ギターを始めたばかりだと、「コードは何個覚えればいい?」「CやGを押さえているのに音が鳴らない」「いきなりFコードまで練習する必要があるの?」と迷いやすいですよね。
最初から大量のコードを暗記する必要はありません。まずはC・G・D・Am・Emのような基本的なオープンコードを少しずつ覚え、1本ずつきれいに鳴らせる状態を作ることが大切です。
コードは形だけ覚えても、鳴らす弦や指の当て方が違うときれいに響きません。反対に、基本的な押さえ方を理解すると、新しいコードを覚えるときにも応用しやすくなります。
この記事では、ギターコード初心者向けに、最初に覚えたい基本コード、コードダイアグラムの読み方、正しい押さえ方、音が出ないときの直し方、コードチェンジの練習まで順番に解説します。
- 初心者が最初に覚えたい基本コード
- コードダイアグラムと弦番号の読み方
- コードをきれいに鳴らす押さえ方
- コードチェンジをスムーズにする練習方法
アコースティックギターでもエレキギターでも、標準チューニングであれば、この記事で扱う基本的なコードフォームは共通して使えます。最初は「コードの数を増やすこと」よりも、「正しい位置に指を置く」「鳴らす弦を間違えない」「次のコードへ移れる」という3点を意識すると、曲の練習へつなげやすくなります。
ギター初心者は基本コードから覚えよう
ギターには非常に多くのコードがありますが、初心者が最初からすべてを覚えようとする必要はありません。
まずは、開放弦を利用してナットに近い位置で押さえるオープンコード(ローコード)を中心に練習するのがおすすめです。バレーコードに比べて少ない力で押さえられるものが多く、実際のコード進行にもつなげやすいからです。
コードとは、複数の異なる音を同時に鳴らして作る和音です。たとえばCメジャーはC・E・Gという3種類の音を基本に構成されています。ギターでは同じ音名が別のオクターブで重複することがあるため、複数の弦を同時に鳴らしていても、コードを構成する音の種類は3つということがあります。
コードネームが「C」「G」「D」のようにアルファベットだけで書かれている場合は、通常はメジャーコードを表します。「Am」「Em」「Dm」のように「m」が付くものはマイナーコードです。
初心者の段階では、この理論をすべて暗記しなくても演奏は始められます。ただ、「CとAmは別の種類のコード」「同じコード名でも複数の押さえ方がある」という基本だけ知っておくと、教材ごとにフォームが違ったときにも混乱しにくくなります。
最初は5コードを目安に覚える
ギター初心者が最初に取り組みやすいコードとして、まず候補にしたいのがC・G・D・Am・Emの5つです。
C、G、Dは代表的なメジャーコードで、AmとEmを加えるとマイナーコードも含んだコード進行を練習できます。C・G・Dは、Fenderの初心者向け公式解説でも基本コードとして紹介されています。詳しいフォームはG・C・Dの初心者向けコード解説でも確認できます。
最初の5コード
C・G・D・Am・Em
ただし、「初心者は必ず5個覚えなければならない」という決まりがあるわけではありません。
まずG・C・Dの3コードを覚え、慣れてきたらAmとEmを追加するという進め方でも十分です。
さらに余裕が出てきたらA、E、Dmへ広げると、弾けるコード進行が増えていきます。
大事なのは覚えた個数ではなく、押さえたコードがきれいに鳴り、次のコードへ移動できることです。
「最初に何個覚えるべきか」について、すべての初心者に共通する公式な基準はありません。3コードから始める方法もあれば、5コード程度、さらにA・E・Dmまで含めて8コード程度を最初の基本セットとして扱う考え方もあります。
迷った場合は、3コード→5コード→8コードのように段階的に増やすと取り組みやすいでしょう。
たとえば、最初にG・C・Dを覚え、次にAm・Emを追加します。その後、A・E・Dmまで広げれば、メジャーコードとマイナーコードを組み合わせた練習がしやすくなります。
