ギターカポタストの代用方法|鉛筆で作る手順と注意点を詳しく解説

鉛筆と輪ゴムをギターのネックに固定し、カポタストの代用品として使う方法を示した画像 ギター
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「カポを使いたい曲なのに、手元にカポタストがない」「鉛筆と輪ゴムで代用できると聞いたけれど、本当に使えるの?」と困っている人もいるかなと思います。

結論から言うと、鉛筆と輪ゴムを使えば、一時的にカポタストに近い状態を作れる場合があります。ただし、これはあくまで応急処置です。専用カポのようにギターに合わせて設計された道具ではないため、音のビビリやチューニングの狂い、ネックや指板、塗装への負担には十分注意する必要があります。

鉛筆カポは「専用カポの代わりとして日常的に使う方法」ではなく、「今すぐ数分だけ音を確認したいときの一時的な方法」と考えてください。

特に、大切にしているギター、高価なギター、古いギター、塗装が繊細なギターでは、無理に代用品を取り付けないほうが安心です。カポがないなら、カポなしで弾ける曲を選んだり、コードを移調したりする方法もあります。

この記事では、鉛筆と輪ゴムでカポを代用する仕組みから、具体的な作り方、傷を防ぐための注意点、音がビビるときの対処、「0カポ」の意味、初心者がカポなし曲を選ぶポイントまで順番に整理します。

  • 鉛筆と輪ゴムでカポタストを代用する仕組み
  • 鉛筆カポを作る具体的な手順と正しい位置
  • ビビリやチューニングの狂いを減らす考え方
  • 避けたほうがよい代用品と固定方法
  • 専用カポと鉛筆カポの違い
  • 0カポの意味とカポなしで曲を選ぶ方法

ギターのカポタストは代用できる?

カポタストは、ギターの特定のフレット付近で複数の弦をまとめて押さえ、開放弦の基準となる位置を移動させる道具です。ギターでは一般に「カポ」と略して呼ばれます。

カポを1フレット上げるごとに、同じコードフォームで鳴る音は半音ずつ高くなります。たとえば同じコードの押さえ方をしていても、カポを付ける位置が変われば実際に鳴る高さも変わる、ということですね。

カポは、弦の振動する長さの基準を移動させる「動かせるナット」のような役割を持ちます。(出典:Fender「What Is a Capo?」)

この仕組みをかなり簡単に言えば、弦を特定のフレット位置でまとめて押さえられれば、カポに近い効果を作ること自体は可能です。そのため、鉛筆などの棒状の物を弦の上へ横向きに置き、輪ゴムで固定する応急方法が知られています。

ただし、ここで大事なのは「音が出ること」と「安全に使えること」は別だという点です。6本の弦がいちおう鳴ったとしても、押さえ圧が均一でなければチューニングが不安定になったり、特定の弦だけビビったりします。

鉛筆カポは、専用カポと同等の安定性や安全性を保証できる方法ではありません。とりあえず音を出せる可能性がある応急処置として考え、長時間の練習やライブ、録音などには使わないほうがよいでしょう。

また、アコースティックギター、エレキギター、クラシックギターではネック幅、指板のカーブ、弦高などが異なります。あるギターではそれなりに押さえられても、別のギターでは同じ鉛筆と輪ゴムでうまくいかないことがあります。

「鉛筆と輪ゴムさえあれば、どんなギターでも代用できる」と考えないことが重要です。

鉛筆と輪ゴムで代用できる仕組み

鉛筆カポでは、鉛筆を1弦から6弦まで横切るように置き、ネックの裏側から輪ゴムで引っ張って固定します。

輪ゴムによって鉛筆が弦を指板側へ押し下げ、弦がフレットへ触れることで、その場所を新しい開放弦の基準のように使います。

専用カポも、基本的には弦をフレット側へ押さえることで同じ役割を果たします。ただし、専用カポはギターに取り付ける前提で作られており、弦に触れる面やネックに触れる面、押さえ方などが考えられています。

一方で、鉛筆は筆記具です。ギターの指板の形に合わせて作られているわけではありません。そのため、6本の弦を均等な力で押さえることが難しくなります。

たとえば鉛筆が少し斜めになっただけでも、1弦側では十分な圧がかかっているのに、6弦側では不足することがあります。逆もあります。

また、指板にカーブがあるギターでは、まっすぐな鉛筆を押し当てても中央と両端で力のかかり方が違ってくることがあります。

圧が不足した弦は、フレットへ十分接触できず「ビーン」「ジジッ」としたビビリ音が出やすくなります。反対に、強く押さえすぎると弦が必要以上に押し込まれ、音程が高めにずれる原因になります。

