「有名なカホン奏者には誰がいるんだろう?」「プロのカホン演奏を動画で見てみたい」と思ったことはありませんか?
カホンは、箱のような形をした打楽器です。主に手で打面を叩き、低音や高音を組み合わせながらリズムを作ります。見た目はシンプルですが、プロの演奏を聴くと、たった一台の楽器から生まれる表現の豊かさに驚くかもしれません。
日本には、→Pia-no-jaC←のHIROや仙道さおり、村岡広司など、さまざまなスタイルで活動するカホン奏者がいます。海外にもフラメンコやジャズなどで活躍するプレイヤーがおり、同じカホンでも演奏の雰囲気は大きく異なります。
プロの演奏を楽しむときに注目したいのは、速い連打や大きな音だけではありません。弱い音の使い方、曲への入り方、ほかの楽器との音量バランスにも、カホン演奏の面白さが詰まっています。
この記事では、日本と海外の有名カホン奏者を紹介しながら、演奏動画の探し方、プロの演奏の聴きどころ、初心者にも取り入れやすい練習方法まで解説します。
- 日本と海外で活動する有名カホン奏者の特徴
- 仙道さおりやHIROなどの演奏動画と注目ポイント
- プロのカホン演奏で聴きたい音色やリズム表現
- 初心者がプロの演奏から学ぶ方法とライブの楽しみ方
この記事の結論
上手なカホン奏者の演奏を聴くときは、速さよりも弱音の使い方や曲への入り方に注目してみましょう。
気に入った演奏が見つかったら、短いフレーズだけでも耳で覚えて真似することが、カホンの楽しみ方を広げるきっかけになります。
カホンを始めたばかりの人は、プロの演奏を見て「自分には難しそう」と感じることもあるでしょう。しかし、すべての技術を再現する必要はありません。
リズムの取り方や音を入れるタイミングなど、初心者でも観察できる部分はたくさんあります。
演奏を楽しみたい人も、これから練習を始めたい人も、自分の興味に合う奏者を見つけるところから始めてみてください。
日本で知られる有名カホン奏者
日本には、カホンを中心に演奏活動を行う奏者だけでなく、ドラムや複数の打楽器を扱いながらカホンでも活躍するミュージシャンがいます。
まず知っておきたいのは、カホン専門の奏者と、カホンも演奏するパーカッショニストは必ずしも同じではないということです。
どちらが優れているという話ではありません。活動する音楽ジャンルや演奏編成が違えば、カホンに求められる役割も変わります。
例えば、ピアノとカホンだけのデュオでは、カホンがリズム全体を支える重要な役割を担当します。一方、歌や複数の楽器を含む編成では、カホンが控えめな音量で演奏を支える場面もあります。
ここでは、演奏活動や公式プロフィールなどでカホンとの関わりが確認できる日本のミュージシャンを紹介します。知名度や技術力を順位付けするランキングではありません。
男性のカホン奏者:HIRO・村岡広司ほか
HIRO(→Pia-no-jaC←)
日本の有名な男性カホン奏者として、まず紹介したいのが→Pia-no-jaC←(ピアノジャック)のHIROです。
→Pia-no-jaC←は、ピアノ担当のHAYATOとカホン担当のHIROによるインストゥルメンタルユニット。2005年に結成され、ピアノとカホンを中心とする独特の演奏スタイルで活動しています。
HIROは大阪府出身で、高校時代にドラムを始め、20歳頃からカホンを独学で学んだ経歴があります。
ドラムの経験を生かした力強いリズムや、カホンの低音と高音を組み合わせた演奏が特徴です。
→Pia-no-jaC←の演奏では、カホンが単にピアノを支えるだけでなく、ピアノと対等に掛け合う場面も見られます。
低音を強調して曲に勢いを与えたり、連打によって盛り上がりを作ったりと、一台のカホンが大きな存在感を発揮します。
特に注目したいのが、ピアノとのタイミングです。
ピアノのフレーズに合わせてカホンのアクセントが重なる瞬間や、曲の展開に応じて音数を変えるところを聴くと、二人だけで音楽を作る面白さが伝わってきます。
通常、ピアノはメロディーと伴奏の両方を担当できる楽器です。そこへカホンが加わることで、低音のリズムや鋭いアクセントが強調され、音楽全体の印象が変わります。
さらに、二人編成では一つひとつの音が目立ちやすいため、演奏者同士のタイミングも聴きどころです。
HIROの演奏を観察するときは、連打の速さだけを追うのではなく、ピアノが静かになる場面や、カホンの音数が減る場面にも注目してみましょう。
代表的な映像には「Jack 2011」や「組曲『 』」などがあります。
HIROの演奏で注目したいこと
- 低音と高音によるドラムのようなリズム表現
- 速い連打と強弱の切り替え
- ピアノとの掛け合い
- 曲の盛り上がりに合わせた音数の変化
力強いカホン演奏や、楽器同士が掛け合うインストゥルメンタル音楽に興味がある人は、HIROの演奏から見てみるとよいでしょう。
村岡広司(むらおか ひろし)
村岡広司は、カホン奏者としてライブやレコーディングに参加するほか、カホンを中心とした音楽イベントの主催でも知られるミュージシャンです。
2007年からカホン奏者としての活動を始め、全国各地で歌手やミュージシャンの演奏をサポートしてきました。
2011年にはフジロックフェスティバルにカホンサポートとして出演した経歴もあります。
村岡広司の活動を知るうえで欠かせないのが、カホンの祭典「HAKO FES(ハコフェス)」です。
HAKO FESは複数のカホン奏者やゲストミュージシャンが参加し、カホンを主役にした演奏を楽しめるイベントです。
通常のアコースティックライブでは、カホンが歌やギターを支えることが多いでしょう。一方、HAKO FESではカホンそのものに注目できる場面が多くあります。
村岡広司の演奏から学びたいのは、派手な演奏だけではないリズムの支え方です。
歌の伴奏では、常に大きな音を出せばよいわけではありません。歌の強弱や曲の雰囲気に合わせて、音量や音数を調整することが大切になります。
例えば、歌手が静かに歌う部分では細かな音を抑え、サビに向かって低音をはっきりさせるなど、曲の流れに応じた演奏方法が考えられます。
また、複数のカホン奏者が演奏する場面では、一人ひとりがどのリズムを担当しているかにも注目してみてください。
全員が同じパターンを叩く場合と、それぞれが異なるパターンを担当する場合では、音の重なり方が変わります。
演奏技術だけでなく、カホン奏者が集まる音楽文化や、ほかのミュージシャンとの交流に興味がある人にも、村岡広司の活動は参考になります。
河野俊二(かわの しゅんじ)
河野俊二は、「河野『菌ちゃん』俊二」の名前でも活動するドラマー・カホンプレイヤーです。
大分県出身で、大学時代にジャズ研究会に所属し、ライブ活動を始めました。
2005年には中川イサトwith武蔵野レビューへの参加をきっかけに、プロミュージシャンとしての活動を本格化させています。