習得順の一例としては、Em、G、C、D、Am、A、E、Dm、簡略F、Fのバレーコードという流れが考えられます。ただし、この順番が唯一の正解ではありません。実際には、弾きたい曲に登場するコードを優先して覚えても問題ありません。
コードを全部暗記する必要はない
「曲を弾くにはコードを全部暗記しないといけないのかな」と心配する必要はありません。
実際には、1曲の中で使われるコードは限られています。少数のコードで成り立つコード進行もあるため、知っているコードが少ない段階でも演奏練習はできます。
たとえば、G・C・Dの3コードだけでもコードチェンジの練習ができます。G・D・Em・Cまで覚えれば、4つのフォームを循環する実践的な練習も可能です。
初心者のうちは、知らないコードが出てくるたびに一つずつ覚えるくらいでも問題ありません。
コードには同じ名前でも複数の押さえ方があります。「Cの形を1つ覚えたらCコードのすべてを覚えた」というわけではありませんが、最初は代表的なオープンコードの形だけで十分です。
まずは「たくさん知っている」ことより、少ないコードでも正しい音で演奏できることを目標にしてみてください。
コードを覚えたかどうかは、「ダイアグラムを見ずに名前を言える」だけでは判断できません。実際の演奏では、コード名を見たときにフォームを作り、鳴らす弦を判断し、一定のテンポの中で次のコードへ移る必要があります。
そのため、最初は暗記数よりも次のような状態を目標にすると実用的です。
- コードネームを見たら代表的なフォームを作れる
- 鳴らす弦と鳴らさない弦が分かる
- 各弦を1本ずつ確認してクリアに鳴らせる
- 2つのコードをゆっくり往復できる
- 簡単なコード進行を止まらず循環できる
この状態になれば、覚えているコードが少なくても曲の練習に使えます。逆に、コード名だけ大量に暗記しても、フォームを作るのに時間がかかる状態では演奏には結びつきにくいでしょう。
コードダイアグラムの読み方
コード表を見ると、縦線や横線、○、×、数字などが並んでいます。これがコードダイアグラムです。
最初は複雑そうに見えますが、それぞれの意味が分かれば難しくありません。コードフォームを覚える前に、まず基本的な読み方を確認しておきましょう。
コードダイアグラムを正しく読めるようになると、この記事に載っていないコードも自分で確認して練習できるようになります。コードネームを丸暗記するより先に、図の読み方を身につけておく価値があります。
弦番号とフレットの見方
6弦ギターの弦は、最も細い弦が1弦、最も太い弦が6弦です。
| 弦 | 標準チューニングの音 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1弦 | E | 最も細く、高い音 |
| 2弦 | B | 高音側 |
| 3弦 | G | 中音域 |
| 4弦 | D | 中低音域 |
| 5弦 | A | 低音側 |
| 6弦 | E | 最も太く、低い音 |
標準チューニングは、6弦から1弦に向かってE-A-D-G-B-Eです。
コードを正しく押さえていても、チューニングがずれていると正しい響きにはなりません。コード練習を始める前に、チューニングを合わせておきましょう。
フレットはヘッド側から1フレット、2フレット、3フレットと数えます。
コードダイアグラムでは、一般的に縦線が弦、横線がフレットを表します。黒丸などが付いている場所が、左手で押さえる位置です。
初心者が混同しやすいのが、「弦番号」と「フレット番号」です。たとえば「2弦1フレット」と書かれていれば、細いほうから2番目の弦を、ヘッド側から1つ目のフレット位置で押さえるという意味になります。
弦を押さえるときは、フレットを区切っている金属部分の真上ではなく、目的のフレットの金属部分より少しナット側を狙います。フレット中央よりも金属部分に近い位置のほうが、必要以上に力を入れなくても音を出しやすくなります。
