違う
6弦と1弦はどちらもEですが、同じ高さの音ではありません。6弦は低いE2、1弦はE4で、2オクターブ離れています。
つまり、チューナーにEと表示されただけでは「6弦にも1弦にも使える同じ高さのE」という意味ではありません。実際にどの弦を鳴らしているかを意識しながら合わせる必要があります。
音程が大きく外れているときは、目的の音名まで一気に張り上げないでください。誤って必要以上に高い音を目指すと、弦切れや楽器への過度な張力につながる可能性があります。
1弦と6弦を間違えない弦番号の見方
ギターでは、最も太くて低い音の弦が6弦、最も細くて高い音の弦が1弦です。
「1弦だから一番低い音」と数字だけで考えると逆になってしまいます。初心者は、弦番号を数字だけで暗記するのではなく、太さと音の高さを一緒に覚えると混乱しにくくなります。
| 弦 | 太さのイメージ | 音の高さ | 目標音 |
|---|---|---|---|
| 6弦 | 最も太い | 最も低い | E |
| 5弦 | 太い側 | 低い | A |
| 4弦 | 中央付近の太い側 | やや低い | D |
| 3弦 | 中央付近の細い側 | やや高い | G |
| 2弦 | 細い側 | 高い | B |
| 1弦 | 最も細い | 最も高い | E |
一般的な構え方では、太い6弦が身体側、細い1弦が床側にあります。ギターを構えた状態で弦を見れば、身体に近いほうから6・5・4・3・2・1と数えるイメージです。
ただし、ギターを正面から見たり、寝かせて見たりすると上下の感覚が変わることがあります。そのため「上の弦、下の弦」だけで覚えるより、最も太い弦=6弦、最も細い弦=1弦と覚えるほうが確実です。
弦番号で迷ったときの確認方法:一番太い弦を探せば6弦、一番細い弦を探せば1弦です。そこから順番に数えれば、5弦・4弦・3弦・2弦も確認できます。
ギターチューニングのやり方と順番
チューナーを使ったギターのチューニングは、弦を1本ずつ鳴らし、目標となる音名へ合わせる作業です。
基本的な流れは難しくありませんが、初心者は「メーターを中央にすればいい」とだけ考えないようにしてください。正確に合わせるには、何弦を鳴らしているか、表示音名は何か、音が高いか低いかの3点を見る必要があります。
また、1本の弦だけを鳴らすことも大切です。ほかの弦が一緒に振動すると、チューナーが別の音や倍音へ反応して表示が安定しない場合があります。
6弦から1弦へ順番に合わせる
初心者には、6弦から1弦へ順番に合わせる方法が分かりやすいです。
6弦E → 5弦A → 4弦D → 3弦G → 2弦B → 1弦Eの順番で進めると、そのままEADGBEを追えます。
6弦から始めることが音楽上の絶対的なルールというわけではありません。1弦から合わせても、途中の弦から合わせても、最終的に正しい音程へ合っていれば成立します。
それでも初心者に6弦からの順番をおすすめしやすいのは、弦番号、太さ、音名を一緒に整理できるからです。
基本の10ステップ
- チューナーの電源を入れる
- 基準ピッチがA=440Hzになっていることを確認する
- 必要に応じてGuitarまたはChromaticモードを選ぶ
- 6弦だけを鳴らす
- 表示音名がEに近づいているか確認する
- 低ければ少しずつ音程を上げる
- 高ければいったん目標より低くしてから上げ直す
- メーターやLEDが中央を示すまで微調整する
- 5弦A、4弦D、3弦G、2弦B、1弦Eも同様に合わせる
- 6本終了後、もう一度6弦から確認する
チューニング中は、ペグを回し続けながら弦を激しく鳴らす必要はありません。弦を自然に1回鳴らし、表示を確認し、必要な分だけペグを少し動かします。その後もう一度鳴らして確認する、という繰り返しで十分です。
音が大きく外れている状態では、現在の音名が目標音と違って表示されることがあります。たとえば6弦を鳴らしてDやD♯などと表示される場合です。このときはメーターの中央だけを目指さず、まず音名自体をEへ近づけます。