フォーク、ジャズ、ポップス、歌謡曲、シャンソンなど、幅広いジャンルで演奏活動を行っているのが特徴です。
カホンというと、アコースティックギターと組み合わせるイメージを持つ人もいるでしょう。しかし、河野俊二の活動からは、ジャズのような音楽でもカホンが活用されていることが分かります。
2015年3月1日に武蔵野スイングホールで収録された、ピアノの小畑智史、サックスのフクムラサトシとのジャズコンサート映像も紹介されています。
ジャズ編成では、旋律を担当する楽器とのバランスが特に大切です。
カホンの音数を抑えた部分や、ピアノとサックスのフレーズに呼応する部分を聴いてみると、伴奏の奥深さが感じられます。
ポップスでは比較的一定したリズムパターンを繰り返す場面がありますが、ジャズでは演奏者同士のフレーズの受け渡しや、リズムの変化が重要になることもあります。
ジャズのカホン演奏を見るときは、カホン単体の音だけでなく、ピアノやサックスの音を一緒に聴いてみてください。
旋律楽器が長い音を伸ばす場面と、細かなフレーズを演奏する場面で、カホンがどのように関わっているかを比べると理解が深まります。
那有多(なゆた)
那有多は、ドラム、カホン、ジャンベなどを演奏するパーカッショニストです。
北海道出身で、高校時代からバンド活動を始め、その後カホンによるアーティストのサポートやソロ演奏などに取り組んできました。
2018年秋から大阪へ活動拠点を移し、関西を中心に演奏や指導を行っています。
本人のインタビューでは、ドラムからカホンへ活動を広げたことや、仙道さおりのカホンワークショップから影響を受けたことも語られています。
カホンはドラムセットより楽器の数が少ないため、リズムの作り方に工夫が必要です。
那有多のようにドラムからカホンへ表現を広げた奏者を知ると、共通する部分と異なる部分の両方に目を向けられます。
例えば、ドラムで使うバスドラムとスネアドラムの関係を、カホンの低音と高音へ置き換える考え方があります。
ただし、足でペダルを踏むドラムと、手で打面を叩く一般的なカホンでは身体の使い方が異なります。ドラムの技術がそのまますべて使えるわけではありません。
ソロ演奏を楽しみたい人や、将来的にドラムとカホンの両方を演奏したい人にとっても、参考になる活動を行っています。
| 男性奏者 | 主な活動 | 演奏で注目したい点 |
|---|---|---|
| HIRO | →Pia-no-jaC←での演奏 | 迫力あるリズムとピアノとの掛け合い |
| 村岡広司 | 伴奏・HAKO FESの主催 | 音量調整と複数奏者のアンサンブル |
| 河野俊二 | ジャズ・フォークなどの演奏 | 旋律楽器を支える伴奏 |
| 那有多 | ソロ・伴奏・打楽器演奏 | ドラムからカホンへの表現の広がり |
男性奏者だけでも、得意とする演奏編成や音楽的な役割には違いがあります。まずは、自分が興味を持った演奏スタイルから動画を探してみるとよいでしょう。
女性のカホン奏者:仙道さおり・あんり
仙道さおり(Saoli Sendo)
日本の女性カホン奏者について調べていると、よく名前が挙がるのが仙道さおりです。
仙道さおりは、カホンを含む幅広い打楽器を演奏するパーカッショニストです。
5歳からドラムを学び、東京音楽大学附属高等学校を卒業。その後ラテンパーカッションを学び、演奏活動の幅を広げています。
葉加瀬太郎、長谷川きよし、古澤巌、東儀秀樹、大野雄二など、さまざまなミュージシャンとの共演歴があります。
カホンだけの専門奏者というよりも、複数の打楽器を扱う総合的なパーカッショニストとして紹介するのが正確でしょう。
仙道さおりの魅力は、多彩なリズム表現です。
低音と高音の使い分けはもちろん、細かなアクセントや強弱の変化によって、リズムに表情を付けています。
大きな音を連続して鳴らす演奏だけでなく、小さな音を挟みながら流れを作るところにも注目したいですね。
ラテンパーカッションには、複数のリズムを組み合わせたり、音の強弱によって独特の流れを作ったりする演奏方法があります。
仙道さおりの活動を知ることで、カホンの演奏を単なるドラムの代用品としてではなく、一つの打楽器として考える視点も得られます。
また、教則本や教則DVDなど、学習に役立つ作品も発表しています。
関連作品には「Saoli’s Recipe」「仙道さおりのリズム図鑑」「仙道さおり 直伝 極楽パーカッション ~音あそびのススメ~」「大人の楽器生活 カホン、ジャンベの嗜み」などがあります。
演奏を聴いて楽しみたい人だけでなく、カホンのリズムを勉強したい人にとっても、参考になるミュージシャンです。
特に、基礎的なリズムを学びたい人は、ライブ映像だけでなく、リズム教材に関連した映像を確認するとよいでしょう。
演奏の速さや見た目の迫力を追いかけるだけでなく、どの拍にアクセントが置かれているか、弱い音がどのように入っているかに注目することが大切です。
仙道さおりの演奏で注目したいこと
手の使い方だけでなく、アクセントを置く場所、弱い音の入れ方、フレーズとフレーズの間にも注目してみてください。
特にアクセントと弱音の組み合わせを意識すると、カホンの音色やリズムを聴き分ける練習にもつながります。
あんり
あんりは、ドラムとカホンの両方を扱う女性ミュージシャンです。
音楽高校と音楽大学でドラムを学び、その知識や演奏技術を生かしてカホンを独学で習得しています。
音楽大学在学中からバックミュージシャンとして活動し、ライブやレコーディングなどに参加してきました。
ロック、ポップス、ジャズ、アコースティック、プログレッシブロック、メタルなど、幅広いジャンルに関わっています。
2021年にはソロプロジェクトのフルアルバム「GRATITUDE」をリリースしています。
あんりのようにドラムとカホンを演奏するミュージシャンを見ると、同じリズムでも楽器によって表現方法が変わることを理解しやすくなります。
ドラムセットでは複数の太鼓やシンバルを使用できますが、一般的な箱型カホンでは一つの打面を中心に音を作ります。
そのため、音域の使い分けやアクセントの配置が重要になります。
例えば、ドラムセットならハイハットで細かな拍を刻みながらバスドラムとスネアドラムを演奏できますが、カホンでは手の動かし方を工夫しながら、それらに近いリズム上の役割を表現します。
楽器の違いを理解したうえで聴き比べると、同じ曲調でも演奏方法が変わる理由が分かりやすくなるでしょう。
ドラム経験者がカホンを始める際にも、参考になる考え方ですね。
女性カホン奏者についての注意点
カホン奏者は専門奏者だけでなく、ドラマーやパーカッショニストとして活動する人も含まれます。
また、イベント出演者の活動名だけで性別や詳しい経歴を判断することはできません。人物を調べる際は、本人や所属グループのプロフィールも確認しましょう。
有名カホン奏者を探す際は、性別だけでなく、演奏ジャンルや活動形態にも注目すると、自分の好みに合う奏者を見つけやすくなります。