ただし、金属フレットそのものの真上を押さえるのも適切ではありません。音が詰まる場合は、力を増やす前に指先の位置を数ミリ単位で調整してみてください。
○と×、指番号の意味
コードダイアグラムの上部にある「○」や「O」は、その弦を左手で押さえず、開放弦として鳴らすという意味です。
「×」や「X」は、そのコードでは鳴らさない弦を示します。
たとえば一般的なCコードでは6弦を鳴らさず、5弦から1弦を弾きます。Dコードなら6弦と5弦を鳴らさず、4弦から1弦までを鳴らします。
初心者のうちは左手の形だけに気を取られがちですが、どの弦から弾くかまで含めてコードフォームとして覚えることが重要です。
ダイアグラムに1、2、3、4と数字が書かれている場合は、フレット番号ではなく押さえる指を表していることがあります。
一般的には、1が人差し指、2が中指、3が薬指、4が小指です。
教材によって表示方法が違う場合もあるので、数字だけを見るのではなく、ダイアグラムの凡例も確認してください。
また、同じGコードでも複数のフォームが存在します。そのため、別の教材で見たダイアグラムと指使いが違っていても、すぐにどちらかが間違いだとは判断できません。
大切なのは、コードを構成する音を適切に鳴らせることと、前後のコードへ移りやすいことです。初心者のうちは、まず教材で示されている代表的なフォームを1つ覚えれば十分です。
「○は押さえる場所」と勘違いしないことも重要です。○は、左手では何も押さえず、そのまま弦を鳴らします。
一方、×が付いた弦は、右手でストロークしないか、必要に応じて不要な音が出ないように扱います。特にC、D、A、Am、Dmでは、低音側のどこから弾くかをセットで覚えておくと失敗が減ります。
初心者が最初に覚えたい基本コード
ここからは、ギター初心者が最初に覚えたい代表的なオープンコードを見ていきます。
フォームはすべて6弦→1弦の順で表記します。「x」は鳴らさない弦、「0」は開放弦、数字は押さえるフレットです。
一度にすべて覚えようとせず、まず1コードずつフォームを作り、各弦をきれいに鳴らすことを優先してください。
コード練習では、フォームを作ったらすぐ全体をストロークするのではなく、低音側または指定された弦から1本ずつ弾く方法が有効です。どの弦に問題があるのかを特定できるため、修正がしやすくなります。
C・G・Dの押さえ方
Cメジャーは、初心者向けの曲やコード練習でよく登場する基本コードです。
フォームはx-3-2-0-1-0です。
5弦3フレットを薬指、4弦2フレットを中指、2弦1フレットを人差し指で押さえます。3弦と1弦は開放弦で、6弦は基本的に鳴らしません。
Cコードでは、押さえている指が寝てしまい、隣の開放弦に触れて音を止めてしまうことがあります。特に3弦と1弦がきれいに鳴っているか、1本ずつ確認しましょう。
Cでは、5弦3フレットから2弦1フレットまで指を斜めに広げる必要があります。指を指板に寝かせると、3弦や1弦の開放音を止めやすいため、指先を立てる意識が重要です。
最初はフォームを作ること自体に時間がかかっても問題ありません。薬指、中指、人差し指を置いたら、5弦、4弦、3弦、2弦、1弦の順に鳴らし、どこか1本でも詰まっていれば、その弦だけを直します。
Gメジャーの代表的な3本指フォームは3-2-0-0-0-3です。
6弦3フレットを中指、5弦2フレットを人差し指、1弦3フレットを薬指で押さえ、6弦から1弦まですべて鳴らします。
Gは低音側と高音側の両方に指を置くため、最初は手が大きく開くように感じるかもしれません。無理に一度で置こうとせず、ゆっくりフォームを作って大丈夫です。
なお、Gコードにはほかにも一般的な押さえ方があります。教材によって指使いが違っていても、それだけで間違いとは限りません。
Gは全弦を鳴らせるため、右手のストローク範囲については比較的迷いにくいコードです。その一方で、6弦側と1弦側に指が離れているため、左手のフォームを作る練習としては良い課題になります。