初心者は「6弦ならE、5弦ならA」という目標音を1本ずつ口に出すつもりで確認すると、違う音まで張り上げるミスを防ぎやすくなります。
チューナーの表示音名とメーターを見る
チューナーの画面は製品によって異なりますが、基本的には現在検出している音名と目標音からどれくらい高い・低いかを示します。
一般的には、メーター中央が目標音に合っている状態です。左側や♭側へ寄っていれば音が低く、右側や♯側へ寄っていれば音が高いと判断できます。
ただし、最優先で見るのは表示音名です。
たとえば6弦をチューニングしている場合、目標はEです。
- Eと表示され、メーターが左側:Eより少し低い
- Eと表示され、メーターが中央:Eに近い
- Eと表示され、メーターが右側:Eより少し高い
- DやD♯などが表示される:Eから大きく離れている可能性がある
最後のケースでメーターだけを中央へ合わせても、DやD♯の中央に合うだけで、6弦の正しいEにはなりません。
チューナーは「中央を見る道具」ではなく、「音名を確認してから中央へ微調整する道具」と考えると間違いを減らせます。
GuitarモードとChromaticモードの違い
チューナーによっては「Guitar」と「Chromatic」というモードを切り替えられます。
Guitarモードはギター用に判定範囲や表示が整理されているタイプです。機種によっては「6E」「5A」のように弦番号まで表示されるため、初心者には分かりやすいでしょう。
Chromaticモードでは、E、F、F♯、G、G♯、Aといった12音すべてを判定します。レギュラーチューニングだけでなく、半音下げや変則チューニングにも使いやすい一方、どの弦を何の音へ合わせるかは自分で把握する必要があります。
レギュラーチューニングだけを行う初心者なら、Guitarモードが分かりやすい場合があります。一方でChromaticモードでも、目標音EADGBEを覚えていれば問題なくチューニングできます。
弦を強く鳴らしすぎない
弦を必要以上に強く弾くと、アタック直後の音程が一時的に高めへ動き、チューナーの表示が落ち着きにくいことがあります。
チューニングするときは、普段の演奏より極端に強く弾く必要はありません。対象の弦を自然に鳴らし、少し表示が安定してから調整します。
また、ほかの弦が共振して表示が不安定になる場合は、使っていない弦へ軽く触れてミュートすると判定しやすくなります。
音が高い・低いときのペグ調整
チューナーで目標より低いと表示された場合は、弦の張力を上げて音程を高くします。目標より高い場合は、弦を緩めて音程を下げます。
ここで注意したいのが、ペグを回す物理的な方向です。
「時計回りに回せば必ず音が上がる」「右へ回せば音が下がる」といった覚え方は避けたほうが安全です。ギターのヘッド形状、ペグの配置、左右どちら側のペグを操作するかなどによって、見た目の回転方向が変わるためです。
初心者は、ペグをほんの少しだけ回し、実際にチューナー上で音程が上がったか下がったか確認してから続きを回す方法が確実です。
音が低いとき
目標音より低い場合は、弦の張力を少しずつ上げます。チューナーを見ながら、目標音の表示へ近づけてください。
たとえば6弦でEが表示されているもののメーターが左へ寄っているなら、少しずつ音程を上げます。中央付近まで来たら、大きく回さず細かく微調整します。
音が高いとき
目標より高くなった場合は、いったん目標より少し低いところまで緩め、それから音を上げながら合わせます。
高い位置からただ下げて中央で止めるより、最終的に低い側から目標へ近づけることで、ペグ内部や弦の巻き部分にある遊びの影響を抑えやすくなります。この合わせ方はヤマハのギターチューニング解説でも案内されています。
一度下げるときも、大きく緩める必要はありません。目標よりわずかに低くなったところから、再び少しずつ上げます。
音が大きく低い状態から、一気にペグを回して目標音まで上げるのは避けてください。表示されている音名を確認しながら少しずつ調整し、顔を弦の真正面へ近づけた状態で強く張らないようにしましょう。
ギターの440Hzとは何を意味する?