海外で活躍するプロのカホン奏者
カホンはペルーを起源とする打楽器で、アフロ・ペルー音楽と深い関わりがあります。
その後、スペインのフラメンコにも取り入れられ、現在ではさまざまな国や音楽ジャンルで演奏されています。
フラメンコギタリストのパコ・デ・ルシアは、カホンをフラメンコへ広めた重要人物として知られています。ただし、本人の主な専門楽器はギターであり、カホン専門奏者として分類するのは適切ではありません。
海外の奏者を知ると、日本のポップスやアコースティックライブとは異なるリズム表現に触れられます。
特にフラメンコでは、ギターや歌、手拍子との細かな掛け合いが重要です。
ここでは、海外で活動する奏者の中から、カホンとの関わりが確認できるミュージシャンを紹介します。
フラメンコで活躍する有名奏者
Paquito González(パキート・ゴンサレス)
Paquito Gonzálezは、フラメンコを中心に活動するパーカッショニストです。
カホンメーカーDE GREGORIOのアーティスト情報にも掲載されています。
パコ・デ・ルシア、マノロ・サンルーカル、トマティート、ビセンテ・アミーゴなど、著名なフラメンコミュージシャンとの共演歴が紹介されています。
関連する映像教材には「El Cajón Flamenco de Paquito González」があります。
フラメンコのカホンでは、一定のリズムを刻むだけでなく、ギターや歌の動きに合わせてアクセントを変化させることがあります。
Paquito Gonzálezの演奏を調べる際は、強い音と弱い音の組み合わせに注目するとよいでしょう。
フラメンコに慣れていない人にとっては、リズムが複雑に感じられるかもしれません。
フラメンコには、コンパスと呼ばれる独特のリズムの周期や拍のまとまりがあります。単純に拍数を数えるだけでは分かりにくい場合もありますが、ギターや手拍子とともに繰り返されるアクセントを聴くと、リズムの構造を感じ取りやすくなります。
最初からすべての音を理解しようとせず、手拍子やギターとカホンのアクセントが重なる瞬間を聴いてみるのがおすすめです。
また、強い音を出す直前にどのような弱音が入っているか、フレーズが終わるときにどのように音を収めているかにも注目するとよいでしょう。
Poti Trujillo(ポティ・トルヒーリョ)
Poti Trujilloも、フラメンコ系のパーカッショニストとして活動する人物です。
DE GREGORIOのアーティスト情報には、マノロ・サンルーカル、カルメン・リナレス、マリーナ・エレディア、パコ・デ・ルシアなどとの関わりが紹介されています。
フラメンコでは、歌やギター、手拍子が複雑に絡み合います。
カホン奏者には、周囲の演奏を聴きながら適切なタイミングで音を加える力が求められます。
例えば、歌が長く伸びる場面では、カホンがリズムを支えながらも歌の表情を妨げないように演奏することがあります。
反対に、ギターや手拍子のアクセントが強調される場面では、カホンもそれに呼応してリズムを際立たせることができます。
Poti Trujilloについて演奏映像を探す際は、映像内で実際にカホンを使用しているかも確認してください。
パーカッショニストはさまざまな打楽器を扱うため、出演したすべての公演でカホンを演奏しているとは限りません。
カホンを学ぶ目的なら、奏者の経歴だけでなく、動画に映っている楽器や演奏形態まで確かめることが大切です。
カホンも演奏する海外ミュージシャン
Naomi Diaz(ナオミ・ディアス)
Naomi Diazは、音楽ユニットIbeyi(イベイー)のメンバーとして活動するシンガー・パーカッショニストです。
カホンやバタドラムなどの打楽器を使い、歌とリズムを組み合わせた音楽表現を行っています。
DE GREGORIOのアーティスト一覧にも掲載されており、日本の輸入代理店によるインタビューも公開されています。
Naomi Diazの演奏で注目したいのは、歌と打楽器の関係です。
カホンを強く叩いて存在感を出す場面だけでなく、シンプルなリズムで歌を支える表現もあります。
特に、ボーカルのフレーズを邪魔せずにリズムを加える方法は、歌の伴奏を学びたい人にも参考になります。
歌と打楽器を組み合わせる場合、常に複雑なリズムを演奏する必要はありません。
むしろ、歌の言葉やメロディーが自然に伝わるよう、シンプルなパターンを選ぶことが効果的な場合もあります。
Naomi Diazの活動を知ると、カホンは伴奏専用の楽器ではなく、歌と一体になった表現にも使えることが分かります。
カホンを演奏しながら歌うスタイルに興味がある人も、ぜひ調べてみてください。
Marco Fadda(マルコ・ファッダ)
Marco Faddaは、ジャズやフュージョンなど、複数のジャンルに関わるパーカッショニストです。
DE GREGORIOのアーティスト情報には、ビリー・コブハム、スタンリー・ジョーダン、フランク・ギャンバレ、ステファノ・ボラーニなどとの関連が紹介されています。
フラメンコとは異なる音楽の中で、打楽器がどのような役割を果たすのかを知るうえで参考になる人物です。
ジャズやフュージョンでは、楽曲の構成によってリズムが変化したり、奏者同士が即興的にフレーズを受け渡したりする場合があります。
こうした編成では、打楽器奏者も周囲の音を聴きながら演奏内容を調整することが重要になります。
ただし、共演歴があることと、その演奏でカホンを使用したことは同じではありません。
演奏を視聴するときは、映像に映っている楽器や演奏内容を確認しましょう。
海外のカホン奏者を聴き比べるポイント
フラメンコではギターや手拍子との掛け合い、歌を中心とする演奏ではボーカルを支えるリズム、ジャズではほかの楽器との柔軟なやり取りに注目すると、それぞれの違いが分かりやすくなります。
海外のミュージシャンを調べる際は、英語表記や現地語表記の名前を使うと、演奏映像を探しやすい場合があります。
また、ライブ映像、教材映像、楽器紹介映像では確認できる内容が異なります。単に有名な奏者の名前を集めるのではなく、どんな演奏を知りたいかを明確にして探してみましょう。
有名カホン奏者の演奏動画
カホン奏者の名前を知ったら、実際の演奏を見てみたいですよね。
カホンは手の使い方や打面を叩く場所によって音色が変わるため、音だけでなく映像からも多くのことを学べます。
ただし、映像の音声は録音環境や編集によって変わる場合があります。動画で聴こえる音だけから、奏者の技術や楽器そのものの性能を断定することはできません。
ここでは、作品名や公開情報が確認できる演奏動画、教材関連映像を紹介します。
ライブ映像、楽器紹介動画、教則映像は目的が異なります。何を見たいかに合わせて選ぶとよいでしょう。
HIROと仙道さおりの注目動画
→Pia-no-jaC←「Jack 2011」
HIROのカホン演奏を知りたい人に紹介したいのが、→Pia-no-jaC←の「Jack 2011」です。