Dメジャーのフォームはx-x-0-2-3-2です。
3弦2フレットを人差し指、2弦3フレットを薬指、1弦2フレットを中指で押さえます。4弦は開放弦で、6弦と5弦は鳴らしません。
Dは左手の3本の指を小さな三角形のようにまとめるコードです。
左手だけでなく、右手で4弦から弾き始めることもセットで覚えましょう。
Dで初心者が起こしやすい失敗は、フォームは合っているのに6弦や5弦まで大きくストロークしてしまうことです。コードごとに「何弦から弾くか」を決めておけば、不要な低音を減らしやすくなります。
C・G・Dで鳴らす範囲
C:5弦から1弦
G:6弦から1弦
D:4弦から1弦
C・G・Dの3つを覚えたら、最初は各コードを4拍ずつ鳴らして循環してみてください。たとえばG→C→D→Gという順番なら、3つの基本コードだけでコードチェンジを練習できます。
この段階では複雑なストロークを付ける必要はありません。1小節に1回だけ「ジャーン」と鳴らして、次のコードを時間内に作る練習でも十分です。
Am・Emの押さえ方
Am(Aマイナー)のフォームはx-0-2-2-1-0です。
4弦2フレットを中指、3弦2フレットを薬指、2弦1フレットを人差し指で押さえます。5弦と1弦は開放弦で、6弦は鳴らしません。
Cコードと同じように開放弦が隣にあるため、指を寝かせず、指先に近い部分で弦を押さえることがポイントです。
Amでは5弦から1弦を鳴らします。6弦まで大きくストロークしないよう、右手の振り幅も意識しましょう。
Em(Eマイナー)のフォームは0-2-2-0-0-0です。
5弦2フレットと4弦2フレットだけを押さえ、残りは開放弦として鳴らします。6弦から1弦まで全弦を弾けます。
2本の指だけでフォームを作れるため、ギター初心者が最初にクリアな音を出す練習にも使いやすいコードです。
もしどのコードから始めるか迷ったら、まずEmで「フレットを押さえて音を出す感覚」を確認し、そこからG、C、D、Amへ広げる方法もあります。
Emで確認したいのは、「強く握れば鳴る」という感覚ではなく、5弦と4弦をフレットの近くで押さえれば、必要以上の力を使わなくても音が出るという感覚です。
AmとEmが加わると、メジャーコードだけではないコード進行を練習できます。たとえばG-D-Em-Cの進行では、G、D、Em、Cという4種類のフォームを連続して移動します。
フォームの形が大きく異なるため、コードチェンジの練習にも向いています。
A・E・Dmは次に覚える
C、G、D、Am、Emに慣れてきたら、次にA、E、Dmを追加してみましょう。
Aメジャーのフォームはx-0-2-2-2-0です。
5弦は開放弦で、4弦・3弦・2弦の2フレットを3本の指で押さえ、1弦も開放弦として鳴らします。6弦は鳴らしません。
同じ2フレット内に指を3本置くため、窮屈に感じることがあります。指の並べ方には複数の実用的な方法があるため、前後のコードとの移動も考えながら無理のない運指を選びます。
指が太く感じる場合も、力任せに押し込むのではなく、指先の角度を少しずつ変えて、3本の指がそれぞれ弦を押さえられる位置を探します。
Eメジャーは0-2-2-1-0-0です。
5弦2フレットを中指、4弦2フレットを薬指、3弦1フレットを人差し指で押さえます。6弦から1弦まで全部鳴らします。
Emのフォームに人差し指を1本加えた形として覚えると整理しやすいでしょう。
AmとEは指の形に共通点を感じやすいため、E→Amのような往復を練習すると、コードチェンジの感覚をつかむ課題として使えます。
Dm(Dマイナー)はx-x-0-2-3-1です。
3弦2フレットを中指、2弦3フレットを薬指、1弦1フレットを人差し指で押さえます。4弦から1弦を鳴らし、6弦と5弦は鳴らしません。
Dよりも1〜3フレットに指が広がるため、最初は少し届きにくく感じることがあります。手首や親指の位置を調整しながら、力任せに指を広げないことが大切です。
