セカンドライフに入り、ふと訪れた自由な時間。「以前からの夢だったピアノを始めてみたい」、あるいは「昔習っていたピアノをもう一度弾いてみたい」という想いを抱く方が、私の周りでもとても増えています。音楽のある生活は、日々の暮らしに彩りを与えてくれるだけでなく、指先を使うことで心身の健康にも良い刺激を与えてくれますよね。私自身も、ピアノに向かう時間は何物にも代えがたい癒やしのひとときだと日々感じています。
しかし、いざ楽器を用意しようと決意して楽器店やネットショップを覗いてみると、その種類の多さに圧倒されてしまいませんか?「電子ピアノ」と一口に言っても、価格は数万円から数百万円まであり、機能も千差万別です。「シニア 電子ピアノ 選び方 モデル」などで検索し、自分に合う一台を探している皆さんのために、今回は私の実体験や友人の評判も交えながら、シニア世代に本当に優しい電子ピアノの選び方について、じっくりとお話ししたいと思います。初心者の方でも扱いやすい軽量なものや、練習機能が充実したモデルなど、私たちの生活スタイルや体力に合った「最高の一台」を見つけるお手伝いができれば嬉しいです。
- シニア世代の生活スタイルや体力に無理のない電子ピアノの選び方の基準
- 初心者でも挫折せずに楽しめる、操作性や練習サポート機能の重要性
- 具体的な予算や設置スペースに応じた、シニアにおすすめの電子ピアノモデル
- 購入後に「あれがない!」と困らないための付属品やペダルに関する知識
シニアが電子ピアノの選び方で重視すべき基準とモデル探しのコツ

これからの趣味としてピアノを迎えるにあたり、まずはどのような基準で選べば失敗がないのか、私たちシニア世代特有の事情に合わせて整理してみましょう。若い頃とは違い、住環境の変化や、どうしても避けられない体力の変化もあります。「重くて動かせない」「操作が難しくて触らなくなった」といった失敗を防ぐためにも、無理なく長く楽しめることが一番大切ですね。
実は、総務省統計局の調査でも、高齢者の趣味・娯楽として「楽器演奏」を楽しむ方の割合は一定数存在し、生きがいとしての注目度が高まっていることがわかります。(出典:総務省統計局『令和3年社会生活基本調査』)
多くの同世代が楽しんでいるからこそ、自分に合った道具選びがスタートラインになります。
シニア初心者におすすめの軽量・省スペースモデル
まず最初に、そして最も現実的に考えたいのが、「設置場所」と「本体の重さ」です。私たちシニアにとって、一度設置したら二度と動かせないような重厚な家具調のピアノは、後の生活負担になる可能性があります。例えば、季節の模様替えや大掃除、あるいはお孫さんが遊びに来て部屋を広く使いたい時などに、自分たちだけで動かせないのは少し困りますよね。
そこで私が強くおすすめしたいのが、「卓上タイプ(ポータブルタイプ)」と呼ばれる軽量モデルです。これらは本体とスタンドが分離できる設計になっており、本体だけなら重さは10kg〜15kg程度に収まるものが多くあります。これくらいの重さなら、大人の男性なら一人で、女性でも二人なら十分に持ち運ぶことができます。
卓上タイプのメリット
- 柔軟な設置:机やテーブルの上に置いて練習し、終わったらケースに入れて片付けるといった使い方が可能です。
- 圧迫感のなさ:背が低く奥行きもスリムなので、日本の住宅事情やマンションの一室でも圧迫感を感じさせません。
- 持ち運びの自由:「今日は天気がいいから明るいリビングで」「夜は静かに寝室で」といった具合に、気分に合わせて練習場所を変えられます。
「ずっと同じ場所に置いておけるか分からない」「将来的に施設へ入居する際も持っていきたい」といった長期的な視点で考えても、この軽量・省スペース性は大きな魅力になります。まずは気軽に始めたいという初心者の方にとって、心理的なハードルを下げてくれる最適な選択肢と言えるでしょう。
弾き心地を左右する鍵盤タッチと88鍵の必要性
