ホルンの楽譜を見ていると、「ドレミは読めるけれど、ツェーやデーと言われると分からない」「ホルンのドはCなの?それともFなの?」と迷うことがありますよね。
吹奏楽やオーケストラでは、ドレミだけでなく、ドイツ音名を使って音を伝える場面があります。特にホルンは移調楽器なので、楽譜に書かれた音と実際に鳴る音の違いも理解しておきたいところです。
また、ドレミファソラシドを吹こうとして、「どの指を使えばいいの?」「F管とB♭管では同じなの?」と疑問に感じることもあるでしょう。
この記事では、ホルン初心者に向けて、ドレミファソラシドのドイツ音名、読み方、F管ホルンの基本運指を早見表で解説します。
シャープやフラットの読み方、F管とB♭管の違い、楽譜の読み方、覚え方のコツまでまとめました。練習中に分からない音が出てきたときにも活用してくださいね。
この記事でわかること
- ホルンのドレミファソラシドとドイツ音名の対応
- ツェー・デー・エーなどの読み方とH・Bの違い
- ホルンのドがCとFの両方で説明される理由
- F管ホルンの基本運指とダブルホルンの注意点
- ドイツ音名の♯・♭の読み方
- 音名の覚え方と運指表・教材の選び方
ホルンのドレミとドイツ音名の早見表
まずは、ホルンのドレミファソラシドをドイツ音名でどう読むのか確認しましょう。
ドイツ音名は、ドイツ語圏を中心に使われてきた音名の体系です。日本でも吹奏楽やオーケストラの練習で使われることがあります。
例えば、「ツェーから吹いて」「そこのフィスが低い」「ベーを確認して」と言われることがあります。基本の音名を覚えておけば、こうした指示を理解しやすくなります。
ドレミファソラシドの読み方一覧
ハ長調を基準に、固定ドのドレミとドイツ音名を対応させると、次のようになります。
| ドレミ | ドイツ音名 | 読み方 | 英米式 | 日本音名 |
|---|---|---|---|---|
| ド | C | ツェー | C | ハ |
| レ | D | デー | D | ニ |
| ミ | E | エー | E | ホ |
| ファ | F | エフ | F | ヘ |
| ソ | G | ゲー | G | ト |
| ラ | A | アー | A | イ |
| シ | H | ハー | B | ロ |
| ド | C | ツェー | C | ハ |
ドレミファソラシドを順番にドイツ音名で読むと、「ツェー、デー、エー、エフ、ゲー、アー、ハー、ツェー」です。
まず覚えてほしいのは、ドイツ音名の基本7音はC・D・E・F・G・A・Hということです。
英米式では最後の音がBになりますが、ドイツ式ではHになります。
読み方にも注意しましょう。Cは「シー」ではなく「ツェー」、Dは「ディー」ではなく「デー」、Eは「イー」ではなく「エー」です。Gは「ゲー」、Aは「アー」、Hは「ハー」と読みます。
特にC・E・A・Hは英語読みと混ざりやすい部分です。最初はド・レ・ミを「ツェー・デー・エー」と読めるようにし、残りの音へ広げていくとよいでしょう。
音名と階名は厳密には違う
音名は音の高さを区別するための名称で、CやDなどが該当します。一方、階名は音階の中での役割を表します。
ハ長調ではCが主音なので「ド」に対応します。しかし、移動ドでは別の調の主音を「ド」と呼ぶこともあります。
この記事では、初心者が理解しやすいように、ハ長調を基準とした固定ドで説明しています。まずは「ド=C、レ=D、ミ=E」という対応を覚えましょう。
ツェー・デー・エーはどの音?
