バイオリンを独学で始めようと思ったとき、最初に迷いやすいのが教本選びです。
書店や通販を見ると「初心者向け」「入門」「独学対応」と書かれたバイオリン本がたくさんありますが、実際の内容はかなり違います。曲を中心に進むものもあれば、楽器の構え方や弓の持ち方から細かく説明するもの、CDやDVDを使って音や動きを確認できるものもあります。
完全初心者の場合は、単に有名な教本を選べばよいわけではありません。大切なのは、自分がどこで迷いそうなのかを考え、それを補ってくれるバイオリン教本を選ぶことです。
特にバイオリンは、ギターのように指板へフレットが付いていません。左手の指を置く位置が少しずれるだけでも音程が変わり、右手の弓の角度やスピード、力加減によっても音の出方が変わります。
そのため、独学初心者ほど「収録曲が多い」「価格が安い」という条件だけではなく、自宅で練習したときに正しい形や音を確認できる教本かを見ておきたいところです。
楽譜をほとんど読んだことがない人なら、音名や指番号が付いた本が安心です。手の形を文章だけで理解するのが難しい人なら、写真やDVDが充実した本の方が続けやすいでしょう。
反対に、すでにほかの楽器を経験していて楽譜を読める人なら、細かな譜読みの補助よりも、バイオリン特有の構え方やボウイングを詳しく確認できるかを優先する方法もあります。
この記事では、完全初心者でも最初の1冊を決めやすいように、主要なバイオリン教本を比較しながら、目的別の選び方まで整理します。
- 独学初心者が教本を選ぶときに確認したいポイント
- 主要なバイオリン教本7冊の特徴と違い
- 教本と初心者向け楽譜集の使い分け
- 独学で音程やフォームにつまずいたときの対処法
最初に結論を言うと、完全初心者は「姿勢・弓・左手・チューニング」を順番に学べる教本を1冊決めるのがおすすめです。
映像を見たいならDVD付き、楽譜が苦手なら音名や指番号の補助がある本、文章と写真を読みながら基礎を積み上げたいなら独習向けの説明量が多い本というように、自分の苦手を補う教本を選ぶと迷いにくくなります。
なお、教本や映像は正しいお手本を知るためには便利ですが、自分自身の姿勢や弓の角度が本当に合っているかまで判断してくれるわけではありません。
独学を基本にしながら、どうしても直らないところだけ第三者に見てもらう方法もあります。教室という選択肢も含めて考えたい場合は、EYS音楽教室について紹介しているページも参考にしてください。
独学初心者向けバイオリン教本の選び方

バイオリン教本を選ぶときは、知っている曲が何曲載っているか、価格がいくらかだけで決めるより、自宅で練習したときに「今のやり方で合っているか」を確認しやすい内容になっているかを見ることが重要です。
完全初心者の場合、最初の数日は曲を弾く以前に、楽器を安全に扱うこと、肩当てを付けること、弓を準備すること、正しく構えることなどで迷うことがあります。
そのため、いきなりメロディーへ進む本よりも、楽器の準備から開放弦、左手、ファーストポジション、音階、短い練習曲へと段階的に進む本の方が使いやすいですよ。
教本の表紙だけを見ると、どれも「初心者向け」に見えるかもしれません。しかし、中身を見ると、独習を前提として説明が細かい本もあれば、先生の説明を受けながら使うことを想定しやすい本もあります。
選ぶときは「初心者向けか」だけではなく、誰が、どのような環境で使う教本なのかまで確認しておくと失敗を減らせます。
| 重視したいこと | 確認するポイント | 向いている教本の特徴 |
|---|---|---|
| 完全独学で始めたい | 構え方や弓の動きを自分で確認できるか | 写真・図解・映像が多い |
| 楽譜が苦手 | 音名、指番号、弓記号があるか | 譜読みの補助表示が多い |
| 音程が不安 | 模範演奏を聴けるか | CD・音源付き |
| 長く基礎を続けたい | 次巻へ段階的に進めるか | 複数巻の体系的なシリーズ |
| 好きな曲も楽しみたい | 基礎説明と曲のバランス | 入門内容と練習曲を両方収録 |
写真や図解が多い教本を選ぶ
最初に確認したいのが、楽器の構え方や弓の持ち方を写真・イラストで確認できるかどうかです。
バイオリンは、楽器を肩とあご周辺で安定させながら演奏します。とはいえ、「教本の写真とまったく同じ角度にしなければならない」と考える必要はありません。
身体の大きさや首、肩、腕の長さには個人差があります。大切なのは、写真を絶対的な型としてコピーすることではなく、基本的な位置関係を理解しながら、身体へ無理な力を加えないことです。
文章で「楽器を構える」「弓をまっすぐ動かす」と読んだだけでは、初めてバイオリンに触る人には具体的な形を想像しにくいですよね。
たとえば弓の持ち方ひとつをとっても、親指、指先、手首、肘まで複数の部分が関係します。左手も、指だけを見ればよいわけではなく、手首や腕の位置によって押さえやすさが変わります。
そこで役立つのが、正しい姿勢や手の形を写真・図で確認できる教本です。
独学用教本で写真や図があると確認しやすい項目
楽器各部の名称、肩当ての付け方、弓毛の張り方、松脂の扱い方、弓の持ち方、楽器の構え方、弓を当てる位置、アップ・ダウン、左手の形、指を置く位置などです。
完全初心者の場合、こうした準備段階の説明が抜けていると、曲へ入る前につまずく可能性があります。