2011年8月17日に、pianojac2011チャンネルから公開されたミュージックビデオです。
ピアノのHAYATOとカホンのHIROによるインストゥルメンタル演奏を楽しめます。
この映像を見る際は、まずカホンの低音に注目してみましょう。
低音がリズムの土台となり、その上に高音のアクセントや細かなフレーズが加わっていきます。
次に、ピアノの音とカホンの音が重なる場所を聴いてください。
二人の演奏がそろう瞬間や、それぞれが異なるフレーズを担当する場面を意識すると、アンサンブルの楽しさが分かります。
特に、ピアノの音が細かく動く場面で、カホンがどのようなリズムを組み合わせているかに注目するとよいでしょう。
常に同じリズムを繰り返しているのか、それとも旋律の展開に合わせてアクセントが変わっているのかを聴き比べてみてください。
動画を探すときは「Pia-no-jaC Jack 2011」と検索すると、作品名を特定しやすくなります。
→Pia-no-jaC←「組曲『 』」
もう一つの映像が、→Pia-no-jaC←の「組曲『 』」です。
2008年12月18日にSPACE SHOWERのチャンネルで公開された映像で、アルバム「First Contact」に関連する楽曲です。
こちらもピアノとカホンという編成の特徴を知ることができます。
聴きどころは、曲の展開に合わせたリズムの変化です。
同じ強さで叩き続けるのではなく、旋律の流れに応じてアクセントや音数を変えるところに注目してみてください。
例えば、楽曲の静かな場面と盛り上がる場面では、カホンが担う役割も変化します。
強い低音が中心になるところ、細かな高音が加わるところ、あえて音を少なくするところを探すと、演奏構成への理解が深まります。
カホンが目立つ部分だけでなく、ピアノを引き立てるために控えめに演奏する部分も大切です。
「仙道さおりのリズム図鑑」デモ演奏
仙道さおりのリズム表現を学びたい人には、「仙道さおりのリズム図鑑」のデモ演奏があります。
2011年12月12日にatossinternationalチャンネルから公開された、教則本に関連する映像です。
ライブパフォーマンスというよりも、リズムを学ぶための資料として活用できます。
演奏を観察するときは、アクセントの位置や音の粒のそろえ方を意識してみてください。
音の粒がそろっているとは、同じ役割の音がばらばらにならず、安定して聴こえることです。
初心者は速いフレーズを追いかけるよりも、まず短いパターンを聴き取り、強い音がどこにあるか確認するとよいでしょう。
また、リズムの繰り返しに注目することも大切です。
同じパターンが続いているように聴こえても、アクセントや弱音に変化がある場合があります。
最初は全体を聴き、その後に低音、高音、アクセントという順番で確認すると、複雑なリズムも整理しやすくなります。
「仙道さおりモデルカホン 徹底解説!」
仙道さおり本人がカホンを紹介する映像として、「仙道さおりモデルカホン 徹底解説!」があります。
2018年6月18日にSaoli Sendo Officialチャンネルから公開された動画です。
Decora43製の本人モデルカホンについて解説しており、楽器の音色や特徴を知ることができます。
通常のライブ映像ではありませんが、打面のどこを叩いているか、どのように音を変えているかを見るには役立つ内容です。
同じカホンでも、叩く位置や手の当て方によって音の印象が変わります。
特に初心者は、手の動きと実際に出ている音を結び付けながら視聴すると理解しやすいでしょう。
例えば、低音と高音を出しているときに、手が打面のどのあたりに当たっているかを観察してみてください。
ただし、カホンは製品によって内部構造や音の出方が異なります。映像に登場する楽器と自分の楽器が違う場合、同じ位置を叩いても音色が一致するとは限りません。
動画や楽器情報について
動画は公開範囲の変更や削除によって視聴できなくなる場合があります。また、映像で紹介されている楽器が現在も販売されているとは限りません。
動画の視聴可否や製品の販売状況など、正確な情報は公式サイトをご確認ください。
伴奏・ソロ・フラメンコの演奏動画
河野俊二のジャズコンサート映像
ジャズの中でカホンがどのように使われるのか知りたい人には、河野俊二が出演したジャズコンサート映像があります。
2015年3月1日に武蔵野スイングホールで行われた公演で、ピアノの小畑智史、サックスのフクムラサトシ、カホンの河野俊二による演奏です。
この編成では、カホンはメロディーを演奏するピアノやサックスを支える役割を持ちます。
注目したいのは、音量のバランスです。
カホンの音が強すぎると、サックスやピアノの細かな表現が聴き取りにくくなる場合があります。
反対に、リズムが弱すぎると演奏全体の土台が感じにくくなることもあります。
また、ジャズでは演奏者同士の音の受け渡しも聴きどころです。
ピアノが細かなフレーズを演奏する場面と、サックスが旋律を伸ばす場面で、カホンのリズムがどのように変わるかを意識するとよいでしょう。
伴奏のカホンを聴くときは、目立つ音よりも、演奏全体が自然に流れているかを意識してみましょう。
Paquito Gonzálezのフラメンコ教材映像
本格的なフラメンコのカホンに興味があるなら、「El Cajón Flamenco de Paquito González」という映像教材もあります。
フラメンコのリズムやカホン演奏を学ぶための作品です。
ただし、無料で全編視聴できる動画とは限りません。Vimeo On Demandでの配信情報が確認されている作品であり、視聴条件には注意が必要です。
フラメンコでは、一定の拍を刻むだけでなく、独特のアクセントの配置が演奏の表情を作ります。
映像を見る機会があれば、ギターや手拍子との関係を意識してみてください。
特に、同じリズムが繰り返される中で、どこに強いアクセントが置かれるかに注目すると、フラメンコ特有のリズムを理解する手掛かりになります。
初心者はすべてのフレーズを覚える必要はありません。特徴的なアクセントを一つ聴き取るだけでも、普段のポップスとは違ったリズムの面白さを感じられるでしょう。
ソロ演奏と伴奏演奏の違い
カホンの演奏動画は、ソロと伴奏に分けて見ると理解しやすくなります。
ソロ演奏では、カホン一台でリズムを展開するため、低音や高音、スラップ、細かな装飾音を組み合わせることが重要です。
リズムの変化や音色の違いによって、演奏そのものに展開を作る必要があります。
一方、伴奏では歌やメロディーを引き立てる役割が中心になります。
歌の途中で細かなフレーズを入れすぎると、ボーカルを聴き取りにくくする場合があります。そのため、音数を抑える判断も重要です。
同じように高度な技術を使っていても、音楽の中で求められる表現は違います。
| 演奏スタイル | 主な役割 | 注目したいポイント |