チューナーの画面や設定項目で「440Hz」「A=440」「CALIB 440」「PITCH 440」などの表示を見ることがあります。
この数字は、ギター6本の弦をすべて440Hzへ合わせるという意味ではありません。
440Hzは、音程を判断するための基準ピッチです。一般的にはA4というAの音を440Hzとし、その基準をもとにほかの音の高さを決めます。
A=440Hzは6本すべての周波数ではない
A=440Hzで基準になっているのはA4です。ISO 16でも標準調律周波数としてAの440Hzが規定されており、現在の規格として確認できます。
ギターには5弦開放音としてAがありますが、この5弦AはA2で、A4より2オクターブ低い音です。A=440Hzを基準とした場合、5弦開放Aは110Hzになります。
したがって「ギターを440Hzでチューニングする」とは、6本の弦をすべて440Hzへそろえることではなく、A4=440Hzを基準にして、それぞれの弦をE・A・D・G・B・Eの正しい高さへ合わせるという意味です。
| 弦 | 開放弦 | 音域 | A4=440Hz基準の周波数目安 |
|---|---|---|---|
| 6弦 | E | E2 | 約82.41Hz |
| 5弦 | A | A2 | 110.00Hz |
| 4弦 | D | D3 | 約146.83Hz |
| 3弦 | G | G3 | 約196.00Hz |
| 2弦 | B | B3 | 約246.94Hz |
| 1弦 | E | E4 | 約329.63Hz |
表を見ると、どの弦も440Hzではないことが分かります。それでもチューナー側をA=440Hzへ設定しておけば、その基準に基づいて各弦の正しい音程を判断してくれます。
440Hzについて覚えること:440Hzは「ギターの弦そのものの目標周波数」ではなく「チューナーが音程を判断するための基準」です。
なぜ5弦Aは110Hzなのか
A4が440Hzで、その1オクターブ下のA3は周波数が半分の220Hz、さらに1オクターブ下のA2は110Hzになります。
ギターの5弦開放AはA2なので110Hzです。同じ「A」という音名でも、オクターブが違えば周波数は異なります。
6弦と1弦がどちらもEでありながら高さが違うのも、これと同じ考え方です。
440Hz以外の設定が必要な場合
通常の個人練習や一般的なギターチューニングなら、特別な指定がない限り440Hzのままで問題ありません。
ただし、一緒に演奏する楽器や録音音源などが441Hzや442Hzといった別の基準ピッチを使用している場合は、相手側へ合わせる必要があります。
この場合もEADGBEという音名そのものが別の音名へ変わるわけではありません。基準ピッチに応じて、各音の実際の周波数がわずかに上下します。
チューナーで変更できる基準ピッチの範囲、表示方法、精度、設定操作は製品によって異なります。意図せず440Hz以外へ変えてしまうこともあるため、音が合わないと感じたら設定値を確認してください。
初心者に合うチューナーの種類
ギターのチューニングには、クリップチューナー、スマートフォンアプリ、ペダルチューナー、本体内蔵チューナーなどがあります。
どれを使っても、最終的にEADGBEへ正しく合わせられれば目的は同じです。ただし、使う場所や楽器の種類によって、扱いやすさが変わります。
初心者は「最も高機能なもの」を選ぶ必要はありません。自宅練習なのか、ライブでも使いたいのか、エレキかアコギか、周囲が静かな場所で使うのか、といった条件で考えると選びやすくなります。
クリップ・アプリ・ペダルの違い
クリップチューナー
クリップチューナーは、ギターのヘッドなどへ挟んで使用するタイプです。主に楽器本体の振動を検出して音程を判定します。
エレキギターでもアコースティックギターでも使いやすく、ケーブル接続を必要としない製品が多いため、自宅練習用として扱いやすいタイプです。
周囲の音を直接マイクで拾う方式と比べて、楽器本体の振動を利用するため、ほかの人が音を出している環境でも比較的使いやすい特徴があります。
基本的な使い方は、ヘッドへ取り付け、画面の向きを見やすく調整し、電源を入れ、基準ピッチとモードを確認したうえで弦を1本ずつ鳴らすだけです。
反応が悪い場合は、ヘッドへしっかり接触しているか確認します。他の弦が同時に鳴っている場合も表示が安定しにくいため、必要に応じてミュートしてください。