反対に、楽器を安全に準備するところから写真付きで確認できれば、「何から始めればいいのか分からない」という状態を避けやすくなります。
購入前に中身を確認できる場合は、目次だけでなく、実際の説明ページも見てみてください。文章が多いだけなのか、手の形や弓の位置まで視覚的に示されているのかで、独学時の分かりやすさは大きく変わります。
また、自宅ではスマートフォンで自分の演奏姿勢を撮影し、教本の写真と見比べる方法もあります。
鏡はその場で確認できるメリットがありますが、演奏しながら鏡を見ると姿勢そのものが変わってしまうことがあります。動画なら、普段どおり弾いた後に落ち着いて確認できます。
正面だけではなく、横や斜め前から撮ると、楽器の傾きや弓の軌道などにも気づきやすくなります。
ただし、写真や動画を見比べても判断できない部分はあります。初心者は自分の吹き方や弾き方を疑いやすいものですが、見た目だけで無理に形を修正するより、痛みや強い違和感がある場合は練習を止めて確認する方が安全です。
CD・DVD付きで音と動きを確認する
独学との相性を考えるなら、CD・DVDなどのお手本が付いているかも大きな判断材料です。
バイオリンにはフレットがないため、指を置く場所がわずかに変わるだけでも音程が変わります。また、同じ音を押さえていても、弓の動かし方によって音の出方が変わります。
そのため、楽譜だけを見て練習するより、模範演奏の音を聴きながら自分の音と比較できる方が、独学では判断材料を増やせます。
CDや音源は、音程だけでなく、リズム、テンポ、フレーズの流れを確認する用途にも便利です。
「楽譜にはこう書いてあるけれど、実際にはどんな感じで弾くのだろう」と迷ったとき、模範演奏を一度聴くだけでも曲の全体像をつかみやすくなります。
一方、DVDなどの映像では、耳だけでは分からない身体の動きを確認できます。
たとえば、弓をどの位置へ当てているか、右腕がどのように動いているか、左手をどの角度から構えているかなどです。静止画では途中の動きを把握しづらいため、運動として理解したい人には映像が役立ちます。
音程・リズム・曲の雰囲気を確認したいならCDや音源、姿勢や腕の動きまで確認したいならDVDなどの映像が便利です。
どちらが優れているというより、自分がどこに不安を感じているかで選びましょう。
模範演奏がある教本を使う場合は、いきなり音源に合わせて最初から最後まで弾こうとしなくても大丈夫です。
まず音源を聴く、短い範囲を教本で確認する、自分だけでゆっくり弾く、もう一度模範演奏と比べるという流れの方が、初心者は違いを見つけやすくなります。
伴奏付き音源の場合も、テンポについていくことだけを目標にすると、弓の形や音程がおろそかになることがあります。最初はテンポよりも、一音ずつ安定して出せることを優先しましょう。
なお、DVD付き教本を選ぶ場合は再生環境も確認してください。
現在のノートパソコンにはDVDドライブが付いていない機種もあります。教本を買ってから「家に再生できる機器がなかった」と気づくと、せっかくの付属教材を活用できません。
CDについても同じです。CDプレーヤーや光学ドライブを普段使っていない人は、購入前に再生方法まで確認しておくと安心です。
楽譜が苦手なら補助表示を重視する
「楽譜がほとんど読めないけれど、バイオリンを始めても大丈夫かな」と不安になる人もいるでしょう。
最初から五線譜をすらすら読める必要はありません。
初心者向けのバイオリン教本には、音名、左手の指番号、弓のアップ・ダウン記号などが記載されているものがあります。
左手の指番号があれば、「この音を何番の指で押さえるのか」を確認しながら進められます。弓のアップ・ダウン記号があれば、どちらの方向へ弓を動かすのかも判断しやすくなります。
音名の補助がある教本なら、五線譜を見た瞬間に手が止まってしまう人でも、音符と音名を少しずつ結び付けながら進められます。
楽譜が苦手な人ほど、収録曲数より「譜面を読むための補助がどれくらい付いているか」を確認してください。
ただし、ずっと補助だけを見ていると、楽譜そのものを読む練習が進みにくくなる場合もあります。
最初は音名や指番号に頼りながら、慣れてきたら「この音符ならこの指」と少しずつ覚えていけば十分です。最初からすべて暗記しようとする必要はありません。
バイオリンでは、譜読みと同時に構え方、弓、左手、音程など複数のことを意識します。初心者が一度に全部できないのは不自然なことではありません。
そのため、教本側に適度な補助があることは、練習時の負担を減らす意味でも役立ちます。
「初心者向け」と書かれた本でも、構え方や弓の使い方を教える教本と、すでに覚えた奏法を使って曲を楽しむ楽譜集・曲集は役割が異なります。
完全初心者は、購入前に目次を確認し、姿勢、ボウイング、左手、チューニングなどの基礎項目が含まれているかを見ておきましょう。
特に「好きな曲を早く弾きたい」という人ほど、曲集を教本と間違えやすいので注意してください。
曲集が悪いわけではありません。基礎教本と役割を分ければ、好きな曲を練習することはモチベーション維持にもつながります。
最初の1冊は基礎を学ぶ教本、その後に楽しむための曲集を追加するという順番なら、何を練習すればよいのか整理しやすくなります。
独学初心者におすすめの教本7選

ここからは、独学・完全初心者が候補にしやすい主要なバイオリン教本を7冊比較します。