|---|---|---|
| ソロ演奏 | カホンだけで音楽を展開する | 音色、フレーズ、即興性 |
| 歌の伴奏 | ボーカルを支える | 音量、休符、曲への入り方 |
| ピアノとのデュオ | 少人数でリズムと旋律を組み立てる | 掛け合い、アクセントの一致 |
| フラメンコ | ギターや歌、手拍子と関わる | リズム構造、アクセント |
| 複数カホンの演奏 | 奏者ごとに役割を分ける | 音の重なり、リズムの分担 |
初めてカホンのプロ演奏を見るなら、ピアノとのデュオや歌の伴奏など、楽器の役割が分かりやすい編成から聴く方法があります。
その後、カホンのソロ演奏やフラメンコを聴いてみると、リズム表現の違いを感じ取りやすくなるでしょう。
演奏動画の探し方と確認したいこと
演奏動画を探すときは「カホン ソロ演奏」「カホン ライブ」「cajon solo」「flamenco cajon」などの検索語も使えます。
特定の奏者を探すなら、名前と「カホン」「cajon」「live」「solo」などを組み合わせる方法が便利です。
- 仙道さおり カホン 演奏
- Saoli Sendo cajon
- Pia-no-jaC HIRO cajon
- 村岡広司 カホン
- Naomi Diaz cajon
- Paquito Gonzalez cajon
動画を見つけたら、公開しているチャンネルが本人や所属ユニットの公式チャンネルなのか、メーカーなのか、第三者なのかを確認してみましょう。
また、動画の公開日が演奏日と一致するとは限りません。古い公演映像が後年公開されることもあります。
再生回数や動画タイトルだけで奏者の実力を判断するのも避けたいところです。
自分が聴いて心地よいと感じる演奏や、学びたいと思える演奏を見つけることが大切です。
プロのカホン演奏の聴きどころ
プロのカホン奏者の演奏を見ると、どうしても速い連打や迫力のある音に目が向きがちです。
もちろん、それらもカホンの魅力の一つです。
しかし、演奏の聴きどころはそれだけではありません。
特に注目してほしいのが、低音と高音の使い分け、弱い音の扱い方、曲への入り方、ほかの楽器とのバランスです。
これらを意識すると、以前は何となく聴いていた演奏から、新しい発見が生まれるかもしれません。
最初は細かな技術の名前を覚える必要はありません。「どこで低音が鳴ったか」「どこで音が弱くなったか」といった簡単なことから聴き取ってみましょう。
低音・高音と弱音の使い分け
カホンの基本となる低音と高音
一般的な箱型カホンは、打面の中央付近を叩くと低音、上部や端を叩くと高音が出しやすい構造になっています。
低音は「ドン」という響きでリズムの土台を作り、高音は「タン」「パッ」といった響きでアクセントを加えます。
内部に弦やスナッピーを備えたカホンでは、スネアドラムに近い響きが加わるものもあります。
ドラムセットに置き換えると、低音がバスドラム、高音がスネアドラムに近い役割を果たすことがあります。
ただし、カホンはドラムセットを完全に再現する楽器ではありません。それぞれの楽器には異なる特徴があります。
ドラムセットの各楽器が担う役割については、ドラムの基本構成とバンドでの役割を解説した記事でも詳しく紹介しています。
プロの演奏を聴くときは、低音がどの拍で鳴っているか、高音がどの場所に入るかを意識してみてください。
例えば、低音が一定のリズムを支え、その間に高音のアクセントが入ると、単純なパターンでも音楽に動きが生まれます。
初心者は、低音を「ドン」、高音を「タン」といった言葉に置き換えて聴き取る方法もあります。
最初から正確な楽譜にする必要はありません。低音と高音の位置が分かるだけでも、リズムの仕組みが理解しやすくなります。
スラップ音とアクセント
カホンには、鋭い高音を出すスラップという奏法があります。
スラップは演奏にメリハリを付けるために使われることがありますが、強い音ばかりでは音楽の抑揚が単調になる場合があります。
大切なのは、どの音を強調するかです。
同じリズムでもアクセントの位置が変わると、聴こえ方は大きく変わります。
例えば、4拍のリズムの中で2拍目と4拍目を強調する場合と、別の位置に強い音を置く場合では、リズムの印象が変化します。
プロの奏者が強く叩く瞬間を探すだけでなく、その前後にどんな音を置いているかも聴いてみましょう。
なお、鋭い音を出すために必要以上の力で打面を叩く必要はありません。音色は打面に当てる位置や手の使い方にも左右されます。
弱い音がリズムを豊かにする
カホン演奏で見逃せないのが、弱い音の使い方です。
演奏では、目立つ低音や高音の間に、小さな音を加えることがあります。
こうした弱い音は、ゴーストノートと呼ばれることもあります。
ゴーストノートは、リズムの流れや細かな揺れを表現するために使われます。
強い音と弱い音が組み合わさることで、演奏に奥行きが生まれるのです。
例えば、低音と高音だけのリズムでも、その間に小さな音が入ると、全体の印象が変わります。
小さな音が入ることで、拍と拍の間にもリズムの流れを感じられる場合があります。
一方、弱音を増やしすぎると、楽曲によってはリズムが複雑に聴こえすぎることもあります。
つまり、弱い音は数が多ければよいわけではなく、音楽の流れに合うように配置することが大切です。
ゴーストノートの考え方をさらに知りたい場合は、ドラムのゴーストノートと弱音の基本練習も参考になります。スティックを使うドラムと手で叩くカホンでは奏法が異なりますが、強い音と弱い音の役割を考えるうえでは共通する部分があります。
仙道さおりのように細かなアクセントを使う奏者を聴く際は、こうした音量差に注目すると学びが深まります。
演奏を聴くときの大切な視点
速いフレーズを叩けるかだけでなく、小さな音にもリズムを支える役割があることを意識してみましょう。
リズムの心地よさは、強い音と弱い音の組み合わせによっても生まれます。
テンポの安定とリズムの流れ
カホンの演奏では、テンポを安定させることも重要です。
速いフレーズを叩けても、曲全体のテンポが不安定になると、ほかの楽器と合わせるのが難しくなります。
一方、音楽には意図的にリズムを前後させる表現もあります。
そのため、機械のように一定であることだけを目指すのではなく、曲全体がどのような流れを持っているかを聴くことが大切です。
まずは低音の間隔が安定しているか、アクセントがどのように配置されているかを確認してみてください。
例えば、歌の伴奏では、カホンがリズムの土台を維持することで、歌手が安心してメロディーを歌える場合があります。
また、ほかの演奏者とリズムを合わせる際には、自分の音だけでなく周囲の演奏を聴くことが欠かせません。
テンポが速いことと、安定したリズムを維持できることは別の技術です。プロの演奏を聴きながら、その違いを考えてみるとよいでしょう。
曲への入り方と伴奏の音量バランス