スマートフォンアプリ
スマートフォンのチューナーアプリは、内蔵マイクを利用して音程を判定する方式が一般的です。
専用機器を準備しなくても始められるため、「今すぐチューニングを確認したい」という場合には手軽です。
一方で、マイクを使うため周囲の音の影響を受けやすい場合があります。テレビの音、人の話し声、別の楽器の音などが大きい環境では、目的の弦を正確に拾いにくくなることがあります。
静かな自宅で練習する場合には使いやすい一方、複数の楽器が鳴っている環境ではクリップ式やケーブル接続式のほうが扱いやすいことがあります。
ペダルチューナー
ペダルチューナーは、主にエレキギターをケーブルで接続して使うタイプです。
ライブやバンド演奏でエフェクターボードを組む場合に使いやすく、チューニング中の音をミュートできる製品もあります。
自宅でアコギを始めたばかりの人に必須というものではありませんが、エレキギターでライブやスタジオ練習を続けるなら使いやすい選択肢になります。
ギター本体内蔵チューナー
エレクトリックアコースティックギターなどでは、ギター本体にチューナーが内蔵されている場合があります。
このタイプなら別のチューナーを取り出さず、その場で音程を確認できます。操作方法や表示方式はモデルごとに異なるため、使用しているギターの説明に従ってください。
| 種類 | 主な特徴 | 使いやすい場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| クリップ | 楽器本体の振動を検出 | 自宅、アコギ、エレキ | 取り付け位置や接触状態を確認 |
| アプリ | スマホのマイクを利用 | 静かな場所での練習 | 周囲の音を拾いやすい |
| ペダル | ケーブルで直接接続 | エレキ、ライブ、スタジオ | ギターやケーブルの接続確認が必要 |
| 本体内蔵 | ギターだけで確認できる | 内蔵モデルでの練習や演奏 | 操作方法はモデルによって異なる |
初めてチューナーを使うなら、弦番号や音名が確認しやすいものが扱いやすいでしょう。重要なのは価格や機能の多さではなく、目標音と高低を迷わず確認できることです。
チューニングがずれる原因と対処法
「さっき合わせたばかりなのに、もう音がずれている」と感じることがあります。
しかし、ギターは一度合わせれば永久にその状態を保つものではありません。弦の張力、演奏方法、弦の状態、温度や湿度、トレモロ機構など、さまざまな要因で音程は変化します。
そのため、チューニングは「最初に一度だけ行う準備」ではなく、演奏中も必要に応じて確認する作業と考えることが大切です。
合わせた後にもう一度確認する理由
ギターでは、1本の弦を張ったり緩めたりすると、楽器全体の張力バランスがわずかに変化します。その結果、先に合わせた弦の音程が少し動く場合があります。
たとえば、最初に6弦を正確にEへ合わせ、その後5弦から1弦まで順番に調整したとします。1弦まで終わった時点で、最初の6弦を確認するとわずかにずれていることがあります。
これは珍しいことではありません。
そこで、1回目に6弦Eから1弦Eまで合わせたら、もう一度6弦へ戻ります。そして同じ順番で6本を確認してください。
おすすめの流れ:
1周目:6弦E → 5弦A → 4弦D → 3弦G → 2弦B → 1弦E
2周目:もう一度6弦Eから1弦Eまで確認
まだ動く場合:必要に応じてさらに繰り返す
フローティングトレモロでは特に複数回確認する
フローティング式トレモロを搭載したエレキギターでは、弦の張力とトレモロスプリングの力が釣り合っています。
そのため、1本の弦を調整するとブリッジの位置がわずかに変化し、すでに合わせたほかの弦まで動きやすくなります。こうした張力バランスと再調整の必要性は、ヤマハのフローティング状態のギターに関する解説でも確認できます。
このタイプでは、1本ずつ完全に仕上げようとするよりも、6本を少しずつ目標へ近づけながら何周か繰り返すほうが合わせやすい場合があります。
固定ブリッジのギターでも再確認は有効ですが、フローティング式では特に重要です。
弦交換後や演奏中もこまめに確認する
新品の弦は、張った直後にはまだ安定しておらず、時間とともに伸びて音程が下がることがあります。