教本を比較するときに大切なのは、単純な順位を付けないことです。
映像を重視する人、楽譜を読むことに不安がある人、文章や図を細かく読みたい人、定番シリーズで長く続けたい人では、相性のよい本が変わります。
まずは大まかな違いを表で確認し、その後に各教本の特徴を見ていきましょう。
| 教本 | 主な特徴 | 音源・映像 | 独学との相性 | 特に向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 1人で学べる 初心者のためのバイオリン入門 | 準備から奏法まで幅広く解説 | DVD付 | 高め | 動きを映像で見たい人 |
| 見て聴いて必ず弾ける ヴァイオリン入門 | 音名・指番号など初心者向け補助が多い | CD付 | 高め | 楽譜が苦手な人 |
| 篠崎ヴァイオリン教本 第1巻 | 写真・図解・基礎練習が充実 | 準拠CD別売 | 高い | 基礎を細かく積み上げたい人 |
| 新版 新しいヴァイオリン教本1 | 定番シリーズを基礎から進める | 付属音源なし | 中~高 | 定番教本を低価格から始めたい人 |
| 鈴木鎮一ヴァイオリン指導曲集1 | 模範演奏を聴いて学ぶ | CD付 | 中程度 | 耳から覚える練習が好きな人 |
| サスマンスハウス教本Vol.1 | カラーイラストと短い課題 | 映像教材ではない | 中程度 | ゆっくり反復して進めたい人 |
| やさしいヴァイオリン入門 | 価格を抑えつつ曲を弾きながら進める | 映像教材ではない | 目的次第 | 紙の教本中心で楽しみたい人 |
価格は2026年8月時点で確認されている出版社定価などを基準にしています。販売店の実売価格、送料、ポイント、在庫は変わるため、購入時には最新情報を確認してください。
また、古くから販売されている教本では、同じようなタイトルでも旧版と新版が流通している場合があります。
中古品を選ぶ場合は価格だけでなく、ISBN、版、CD・DVD・伴奏譜などの付属品まで確認すると取り違えを防ぎやすくなります。
1人で学べるバイオリン入門
正式名称は「1人で学べる 初心者のためのバイオリン入門[DVD付]」です。
ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングスから出版され、著者は村川千尋さん。2017年7月22日発売、64ページで、2026年8月確認時の税込価格は3,080円です。
この教本の大きな特徴は、タイトルどおり1人で学ぶことを想定し、DVDで手の形や動作を確認できることです。
内容は、バイオリン各部の名称、必要な道具、楽器の選び方、肩当ての付け方、弓毛の張り方、松脂、保管、メンテナンスなど、演奏前の準備から始まります。
その後、構え方と姿勢、弓の持ち方、チューニング、開放弦、左手の形、フィンガリング、音階などへ進みます。
さらに、ポジション移動、ヴィブラート、重音、ピチカート、フラジオレット、デタシェ、スタッカート、スピッカートなど、入門より一歩先の奏法まで扱っています。
収載曲は13曲で、「オーラ・リー」「アメイジング・グレイス」「エーデルワイス」「星に願いを」「愛のあいさつ」などが含まれています。
向いている人:完全独学で、文章や静止画だけではなく、実際の動きを映像で確認したい人です。
特に、弓の持ち方や腕の動かし方を文章だけで想像するのが難しい人には、DVDが判断材料になります。
一方で、64ページの中で基礎から複数の応用奏法まで扱うため、完全初心者には進み方が速く感じられる可能性があります。
教本に次の技術が出てきたからといって、すぐ先へ進まなければならないわけではありません。
構え方や開放弦で不安が残っているなら、そこで何日か練習しても大丈夫です。独学では「本を最後まで終える速さ」より、「前の内容がある程度安定してから次へ進むこと」の方が重要です。
また、DVDを見るだけで自分の動きが自動的に修正されるわけではありません。
映像を見る、自分でも動いてみる、スマートフォンで撮影する、もう一度DVDのお手本と比較するという使い方をすると、単に再生するだけより活用しやすくなります。
購入前にはDVDを再生できる機器があるかも確認してください。
DVD付きで独学を始めたい方は、現在の取扱状況や価格を各通販サイトで確認してみてください。
見て聴いて必ず弾ける改訂版
正式名称は「見て聴いて必ず弾ける ヴァイオリン入門[改訂版] レッスンCD・ピアノ伴奏譜付」です。
ドレミ楽譜出版社、野呂芳文さん編著で、72ページ。2026年時点で確認されている現行改訂版の税込価格は2,750円です。
この教本の強みは、楽譜を読むことに慣れていない人への補助が多いことです。
楽譜の音を読むための補助があり、曲には左手の指番号、弓のアップ・ダウン記号が付いています。
そのため、バイオリン以前に「五線譜を見るだけで難しそうに感じる」という人でも、指番号や音の情報を手がかりに練習を始めやすいでしょう。
内容は、楽器各部の名称、弓の名称、弓の準備、肩当て、チューニング、弓の持ち方、楽器の構え方、音の出し方、左手で弦を押さえる方法など、完全初心者が最初に必要とする項目から進みます。
さらにレッスンCDがあるため、楽譜だけを見て「この音で本当に合っているのかな」と迷ったときにも、模範となる音を確認できます。