次に迷うのが、「鍵盤の数」と「タッチ(弾き心地)」ではないでしょうか。キーボード売り場に行くと、61鍵や76鍵といった鍵盤数の少ないコンパクトなモデルも並んでいます。価格も安く魅力的ですが、もし設置場所が許すなら、アコースティックピアノと同じ「88鍵」のモデルを強くおすすめします。
「初心者だし、そんなに端っこの鍵盤まで使わないわ」と思われるかもしれません。確かに最初のうちは真ん中の鍵盤しか使わないことも多いですが、ピアノの練習が進んでくると、クラシックの曲はもちろん、ポピュラー音楽や懐かしの歌謡曲でも、音域の広いアレンジを弾きたくなる瞬間が必ず訪れます。その時に「鍵盤が足りなくて弾けない」というのは、想像以上に大きなストレスになります。「これから長く楽しみたい」という意欲があるなら、最初から88鍵を選んでおくことが、結果的に買い替えの無駄を防ぐことにつながります。
鍵盤のタッチについて:重めか、軽めか
電子ピアノには、アコースティックピアノのハンマーの動きを模した「ハンマーアクション鍵盤」と、バネを使った軽い「ライトウェイト鍵盤」があります。
- 重めのタッチ:指の筋力トレーニングにもなり、強弱の表現がつけやすく、ピアノ本来の演奏感を味わえます。本格的に習いたい方におすすめです。
- 軽めのタッチ:指の力が弱くなってきたり、腱鞘炎や関節痛が心配な方にとっては、長時間弾いても疲れにくいという大きなメリットがあります。「まずは気軽に楽しみたい」という方には、あえて軽いタッチを選ぶのも、シニアならではの賢い選択です。
練習をサポートする操作性やガイド機能の選び方
「機械の操作が苦手で…」という悩みは、私たち世代にはつきものです。最近の電子ピアノは非常に高機能化していますが、その反面、ボタンの数が多すぎたり、液晶画面の文字が小さすぎて読めなかったりすると、結局使い方が分からずに「ただ音を出すだけ」になってしまいがちです。
シニア向けの選び方として、「操作パネルのシンプルさ」と「視認性の良さ」は非常に重要です。日本語表記のパネルを採用しているモデルや、ボタンが大きく配置されているモデルだと、操作に迷うことなく練習に集中できますね。
また、楽譜を読むのに自信がない、あるいは目が疲れて楽譜を追うのが辛いという方には、「光ナビゲーション機能」や「内蔵レッスン機能」がついているモデルが心強い味方になります。次に弾くべき鍵盤が赤く光って教えてくれたり、iPadなどのタブレットとBluetooth接続して、画面上で譜面を拡大表示したり、ゲーム感覚でレッスンを受けられたりする機能もあります。これらは独学で楽しみたい私たちにとって、まるで「優しい先生」が常に隣にいてくれるような安心感を与えてくれます。
豊かな音質と静音性も叶える電子ピアノの価格帯
電子ピアノの価格は本当にピンキリですが、その価格差は主に「鍵盤の構造(プラスチックか木製か)」「スピーカーの数と質」「音源データの豊かさ」に表れます。安すぎるとおもちゃのようで物足りず、高すぎると機能を持て余してしまいます。
| 価格帯 | 特徴とシニアへの推奨度 |
|---|---|
| ~5万円前後 |
軽量で持ち運びやすいモデルが中心です。鍵盤タッチはバネ式の軽いものが多く、音質もシンプル。「まずは続くか分からないから、手軽にキーボード感覚で始めたい」という方に最適です。 |
| 5万円~10万円 |
シニアの趣味として最もバランスが良いゾーンです。88鍵ですべて揃い、ピアノらしい重みのあるタッチや、美しい響きを楽しめるモデルが増えます。長く愛用したいなら、この価格帯以上を目安にすると後悔が少ないでしょう。 |
| 15万円以上 |
木製鍵盤を採用していたり、スピーカーが4つ以上ついていたりと、本格的な仕様になります。据え置き型のキャビネットタイプが中心です。経験者の方や、音の響きにこだわりたい方におすすめです。 |
また、集合住宅にお住まいの方や、夜間に気兼ねなく練習したい方にとって「ヘッドホン端子」と「静音性」は必須チェック項目です。最近のモデルは、ヘッドホンをしていてもまるでピアノ本体から音が鳴っているかのように聞こえる「立体音響技術」が搭載されているものが増えています。これなら、長時間ヘッドホンで練習していても耳が疲れにくく、自然な感覚で演奏に没頭できますよ。