鉛筆カポで重要なのは、力任せに締めることではなく、フレットのすぐ手前へ正しく置き、必要最小限の力で全弦を押さえることです。

ここは初心者ほど勘違いしやすいポイントです。音がビビると「もっと強く締めればいいのかな」と思うかもしれません。でも、位置が悪いまま圧だけ強くすると、ビビリとは別にチューニングの狂いやギターへの負担を増やす可能性があります。

まず位置、次に角度、そのあとに押さえ圧。順番に確認するのがおすすめです。

代用品は緊急時だけに限定する

鉛筆カポを使うなら、カポを忘れてしまったときや、すぐに数分だけコード進行を確認したいときなど、短時間の応急処置に限定するのが無難です。

日常練習で毎回使う方法には向きません。専用品ではないため、輪ゴムがずれたり、鉛筆の角度が変わったりするたびに音の状態が変わる可能性があります。

ライブや発表会など、人前で演奏するときにも向きません。演奏中に位置がずれれば、その場でチューニングや弦の鳴り方が変わることがあります。

録音でも同じです。きれいな音程や安定した響きを求めるなら、応急処置より専用カポを使うほうが適しています。

さらに注意したいのが、ネック裏への接触です。輪ゴムは柔らかそうに見えますが、引っ張られた状態で同じ場所へ強く当たり続ければ、表面へ跡が残る可能性があります。

柔らかい素材だから絶対に安全、とは言えないんですね。

特に、ラッカー塗装やニトロセルロース系の塗装が使われているギター、ヴィンテージギター、高価なギターでは慎重に考える必要があります。

「家にある物を使うだけだから大丈夫」と考えないでください。主要メーカーが鉛筆と輪ゴムによる方法を正式な使用方法として安全保証しているわけではありません。不安があるギターでは試さない判断が大切です。

また、使い終わったらすぐに外してください。代用品を付けたまま長時間放置したり、そのままケースへ収納したりしないようにしましょう。

鉛筆カポの作り方と安全な手順

どうしても今すぐカポの代用が必要な場合は、できるだけ余計な力をかけず、ギターの状態をこまめに確認しながら作業します。

重要なのは、最初から強く固定しないことです。必要なものを準備し、鉛筆の位置を決め、少しずつ押さえ圧を調整します。

途中で「これは無理そう」と感じたら、その時点でやめて問題ありません。鉛筆カポは、必ず成功させなければならない方法ではないからです。

鉛筆カポに必要なもの

鉛筆カポを試す場合に用意したいのは、次の4つです。

  • ネック幅より少し長い程度の鉛筆
  • 輪ゴム
  • 薄く柔らかい保護材
  • チューナー

鉛筆は、1弦から6弦まで確実に覆える長さが必要です。ただし長すぎると、演奏中に左手や体へ当たって邪魔になります。

短すぎる鉛筆では端の弦まで届かないため、カポの役割を果たせません。「6本全部をまたげるけれど、必要以上に長くない」という程度が扱いやすいでしょう。

輪ゴムについては、データベース上では2〜4本程度が目安として挙げられています。ただし、輪ゴムは製品によって太さ、幅、長さ、伸び方が違います。

そのため、単純に「3本なら安全」「4本なら十分」と判断することはできません。

輪ゴムの本数ではなく、各弦が鳴る範囲で必要最小限の圧になっているかを基準にしてください。

最初から何重にも強く巻き付けるのではなく、少ない力から確認していきます。

保護材は、ネック裏と輪ゴムの間へ入れます。薄い布、フェルト、柔らかいクロスなどが候補です。

厚すぎる素材では固定が安定しなくなる可能性がある一方、薄すぎて輪ゴムの圧がそのまま伝わるようでは保護の意味が弱くなります。ネック裏へ直接輪ゴムを強く当てないためのクッションと考えてください。

そして忘れたくないのがチューナーです。

鉛筆カポを取り付ける前に通常どおりチューニングし、取り付けたあとにも再確認します。カポの着脱では弦が動き、チューニングへ影響することがあります。Fenderも、カポを取り付ける前と装着後の双方でチューニングを確認する方法を案内しています。(出典:Fender「5 Times to Tune Your Guitar You Haven’t Considered」)