ドイツ音名に慣れていないうちは、アルファベットを見れば分かっても、カタカナで言われると戸惑うことがあるかもしれません。
C(ツェー)はド
C(ツェー)は固定ドの「ド」で、日本音名では「ハ」です。
ト音記号では、中央のドであるC4は五線の下にある1本目の加線上、1オクターブ上のC5は第3間にあります。
どちらも基本の音名はCですが、高さは異なります。つまり「ツェー」という言葉だけでは、どのオクターブなのかまでは決まりません。
D(デー)とE(エー)はレとミ
D(デー)は「レ」、E(エー)は「ミ」に対応します。ト音記号ではD4が五線のすぐ下の間、E4が第1線です。
「ツェー・デー・エー」と読んだあとに「ド・レ・ミ」と言い換える練習をすると、対応関係を覚えやすくなります。
F・G・A・Hはファ・ソ・ラ・シ
F(エフ)は「ファ」、G(ゲー)は「ソ」、A(アー)は「ラ」、H(ハー)は「シ」です。
Hは英米式の基本音名には登場しませんが、ドイツ式では普通に使われます。CからHまでを順番に覚えておけば、音符を読むときにも役立ちます。
ツェーはホルン専用の言葉ではありません
ツェーはドイツ音名Cの読み方です。ほかの楽器でも同じ名称が使われます。何オクターブのCなのかは、楽譜や演奏している音域から判断しましょう。
合奏中に「ツェー」と言われたら?
「ツェーから吹いて」と言われたら、一般にはCから演奏する指示です。「そこのツェーが低い」なら、該当するCの音程が低いという指摘だと考えられます。
ただし「実音のツェーを出して」と言われた場合は、実際に鳴るCを求められています。
標準的なin F記譜のホルンでは、記譜音Gが実音Cに対応します。指示が分からないときは「記譜音ですか?実音ですか?」と確認すると安心です。
H(ハー)とB(ベー)の違い
ドイツ音名で特に間違えやすいのがHとBです。
英米式ではBが「シ」ですが、ドイツ式ではHを使います。そしてドイツ式のBは「シ♭」を表します。
| ドレミ | 英米式 | ドイツ式 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| シ | B | H | ハー |
| シ♭ | B♭ | B | ベー |
つまり、H(ハー)はシ、B(ベー)はシ♭です。
「ベーを確認して」と言われたらドイツ式ではB♭、「ハーを伸ばして」ならBナチュラルです。
英米式の音名が書かれたチューナーとドイツ音名の指示を照らし合わせるときには、特に注意しましょう。
B管という言葉にも注意
日本の吹奏楽では、B♭管を「ベー管」と呼ぶことがあります。これはドイツ音名BがB♭に対応するためです。
ただし、楽器の管の種類を示す「B♭管」と、一つの音を示す「B」は別の概念です。
HとBでよくある間違い
- ドイツ音名のBを英語のBナチュラルと同じ音だと考える
- ドイツ音名の7音目をBと覚えてしまう
- Hという音名は存在しないと思い込む
「シ=H、シ♭=B」を基本として覚えておきましょう。
ホルンのドはC?F?移調の基本
「楽譜のドはCなのに、実際にはFが鳴る」という説明は、ホルン初心者がつまずきやすい部分です。
ピアノでは通常、楽譜のCを演奏すると実音Cが鳴ります。一方、標準的なin F記譜のホルンでは、楽譜のCを演奏すると実音Fが鳴ります。
これはホルンが移調楽器だからです。記譜音と実音を分けて考えれば理解しやすくなります。
F管ホルンの記譜音と実音
現代の一般的なホルンの楽譜は、通常「in F」で書かれています。
楽譜に書かれた音を記譜音、実際に響く音を実音と呼びます。
標準的なin F記譜では、記譜音より完全5度低い実音が鳴ります。
| 記譜音 | 読み方 | 実音 | 実音の読み方 |
|---|---|---|---|
| C | ツェー | F | エフ |
| D | デー | G | ゲー |
| E | エー | A | アー |
| F | エフ | B♭ | ベー |
| G | ゲー | C | ツェー |
| A | アー | D | デー |
| H | ハー | E | エー |
| C | ツェー | F | エフ |
この表は音名の対応なので、オクターブを区別していません。高さまで含めると、次のようになります。
| ホルンの記譜音 | 実際に鳴る音 |
|---|---|
| C4 | F3 |
| D4 | G3 |
| E4 | A3 |
| F4 | B♭3 |
| G4 | C4 |
| A4 | D4 |
| B4(ドイツ音名H) | E4 |
| C5 | F4 |
ホルンのドはCなのかFなのか
答えは、何を基準にしているかによって変わります。
楽譜に書かれたドを固定ドで読むならCです。しかし、標準的なin F記譜のホルンでそのCを演奏すると、実際にはFが鳴ります。
ホルンのドを理解するポイント
記譜音Cを吹くと、実音Fが鳴る。これが標準的なin F記譜の基本です。
楽譜を読むときは記譜音、ほかの楽器と音の高さを合わせるときは実音も意識しましょう。
初心者のうちは、まず楽譜の記譜音を読めるようにすることを優先すると、混乱しにくくなります。
チューナーの表示が違うのはなぜ?