曲の始まりでカホンが何をしているか
プロの演奏を聴くときは、曲が始まる瞬間にも注目してみましょう。
イントロからカホンがリズムを刻む曲もあれば、歌やギターが始まってからカホンが入る曲もあります。
演奏開始のタイミングが違うだけで、曲の雰囲気は変わります。
静かなイントロではカホンを控えめに演奏し、サビに向かって徐々に音量を上げる方法もあります。
聴くときは「なぜこのタイミングでカホンが入ったのだろう」と考えてみてください。
例えば、ギターだけで始まった曲に途中から低音が加わると、リズムの輪郭がはっきりする場合があります。
また、サビの直前に短いフレーズを入れることで、次の展開を印象付けることもできます。
カホンが加わることで音楽がどのように変化するかを意識すると、伴奏の役割が見えてきます。
歌やギターを邪魔しない音量調整
アコースティック編成では、カホンが歌やギターを支える場面が多くあります。
このとき重要なのが音量のバランスです。
カホンの音が大きすぎると、歌詞やギターの細かな音が聴き取りにくくなることがあります。
反対に、カホンの音が小さすぎると、リズムの土台が弱く感じられる場合もあります。
プロの奏者は、曲の雰囲気や共演する楽器に合わせて音量や音数を調整します。
例えば、歌のAメロでは控えめな音量で演奏し、サビでは低音や高音をはっきりさせて盛り上がりを支える方法があります。
ただし、すべての曲でサビを強く演奏する必要はありません。静かなサビや落ち着いた楽曲では、音量を抑えたまま演奏することも考えられます。
村岡広司のように歌手の伴奏を行う奏者の活動を見ると、カホンが主役になる場面と、支える役割になる場面の違いを理解しやすいでしょう。
音を叩かない時間も大切
演奏では、たくさんの音を出すことが必ずしも正解ではありません。
あえて音を出さないことで、次のフレーズやアクセントを印象付けることがあります。
音楽で音を出さない部分は休符と呼ばれます。
休符は、単に何もしていない時間ではありません。
例えば、歌のフレーズが終わるまでカホンが控えめに演奏し、その直後にアクセントを加えると、曲の展開が際立つ場合があります。
また、フィルインと呼ばれる短い装飾的なリズムを入れる前に、あえて音を減らす方法もあります。
音数を減らすことで、次の音を印象付けやすくなるのです。
プロのカホン演奏を聴くときは、音が鳴っている瞬間だけでなく、音が止まる瞬間にも注意してみてください。
身体の動きと演奏姿勢
動画ならではの楽しみ方として、奏者の姿勢や手の動きを観察する方法もあります。
一般的な箱型カホンでは、楽器の上に座り、前面の打面を手で叩きます。
奏者によって身体の傾け方や手の動かし方には違いがあります。
ただし、映像で見た動きをそのまま真似すれば、同じ音が出せるとは限りません。
身体の大きさや楽器の高さ、打面の構造によって、適切な姿勢は異なります。
特に、カホンの低い位置を叩こうとして背中を大きく丸めたり、無理に腕を伸ばしたりすると、身体に負担を感じる場合があります。
自分の身体に合った姿勢で、無理なく演奏できることを優先しましょう。
速い連打や大きな音を出すために、手首や指へ無理な力をかける必要はありません。
動画だけではフォームや力加減を判断しにくいと感じる場合は、パーカッションの個人レッスンを扱うEYS音楽教室の特徴を確認する方法もあります。カホンを希望する場合は、対応する講師やスタジオがあるか事前に確認しましょう。
演奏フォームを真似するときの注意
動画だけでは、奏者がどの程度の力で打面を叩いているか正確に判断できません。
手首や指に痛みが出る場合は無理をせず、必要に応じて演奏フォームを見直してください。身体への負担が続く場合は、適切な専門家へ相談しましょう。
プロの演奏から学ぶ練習方法
有名カホン奏者の演奏を楽しんでいると、「自分でもこんなリズムを叩いてみたい」と感じることがあるかもしれません。
そんなとき、最初から一曲を完璧にコピーする必要はありません。
初心者におすすめしたいのは、気に入った演奏の短い部分を選び、耳で覚えて少しずつ再現する方法です。
カホンの演奏技術は、ただ動画を眺めるだけでは身に付きません。
実際に音を聴き分け、リズムを理解して、手を動かすことが大切です。
ここでは、プロの演奏を日々の練習に取り入れるための方法を紹介します。
長い期間音楽から離れていた人も、初めて打楽器に触れる人も、無理に難しいフレーズへ挑戦する必要はありません。自分が楽しめる範囲で、少しずつ取り組んでみましょう。
初心者は短いフレーズから真似する
最初は2拍や4拍のリズムを選ぶ
プロのカホン演奏をコピーするとき、最初から複雑なフレーズを選ぶ必要はありません。
まずは2拍や4拍程度の短いリズムを選んでみてください。
低音と高音が交互に出てくるような、聴き取りやすい部分から始めるとよいでしょう。
演奏動画を繰り返し聴き、どこで低音が鳴っているかを確認します。
次に、高音の位置を確かめます。
最初は細かな装飾音まで再現しなくても構いません。
リズムの骨組みを理解するだけでも、大切な練習になります。
例えば、「ドン・タン・ドン・タン」と聴こえる部分があれば、まずその順番だけを覚えてみます。
慣れてきたら、強く叩いている音や、間に入っている小さな音を加えていきましょう。
低音と高音を分けて覚える
一度にすべての音を覚えようとすると、初心者には難しく感じることがあります。
そんなときは、低音だけを先に覚えてみましょう。
低音のタイミングが分かったら、高音を加えます。
この方法なら、複雑に聴こえるリズムも少しずつ整理できます。
また、映像で奏者の手がどこを叩いているか確認することも参考になります。
ただし、映像の角度によって叩く場所が分かりにくい場合もあるため、耳で聴いた音と合わせて判断してください。
低音と高音を区別できるようになると、ほかの奏者の演奏を聴くときにも、リズムの構造が分かりやすくなります。
アクセントの位置を真似する
基本的なリズムを覚えたら、次は強弱を付けてみましょう。
同じ音の並びでも、どこを強く叩くかによって印象が変わります。
例えば、低音をしっかり鳴らし、高音を控えめにすると落ち着いたリズムに感じられることがあります。
反対に、高音を強くすると、リズムの輪郭がはっきりする場合があります。
プロの演奏と自分の演奏を聴き比べ、アクセントの位置が一致しているか確認してみてください。
最初は一つのアクセントだけを意識しても構いません。
慣れてきたら、強い音の前後にある弱い音にも注意を向けましょう。
テンポを落として練習する
プロの演奏が速い場合でも、最初から同じ速度で練習する必要はありません。
むしろ、無理に速く叩こうとすると、手順が乱れたり音色が不安定になったりすることがあります。
まずは自分が落ち着いて演奏できる速さまでテンポを落としましょう。
ゆっくりしたテンポで低音と高音を正確に出せるようになったら、少しずつ速さを上げていきます。