基本的な合わせ方に不安がある場合は、ギターチューニングのやり方も確認しておくと、装着前後の変化を判断しやすくなります。

反対に、使用を避けたい素材もあります。

  • 金属がむき出しになった道具
  • 硬いクリップ
  • 針金
  • 結束バンド
  • 粘着テープ
  • 表面がザラついた棒
  • 汚れや劣化のあるゴム
  • 表面がベタつくゴム
  • 色移りが心配な素材

固定できるかどうかだけで物を選ばず、ギターに触れたときに傷や跡の原因にならないかを優先しましょう。

鉛筆を置く位置と固定方法

鉛筆カポの成否を大きく左右するのが、鉛筆を置く位置です。

まず、カポを付けたいフレットを決めます。そして鉛筆を1弦から6弦まで横切るように置きます。

位置は、対象フレットの金属部分のすぐ手前です。たとえば2フレットへカポを付けたいなら、2フレットの金属部分よりヘッド側へ少し戻った場所へ置きます。

フレットの真上ではありません。また、フレット間の中央でもありません。

専用カポについても、フレットワイヤーのすぐ後ろへ真っすぐ取り付け、各弦の鳴りを確認する方法がメーカー公式で案内されています。(出典:Kyser Musical Products「Beginner’s Guide to Using Kyser Capos Effortlessly」)

フレットから遠い場所へ置くと、弦をフレットへ接触させるためにより大きな圧が必要になります。その結果、ビビリが出たり、強く締めすぎたりしやすくなります。

フレットのすぐ手前なら、比較的少ない力で弦をフレットへ触れさせやすくなります。

次に、鉛筆をフレットと平行になるよう整えます。

斜めになると、1弦側と6弦側でフレットとの距離や押さえ圧が変わりやすくなります。ほんの少しの傾きでも、特定の弦だけ鳴らない原因になることがあります。

鉛筆を置いたら、端から端まで見て、1弦と6弦の両方がしっかり鉛筆の下に入っているか確認してください。

そこから輪ゴムを固定します。

  1. 鉛筆の片側へ輪ゴムを掛ける
  2. 輪ゴムをネック裏へ回す
  3. ネック裏へ保護材を挟む
  4. 反対側から鉛筆へ輪ゴムを掛ける
  5. 鉛筆がずれていないか確認する
  6. 各弦を1本ずつ鳴らす
  7. 必要な場合だけ少し圧を増やす
  8. コードを鳴らして響きを確認する
  9. チューニングを確認する

ここでのポイントは、いきなりコードを鳴らして判断しないことです。

コードでは複数の音が同時に鳴るため、「どの弦が原因なのか」が分かりにくくなります。まず6弦から1弦まで、あるいは1弦から6弦まで、1本ずつ鳴らしてください。

特定の弦だけ音が詰まるなら、その弦だけ圧が不足している可能性があります。

逆に、全体は鳴っているけれどチューナーで見ると音程が高めに動いている場合は、押さえすぎの可能性があります。

鉛筆を固定したまま横へ滑らせて位置を調整するのは避けましょう。弦や指板をこすりやすいため、一度輪ゴムを緩めてから鉛筆を持ち上げ、置き直すほうが安全です。

演奏前にコードをいくつか鳴らし、音が濁っていないかも確認します。単音では鳴っていても、コードにすると違和感が分かりやすい場合があります。

さらに、装着後は必ずチューニングを確認します。カポを付ける前に合っていても、取り付け時の圧や弦の横ずれによって状態が変わることがあるためです。

ビビリや音程ズレの直し方

鉛筆カポを使ったときに起きやすいのが、音のビビリ、弦が鳴らない、音程が高くなる、チューニングが安定しない、といったトラブルです。

ただし、すべてを「圧が弱いから」と考えるのは危険です。

症状 考えられる主な原因 対処
音がビビる 圧が弱い、フレットから遠い、鉛筆が斜め フレット直前へ置き直し、角度を確認してから必要最小限だけ圧を増やす
一部の弦だけ鳴らない 鉛筆の角度や押さえ圧が不均一 鉛筆を平行にし、全弦を覆っているか確認する
音程が高くなる 締め付けすぎ、弦を横方向へ引いている 圧を弱め、弦が横へずれていないか確認する
チューニングがすぐ狂う 圧力が強すぎる、ゴムが滑る 固定方法を見直し、装着後に再チューニングする
ネック裏に跡が付きそう 輪ゴムが直接強く当たっている 保護材を挟み、使用を中止して外す
演奏中に邪魔になる 鉛筆が長すぎる 必要な長さを確保したうえで短い物を使う
コードが濁る 押さえ圧のムラ、代用品そのものの限界 位置を調整し、改善しなければ専用カポへ切り替える