安心感が違う人気メーカーのモデルと保証体制
長く使うパートナーとなる楽器ですから、やはり信頼できるメーカーのものを選びたいですね。特に電子機器は故障のリスクもゼロではありません。国内の主要メーカーであるYAMAHA(ヤマハ)、KAWAI(カワイ)、Roland(ローランド)、CASIO(カシオ)などは、全国にサポート網があり、故障時の修理対応や部品の保有期間もしっかり管理されています。
極端に安価なノーブランド品に注意
最近はネット通販などで、1万円台で買える「88鍵ロールピアノ」や、聞いたことのない海外ブランドの激安電子ピアノを見かけることがあります。一見お得に見えますが、鍵盤の反応が悪くて早い曲が弾けなかったり、音がすぐに途切れてしまったり、故障しても修理ができなかったりと、トラブルの元になることもあります。「安物買いの銭失い」にならないよう、やはり実績のある楽器メーカーの製品を選ぶことを、私の経験からも強くおすすめします。
シニア向け電子ピアノの選び方に基づいたおすすめモデル比較

ここからは、先ほどの選び方の基準を踏まえて、具体的にシニア世代におすすめできるモデルをいくつかピックアップしてご紹介します。「本格派」「手軽さ」「デザイン」など、ご自身の優先順位に合わせてイメージしてみてください。
長く使える本格派モデルと価格を抑えた入門モデル
「どうせやるなら、アコースティックピアノに近い良い音でしっかり練習したい」という方には、YAMAHAのPシリーズ(例:P-125やP-225など)や、RolandのFPシリーズ(FP-10, FP-30Xなど)が不動の人気を誇ります。これらは卓上型でありながら、本格的なハンマーアクション鍵盤を搭載しており、グランドピアノに近い弾き心地と、重厚な音の響きを楽しめます。指先のコントロールをしっかり練習したい方には最適です。
一方で、「続くか分からないし、最初は出費を抑えて気軽に始めたい」という場合には、CASIOのCT-Sシリーズ(Casiotone)や、RolandのGO:PIANOシリーズなどが有力な選択肢になります。これらは鍵盤のタッチは軽いですが、その分本体が非常に軽量で扱いやすく、音色も綺麗です。「ピアノ」というよりは「高機能キーボード」に近い感覚ですが、コード(和音)を押さえてメロディを楽しむといった、音楽を楽しむ入り口としては十分すぎる性能を持っています。
シニアにおすすめのモデル例(2025年時点の目安)
- 本格派&シンプル:Roland FP-10
88鍵を備えながら非常にコンパクト。鍵盤のタッチが良く、省スペースで本格的な演奏を楽しみたい方に。 - 持ち運び&気軽さ:Roland GO:PIANO88
88鍵ありながら約7kgと超軽量。タッチは軽めなので指への負担が少なく、どこでも弾けるのが魅力。 - 超入門&低価格:CASIO CT-S200
61鍵ですが、取っ手付きで持ち運びラクラク。まずは手軽に指を動かしてメロディを楽しみたいならアリです。
設置と移動のしやすさを重視したおすすめ電子ピアノ
私たち世代にとって、やはり「重さ」は切実な問題です。重いものを持ち上げて腰を痛めてしまっては元も子もありません。「掃除機をかける時にちょっと動かしたい」「普段は壁際に立てかけておきたい」といったニーズに応えてくれるモデルは本当に重宝します。
その点では、RolandのGO:PIANOシリーズや、CASIOのPrivia(プリヴィア)PX-Sシリーズは、デザインも非常にスタイリッシュで、奥行きが世界最小クラス(※モデルによる)の薄型設計になっています。リビングに置いても「黒い大きな箱」という威圧感がなく、インテリアの一部として馴染みます。「楽器があるおしゃれな生活」を演出したい方や、部屋を広く使いたい方にもぴったりです。
*ちなみに我が家の電子ピアノはこれです!