向いている人:楽譜を読むことに不安があり、音名・指番号・弓記号などを確認しながら曲を弾きたい人です。
特に完全初心者は、左手で正しい場所を押さえることだけでも大変です。そのうえ音符、指番号、弓の方向まで一度に考えるため、情報を整理してくれる補助表示は助けになります。
ただし、補助があるからといって、楽譜を覚える必要がなくなるわけではありません。
最初は表示を利用しながら、同じ音を何度も見るうちに少しずつ音符と指の関係を覚えていくくらいで十分です。
注意したいのは旧版の存在です。
以前の版も中古市場などに残っているため、現行改訂版を探す場合はISBN「9784285153606」を確認すると取り違えを防ぎやすくなります。
中古で購入する場合は、CDやピアノ伴奏譜などの付属品がそろっているかも確認しましょう。
楽譜の補助表示やCDを重視する方は、現行改訂版の取扱状況と価格を確認してみてください。
篠崎ヴァイオリン教本第1巻
「篠崎ヴァイオリン教本 第1巻 第3版」は、全音楽譜出版社から出版されている定番シリーズです。
第1巻第3版は2023年2月15日発売。本体80ページに加えてピアノ伴奏譜96ページが付き、2026年8月確認時の税込価格は2,200円です。
約80年にわたって使われてきた教本で、第3版では全体のレイアウト調整や説明文の見直しが行われています。
内容は、ヴァイオリン各部の名称、楽器の構造、手入れ、姿勢、構え方、弓の持ち方、音階、練習曲などです。
写真とイラストだけでなく、弓のどの部分をどの程度使うのかを示す独自のボウイング記号も使われています。
また、曲をいきなり弾くだけではなく、準備練習、リズム練習、応用練習などを組み合わせながら進められる点も特徴です。
「曲を弾けるようになること」と「弾くための基礎を練習すること」を分けずに進めたい人には相性がよいでしょう。
向いている人:映像を見ることより、文章・写真・図解をじっくり読みながら基礎を積み上げたい人です。
第1巻の後もシリーズを続けられるため、短期間の入門だけではなく、長く基礎を学ぶ前提で選びやすい教本です。
出版社は、このシリーズについて独習でも使用できることを説明しています。
もともと指導者が少なかった時代に、独習者でも学べるよう説明を充実させた背景があるため、独学用として候補にしやすい本です。
一方、内容量が多いため、「とにかく知っている曲をすぐ何曲も弾きたい」という人には重く感じる可能性があります。
文字や基礎練習を読むことが苦にならず、一つずつ確認する方が安心できる人に向いています。
本にCDは付属していません。音源も使いたい場合は、フォンテックから販売されている準拠CDを別途用意する方法があります。
独学では、教本を読んだだけで理解したつもりにならず、一つの課題を実際に弾き、音や身体の動きを確認しながら進めると使いやすくなります。
文章や図解で基礎をじっくり学びたい方は、第3版の取扱状況や価格を各通販サイトで確認してみてください。
新版 新しいヴァイオリン教本1
「新版 新しいヴァイオリン教本 1」は、音楽之友社から出版されています。
1964年から続くロングセラー教本をリニューアルした新版で、2020年11月発行。48ページ、2026年8月確認時の税込定価は1,430円です。
従来の収録曲と指導内容の基本を維持しながら、解説を読みやすい文章へ変更し、楽譜を新しく浄書し、写真も撮り直しています。
第1巻では、楽器と弓について、姿勢、4本の弦、正しい弓の持ち方、開放弦、ボウイング、左手の構え、左手と右手の組み合わせなど、初歩段階の基礎を学びます。
収録曲には「アマリリス」「メリーさんの羊」「かえるの合唱」「ちょうちょう」など、短く親しみやすい曲が含まれています。
最初から長いクラシック曲へ挑戦するのではなく、短い曲を使いながら基本動作を学ぶ構成なので、「何を練習すればよいのか」を順番に整理しやすいでしょう。
向いている人:価格を抑えながら定番教本を使い、基本を順序立てて進めたい人です。
一方、DVDやCDを中心にした独学専用教材ではありません。
楽譜や写真を見れば自分である程度進められる人には使いやすい一方、身体の動きを動画で確認したい人は別の映像教材を補助的に使った方が理解しやすい場合があります。
また、レッスンで使用されることもある定番教本なので、「まず独学で始めて、後から先生にも見てもらうかもしれない」という人にも候補になります。
独学専用の説明量が最優先なら篠崎ヴァイオリン教本、コンパクトな定番教本から始めたいなら新版 新しいヴァイオリン教本1というように比べると違いが分かりやすいです。
定番教本から始めたい方は、新版の取扱状況や価格を各通販サイトで比較してみてください。
鈴木鎮一ヴァイオリン指導曲集1
「鈴木鎮一ヴァイオリン指導曲集 1[新版](CD付)」は、スズキ・メソードで使用される指導曲集です。
全音楽譜出版社、才能教育研究会編集。2009年6月15日発売、64ページで、2026年8月確認時の税込価格は3,200円です。
付属CDには江口有香さんによる模範演奏に加え、全曲のピアノ伴奏だけの音源も収録されています。
収録曲には、「キラキラ星変奏曲」「ちょうちょう」「こぎつね」「むすんでひらいて」「ロング・ロング・アゴー」「メヌエット」「楽しき農夫」「ガヴォット」などがあります。