ここまでの8コード、C・G・D・Am・Em・A・E・Dmが鳴らせるようになると、初心者向けのコード練習ではかなり選択肢が広がります。
ただし、8個すべてを完成させてから曲を弾く必要はありません。弾きたい曲で使うコードが3つなら、その3つを優先して練習して構いません。
コードをきれいに鳴らす押さえ方
コードフォームが合っているのに「音が詰まる」「ジジジと鳴る」と悩む初心者は少なくありません。
ここで大事なのは、握力任せに弦を強く押すことではありません。指を置く位置や角度を整えるだけで、必要な力を減らせる場合があります。
弦は目的のフレットの金属部分の真上ではなく、その少し手前に置いた指で押さえるのが基本です。
フレットから遠い場所を押さえるほど、クリアな音を出すために余計な力が必要になりやすくなります。
また、指は腹ではなく指先に近い部分を使い、関節を適度に曲げます。指が寝ると隣の弦に触れ、開放弦をミュートしてしまいます。
親指は基本練習ではネックの裏側に置き、押さえる指と挟むように支えると安定しやすくなります。ただし、手の大きさやコードによって適切な位置には幅があります。
ネックを強く握り込む必要はありません。弦がフレットに触れてクリアに鳴る必要最小限の力を探してみてください。
手首も極端に曲げないことが大切です。指が届かないときに左手だけで無理に伸ばそうとすると、フォームが崩れたり余計な力が入ったりします。
指が届きにくい場合は、親指の位置、手首の角度、肘の位置を少し調整し、指が自然に指板へ届く姿勢を探します。手の大きさやフォームに悩む場合は、ギターで手が小さい人向けの弾き方と対策も参考にしてください。
自分でフォームを見直しても押さえ方が合っているか判断しにくい場合は、講師に実際の弾き方を見てもらう方法もあります。ギター初心者向けの個別指導を検討するなら、EYS音楽教室のレッスン内容も確認してみてください。
爪が長すぎると、指先を立てて弦を押さえにくくなる場合があります。コード練習で開放弦が頻繁に止まってしまう場合は、指先がどの角度で弦に当たっているかも確認しましょう。
練習前にはチューニングだけでなく、椅子やストラップの高さ、肩や肘に余計な力が入っていないかも確認しておくと、フォームを作りやすくなります。
音が出ない・ビビる原因と対処
コードを押さえたときに音が「ボコッ」と詰まる場合は、押さえるべき指そのものより、隣の指が弦に触れていないか確認します。
たとえばCコードで3弦が鳴らないなら、4弦を押さえている中指や2弦を押さえている人差し指が3弦に触れている可能性があります。
この場合は、指をさらに強く押すより、指を丸めて指先を立てるほうが改善につながりやすいです。
「ビーン」「ジジジ」とビビる場合には、押さえる力が足りていない、フレットから指が離れすぎている、指が弦の上で安定していないといった原因が考えられます。
| 症状 | 考えられる原因 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| 音が詰まる | 隣の指が弦に触れている | 指先を立てて1本ずつ鳴らす |
| ビビる | フレットから遠い・力不足 | フレットのすぐ手前へ移動する |
| 不要な低音が鳴る | ストローク範囲が広すぎる | 弾き始める弦を確認する |
| すぐ疲れる | 握る力が強すぎる | 鳴る最小限の力を探す |
コード全体を一度にジャーンと鳴らすだけでは、どの弦に問題があるのか分かりにくくなります。
フォームを作ったら、まず鳴らすべき弦を1本ずつ弾いてください。鳴らない弦だけを確認して修正し、すべて鳴ったところでコード全体をストロークします。
この確認方法を繰り返すと、「どこを直せば音が変わるか」が分かりやすくなってきます。
1本ずつ確認すると直す場所が分かりやすい
コードを押さえたら、低音側から順番に1本ずつ弾きます。
- コードフォームを作る
- 鳴らすべき弦を1本ずつ弾く
- 音が詰まる弦やビビる弦を探す
- その弦を押さえる指と、隣の指の接触を確認する