サイズが小さく、音色&鍵盤のタッチ 共に良い感じです♪
シニアの疑問を解消:ペダルや付属品に関するQ&A
電子ピアノ本体を買えばすぐに弾けると思いきや、意外と見落としがちなのが「付属品」です。これらがあるのとないのとでは、練習の快適さが段違いです。
Q. ペダルは必要ですか?最初から買ったほうがいいですか?
A. 結論から言うと、最初は無くても音は出ますが、すぐに欲しくなるはずです。特に音を響かせて余韻を残す「サステインペダル(ダンパーペダル)」は、曲を美しく、上手に聴かせるために必須のアイテムです。多くの電子ピアノには簡易的な四角いスイッチのようなペダルが付属していますが、踏み心地が軽く滑りやすいため、できればピアノらしい踏み心地のあるペダル(別売り)を購入すると、演奏がより楽しく、表現豊かになります。
Q. 椅子(ベンチ)は家にあるもので代用できますか?
A. ダイニングチェアでも代用は可能ですが、ピアノ演奏は「姿勢」がとても大切です。高さが合わない椅子で長時間練習すると、腰や肩への負担がかかり、身体を痛める原因にもなりかねません。高さ調整ができるピアノ専用の椅子やベンチを用意することで、足がしっかりと床につき、正しいフォームで楽に長時間練習できるようになります。健康のためにも、椅子選びは妥協しないことをおすすめします。
シニア世代が後悔しない電子ピアノの選び方とモデルまとめ
ここまで、シニアならではの視点で電子ピアノの選び方とモデルについて、詳しくお話ししてきました。大切なのは、カタログのスペック(性能)の高さではなく、「ご自身がどのように音楽を楽しみたいか」というライフスタイルに合っているかどうかです。
本格的にクラシックの名曲に挑戦したいなら、少し重くても88鍵のハンマーアクション搭載モデルを。気軽に好きな歌謡曲をメロディで奏でて口ずさみたいなら、軽量で伴奏機能がついたモデルを。それぞれの「楽しみ方」に正解があります。
記事のまとめ
- シニアには、体力的な負担が少なく、移動や片付けが楽な「軽量・卓上モデル」が特におすすめ。
- 長く楽しむ意欲があるなら、曲のレパートリーを制限しない「88鍵盤」を選んでおくと将来も安心。
- 操作パネルの文字が見やすく、練習ガイド機能があるものを選ぶと、機械操作のストレスなく練習に集中できる。
- 予算は「5万~10万円前後」が、品質(タッチ・音)と価格のバランスが最も良く、後悔が少ないゾーン。
- 最終的には、お近くの楽器店で実際に触れてみて、「この音、好きだな」「この鍵盤なら弾きやすそうだな」と感じた直感を大切にしてください。
新しい趣味としてピアノを始めるのに、遅すぎるということは決してありません。今日が、これからの人生で一番若い日です。お気に入りの一台を見つけて、心豊かな音楽ライフを一緒に楽しみましょう。もし購入に際して不安なことがあれば、遠慮なく楽器店のスタッフさんに「シニア初心者なんですが」と相談してみてくださいね。きっと親身になって相談に乗ってくれるはずです。