音がビビった場合は、まず鉛筆がフレットから離れすぎていないかを確認します。

ここがずれていると、輪ゴムを増やしても効率よく弦を押さえられません。まず正しい場所へ置き直すことが優先です。

次に、鉛筆が斜めになっていないかを見ます。1弦側だけフレットから離れている、6弦側だけ離れている、といった状態になっていないか確認してください。

それでも圧が不足している場合にだけ、少しずつ固定力を調整します。

反対に、音程が必要以上に高くなっている場合は、締め付けすぎを疑います。弦を強く指板方向へ押し込みすぎると、音程がシャープしやすくなります。

また、輪ゴムを掛ける途中で鉛筆や弦を横へ引っ張ると、弦の位置がずれてチューニングへ影響する場合があります。

そのため、鉛筆はできるだけ真上から弦を押さえるような状態を作ります。

チューニングがすぐ狂う場合は、装着後に再チューニングするだけでなく、そもそもの固定状態を見直してください。

毎回大きくずれる、少し触っただけで動く、輪ゴムが滑る、といった状態なら、鉛筆カポで安定させること自体が難しい可能性があります。

位置と角度を直しても音が安定しないときは、さらに強く締めるのではなく、代用品の限界だと判断してください。無理に固定を続けるより、カポなしで弾くか専用カポを使うほうが安全です。

カポの位置や押さえ圧、チューニングを見直しても「この鳴り方で合っているのか」と判断しにくい場合は、ギターを実際に見てもらいながらレッスンを受ける方法もあります。自分だけでは分かりにくい音の状態を確認しながら練習できるのが利点です。