スズキ・メソードでは、幼児が言葉を耳から覚えていくことに着目した「母語教育法」の考え方を音楽教育へ応用しており、模範演奏を繰り返し聴くことが重要な位置を占めます。
そのため、「楽譜だけを見て理解するより、まず音を聴いて曲を覚える方が分かりやすい」という人には魅力があります。
注意したい点:CD付きなので自宅練習にも使えますが、本来はスズキ・メソードの教育体系で使用される指導曲集です。
構え方、弓の持ち方、身体の使い方などを1冊だけで細かく自己修正するための独学専用ハウツー本とは性格が異なります。
そのため、「CDが付いているから完全独学に最も向いている」と単純に判断しない方がよいでしょう。
音を聴きながら曲を覚えたい人、スズキ・メソードのレッスンを受ける予定がある人、親子で繰り返し音源を聴きながら練習したい人には候補になります。
反対に、「右手の形を写真で細かく確認したい」「独学で姿勢を一つずつ読みながら進めたい」という人なら、説明量の多い別の教本とも比較してみてください。
模範演奏CDを使って練習したい方は、新版CD付きの取扱状況や価格を確認してみてください。
サスマンスハウス教本Vol.1
「サスマンスハウス はじめてのヴァイオリン教本 Vol.1」は、全音楽譜出版社から出版されている全4巻のシリーズです。
E.サスマンスハウス、K.サスマンスハウスによる教本で、Vol.1は72ページ。2026年8月確認時の税込価格は2,000円です。
ドイツを中心としたヨーロッパで長く使われてきた初級教本の日本語版で、Vol.1とVol.2には4色カラーのイラストが使われています。
Vol.1では、シンプルな曲を使いながらメロディー、譜読み、音符、臨時記号、左手の基本などを少しずつ学びます。
一つの課題を終えたら急に難易度が上がるというより、短い内容を反復しながら進めるタイプなので、急いで難しい曲へ進むより、一つずつ慣れたい人に使いやすいでしょう。
向いている人:カラーイラストがある親しみやすい教材で、短い課題を繰り返しながらゆっくり進めたい人です。
子どもが取り組みやすいデザインですが、大人が使えないという意味ではありません。
文章がぎっしり詰まった教本を見ると疲れてしまう人や、視覚的に明るい教材の方が取り組みやすい人にも選択肢になります。
ただし、DVD付き教本のように、独学者が腕や弓の動きを動画で確認する教材ではありません。
完全独学でフォームへの不安が強い場合は、教本だけですべてを解決しようとせず、動画撮影や第三者の確認も組み合わせるとよいでしょう。
カラー教材で少しずつ進めたい方は、Vol.1の取扱状況や価格を各通販サイトで確認してみてください。
やさしいヴァイオリン入門
「初心者のための やさしいヴァイオリン入門」は、ドレミ楽譜出版社から出版されている森本琢郎さんの教本です。
現行版は2026年1月30日発売。80ページで、2026年8月確認時の税込価格は1,760円です。
初心者に必要な知識や演奏技術を、曲を進めながら学ぶ構成になっています。
収録曲には「河は呼んでる」「スケーターズ・ワルツ」「エーデルワイス」「ブラームスの子守歌」「魔笛」のメロディーなどがあり、基礎だけを延々と練習するより、曲を弾く楽しさも感じながら進みたい人に向いています。
向いている人:費用を抑えながら、紙の教本を中心に曲も楽しんで進めたい人です。
80ページあるため、価格を抑えつつある程度まとまった内容を読みたい人にも候補になります。
一方、DVD付き教本のように、映像で手や腕の動きを確認するタイプではありません。
完全初心者で「写真を見ても自分の弓が合っているか分からない」という不安が強い場合は、映像付きの入門教材とも比較してみましょう。
紙の教本中心で進めるなら、ページを読み進めることだけを目標にせず、同じ練習を何日か繰り返してから次へ進む使い方が大切です。
紙の教本を中心に曲も楽しみたい方は、現在の取扱状況や価格を各通販サイトで確認してみてください。
目的別に迷ったら、次の考え方で絞ると分かりやすいです。
映像重視なら「1人で学べる 初心者のためのバイオリン入門」、楽譜が苦手なら「見て聴いて必ず弾ける ヴァイオリン入門」、文章と図解を読みながら独習で基礎を積み上げるなら「篠崎ヴァイオリン教本」が有力な候補です。
定番シリーズを比較的低い価格から始めたいなら「新版 新しいヴァイオリン教本1」、耳から覚える学習を重視するなら「鈴木鎮一ヴァイオリン指導曲集1」も比較してみてください。
教本と初心者向け楽譜集の違い

バイオリンの本を探していると、「初心者向け」と書かれた教本と楽譜集の両方が見つかります。
検索結果だけを見ると似ているため、「好きな曲がたくさん載っている方がお得なのでは?」と思うかもしれません。
しかし、この2つは役割が違います。
教本は「どうやって弾けるようになるか」を学ぶための本です。
楽器の準備、姿勢、弓の持ち方、音の出し方、フィンガリング、音階、ボウイング、練習方法など、演奏するための手順を順番に学ぶことが中心です。
一方、楽譜集・曲集は、すでに覚えた基本奏法を使って曲を楽しむことが中心です。
初心者向け楽譜集の場合、音名や指番号が付いていることはありますが、「そもそも弓をどう持つのか」「楽器をどう構えるのか」まで詳しく説明されているとは限りません。
そのため、完全初心者が好きな曲だけを集めた楽譜集1冊で始めると、指番号は分かっても、弓の動かし方や左手の形が分からないまま進んでしまうことがあります。