- 指先の位置や角度を少し調整する
- すべて鳴ったらコード全体をストロークする
この方法なら、「コード全体が何となく汚い」という状態から、「3弦だけ鳴っていない」という具体的な問題へ絞り込めます。
原因が分かれば、必要以上に全体を握り直さずに済みます。
不要な弦まで鳴る場合は右手も確認する
左手のフォームが正しくても、右手で不要な弦まで弾けば、狙ったコードの響きから外れやすくなります。
たとえばCでは基本的に5弦から、Dでは4弦から、AやAmでは5弦から弾きます。
初心者のうちは大きくストロークすることだけを意識すると、6本全部を鳴らしてしまいがちです。
右手は常に6弦から1弦まで振り抜くのではなく、コードごとに弾く範囲を変える練習も必要です。
力を入れても鳴らないときはフォームを見直す
音が出ないと、つい強く握ろうとしがちですが、押さえる位置が悪いまま力だけ増やしても疲れやすくなります。
まずフレットの近くへ指を寄せ、指先を立て、それでも足りない場合にだけ力を少し増やします。
1音だけ押さえ、どの程度の力からクリアに鳴るかを確かめると、必要以上の力を使っていないか確認できます。
コードを押さえるとすぐ左手が疲れる場合も、握り込みすぎている可能性があります。フォームを作るたびに肩、前腕、親指に余計な力が入っていないか確認しましょう。
複数のコードでいつも同じ弦や同じ位置だけ激しくビビる場合は、押さえ方だけでなくギター本体の調整状態が関係する可能性もあります。また、手首や関節に鋭い痛みやしびれが出る場合は無理に練習を続けず、フォームや楽器の状態を見直してください。楽器の状態について正確な判断が必要な場合は、専門家に相談してください。
ギターを始めた直後は指先に負担を感じることがありますが、手首や関節の鋭い痛み、しびれなどを我慢して練習する必要はありません。指先の負担や痛みについては、ギターで指が痛いときの考え方と対策も確認し、痛みの種類を区別してください。身体に無理がかかっていると感じたら演奏を中止しましょう。
フォームを直しても強い力が必要な場合は、弦高などギター側の状態も確認対象です。特に購入直後から押さえづらい場合は、フォームだけを原因と決めつけず、楽器の調整状態も確認してください。
コードチェンジを速くする練習
コードを1つずつ鳴らせるようになったら、次はコードチェンジです。
曲になると、Cを押さえて終わりではなく、CからG、GからAmというように拍の中で次のフォームへ移動する必要があります。
最初から速さを求める必要はありません。正しいフォームを繰り返して作り、その動作を少しずつ短くするのが基本です。
コードチェンジで重要なのは、「コードを押さえ続ける練習」だけではなく、「一度手を離して、もう一度同じ形を作る練習」をすることです。
曲の中では毎回ゼロに近い状態から次のコードを作るため、フォームを作り直す反復が実際の演奏につながります。
少ないコードで進行を練習する
まずは2コードだけを使い、往復する練習から始めます。
C→G→C、G→D→G、C→Am→C、Am→Em→Amなど、2つだけならフォームの変化に集中できます。
このとき、押さえた状態を長く維持するより、いったん手を離し、もう一度ゼロからコードフォームを作る練習が役立ちます。
慣れてきたら、複数の指を1本ずつ探して置くのではなく、コード全体を一つの「形」として作る感覚を意識します。
最初から全指を完全に同時に置けなくても問題ありません。何度も反復して、指を探している時間を少しずつ減らしていきます。
最初は左手だけで移動する
コードチェンジが間に合わないときは、右手のストロークをいったん外して、左手だけで練習します。
たとえばC→Gなら、Cを作る、手を離す、Gを作る、手を離す、Cを作る、という動作だけを繰り返します。
右手のリズムと左手のフォームを同時に処理しなくてよいため、指の移動だけに集中できます。
フォーム作りが安定してきたら、コードを鳴らす作業を加えます。
指を1本ずつ探す時間を減らす