カポ代用で傷を防ぐ注意点

カポタストを代用するときは、「弾けるかどうか」より先に「ギターを傷つけないか」を考える必要があります。

鉛筆カポで数分弾けたとしても、ギターへ跡が残ってしまっては本末転倒ですよね。

特に気を付けたいのは、ネック裏、指板、弦、塗装です。

鉛筆や棒状の物が直接指板へ強く押し付けられたり、輪ゴムがネック裏へ食い込んだりしないようにしてください。

また、代用品を取り付けたあとに「ちょっと位置が違うな」と感じても、強く固定したまま滑らせてはいけません。

一度緩める。持ち上げる。置き直す。

この手順を守るほうが、こすり傷のリスクを減らしやすくなります。

演奏後も同じです。使い終わったら外してください。付けっぱなしで保管する必要はありません。

もし大切なギターで少しでも不安があるなら、代用品を使わないことが一番簡単な予防策です。

避けたい代用品と固定方法

カポは複数の弦を押さえる道具なので、「挟む力が強い物なら代用できるのでは」と考える人もいるかもしれません。

しかし、強く挟めることと、ギターへ安全に取り付けられることは別です。

特に、金属がむき出しになっている道具、硬く角ばった物、重い工具は避けるべきです。

洗濯ばさみも、形状によっては一部を挟めそうに見えます。ただ、幅や押さえ方がギター用に設計されているわけではなく、金属バネが当たる可能性もあります。

大型クリップも同様です。局所的に強い圧がかかる物は、6本の弦を均一に押さえる用途には向いていません。

ペンチのような工具は、金属部分、重量、落下時の傷などを考えるとカポ代わりに使うべきではありません。

結束バンドも避けたい方法です。締める方向には簡単に動いても、細かく圧を戻すことが難しく、締めすぎにつながりやすいからです。

取り外す際にも、刃物を近づける必要が生じる可能性があります。ギターの近くで無理な作業をする理由はありません。

針金も同様です。細い部分へ力が集中しやすく、ネックや塗装へ傷を付ける可能性があります。

粘着テープで鉛筆や棒を固定する方法もおすすめできません。

塗装面へ粘着剤が直接触れると、糊残り、表面への影響、変色などが心配になります。

代用品 使える可能性 注意点
鉛筆+輪ゴム 短時間の応急処置として比較的試しやすい 圧のムラ、ネック裏の保護、長時間使用を避ける
割り箸+輪ゴム 形状が合えば押さえられる場合がある 角やささくれが指板や弦へ当たらないか確認する
丸い木の棒+輪ゴム 表面が滑らかで長さが合えば候補になる 太さ、長さ、全弦へ均一に圧がかかるかを見る
ヘアゴム 素材によっては輪ゴムより柔らかい 固定力が不足する場合がある
布ゴム ネック裏への当たりが比較的柔らかい場合がある 必要な押さえ圧を作れない可能性がある
ペン 形状次第では棒として使える可能性がある 硬い部分、金属部分、インク移りに注意する
消しゴム 形状によっては弦へ触れられる 柔らかすぎて安定しにくい可能性がある
洗濯ばさみ 推奨しにくい 幅、圧、金属バネ、傷のリスクがある
ペンチ 使用しない 重い、硬い、金属、落下などのリスクがある
結束バンド 使用しない 締めすぎや傷、取り外し時の問題がある

割り箸を使う場合も、入手しやすいから安全とは限りません。角やささくれが残っていれば、その部分がギターへ当たる可能性があります。

丸い木の棒は表面が滑らかなら候補になりますが、長さや太さがギターへ合わなければうまく機能しません。

ヘアゴムや布ゴムは柔らかい物もありますが、今度は固定力が足りない場合があります。

つまり、代用品にはそれぞれ別の問題があるということです。

代用品選びでは、「強く固定できるか」より「必要最小限の圧で、硬い部分や鋭い部分をギターへ直接当てずに使えるか」を優先しましょう。

また、輪ゴムそのものの状態も確認してください。

古くなってひび割れている輪ゴム、表面がベタついている物、汚れている物、色移りが心配な物は避けます。

演奏中に輪ゴムが切れて鉛筆が飛ぶような固定方法も避けたいところです。

ギター種類別の注意点

鉛筆カポが使えるかどうかは、ギターの種類によっても変わります。

アコースティックギター、エレキギター、クラシックギターではネック幅、指板の形、弦高、弦の状態などが同じではありません。

そのため、同じ鉛筆、同じ輪ゴム、同じ巻き方で全種類へ対応できるとは考えないほうがよいでしょう。

アコースティックギターの場合

アコースティックギターでは、代用品の圧が不足すると弦がフレットへ十分に触れず、ビビリが出ることがあります。

だからといって、鳴るまで輪ゴムを増やして強く締めればよいわけではありません。

まずフレット直前に置けているか、鉛筆が斜めではないかを見てください。

位置を直しても全弦が安定しないなら、代用品との相性が悪い可能性があります。

エレキギターの場合

エレキギターでは、弦高が低かったり、細めの弦を使っていたりする場合があります。

その状態で必要以上に強く弦を押さえると、音程がシャープしやすくなる場合があります。

エレキギターだから弱く、アコースティックギターだから強く、と単純に決めるのではなく、そのギターで必要な最小限の圧を探る必要があります。

クラシックギターの場合

クラシックギターは、一般的に指板が広く平らな形状です。

ネック幅が広いため、手元の鉛筆ではそもそも1弦から6弦まで十分届かないこともあります。

また、一般的なアコースティックギター向けのカポと同じ形状が必ず適するわけでもありません。専用カポを選ぶ場合も、クラシックギターへ対応しているかを確認する必要があります。

12弦ギターや大切なギターの場合

12弦ギターは弦数が多く、全弦を均一に押さえる調整が難しくなります。代用品は特に不向きです。

また、高価なギター、ヴィンテージギター、塗装が繊細なギターでは、音が出せるかどうかより保護を優先してください。

少しでも傷や跡が心配なギターなら、鉛筆カポを試さないのが無難です。カポなしの曲を弾く、別のキーへ移調する、専用カポを用意する、といった方法を選べます。

専用カポを使うべき理由

鉛筆カポで一時的に音が出たとしても、これから継続してカポを使うなら専用カポへ切り替えるほうが現実的です。

理由は単純で、専用カポはギターの弦を押さえる目的で作られているからです。

多くの専用カポでは、弦へ触れる側とネックへ触れる側に保護用の素材が使われています。また、複数弦をできるだけ均一に押さえやすい形状になっています。

一方、鉛筆カポはその調整をすべて自分で行わなければなりません。

鉛筆の位置、輪ゴムの本数、圧、保護材、角度、装着後のチューニング。毎回これらを確認する必要があります。

数分だけならそれでもよいかもしれませんが、毎日使うとなるとかなり面倒です。

項目 専用カポ 鉛筆カポ
押さえ圧 比較的均一にしやすい ムラが出やすい
チューニング 適切に装着すれば比較的安定させやすい 圧や位置によって狂いやすい
着脱 簡単な製品が多い 輪ゴムの掛け直しが必要
ネック保護 保護材を備えた製品が多い 自分で保護材を用意する必要がある
ライブ 用途に適した製品なら使いやすい 向かない
長時間使用 製品の使用方法に従って使う 非推奨
演奏中の安定性 専用品として設計されている ずれや圧の変化が起きやすい