記譜音C4を吹いているのに、チューナーにはF3と表示されることがあります。
実音表示のチューナーなら、これは正常な対応です。
一方、チューナーによってはF管用の移調設定が用意されており、記譜音に合わせた音名を表示できる場合があります。
同じ音を吹いていても、設定によって表示が変わるわけです。
楽譜と表示が違うときは、運指を変える前に設定を確認してください。
また、音名が合っていることと、音程が正確であることは別の問題です。チューナーの表示や周囲の響きを参考にして音程を整えましょう。
合奏では記譜音と実音のどちらを使う?
ホルンだけのパート練習では記譜音を基準にすることがあります。一方、ほかの移調楽器やピアノと一緒に音を確認するときは、実音で指定される場合があります。
例えば「実音アー」と言われたら実際に鳴るAです。標準的なin F記譜では、ホルンの記譜音Eに対応します。
「実音ツェー」なら記譜音Gです。迷ったときは指示の基準を確認しましょう。
F管とB♭管・ダブルホルンの違い
ホルンにはFシングル、B♭シングル、F/B♭ダブルなどがあります。初心者にとって重要なのは、使用する管によって運指が異なる場合があるという点です。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| Fシングル | F管のみを備える |
| B♭シングル | B♭管のみを備える |
| F/B♭ダブル | F管とB♭管を切り替えられる |
| B♭/High Fデスカントダブル | B♭管と高音域用High F管を備える |
| トリプル | F管・B♭管・High F管を組み合わせるタイプがある |
F管とB♭管では何が違う?
大きな違いの一つは管の長さです。F管はB♭管より長く、低音域の演奏にも適しています。
一方、B♭管はF管より短く、中高音域での音の当てやすさを助けます。
ただしB♭管がすべての音で演奏しやすいわけではありません。音域や演奏条件に応じて使い分けます。
管の種類や仕組みは、ヤマハのホルン構造解説でも確認できます。
ダブルホルンの第4レバーの役割
一般的なF/B♭ダブルホルンには、第1~第3レバーのほかに、親指で操作する第4レバーがあります。
第1~第3レバーは管の長さを変えるために使用し、第4レバーはF管とB♭管を切り替えるために使います。
第4レバーを押すとB♭管になるのかF管になるのかは、機構や設定によって異なります。自分が使っている楽器の仕様を確認しましょう。
B♭管に切り替えたら楽譜も読み替える?
一般的なF/B♭ダブルホルンでは、B♭管側に切り替えても通常はin Fの楽譜を読みます。
例えば楽譜にCが書かれていれば、引き続き記譜音Cとして読みます。
変わるのは管の長さと運指の関係であり、毎回すべての音名を読み替えるわけではありません。
ただしB♭シングルホルンでin Fの楽譜を演奏する場合には、楽器に合わせた運指や読み替えが必要になることがあります。
使用楽器を確認してから運指表を使いましょう
Fシングル、B♭シングル、F/B♭ダブルでは、使用する運指表が異なります。ダブルホルンではF管側とB♭管側の区別も必要です。
ホルンのドレミファソラシドの運指
ドイツ音名の読み方が分かったら、次は指使いです。
ホルンは、レバーの組み合わせだけでなく、唇の振動や息によって音の高さを変える楽器です。
同じ指でも違う音が鳴ることがあるため、まずはF管側の基本運指と音の関係を理解しましょう。
初心者向けF管ホルン運指早見表
ホルンの第1~第3レバーの操作は、数字で表すことがあります。
| 表記 | 意味 |
|---|---|
| 0 | レバーを押さない |
| 1 | 第1レバー |
| 2 | 第2レバー |
| 3 | 第3レバー |
| 1+2 | 第1・第2レバー |
| 2+3 | 第2・第3レバー |
| 1+3 | 第1・第3レバー |
| 1+2+3 | 3本すべて |
ダブルホルンでは、これに第4レバーによる管の切り替えが加わります。
F管ホルンの基本運指一覧
次の表は、標準的なFシングルホルンの記譜音C4からC5までのハ長調について、代表的な運指を示しています。
| 記譜音 | ドレミ | ドイツ音名 | F管運指 |
|---|---|---|---|
| C4 | ド | C(ツェー) | 0 |
| D4 | レ | D(デー) | 1 |
| E4 | ミ | E(エー) | 0 |
| F4 | ファ | F(エフ) | 1 |
| G4 | ソ | G(ゲー) | 0 |
| A4 | ラ | A(アー) | 1+2 |
| B4 | シ | H(ハー) | 2 |
| C5 | ド | C(ツェー) | 0 |