| 比較項目 | 基礎教本 | 初心者向け楽譜集 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 弾き方を身につける | 曲を楽しむ |
| 構え方の説明 | 掲載されることが多い | 少ない場合がある |
| 弓の持ち方 | 基礎から扱うことが多い | 前提になっている場合がある |
| 音階・開放弦 | 段階的に練習する | 簡単な補助のみの場合がある |
| 曲数 | 基礎練習を優先 | 比較的多い傾向 |
| 完全初心者の最初の1冊 | 選びやすい | 単独では不足する場合がある |
完全初心者なら、最初にメインとなる基礎教本を1冊決め、その教本をある程度進めてから、好きな曲を弾くための楽譜集を追加すると役割を分けやすくなります。
初心者向け楽譜集の例としては、「ファーストポジションで弾ける かんたん バイオリン・レパートリー」があります。
ファーストポジションで演奏できる初心者向けで、ポップス、童謡、クラシックに加え、基礎練習、指板表、デュオアレンジなども掲載されています。
「基礎教本を少し進めたけれど、練習曲だけでは飽きてきた」という段階で、好きな曲を増やす目的に使いやすいでしょう。
もう一つの例が「独奏と二重奏 標準 やさしいヴァイオリン曲集/上」です。
習い始めのやさしい指使いからファーストポジション程度までに対応し、童謡、日本の歌、民謡、クラシック、アニメ系など複数のジャンルを収録しています。
こうした楽譜集は、教本の代わりではなく、教本で覚えたことを好きな曲で使う場所と考えると分かりやすいです。
好きな曲を弾く時間は、練習を続けるうえでも大切です。基礎練習だけでは「いつになったら音楽を楽しめるのだろう」と感じる人もいます。
そこで、教本で基礎を進めながら、無理なく弾ける曲を1曲追加するという使い方なら、基礎と楽しさを両立しやすくなります。
大人からバイオリンを始める場合も同じです。
「せっかく始めるなら憧れの曲をすぐ弾きたい」と思いますよね。ただ、いきなり難しい楽譜へ進むと、左手の音程だけでなく右手のボウイングまで崩れ、何が原因で弾けないのか分からなくなることがあります。
最初は短い曲でも構いません。開放弦、音階、ファーストポジションなどを覚え、それを使って弾ける曲を増やしていく方が、結果的に難しい曲へ進む準備になります。
また、「初心者向け」という表記だけでなく、対象レベルも確認してください。
すでにファーストポジションを習得した人向けの楽譜集と、楽器を初めて持つ人向けの入門教本では、同じ「初心者」でも想定している段階が違います。
購入前に目次や商品説明を確認し、「教本なのか曲集なのか」「何を学んだ人向けなのか」を見分けることが大切です。
独学でつまずきやすいポイント

自分に合った教本を選んでも、独学では「書いてあることは理解できるのに、自分が同じようにできているか分からない」という場面が出てきます。
バイオリンは、楽譜を正しく読めばそのまま正しい音が出る楽器ではありません。
左手で音程を作り、右手で弓を動かし、同時に楽器を安定させる必要があります。
そのため、初心者がつまずく原因は一つとは限りません。
音程が合わないと思って左手だけを直していたら、実際には楽器が動いて左手の位置も毎回ずれていた、というように複数の要素が関係することがあります。
1. 楽器の構え
自分では正しく構えているつもりでも、首や肩へ余計な力が入ったり、楽器の角度が少しずつ変わったりする場合があります。
演奏している本人から見える角度と、外から見た姿勢は違います。
鏡だけでは分かりにくい場合は、スマートフォンを固定し、普段どおり弾いているところを撮影して確認すると客観視しやすくなります。
教本の写真と比べるときは、細かな角度を完全コピーするより、肩が不自然に上がっていないか、首へ強い力が入っていないか、楽器が毎回大きく動いていないかなどを見るとよいでしょう。
2. 弓の持ち方
初心者は弓を落とさないようにしようとして、必要以上に握り込んでしまうことがあります。
力が入りすぎると、指や手首が動きにくくなり、弓を滑らかに動かしづらくなります。
教本の写真を見るときは指の位置だけに注目せず、手全体が固まっていないかも確認してください。
何度写真の形へ合わせてもすぐ崩れる場合は、「指の位置を覚えていない」のではなく、持ち方そのものに無理がある可能性も考えられます。
3. 弓をまっすぐ動かす
自分から見るとまっすぐ動いているようでも、外から見ると弓が斜めになっていることがあります。
弓の動きは、手先だけではなく右腕全体の使い方と関係します。
そのため、「弓が斜めだから手首だけを直そう」と一部分だけで調整すると、かえって動きにくくなる場合があります。
動画で弓の軌道を確認し、教本の説明と比べながら、ゆっくりした開放弦で練習すると違いを見つけやすくなります。
4. 音程
バイオリンにはフレットがありません。
左手の指を置く位置が少し変わるだけで音程が変わるため、「この辺りに指を置けば大丈夫」という見た目だけでは安定しません。
最初は指板の位置を目安にしつつ、正しい音を耳で確認する習慣も必要です。
CDや模範音源がある教本なら、練習前に正しい音を聴いてから弾いてみてください。