もちろん、専用カポなら何も考えずに取り付ければよいわけではありません。

専用カポでも、フレットから離れた位置へ付けたり、必要以上に強く押さえたりすれば、ビビリやチューニングの変化が起こることがあります。

基本の取り付け方は鉛筆カポと同じ考え方です。

  • フレットのすぐ手前へ付ける
  • フレットと平行に付ける
  • 1弦と6弦が押さえ部分から外れていないか見る
  • 必要最小限の圧で押さえる
  • 各弦を1本ずつ鳴らしてビビリを確認する
  • コードを鳴らして響きを確認する
  • 装着後にチューニングを確認する

「専用品だから強く締めればいい」という考え方も避けましょう。

カポは弦をフレットへ接触させるための道具であり、弦を必要以上に指板へ押し込む道具ではありません。

また、専用カポでも付けっぱなしで保管する必要はありません。演奏後は外しておくほうが扱いやすいでしょう。

初心者が選びやすいカポの種類

初心者が初めて専用カポを選ぶときは、「見た目が気に入った」「一番安かった」だけで決めるより、まず自分のギターへ対応しているか確認してください。

カポには複数の種類があります。

種類 特徴 メリット 注意点
バネ式・トリガー式 握ってネックを挟む 片手で着脱しやすい 製品によっては圧を細かく調整できない
ネジ式 ネジで押さえ圧を調整する 必要最小限の圧へ合わせやすい 着脱に少し手間がかかる
レバー式・カム式 圧を調整して固定する 安定性と着脱性のバランスを取りやすい 最初に調整が必要
ヨーク式・クレードル式 ネックを囲むような構造 均一な圧をかけやすい構造の製品がある 構造や使い方を確認する必要がある
パーシャルカポ 一部の弦だけを押さえる 特殊な響きを作れる 一般的なカポ代用目的には向かない
クラシックギター用 広く平らな指板へ対応する製品がある クラシックギターのネック形状へ合わせやすい 一般的なアコースティック用との違いを確認する

とにかく着脱を簡単にしたいなら、バネ式・トリガー式は分かりやすいタイプです。握って挟むだけなので、曲の途中や練習中に位置を変えたいときも扱いやすいでしょう。

一方で、押さえ圧を自分で調整したいならネジ式が候補になります。必要以上の力をかけないよう調整しやすいのが特徴です。

レバー式やカム式も、圧を調整したうえで固定できるタイプがあります。

大切なのは、種類の名前だけで優劣を決めないことです。

同じ「バネ式」でも製品ごとにサイズや形状、押さえ方は違います。自分のギターのネック幅や指板形状へ合っているかを確認する必要があります。

初心者が最初の1本を選ぶなら、使用しているギターに対応していること、指板のカーブやネック幅へ合うこと、全弦を無理なく押さえられることを優先すると選びやすいですよ。

アコースティックギター用、エレキギター用、クラシックギター用など、対応楽器が明記されている場合は必ず確認します。

高価なギターへ使うなら、ネックへ触れる部分の保護も確認したいところです。

迷う場合は、実際にギターへ適合するか確認できる環境で選ぶほうが安心です。購入候補を探す場合は、Amazonでギター用カポタストを確認し、対応するギターの種類や形状を比較してみてください。

ギターの0カポとは何か

コード譜やTAB譜を見ていると、「Capo:0」「0カポ」「カポ0」といった表記を見かけることがあります。

初めて見ると、「0フレットへ取り付ける専用カポがあるのかな?」と思うかもしれません。

しかし、0カポは基本的にカポを付けていない状態を意味します。

つまり、「Capo 0」「カポ0」「カポなし」は、コード譜ではほぼ同じ意味として使われます。

「Capo:0」と書かれているなら、通常はギターへカポを装着せず、そこに書かれているコードをそのまま押さえればよいということです。

0カポは、基本的に専用の道具名ではありません。「カポを付けていない状態」と理解すると分かりやすいですよ。

ただし、TAB譜では少し考え方が変わることがあります。

カポを付けた位置を新しい0フレットのように扱って表記する場合があるためです。

たとえば2フレットへカポを付けているTABで「0」と書かれている場合、実際にはギター本来の開放弦ではなく、カポが付いている位置を基準にした開放扱いになることがあります。