このとき、音色や強弱が崩れていないかも確認してください。
テンポを上げて演奏が不安定になった場合は、再び速度を落として練習するとよいでしょう。
速さだけを優先するのではなく、リズムの安定を大切にしたいですね。
休符まで含めて真似する
プロの演奏から学ぶうえで、ぜひ意識してほしいのが休符です。
初心者のうちは、音が鳴っている部分ばかり気になりやすいかもしれません。
しかし、プロの演奏では音を抜く場所にも意味があります。
休符を無視して音を加えてしまうと、元のフレーズとは違った雰囲気になることがあります。
リズムをコピーするときは、叩く場所だけでなく、叩かない場所も覚えることを意識しましょう。
短いフレーズでも、音と休符の両方を再現できるようになると、演奏への理解が深まります。
自分の演奏を録音して比較する
演奏を練習するときは、自分の音を録音して聴き返す方法も役立ちます。
演奏している最中には気付きにくいリズムの乱れや、音量のばらつきを確認できるからです。
プロの演奏と比較するときは、次の点を意識してみてください。
- 低音と高音のタイミングが合っているか
- 強い音と弱い音を区別できているか
- テンポが大きく乱れていないか
- 休符を正しく取れているか
録音を聴き返すときは、最初からすべての違いを探そうとしなくても構いません。
例えば、最初は低音のタイミングだけを確認し、次は高音のアクセントを聴くなど、課題を一つずつ分けると取り組みやすくなります。
音源からリズムを聴き取る手順については、ドラムの耳コピを段階的に進める練習方法も参考になります。カホンでも、まず拍と主なアクセントを把握し、細かな音を後から加える考え方を応用できます。
また、動画で見た演奏の音色が自分のカホンと違っていても、すぐに技術の問題だと決め付ける必要はありません。
楽器の構造や録音環境なども音の違いに関わります。まずはリズムのタイミングや強弱など、自分で調整できる部分を中心に確認するとよいでしょう。
すべてを一度に改善しようとせず、一つずつ確認していくと練習しやすくなります。
録音だけでは原因を判断しにくいフォームやリズムのずれが残る場合は、パーカッションを学べるEYS音楽教室のように講師から直接フィードバックを受ける方法もあります。カホンの受講可否は、希望する教室や講師へ事前に確認してください。
初心者におすすめの練習の流れ
- 好きな奏者の演奏動画を選ぶ
- 短いフレーズを繰り返し聴く
- 低音と高音の位置を確認する
- ゆっくりしたテンポで再現する
- アクセントと休符を加える
- 録音して元の演奏と比較する
最初は短いリズムだけでも十分です。楽しみながら続けることを大切にしましょう。
上達を急がず演奏を楽しむ
プロの演奏を参考にすると、自分の演奏との違いが気になることもあるでしょう。
しかし、プロと同じ速度で演奏することだけが練習の目的ではありません。
好きなリズムを一つ覚えることや、以前より低音と高音をはっきり区別できるようになることにも意味があります。
カホンは一人で楽しむことも、歌やギターに合わせて演奏することもできる楽器です。
日々の練習では、できなかったことばかりを数えるのではなく、少しずつできるようになったことにも目を向けてみてください。
自分のペースで続けながら、演奏する楽しさを感じられることが大切です。
カホン奏者のライブとよくある質問
カホンは、自宅で演奏動画を楽しむだけでなく、ライブで聴くことにも魅力があります。
映像では分かりにくい身体の動きや、ほかの楽器との掛け合いを間近で見られることがあるからです。
また、カホンを中心としたイベントでは、複数の奏者の演奏スタイルを比較する楽しみもあります。
プロの演奏を聴く目的は、必ずしも技術を学ぶことだけではありません。
好きな音楽を楽しんだり、今まで知らなかった演奏スタイルに触れたりすることも、ライブの大きな魅力です。
ここでは、カホンの祭典として知られるHAKO FESと、奏者についてよくある疑問を紹介します。
HAKO FESとライブの楽しみ方
カホンの祭典「HAKO FES」とは
HAKO FESは、村岡広司が主催するカホンを中心とした音楽イベントです。
全国各地で開催実績があり、複数のカホン奏者やゲストミュージシャンが参加しています。
一般的なライブでは、カホンは歌手やギタリストを支える役割になることが多いでしょう。
しかし、HAKO FESではカホンが演奏の中心になる場面もあります。
複数の奏者が同時に演奏したり、即興でリズムを重ねたりすることで、一台だけでは生まれない音楽表現を楽しめます。
例えば、同じリズムを複数の奏者でそろえて演奏する場合と、それぞれ異なるパターンを担当する場合では、音の印象が変わります。
複数のカホンが重なったときに、低音がどのように響くか、高音のアクセントがどのように聴こえるかにも注目するとよいでしょう。
カホンをこれから始める人にとっても、さまざまな演奏方法を知るきっかけになるイベントです。
HAKO FES JAPAN 2025のライブ映像
カホンのライブ映像作品として、「HAKO FES JAPAN 2025 LIVE!」があります。
2025年11月24日に渋谷duo MUSIC EXCHANGEで開催されたイベントの演奏を収録した作品です。
公式の販売情報では、24人によるカホン全体パフォーマンス、ゲストミュージシャンとの共演、即興セッション、出演者全員によるセッションなどが紹介されています。
一人の奏者だけでなく、複数のカホン奏者による表現をまとめて知りたい人にとって、興味深い内容でしょう。
通常の伴奏演奏では分かりにくい、カホン同士の音の重なりや役割分担を知る機会にもなります。
ただし、無料で公開されるYouTube動画ではなく、販売される映像作品です。
購入や視聴を考える場合は、最新の販売条件や対応する視聴方法を確認してください。
2026年のHAKO FES埼玉
2026年10月12日には、西川口HeartsでHAKO FES埼玉が開催されました。
公式案内では、村岡広司、トミタコウスケ、岡部量平、キラキラみさこ、かんだま、戸澤晴子、渡部尚樹、由利裕行、やまとむ、みこ、マサキナマなどの出演が紹介されています。
また、岩船ひろき、河野圭佑、土佐拓也がゲストミュージシャンとして案内されました。
この公演自体は、2026年10月15日時点ですでに終了しています。
公式の配信案内には、ツイキャスでのアーカイブ視聴に関する情報も掲載されています。
アーカイブの視聴期間や販売期限は変更される可能性があるため、視聴を希望する場合は最新の表示を確認しましょう。
こうした専門イベントの出演者一覧を調べると、まだ知らなかったカホン奏者を見つけられることもあります。
気になる活動名があれば、本人のプロフィールや演奏映像を確認し、どのような音楽に取り組んでいるかを調べてみるとよいでしょう。
カホンのライブでは何を見るとよい?