一度合った場所でも、楽器の構えが変われば指の位置も変わります。音程だけを切り離さず、構え方や左手の形も一緒に確認することが大切です。
5. チューニング
初心者は、ペグを大きく動かしすぎたり、耳だけでは今の音が高いのか低いのか判断できず迷ったりしやすいものです。
入門教本でチューニング方法を確認しながら、チューナーなどを使って基準音を確認すると判断しやすくなります。
特にペグで大きく音程を変える場合は、弦が切れないよう少しずつ動かしてください。
初心者向けの楽器にはアジャスターが付いている場合もあり、細かな調整には使いやすいことがあります。
ただし、楽器の状態によって調整方法は異なります。ペグが固い、すぐ戻る、弦が何度も切れるなどの問題がある場合は、無理に自分だけで調整せず、楽器店などへ相談してください。
6. 難しい曲へ急ぎすぎる
バイオリンを始めた理由が「この曲を弾きたいから」という人も多いでしょう。
好きな曲があることは、練習を続ける大きな動機になります。
ただし、開放弦、音階、ファーストポジションなどを飛ばしすぎると、難しい曲を練習したときに、左手、右手、リズムのどこで失敗しているのか分からなくなります。
基礎練習は、好きな曲を遠ざけるために行うものではありません。
好きな曲を弾くために必要な動作を、一つずつ簡単な状態で練習するものです。
毎回の練習では、「構え方を確認する→チューニングする→開放弦を弾く→音階を確認する→教本の課題や曲へ進む」という流れを作ると、曲だけを繰り返して基礎を置き去りにしにくくなります。
長時間まとめて練習できない日でも、短い時間で同じ流れを続ける方が、何を確認する日なのか整理しやすくなります。
独学では、同じ箇所が弾けないと「練習量が足りない」と考えて何十回も繰り返してしまいがちです。
しかし、間違った動きのまま回数だけ増やしても改善しないことがあります。
数回ゆっくり試しても同じ問題が出るなら、一度止まり、教本の写真、説明、音源をもう一度確認してみましょう。
自分の動画を見る、練習速度を落とす、開放弦だけに戻すなど、問題を小さく分ける方が原因を見つけやすくなります。
独学だけで弾けるようになるか

教本、音源、映像教材を使い、自宅でバイオリンの基礎練習を進めること自体は可能です。
実際、「篠崎ヴァイオリン教本」のように、出版社が独習でも使用できることを明記している教本もあります。
インターネットやスマートフォンを利用できる現在は、昔よりも自分の姿を撮影したり、模範音源を繰り返し確認したりしやすくなっています。
そのため、「教室へ通わなければ何も始められない」と考える必要はありません。
まず教本を1冊用意し、自宅で楽器の準備、構え方、開放弦などから始める方法もあります。
ただし、バイオリンには独学ならではの難しさもあります。
フレットがないため音程を自分で作る必要があり、楽器の構え方は自分から客観視しにくく、弓の角度や力加減でも音が変わります。
つまり、教本に書かれている正しい形を理解することと、自分が実際にその形で弾けていることは別なんですね。
教本の説明を読んで「分かった」と思っても、実際に楽器を持つと肩へ力が入ったり、弓が斜めになったりすることがあります。
これは教本が役に立たないという意味ではありません。
教本は「何を目標にすればよいか」を知るために非常に重要です。ただし、自分の状態を教本側から見て判定してもらうことはできません。
DVDも同じです。
正しい動きを動画で確認することはできますが、画面の中の演奏者が「あなたの右肩が上がっています」「弓が少し斜めです」と指摘してくれるわけではありません。
そこで、独学では自分で確認できる範囲と、自分だけでは判断しにくい範囲を分けて考えることが大切です。
たとえば、教本の順序に沿って練習すること、模範演奏を聴くこと、チューナーで開放弦を確認すること、動画撮影することなどは自宅でも進められます。
一方、何度試しても楽器が安定しない、弓の方向を直せない、身体に力が入る原因が分からないといった問題は、自分だけで原因を特定しにくいことがあります。
たとえば、次のような状態が続く場合は、一度ほかの人からフォームを確認してもらう方法があります。
- 楽器が安定せず何度も構え直してしまう
- 弓をまっすぐ動かせない
- 何度合わせても音程がおかしく感じる
- 首や肩、手の力を抜く方法が分からない
- 教本の同じ段階から先へ進めない
これは「独学では無理だから、最初から毎週教室へ通わなければならない」という意味ではありません。
普段は教本を使って自宅で練習し、どうしても自己修正できない部分だけレッスンで確認してもらうという考え方もできます。
たとえば、数週間独学してから一度フォームを見てもらい、指摘された部分をまた自宅で練習する方法です。
独学とレッスンを二者択一で考えず、必要に応じて組み合わせると選択肢が広がります。
体験レッスンを利用する場合も、「すぐ入会するかを決める」ことだけが目的ではありません。
自分がどこでつまずいているのか、独学を続けるなら何を意識すればよいのかを確認する機会として考えることもできます。
独学を続けながらレッスンという選択肢も比較しておきたい方は、EYS音楽教室の案内ページも参考にしてみてください。
肩、首、手などに痛みがある場合は、痛みを我慢して練習を続けないでください。
身体の状態には個人差があります。教本やインターネット上の情報だけで判断せず、必要に応じて指導者や医療の専門家へ相談してください。最終的な判断は専門家に相談することが大切です。