C4は中央のド、C5はその1オクターブ上です。どちらもツェーですが高さが異なります。
F管側ではド・ミ・ソ・高いドを、レバーを押さない状態で演奏できます。ただし、同じ運指でも別の倍音を使って吹き分けます。
この表は代表例であり、全音域に共通する万能な運指表ではありません。B♭管側では運指が異なる場合もあります。
正確な指使いは、ヤマハ公式のホルン運指表でも確認できます。Fシングル、B♭シングル、F/B♭ダブルの違いや替え指も掲載されています。
ドレミと運指を一緒に覚える方法
最初からすべての音を続けて吹こうとする必要はありません。一音ずつ名前と運指を確認してみましょう。
- 楽譜のドを見て記譜音Cだと確認する
- ドイツ音名でツェーと読む
- F管側の代表的な運指0を確認する
- 狙う音の高さをイメージする
- 音を出して高さを確かめる
次にレ、ミ、ファへ進みます。運指を覚えただけでは別の倍音が鳴る場合もあるので、実際の音程も確認してください。
運指を覚えるときの基本
音名・運指・実際の音の高さをセットで覚えることが大切です。指番号だけでなく、音を聴きながら正しい高さと結び付けていきましょう。
運指表が違う場合はどうする?
同じ音なのに違う指番号が書かれている場合、必ずしもどちらかが間違っているとは限りません。
一つの音に複数の運指があり、F管とB♭管でも指使いが変わることがあります。
運指表を見るときは、楽器の種類、音域、使用する管、基本運指と替え指の区別を確認しましょう。
同じ指で違う音が出る理由
ホルンで同じ指から複数の音が出るのは、自然倍音列を利用しているためです。
例えばF管の開放状態では、C4、E4、G4、C5などの記譜音を出すことができます。
レバー操作は同じでも、唇の振動や息の使い方を変えることで別の倍音を鳴らします。
高音域では音を間違えやすい理由
高音域になるほど隣り合う自然倍音の間隔が狭くなるため、狙った音より高い音や低い音が鳴ることがあります。
これは必ずしも指番号の間違いではありません。正しい運指でも、息や唇の状態によって別の倍音が出る場合があります。
力任せに高い音を出そうとするのではなく、音をイメージしながら無理なく練習することが大切です。
右手の位置も音に影響する
ホルンでは右手をベルに入れる位置も音程や音色に影響します。
右手を大きく動かしたり、ベルを強くふさいだりすると音が変わることがあります。
ヤマハのベルの中の右手に関する解説でも、通常の手の位置と特殊奏法による違いが紹介されています。
通常の演奏では基本的な手の位置を安定させ、特殊な奏法と区別して考えましょう。
運指が正しくても音が合っているとは限りません
狙った音が出ないときは、指番号だけでなく、倍音、息、唇の状態、右手の位置も確認しましょう。音名を覚えることと安定して演奏できることは別の練習です。
運指どおりに吹いても違う音が出る状態が続く場合は、EYS音楽教室でホルンの受講可否を確認する方法もあります。
ドイツ音名の♯と♭の読み方
基本7音を覚えたら、シャープやフラット付きの音名も確認しましょう。
合奏で使われる「フィス」「エス」「ベー」などは変化音の名前です。
シャープが付いた音の読み方
シャープは音を半音高くする記号で、ドイツ音名では基本的に音名の後ろへ「is」を付けます。
| 音 | ドイツ音名 | 読み方 |
|---|---|---|
| C♯ | Cis | ツィス |
| D♯ | Dis | ディス |
| E♯ | Eis | エイス |
| F♯ | Fis | フィス |
| G♯ | Gis | ギス |
| A♯ | Ais | アイス |
| B♯ | His | ヒス |
例えばF♯はFis(フィス)、G♯はGis(ギス)です。
英米式B♯はドイツ音名Hisになります。元のBナチュラルをHと呼ぶためです。
なお、Cisを「チス」と表記するなど、カタカナの読み方には揺れがあります。綴りと音高を正しく対応させることを優先しましょう。
フラットが付いた音の読み方
フラットは音を半音低くする記号です。基本的に音名の後ろへ「es」を付けますが、例外があります。
| 音 | ドイツ音名 | 読み方 |
|---|---|---|
| C♭ | Ces | ツェス |
| D♭ | Des | デス |
| E♭ | Es | エス |
| F♭ | Fes | フェス |
| G♭ | Ges | ゲス |
| A♭ | As | アス |
| B♭ | B | ベー |
特にE♭はEs、A♭はAs、B♭はBです。Ees、Aes、Hesと考えないようにしましょう。
変化音で特に覚えたいポイント
F♯はFis、E♭はEs、A♭はAs、B♭はBです。基本7音と一緒に覚えておきましょう。
半音階をドイツ音名で読むと?