ギターの弦交換直後に一度チューニングしても、少し弾くと再び音が低くなることは珍しくありません。そのため、新しい弦へ交換した直後は、軽くなじませながら何度かチューニングを繰り返します。
強く無理に引っ張る必要はありません。通常の演奏や適度ななじませ方をしながら、少しずつ安定させます。
また、ペグへの弦の巻き方が不適切な場合もチューニングが安定しにくくなることがあります。
演奏中にずれる主な要因
- チョーキング
- 強いピッキング
- アーミング
- 新品弦の伸び
- 弦の巻き部分の状態
- 温度や湿度など演奏環境の変化
- カポタストの装着
- トレモロ機構による張力変化
練習中にコードや単音の響きがおかしいと感じたとき、「自分の押さえ方が悪いのかな」と考える人もいます。しかし、単純にチューニングがずれている場合もあります。
特に初心者の時期は、正しい音程を耳へ覚えさせる意味でも、違和感があれば一度チューナーで確認すると原因を切り分けやすくなります。
チューニングだけでなく、正しい音程での基礎練習を続けながら演奏の状態も確認したい場合は、初心者向けの個人レッスンに対応するEYS音楽教室の特徴も参考になります。
チューニングを確認したいタイミング
- 練習を始める前
- ライブや本番の前
- 録音前
- ギターをケースから出した後
- 弦を交換した後
- カポタストを装着した後
- 大きなチョーキングやアーミングを多用した後
- コードや単音の響きがおかしいと感じたとき
- 室温など演奏環境が大きく変わったとき
「チューニングは毎日必要か」という疑問に対しては、使用するたびに演奏前へ確認する習慣を付けると安心です。さらに、長く練習するときは途中でも必要に応じて確認します。
チューナーなしで合わせる方法
電子チューナーがなくても、基準となる1本の弦が正確に合っていれば、隣り合う弦の音を比較して相対的にチューニングできます。
代表的なのが、フレットを使った相対チューニングです。
| 基準にする音 | 合わせる開放弦 |
|---|---|
| 6弦5フレットのA | 5弦開放A |
| 5弦5フレットのD | 4弦開放D |
| 4弦5フレットのG | 3弦開放G |
| 3弦4フレットのB | 2弦開放B |
| 2弦5フレットのE | 1弦開放E |
基本的には、太い側の弦の5フレットを押さえた音と、その隣にある細い側の開放弦を同じ高さへ合わせます。
ただし、3弦と2弦の間だけは例外です。3弦Gから2弦Bを合わせるときは、3弦の5フレットではなく4フレットを使います。
これは標準チューニングで、3弦Gと2弦Bの間の音程関係がほかの隣接弦とは異なるためです。
相対チューニングでは、最初の基準音そのものがずれていると、弦同士の関係は合っていてもギター全体の絶対的な音程がずれます。
たとえば6弦が正しいEより低い状態のまま、その6弦を基準に5弦、4弦、3弦と合わせていけば、弦同士の関係はある程度そろいます。しかし、ほかの楽器や正しい基準音の音源と一緒に演奏すると、ギター全体が低く聞こえることがあります。
そのため初心者は、通常は電子チューナーを使って6本それぞれを直接EADGBEへ合わせるほうが確実です。
相対チューニングは、チューナーを使えない場面の補助方法として覚えておくほか、音程を耳で比較する練習としても活用できます。
最初の基準音だけは正確にする
チューナーを使わず相対的に合わせる場合でも、どこかに正確な基準音があるとギター全体の音程をそろえられます。
基準音がなければ、「ギターの中では弦同士が合っているが、外部の音源とは高さが違う」という状態になり得ます。
一人でコード練習をするだけなら気付きにくい場合がありますが、伴奏音源やほかの楽器と合わせると差が分かりやすくなります。
よくあるチューニングの失敗
ギターチューニングで初心者が失敗しやすいのは、細かな操作よりも、基本の考え方を取り違えたときです。
特に注意したいのは、弦番号、EADGBEの順番、440Hzの意味、チューナーの表示音名です。
初心者によくある失敗
- 1弦と6弦を逆に覚える
- EADGBEを1弦から6弦の順番だと思う
- 440Hzを6本すべての周波数だと思う
- 表示音名を見ず、メーター中央だけを目指す
- 違う弦用の音まで一気に張り上げる
- 音が高い状態から下げただけで調整を終える
- ほかの弦も一緒に鳴らして表示が不安定になる
- 6本を一度合わせただけで再確認しない
- 基準ピッチが440Hz以外へ変わっていることに気付かない