また、大人やシニアからバイオリンを始めること自体を、年齢だけで諦める必要はありません。
初心者向けの教本には、大人が文章を読みながら理解しやすいものもあります。
子ども向け教材では、イラストや短い課題を中心に進めるものがありますが、大人は「なぜこの練習をするのか」を文章で理解した方が取り組みやすい場合もあります。
反対に、大人は目標がはっきりしている分、「早くあの曲を弾きたい」と基礎を飛ばしやすい面があります。
そんなときこそ、教本を一冊の練習順序として使うと便利です。
今日は開放弦、次は左手、次は音階というように、少しずつできることを増やしていけば構いません。
教本を選ぶときに大切なのは、「一番有名な本」や「一番高い本」を買うことではありません。
映像で確認したいのか、楽譜の読み方から補助してほしいのか、文章と写真でじっくり基礎を積み上げたいのか。自分が不安に感じている部分に合った本を選ぶことが、続けやすさにつながります。
完全初心者なら、最初のメイン教本は基本的に1冊に絞りましょう。
複数の教本を同時に進めると、それぞれ説明する順序や指導方法が違い、「どちらを優先すればよいのか」と迷うことがあります。
まずは1冊の流れに沿い、構え方、開放弦、左手、音階、曲へと進んでください。
そのうえで「音源が足りない」「好きな曲も弾きたい」と感じたときに、準拠CDや初心者向け楽譜集を追加する方が目的を整理しやすくなります。
バイオリン教本に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 完全初心者が最初に買うバイオリン教本は1冊でよいですか?
A. 基本的には、メインとなる教本を1冊決めれば大丈夫です。
最初から複数のメソッドを同時に進めると、教える順番や指番号、練習方法の違いに迷うことがあります。まず1冊を軸にして、構え方、開放弦、左手、音階などを順番に進めましょう。
好きな曲も弾きたい場合は、基礎をある程度進めてから初心者向け楽譜集を追加すると、教本と曲集の役割を分けやすくなります。
Q2. 楽譜が読めなくてもバイオリンを始められますか?
A. 始められます。
初心者向け教本には、音名、左手の指番号、弓のアップ・ダウン記号などが付いているものがあります。
楽譜が苦手な場合は、こうした補助表示が多い教本を選ぶと進めやすくなります。最初は補助を使いながら、少しずつ音符と指の位置を結び付けて覚えていけば構いません。
Q3. 教本と初心者向け楽譜集はどちらを先に買うべきですか?
A. 完全初心者なら、先に基礎教本を選ぶ方が使いやすいでしょう。
楽譜集は曲を楽しむことが中心で、構え方や弓の持ち方まで詳しく説明されていない場合があります。
まず教本で開放弦、左手、音階などを進め、その後に弾ける範囲の楽譜集を追加すると、好きな曲も練習へ取り入れやすくなります。
Q4. CD付きとDVD付きならどちらがおすすめですか?
A. 確認したい内容によって変わります。
音程、リズム、曲の流れを確認したいならCDや音源が便利です。弓の動き、腕の使い方、姿勢などを視覚的に確認したいならDVDなどの映像が役立ちます。
購入前には、自宅にCDやDVDを再生できる環境があるかも確認してください。
Q5. DVD付きの教本があれば先生に見てもらう必要はありませんか?
A. DVDは正しい動きを知る助けになりますが、自分自身の姿勢や弓の角度をDVD側から判定してもらうことはできません。
教本と映像で問題なく進められているなら、自宅練習を続ける方法があります。
一方、同じ箇所を何度練習しても直らない、楽器が安定しない、弓をまっすぐ動かせない、身体に痛みがあるといった場合は、対面・オンラインなどを含め、専門家にフォームを確認してもらう方法があります。
毎週レッスンへ通うかどうかとは別に、独学で分からない部分だけ確認してもらうという使い方も考えられます。
バイオリン教本選びでは、曲数の多さより「自分で基礎を確認できるか」を優先しましょう。
写真や図、CD、DVD、音名、指番号など、自分の苦手な部分を補ってくれる1冊を選び、まずはその教本を軸に練習することが大切です。
映像を見ながら一人で進めたいならDVD付き、楽譜への不安が大きいなら補助表示付き、長く基礎を積み上げたいなら体系的なシリーズというように、自分の目的が決まると教本はかなり選びやすくなります。
そして、教本を買ったら急いで最後まで終わらせる必要はありません。
同じページを何度も確認しても構いませんし、開放弦や音階へ戻っても大丈夫です。
バイオリンは、短期間でページ数を進めることより、一つずつ身体の動きと音を結び付けていく方が大切です。
好きな曲を楽しみたい場合は、基礎教本を軸にしながら初心者向け楽譜集を追加してみてください。
独学で直せない部分が出てきたら、その時点で動画撮影やレッスンなど、別の確認方法を加えればよいでしょう。
「全部自分だけでやらなければ独学ではない」と考える必要はありません。教本を中心に、自分に必要な補助を組み合わせながら続けることが、無理なくバイオリンを楽しむ方法の一つです。
価格、在庫、版、付属CD・DVDの有無などは変わる可能性があります。特に中古本では付属品が欠けている場合もあるため、購入前には出版社や販売店の最新情報を確認してください。