Cから上へ進む半音階をドイツ音名の一例で表すと、次のようになります。
C → Cis → D → Dis → E → F → Fis → G → Gis → A → B → H → C
読み方は「ツェー、ツィス、デー、ディス、エー、エフ、フィス、ゲー、ギス、アー、ベー、ハー、ツェー」です。
AとHの間にBがあることに注目しましょう。ドイツ式BはB♭なので、半音階ではこの位置に入ります。
これは半音階の表記例の一つで、実際の楽譜では調性や和声によって異なる綴りになる場合があります。
異名同音とは?
異名同音とは、名前が違っていても同じ音高に対応する音のことです。例えば12平均律ではC♯とD♭が同じ高さに対応します。
| 英米式の対応 | ドイツ音名 |
|---|---|
| C♯=D♭ | Cis=Des |
| D♯=E♭ | Dis=Es |
| F♯=G♭ | Fis=Ges |
| G♯=A♭ | Gis=As |
| A♯=B♭ | Ais=B |
| E♯=F | Eis=F |
| B♯=C | His=C |
| C♭=Bナチュラル | Ces=H |
| F♭=E | Fes=E |
ただし、同じ音高でも音楽理論上の役割は異なる場合があります。また純正律などでは音程の取り方が異なることもあります。
初心者は、まず楽譜に書かれている音名を正しく読むことから始めましょう。
楽譜と合奏でドイツ音名を使うコツ
ドイツ音名を覚える目的は、名前を暗記することだけではありません。
楽譜に書かれた音が分かり、合奏中の指示を理解し、必要な運指を判断できるようになることが大切です。
ト音記号の音符と音名の対応
ホルンの楽譜ではト音記号がよく使われます。
ト音記号では、下から2本目の線がG(ゲー)です。そこを基準に上下の音を数えると、ほかの音名も確認できます。
| 五線譜の位置 | 記譜音 | ドイツ音名 |
|---|---|---|
| 下の加線1本目 | C4 | ツェー |
| 五線のすぐ下の間 | D4 | デー |
| 第1線 | E4 | エー |
| 第1間 | F4 | エフ |
| 第2線 | G4 | ゲー |
| 第2間 | A4 | アー |
| 第3線 | B4 | ハー |
| 第3間 | C5 | ツェー |
| 第4線 | D5 | デー |
| 第4間 | E5 | エー |
| 第5線 | F5 | エフ |
中央のドであるC4は五線の下の加線1本目、1オクターブ高いC5は第3間です。
数字付きのC4やC5は高さを区別する表記です。ドイツ語圏ではc′やc″などの表記も使われます。
音符を読むときは調号と臨時記号も確認
音符の位置が分かっていても、調号や臨時記号を見落とすと違う音名で読んでしまいます。
例えばFの位置にある音符でも、調号によってF♯になれば、ドイツ音名はFisです。
- ト音記号かヘ音記号かを確認する
- 五線上の位置から基本音名を読む
- 調号を確認する
- 臨時記号を確認する
- 最終的な音をドイツ音名で読む
慣れるまでは順番に確認していきましょう。
ヘ音記号の楽譜ではどう読む?