- チューナーのモード設定を確認しない
- 楽曲が変則チューニングなのにレギュラーで演奏する
チューナーが反応しないとき
チューナーの表示がなかなか安定しない場合は、まず対象の弦だけを鳴らしているか確認してください。
他の弦が共振すると、チューナーが目的とは違う音へ反応する場合があります。必要であれば、使っていない弦へ軽く触れてミュートします。
クリップチューナーなら、ヘッドにしっかり取り付けられているかも確認してください。接触が弱いと楽器本体の振動を拾いにくくなることがあります。
スマートフォンアプリの場合は、周囲の騒音を減らすと反応が安定しやすくなります。
ケーブル接続式を使用しているエレキギターでは、ギター本体のボリューム、ケーブル、接続先も確認します。
また、音程が目標から大きく離れていると、6弦を鳴らしているのにE以外の音名が表示されることがあります。反応していないのではなく、現在の音を正しく別の音名として表示している可能性もあるため、表示内容を確認しましょう。
チューナーが中央なのにコードが濁るとき
すべての開放弦を正しいEADGBEへ合わせても、コードや押弦した音が濁って聞こえる場合があります。
まず6本をもう一度チューニングし、各弦の音名が正しいか確認してください。
それでも改善しない場合、押さえ方やギター側の状態が関係している可能性があります。
- 弦を必要以上に強く押さえている
- イントネーションがずれている
- 弦が古く劣化している
- ナットやサドルの状態が影響している
- ネックや弦高などのセットアップが関係している
弦を強く押し込みすぎると、押弦した音がわずかに高くなる場合があります。また、ギターのイントネーションがずれていると、開放弦では正しく合っているのに、フレットを押さえるにつれて音程の差が大きくなることがあります。
チューニングは合っているのに押さえ方や音の出し方が原因か自分で判断しにくい場合は、実際の演奏を見てもらえる個人レッスンも選択肢になります。初心者対応を含むEYS音楽教室のレッスン内容を確認して、独学と比較してみてもよいでしょう。
高いフレットで明らかな音程のずれが続く場合や、自分で原因を判断できない場合は、無理に楽器を分解・調整せず、楽器店やリペア担当者など専門家への相談を検討してください。
レギュラーチューニングなのに曲と合わないとき
ギターそのものは正しくEADGBEへ合わせていても、演奏したい曲が変則チューニングなら原曲と音が合いません。
代表的なものとして、半音下げやDrop Dがあります。
| チューニング | 6弦→1弦 | 特徴 |
|---|---|---|
| レギュラー | E A D G B E | 一般的な標準チューニング |
| 半音下げ | E♭ A♭ D♭ G♭ B♭ E♭ | 全弦を半音低くする |
| Drop D | D A D G B E | 6弦だけEからDへ下げる |
楽譜、TAB譜、演奏動画などに「Tuning」「Standard」「Half Step Down」「Drop D」などの記載がある場合は、演奏前に確認しましょう。
「正しくチューニングしたのに曲と合わない」というときは、チューナーだけでなく楽曲側の指定も確認することが大切です。
初心者向け最小チェックリスト
- 基準ピッチはA=440Hzになっているか
- レギュラーチューニングを使う曲か
- 6弦はEか
- 5弦はAか
- 4弦はDか
- 3弦はGか
- 2弦はBか
- 1弦はEか
- 弦を1本ずつ鳴らしているか
- 表示音名とメーターの両方を見ているか
- 音が高い場合はいったん低くしてから上げ直したか
- 6本終了後にもう一度確認したか
Q1. ギターは何弦からチューニングする?
初心者なら6弦から5弦、4弦、3弦、2弦、1弦の順番が分かりやすいです。絶対にこの順番でなければならないわけではありませんが、EADGBEをそのまま追えるため、弦番号と音名を対応させながら作業できます。
Q2. 6弦から1弦の音は?
6弦から順番にE、A、D、G、B、Eです。日本語ではミ、ラ、レ、ソ、シ、ミです。
Q3. 1弦から順番に言うとどうなる?
1弦から6弦へ逆方向に並べると、E、B、G、D、A、Eです。一般的なEADGBEという表記は6弦から1弦の順番なので、混同しないようにしてください。
Q4. ギターチューナーは何Hzに設定する?