初心者のコードチェンジでは、「まず人差し指、次に中指、最後に薬指」と、指を1本ずつ置くことがあります。
最初はそれでも構いませんが、曲のテンポの中では時間がかかります。
何度もフォームを作り直し、複数の指が同じタイミングに近い形で着地することを目指します。
コードによっては、前後で近い位置へ移動する指や、動きの少ない指があります。コード単体で最も押さえやすい運指だけでなく、次のコードへどう移るかも観察すると効率的です。
テンポは確実に間に合う速さから始める
2コードが安定したら、G-D-Em-Cのような4コード進行へ進みます。
最初は各コードを4拍ずつ鳴らし、次のコードへ移ります。ストロークも複雑にせず、1小節に1回だけ鳴らしても構いません。
メトロノームを使う場合も、速いテンポから始める必要はありません。コードチェンジが確実に間に合う速度から始め、止まらず弾けるようになってから少しずつ上げていきます。
速いテンポで何度も失敗するより、正しいフォームを維持できる遅いテンポで成功回数を増やすほうが、動きを整理しやすくなります。
正確さの練習と止まらない練習を分ける
コード練習には、立ち止まって音を確認する練習と、多少ミスがあっても拍を止めない練習の両方があります。
音をきれいにする練習では、コードチェンジ後に各弦を1本ずつ確認して構いません。
一方、曲やメトロノームに合わせる練習では、演奏を止めずに次の拍へ進む感覚も必要です。
この2種類を分けて練習すると、「音を直そうとして毎回止まる」「止まらないことを優先してフォームが崩れる」という偏りを減らせます。
20分程度で練習する一例
最初の5分:コードを1本ずつ鳴らして確認
次の5分:手を離して同じコードを作り直す
次の5分:2コードだけを往復する
最後の5分:G-D-Em-Cなどを一定のテンポで循環する
時間はあくまで練習を組み立てる一例です。長く練習すれば必ず上達が速くなるわけではありません。
フォームが崩れたまま反復するより、短く区切って正しい形を何度も作るほうが取り組みやすいでしょう。
アコースティックギターでコードチェンジやFコードを自宅で順番に学びたい場合は、動画と教本で段階的に練習できる古川先生の初心者向けギター講座も選択肢になります。
また、コード単体では押さえやすい指使いでも、次のコードへ移るときに動きにくいことがあります。コードチェンジでは、前後のフォームとのつながりも見ながら運指を考えることがポイントです。
代表的な練習進行としては、G-C-D、G-D-Em-C、C-G-Am-Fなどがあります。
G-C-Dは3コードだけなので、初めてコード進行を循環させる練習に使いやすい組み合わせです。
G-D-Em-Cでは、4つの基本的なオープンコードを使って異なるフォームへ移動できます。G・C・D・Emなどを使う少数コードの組み合わせは、Fenderの初心者向けコード進行解説でも紹介されています。
C-G-Am-FではFが登場しますが、フルバレーが難しい場合は、次のセクションで扱う簡略Fを使って練習する方法もあります。
Fコードは後からでも大丈夫
ギター初心者が不安になりやすいのがFコードです。
一般的なFのフルフォームでは、人差し指で複数の弦を同時に押さえるセーハを使います。
この押さえ方は、基本的なオープンコードよりも、人差し指の角度、親指の位置、手首、力加減など複数の要素を整える必要があります。
そのため、CやGを練習し始めたばかりの段階でFがきれいに鳴らなくても、そこでギターの練習を止める必要はありません。
まずC、G、D、Am、Emなどをきれいに鳴らし、コードチェンジに慣れてから本格的なFに進む方法があります。
Fメジャーには簡略化したフォームもあります。
たとえばx-x-3-2-1-xなら、4弦3フレット、3弦2フレット、2弦1フレットを押さえ、4〜2弦だけを鳴らします。
この3音にはF・A・Cが含まれているため、Fメジャーとして成立します。
もう少し音を広げるなら、x-x-3-2-1-1という形もあります。この場合は人差し指で1弦と2弦の1フレットを小さくセーハします。