ホルンでは低音域にヘ音記号が使われることもあります。現代の一般的なヘ音記号では第4線がFです。
| 位置 | 記譜音 | 読み方 |
|---|---|---|
| 第1線 | G2 | ゲー |
| 第2線 | B2(H) | ハー |
| 第3線 | D3 | デー |
| 第4線 | F3 | エフ |
| 第5線 | A3 | アー |
音名そのものは変わりませんが、五線上の位置と高さが変わります。第4線のFを基準に覚えるとよいでしょう。
古いホルンの楽譜には注意
古典派やロマン派の作品には、現代の標準的なヘ音記号の読み方とオクターブ関係が異なる記譜が使われた例があります。
古い作品では、使用する楽譜の版がどの記譜方針を採用しているか確認しましょう。現代の初心者向け教材では、まず標準的なin F記譜を理解することを優先してください。
合奏中のドイツ音名を聞き取るコツ
合奏ではチューニング、音程の確認、出だしの指定、和音の確認などでドイツ音名が使われることがあります。
| 指示の例 | 意味 |
|---|---|
| ツェーを吹いて | Cを演奏。記譜音か実音かは文脈による |
| フィスが低い | F♯の音程が低いという指摘 |
| ベーを確認して | B♭を確認する |
| ハーを伸ばして | Bナチュラルを伸ばす |
| 実音アー | 実際に鳴るAを指定する |
指示を聞いたら楽譜上の音へ結び付けましょう。ただし、ほかの移調楽器と一緒に練習するときには実音で指示される場合もあります。
記譜音と実音のどちらなのか分からない場合は、その場で確認することが大切です。
音名・運指の覚え方と教材の選び方
ドイツ音名は、音名だけを暗記するより、楽譜と運指を組み合わせて練習すると理解しやすくなります。
基本7音、HとBの違い、変化音、運指、記譜音と実音の順に整理して覚えていきましょう。
最初は基本7音を声に出して覚える
ド=C=ツェー、レ=D=デー、ミ=E=エーというように、一覧表を見ながら声に出してみましょう。
慣れてきたら、Cを見て「ド・ツェー」、Gを見て「ソ・ゲー」、ハーを聞いて「H・シ」と答える練習をします。
文字・読み方・ドレミを相互に結び付けることが重要です。
混同しやすい音だけを重点的に確認
Cのツェー、Eのエー、Aのアー、Hのハー、Bのベーは重点的に覚えましょう。
特にHとBは英米式と意味が異なります。基本7音を覚えたら、Fis、Es、Asなどの変化音へ進みます。
すべてを一度に暗記せず、実際の楽譜に出てきた音から覚えていく方法でも構いません。
実際の楽譜を使って練習する
ト音記号の第2線に音符があればG(ゲー)、第3間ならC(ツェー)、第3線ならH(ハー)です。
こうした音符を楽譜上で読み、次に運指へ結び付けます。
- 音符の位置を確認する
- 記譜音をドレミとドイツ音名で読む
- F管・B♭管の状態を確認する
- 運指を調べる
- 音を出して高さを確かめる
最初は時間がかかっても、正確に読むことを優先しましょう。
音名早見表とホルン運指表は役割が違う
音名早見表、ホルン運指表、初心者向け教本には、それぞれ異なる役割があります。
| 資料 | 主な用途 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 音名早見表 | ドレミと音名の対応 | H・B、♯・♭の掲載 |
| ホルン運指表 | 音域ごとの指使い | F管・B♭管への対応 |
| ホルン教本 | 音の出し方や基礎練習 | 対象レベルと掲載内容 |
音名だけを知りたいなら早見表、指使いを知りたいならホルン専用の運指表が適しています。
一般的な音名早見表にはホルンの運指が掲載されていない場合があります。調べたい内容に合わせて資料を選びましょう。
ホルン教本を選ぶときのチェックポイント
音名だけでなく、構え方、アンブシュア、呼吸法、ロングトーン、音階などを学びたい場合は初心者向け教本も選択肢になります。
ただし、すべての教本にドイツ音名の一覧表があるわけではありません。
- 初心者向けの内容か
- 使用するホルンに対応しているか
- 基本運指やF管・B♭管の違いが説明されているか
- 楽譜の読み方やドイツ音名が掲載されているか
- 基礎練習や音階練習が含まれるか
購入を検討するときは、目次や掲載内容を確認しましょう。商品名だけで必要な情報が載っていると判断しないことが大切です。
公式運指表も活用しよう
正確な運指を確認するときは、楽器メーカーの公式資料が参考になります。
ヤマハの運指表では、Fシングル、B♭シングル、F/B♭フルダブルなどの運指や替え指を確認できます。
同じ音に2種類の運指が掲載されている場合、一般的には左側が通常使用する運指、右側が替え指とされています。
ただし、実際に適した運指は楽器や音域、前後の音とのつながりなどによっても変わります。
運指表を確認するときのポイント
自分のホルンと同じ種類の運指表を使用しましょう。ダブルホルンではF管側・B♭管側の表示と第4レバーの扱いを確認してください。
独学で分からないことが出てきたら
ドイツ音名の読み方は、早見表を使って自分で学習することもできます。
ただし、運指どおりに押しても違う音が出る、狙った高さで安定しないといった問題は、文字だけでは判断しきれない場合があります。
そのようなときは、学校の指導者やホルンを専門とする講師などに確認する方法があります。教室で学びたい場合は、EYS音楽教室のホルン受講について確認してみるのも一つの方法です。
音名の暗記と実際の演奏を結び付けながら、無理のない範囲で学んでいきましょう。
ホルンのドレミとドイツ音名に関するよくある質問(FAQ)
ホルン初心者が迷いやすい音名や運指について、よくある質問をまとめました。
Q1. ホルンのドレミはピアノと同じですか?