特別な指定がなければA=440Hzに設定します。一緒に演奏する楽器や音源から別の基準ピッチが指定されている場合は、その値へ合わせてください。
Q5. 440Hzは5弦の音?
A440で基準になっているのはA4=440Hzです。ギターの5弦開放AはA2で、A4より2オクターブ低いため110Hzです。同じAという音名でも高さが異なります。
Q6. 440Hz以外にするとEADGBEも変わる?
基準ピッチを少し変更しても、レギュラーチューニングの音名はEADGBEのままです。ただし、各音の実際の周波数は設定した基準ピッチに応じて少し変化します。
Q7. アコギとエレキでチューニングは違う?
一般的な6弦モデルのレギュラーチューニングなら、アコースティックギターもエレキギターも6弦からE・A・D・G・B・Eで同じです。一般的な6弦クラシックギターも標準開放弦の音名は同じです。
Q8. 一度合わせたのにすぐずれるのは故障?
必ずしも故障とは限りません。新品弦の伸び、演奏による張力変化、トレモロ機構、弦の巻き方、温度や湿度の変化などでも音程は動きます。著しく安定しない状態が続く場合は、弦の張り方や楽器の調整状態を確認します。
Q9. カポを付けた後もチューニングする?
カポタストを装着すると、弦がわずかに引っ張られて音程が高くなる場合があります。装着後にコードの響きへ違和感がある場合は、チューニングを再確認すると安心です。
Q10. チューナーが中央なのに音がおかしいのはなぜ?
まず表示音名を確認してください。別の音名で中央になっている場合、目的の弦の音には合っていません。6本すべてが正しいEADGBEなのに押弦した音だけが大きくずれる場合は、押さえ方やイントネーションなど別の原因も考えられます。
まとめ
一般的な6弦ギターをレギュラーチューニングへ合わせる場合は、6弦から1弦へE・A・D・G・B・Eの順番を覚えることが基本です。
6弦は最も太く低い弦、1弦は最も細く高い弦です。EADGBEという表記は通常6弦から1弦の順番なので、1弦側から逆に読まないようにしましょう。
チューナーを使うときは、特別な指定がなければ基準ピッチをA=440Hzに設定します。440Hzとは6本すべての弦を440Hzへ合わせるという意味ではなく、A4を440Hzとする基準ピッチです。
実際の開放弦は、6弦E2が約82.41Hz、5弦A2が110Hz、4弦D3が約146.83Hz、3弦G3が約196Hz、2弦B3が約246.94Hz、1弦E4が約329.63Hzです。
チューニングするときは、メーター中央だけを見るのではなく、表示されている音名が目的のE・A・D・G・B・Eになっていることも確認します。
音が低ければ少しずつ上げ、高すぎた場合はいったん目標より低い位置まで下げてから、再び上げながら合わせます。ペグの物理的な回転方向はギターの構造や配置によって異なるため、「右へ回せば必ず上がる」と覚えず、少し動かしてチューナーで変化を確認する方法が安全です。
- 6弦から1弦はE・A・D・G・B・E
- 1弦は最も細く、6弦は最も太い
- チューナーは通常A=440Hzに設定する
- 440Hzはすべての弦の周波数ではない
- 弦は1本ずつ鳴らす
- 表示音名とメーターを両方確認する
- 音が高すぎたら一度低くしてから上げ直す
- 6本を合わせたらもう一度6弦から確認する
- 練習中に音程へ違和感があれば再確認する
ギターは弦の張力、演奏、弦の状態、環境変化などによって少しずつチューニングが動きます。そのため「演奏前に一度合わせたから大丈夫」と考えるのではなく、音がおかしいと感じたときにすぐ確認する習慣を付けることが大切です。
特に弦交換直後やフローティングトレモロを搭載したギターでは、一度合わせてもほかの弦が動きやすいため、何周か繰り返して確認します。
また、曲によっては半音下げやDrop Dなど別のチューニングが指定されていることがあります。レギュラーチューニングへ正しく合わせても原曲と合わない場合は、楽譜やTAB譜などのチューニング指定も確認してください。
まずは「440Hz・6弦EからEADGBE・最後にもう一周」という流れを覚えておけば、初心者でも落ち着いてチューニングしやすくなります。正しい音程で練習するためにも、チューニングを日常的な準備として習慣にしていきましょう。