ライブでは、演奏者の身体の動きや共演者とのやり取りにも注目してみてください。
例えば、歌手が静かに歌うときにカホンの音量を抑えたり、曲が盛り上がる場面で強いアクセントを加えたりする様子が見られることがあります。
また、複数の奏者が演奏するときは、一人が低音を担当し、別の奏者が高音や細かなリズムを担当する場合もあります。
奏者同士が目を合わせる瞬間や、音を合わせてフレーズを切り替える場面にも注目すると、ライブならではの楽しさが増します。
さらに、ライブでは曲と曲の間のやり取りや、演奏の流れに合わせた即興的な変化を楽しめる場合もあります。
録音された音楽とは違い、その場の演奏者同士の反応が音楽へ反映されることも、ライブの魅力の一つです。
カホン奏者のライブを探す際は、本人の公式情報やイベントの公式案内を確認することが大切です。
公演日時、出演者、チケット条件、配信の有無はイベントごとに異なります。
カホン奏者に関するよくある質問
ここまで紹介してきた内容を踏まえ、カホン奏者やプロの演奏について、初心者が疑問に感じやすいことを整理します。
Q1. 日本で有名なカホン奏者は誰ですか?
A. 代表的な人物として、→Pia-no-jaC←のHIRO、仙道さおり、村岡広司などが挙げられます。
HIROはピアノとカホンのユニットで活動し、仙道さおりは幅広い打楽器の演奏や教材制作、村岡広司はライブ活動やHAKO FESの主催で知られています。
ただし、カホン奏者の知名度を比較する統一された公的ランキングがあるわけではありません。自分の好きな音楽ジャンルに合わせて奏者を探すのがおすすめです。
Q2. 女性のプロカホン奏者には誰がいますか?
A. 日本では仙道さおりやあんりなどがカホンを演奏する女性ミュージシャンとして挙げられます。
仙道さおりはカホンを含む複数の打楽器を扱うパーカッショニストで、あんりはドラムとカホンの両方で活動しています。
海外ではIbeyiのNaomi Diazもカホンを演奏しています。
それぞれ専門分野や演奏スタイルが異なるため、動画を聴き比べると違いを楽しめます。
Q3. カホンだけでプロの演奏活動はできますか?
A. カホンを中心にライブやレコーディング、音楽指導などを行う奏者はいます。
また、カホンのソロ演奏や複数奏者によるアンサンブルも行われています。
ただし、「プロのカホン奏者」は国家資格などで定義される職業名ではありません。演奏や指導などを仕事として行っているかが判断材料になります。
カホンだけで活動する人もいれば、ドラムやほかの打楽器を組み合わせて活動する人もいます。
Q4. プロのカホン演奏は速く叩けることが重要ですか?
A. 速いフレーズを正確に演奏する技術も大切ですが、それだけが重要ではありません。
テンポの安定、低音と高音の使い分け、弱い音の表現、伴奏の音量調整なども欠かせない要素です。
特に歌やギターを支える演奏では、音数を抑えたり、あえて休符を取ったりすることが音楽的な表現につながります。
プロの演奏を見るときは、速い部分だけでなく、静かな部分にも注目してみてください。
Q5. 初心者はどのカホン奏者の動画から学ぶとよいですか?
A. 基礎的なリズムや手の動きを理解したい場合は、仙道さおりの教則関連映像が参考になります。
ピアノとのアンサンブルや迫力のあるライブ演奏を楽しみたいなら、→Pia-no-jaC←のHIROもよいでしょう。
歌の伴奏に興味がある人は、村岡広司の活動や、河野俊二のジャズコンサート映像なども参考になります。
最初から難しいフレーズを再現しようとせず、気に入った演奏の短い部分を耳で覚えるところから始めてみてください。
Q6. 仙道さおりはカホン専門の奏者ですか?
A. 仙道さおりは、カホンだけでなくラテンパーカッションなど幅広い打楽器を扱うパーカッショニストです。
カホンの演奏や教材制作にも取り組んでいますが、カホンだけを専門とする奏者として紹介するより、総合的な打楽器奏者として理解するのが適切です。
Q7. カホンはドラムより簡単ですか?
A. 単純にどちらが簡単とはいえません。
カホンは基本的な低音と高音の仕組みを理解しやすい一方、安定したリズムや細かな強弱、多彩な音色を表現するには練習が必要です。
ドラムとは構造や身体の使い方も異なるため、それぞれの楽器に合った方法で練習することが大切です。
Q8. カホン奏者のライブはどこで見られますか?
A. 奏者本人のライブのほか、歌手やギタリストのアコースティック公演、HAKO FESのようなカホンを中心としたイベントなどで見ることができます。
配信ライブやライブ映像作品も選択肢になります。
開催予定や視聴条件は変更される場合があるため、公式案内で確認してください。
まとめ
今回は、日本と海外で活動する有名カホン奏者と、プロの演奏の聴きどころを紹介しました。
日本では→Pia-no-jaC←のHIRO、仙道さおり、村岡広司、河野俊二、那有多、あんりなど、さまざまなミュージシャンがカホンを使って活動しています。
海外では、フラメンコ系のPaquito GonzálezやPoti Trujillo、歌と打楽器を組み合わせるNaomi Diazなど、それぞれ異なる音楽表現に触れられます。
この記事で押さえておきたいポイントは次のとおりです。
- カホン専門奏者と、カホンも演奏するパーカッショニストは区別して考える
- HIROはピアノとの掛け合い、仙道さおりは多彩なリズム表現など、奏者ごとに聴きどころが異なる
- プロの演奏では速い連打だけでなく、弱音、休符、曲への入り方、伴奏の音量バランスにも注目する
- ソロ、歌の伴奏、フラメンコ、複数カホンの演奏では求められる役割が異なる
- 初心者は好きな奏者の短いフレーズを選び、低音と高音、アクセントを少しずつ真似すると学びやすい
カホンは、シンプルな見た目の中に多彩な音色とリズム表現を持つ楽器です。
プロの演奏を聴くと、「こんな音も出せるんだ」「このタイミングで音を入れると気持ちいいんだ」といった発見があるかもしれません。
そして、誰かと演奏を競う必要も、最初から難しい技術を身に付ける必要もありません。
気に入ったカホン奏者を見つけ、心に残った短いフレーズを一つ真似してみる。それだけでも、音楽の楽しみ方は広がっていきます。
これからカホンを始める人も、久しぶりに音楽へ触れる人も、まずは好きな奏者の演奏をじっくり聴いてみてください。
最初は聴くだけでも構いません。興味が湧いたら、簡単なリズムを手で叩いてみるところから始められます。
音楽を始めるのに遅すぎることはありません。あなたのペースで、カホンの音とリズムを楽しんでいきましょう。