そのため、TAB譜を見るときは数字だけでなく、譜面上部などにカポ位置の指定がないか確認してください。数字や弦の位置そのものが分かりにくい場合は、ギターTAB譜の読み方で基本を先に整理しておくと迷いにくくなります。

カポなしで弾くときの考え方

カポは便利な道具ですが、すべての曲で必須ではありません。

最初からカポなしで弾ける曲もありますし、カポあり前提の譜面でも、コードを移調することでカポなしへ変更できる場合があります。

ここで知っておきたいのが、同じコードフォームを弾いても、カポの有無によって実際に鳴るキーが変わるということです。

たとえば2フレットへカポを付けて弾くコードフォームを、そのままカポなしで弾けば、実際に鳴る音は低くなります。

一人でコード練習をするだけなら、それでも楽しめるかもしれません。

ただし、原曲音源と一緒に弾きたい場合は注意が必要です。原曲と同じコードフォームを使っているつもりでも、カポを外せばキーがずれてしまいます。

ほかの楽器と合わせる場合も同じです。

「コードの形は合っているのに、なんだか音源と合わない」というときは、カポ位置やキーを確認してみてください。

カポなしで対応する方法としては、次のような選択肢があります。

  • カポなし用のコード譜を使う
  • コードを移調する
  • 原曲キーにこだわらず弾きやすいキーへ変更する
  • 一人で練習するなら弾きやすいコードフォームを優先する

特に弾き語りでは、原曲キーより自分が歌いやすいキーを優先する考え方もあります。

カポは歌いやすい高さへ調整するために便利ですが、カポがなくてもコードそのものを移調する方法があります。

「カポがない=その曲を練習できない」ではありません。原曲と同じキーで合わせたいのか、それともコード練習だけできればよいのかによって対処方法を変えると考えやすくなります。

今すぐ数分だけ曲のコード進行を確認したいなら鉛筆カポという選択肢もありますが、ギターへの影響が心配ならカポなしで練習できる形へ切り替えるほうが安心です。

初心者向けカポなし曲の選び方

カポが手元にないなら、無理に代用品を作らず、最初からカポなしで弾ける曲を探す方法もあります。

初心者の場合、曲名の知名度だけで選ぶより、コードの種類やコードチェンジの難しさを確認するほうが挫折しにくいかなと思います。曲選びの基準をもう少し詳しく知りたい場合は、ギター初心者向けの簡単な曲の選び方も参考にしてください。

まず確認したいのは、譜面に「カポなし」「Capo 0」と書かれているかです。

そのうえで、使用コード数やバレーコードの多さを見ます。

判断項目 初心者向けの目安
カポ指定 カポなし、Capo 0
コード数 まずは3〜5個程度を目安にする
バレーコード なし、または少ない
テンポ ゆっくり〜中速
リズム 複雑すぎないもの
コードチェンジ 短い間隔で何度も変わらない
原曲再現度 最初から完璧を求めない
弾き語り 自分が歌いやすいキーも優先する

コード数が少ない曲は、それだけ覚えるフォームが少なくなります。

3〜5個程度のコードで構成される曲なら、一つひとつのコードを確認しながら練習しやすいでしょう。基本コードそのものがまだ曖昧な場合は、ギター初心者が最初に覚えたい基本コードから確認すると、曲練習へつなげやすくなります。

ただし、コード数が少なくても難しいバレーコードばかり出てくる曲なら、初心者には大変かもしれません。

特にFやB♭など、複数の弦を1本の指で押さえるコードが頻繁に出てくると、コードチェンジ以前に左手が疲れやすくなります。

そこで、最初はバレーコードがない曲、または登場回数が少ない曲を選ぶ方法があります。Fコードで音が鳴らないこと自体に困っている場合は、ギターFコードの押さえ方と練習方法を別に練習してから曲へ戻る方法もあります。