初心者向けの説明ではFの代わりとしてFmaj7が紹介されることもありますが、FメジャーとFmaj7は同じコードではありません。曲によって響きが変わるため、「簡単だから完全に同じ」と考えないようにしましょう。
簡略形でコード進行を練習しながら、少しずつセーハに慣れていけば大丈夫です。
Fが押さえられるかどうかだけで「初心者卒業」を判断する基準もありません。
ギターでは、人によって手の大きさや指の形、使用している楽器の状態も違います。どれくらいの期間でFを習得できるかを一律に決めることはできないので、自分のペースで進めてください。
Fのフルバレーで音が出ない場合も、人差し指の力だけが原因とは限りません。人差し指を当てる角度、親指の位置、手首、ネックを支える力、ギターの弦高など複数の条件が関係します。
そのため、Fだけを長時間力任せに押さえ続けるより、基本コードの練習と並行しながら少しずつ取り組む方法が現実的です。
まず簡略形でコード進行を止めずに弾ける状態を作り、その後に4弦版、さらにフルバレーへ広げるという段階的な進め方もできます。
コードチェンジやFコードで同じ部分につまずき、自分だけでは練習の進め方を判断しにくい場合は、自分の目的に合わせて個別に習う方法もあります。対面マンツーマンを中心とするEYS音楽教室について詳しく見ると、独学以外の選択肢を比較できます。
また、「簡単なFなら何でも元のFと同じ」と考えないことも重要です。
同じFメジャーの構成音F・A・Cを使う簡略フォームであれば、音域や重複する音は変わってもFメジャーとして成立します。
一方、Fmaj7のように構成音そのものが増えるコードは、Fメジャーとは別のコードです。曲によっては自然に聞こえることもありますが、常に同じものとして置き換えられるわけではありません。
まとめ
ギターコード初心者は、最初からすべてのコードを暗記する必要はありません。
C・G・D・Am・Emを中心とした少数の基本コードから始め、きれいに鳴らしてコードチェンジできる状態を目指すと、実際の演奏につなげやすくなります。
- 最初はC・G・D・Am・Emなどの基本コードから始める
- コードダイアグラムでは○が開放弦、×が鳴らさない弦を表す
- コードごとに何弦から鳴らすかまでセットで覚える
- 弦はフレットのすぐ手前を指先で押さえる
- 指を丸めて、隣の弦への不要な接触を防ぐ
- コード全体を鳴らす前に1本ずつ音を確認する
- コードチェンジは2コードの往復から練習する
- 速さよりも、まず正しいフォームを優先する
- Fコードは基本的なオープンコードに慣れてからでもよい
- コードを全部覚えてから曲を弾く必要はない
最初に何個のコードを覚えるべきかには、全員に共通する決まりはありません。3コードから始めても、5コードから始めても構いません。
重要なのは、覚えたコードを実際に使える状態にすることです。
まずはEmのような押さえやすいコードを一つ作り、各弦がきれいに鳴るか確認してみてください。次にC、G、D、Amなどを1つずつ追加し、2コード間の往復へ進みます。
コードチェンジができるようになったら、G-C-DやG-D-Em-Cのような少数のコード進行を一定のテンポで循環します。
Fが難しければ、基本コードの練習を止める必要はありません。簡略フォームも活用しながら、手の力とフォームが安定してからフルバレーへ進めます。
ギターコードの練習では、「たくさん暗記する」「強く押さえる」「速く変える」を最初の目標にするより、正しい位置に指を置き、必要な弦をクリアに鳴らし、ゆっくりでも次のコードへ移ることを積み重ねるほうが実践につながります。
楽器の状態に問題があると感じる場合や、フォームを変えても特定の弦・フレットで強いビビりが続く場合は、演奏フォームだけでなくギターの調整状態も確認対象になります。また、手首や関節に鋭い痛みやしびれがある場合は、無理に練習を続けないでください。