A. 固定ドで楽譜を読む場合、Cをド、Dをレ、Eをミと呼ぶ基本対応は同じです。
ただし標準的なin F記譜のホルンでは、記譜音より完全5度低い実音が鳴ります。楽譜のCを吹くと実音Fです。
ピアノと同じ高さの実音Cを鳴らす場合、ホルンでは通常、記譜音Gを演奏します。
Q2. ホルンの「ツェー」は何の音ですか?
A. ツェーはドイツ音名Cの読み方で、ハ長調の固定ドでは「ド」です。
標準的なin F記譜で記譜音Cを吹くと実音Fが鳴ります。一方「実音のツェー」と指示された場合は、実際に鳴るCを指します。
オクターブや記譜音・実音の区別は楽譜や指示から確認しましょう。
Q3. ホルンのCはどの指で吹きますか?
A. 標準的なF管側では、記譜音C4やC5を開放運指0で演奏できます。
ただしC4とC5では使う倍音が異なります。またB♭管側では運指も変わるため、使用楽器に合った運指表で確認しましょう。
Q4. ドイツ音名のHとBはどう違いますか?
A. H(ハー)は英米式のBナチュラルで、固定ドでは「シ」です。
B(ベー)は英米式のB♭で「シ♭」を表します。英米式Bとドイツ式Bは同じ音ではありません。
Q5. ダブルホルンでB♭管に切り替えたら、ドレミの読み方も変わりますか?
A. 一般的なF/B♭ダブルホルンでは、B♭管側でも通常はin Fの楽譜を読みます。
楽譜の音名を毎回読み替える必要はありませんが、使用する管によって運指が変わります。楽器の仕様と運指表を確認しましょう。
まとめ
ホルンのドレミとドイツ音名は、基本の対応を覚えれば少しずつ理解できるようになります。
最初はアルファベット、カタカナの読み方、楽譜上の音符が別々の知識に感じられるかもしれません。でも、一つずつ対応させれば、同じ音を別の名前で表していることが分かってきます。
重要なポイントを整理しておきましょう。
- ドレミファソラシドはC・D・E・F・G・A・H・Cに対応する
- 読み方は「ツェー・デー・エー・エフ・ゲー・アー・ハー・ツェー」
- H(ハー)はシ、B(ベー)はシ♭を表す
- 標準的なin F記譜では、記譜音Cを吹くと実音Fが鳴る
- F管とB♭管では運指が異なるため、使用楽器に合った運指表を確認する
- 同じ運指でも複数の音を出せるため、指使いだけでなく息や唇の調整も大切
- ♯・♭付きの音名は基本7音を覚えたあとに確認すると理解しやすい
初心者は、まず楽譜の記譜音をドレミとドイツ音名の両方で読めるようになることを目指しましょう。
そこから運指、実音との関係、F管とB♭管の違いへと学習を広げれば、知識がつながっていきます。
最初はツェーやハーといった読み方に慣れなくても大丈夫です。楽譜を読むたびに音名を声に出し、早見表で確認する習慣を付けてみてください。
ドイツ音名が分かるようになると、合奏中の指示や運指表も理解しやすくなります。焦らず、一音ずつ確実に覚えていきましょう。