コード数だけでなくテンポも確認する

初心者向けの曲を選ぶときは、コード数だけでなくテンポも重要です。

コードが3個しかなくても、非常に速いテンポで次々にコードチェンジする曲では難しく感じることがあります。

反対に、コード数が少し多くても、ゆっくりした曲で1小節ごとにコードが変わる程度なら取り組みやすい場合があります。

「コードはいくつか」「どのくらいの速さで変わるか」の両方を見るのがおすすめです。

最初から原曲どおりを目指さなくてもいい

初心者の練習では、いきなり原曲と完全に同じ演奏を目指さなくても大丈夫です。

まずはコードが押さえられること、コードチェンジが止まらずできること、一定のリズムで鳴らせることを優先してもよいでしょう。

原曲でカポが指定されている曲でも、練習だけならカポを外した状態で同じコードフォームを使い、キーが違う状態でコードチェンジを練習することはできます。

ただし、その状態で原曲音源と一緒に弾けば高さが合いません。

「今はフォーム練習」「あとで原曲と合わせる」と目的を分けると分かりやすくなります。

コードチェンジや一定のリズム、弾き語りまで一人で練習していて進め方が分かりにくくなったら、初心者からギターを習える音楽教室で、実際の演奏を確認してもらいながら練習する方法もあります。

カポがないときは目的別に対処を変える

カポがないときの対処方法は、あなたが今何をしたいかによって変わります。

状況 考えやすい対処
今すぐ数分だけコードを確認したい 鉛筆+輪ゴム+保護材で短時間のみ代用を検討する
大切なギターを傷つけたくない 代用せずカポなし曲を選ぶ
原曲音源と合わせたい 正しいカポ位置で専用カポを使う
ライブや発表会で使いたい 代用品ではなく専用カポを用意する
カポ指定曲をカポなしで弾きたい コードを移調するかカポなし用の譜面を使う
弾き語りで歌のキーを変えたい カポだけでなくコード移調も検討する

つまり、鉛筆カポだけが解決方法ではありません。

むしろ、ギターを傷つけたくない、これから長く練習したい、音源と合わせたい、といった場合は鉛筆カポ以外の方法のほうが適しています。

「カポがないから今日は何もできない」と考えず、目的に合わせて練習方法を変えてみてください。

カポなしでコードチェンジだけ練習する。簡単な曲を選ぶ。移調する。専用カポを用意する。

選択肢はいくつかあります。

カポはギターを弾くために絶対必要な道具ではありません。必要な曲では便利に使い、なくてもできる練習はそのまま進めるくらいに考えると付き合いやすいですよ。

まとめ

ギター用カポタストが手元にない場合、鉛筆を1弦から6弦まで横切るように置き、輪ゴムでネック裏から固定することで、一時的にカポに近い状態を作れる場合があります。

ただし、鉛筆カポはあくまで応急処置です。

専用カポのようにギターへ合わせて作られているわけではないため、押さえ圧にムラが出やすく、音のビビリ、ミュート、音程のズレ、チューニングの不安定さが起こる可能性があります。

試す場合は、鉛筆をフレット金属のすぐ手前へ平行に置き、1弦から6弦まで覆えているか確認します。

輪ゴムは最初から強く締めすぎず、全弦が鳴る必要最小限の圧へ調整してください。

ネック裏には柔らかい保護材を挟み、輪ゴムを直接強く当てないようにします。

装着したあとは、各弦を1本ずつ鳴らしてビビリやミュートを確認し、そのあとコードを鳴らします。最後にチューナーで音程も確認しましょう。

音が鳴らないときに、いきなり強く締めるのは避けてください。まず鉛筆の位置と角度を見直し、それでも安定しないなら代用品の限界と考えることが大切です。

また、金属工具、針金、結束バンド、粘着テープ、大型クリップなど、傷や強すぎる圧につながりやすい物をカポ代わりにするのは避けましょう。

高価なギター、ヴィンテージギター、塗装が繊細なギターでは、代用品そのものを使わないほうが無難です。

今後もカポ指定の曲を継続して弾くなら、使用しているギターの種類、ネック幅、指板形状などに合った専用カポを使うほうが安心です。

一方、「0カポ」は基本的にカポを付けない状態を意味します。Capo 0やカポなしと書かれた曲なら、そのまま演奏できます。

カポが手元にない日は、カポなし曲を選んだり、コードを移調したりする方法もあります。原曲と同じキーで合わせる必要がない練習なら、カポなしのままコードフォームを練習することもできます。

鉛筆カポは、どうしても今すぐ少しだけ確認したいときの選択肢です。長時間の練習、ライブ、録音、発表会などでは専用カポを使い、ギターへの負担と演奏の安定性を優先してください。