ピアノ 簡単だけど かっこいい曲!初心者がすぐ弾ける名曲10選と独学上達のコツ

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【この記事の30秒まとめ】


  • 「かっこいい=難しい」は誤解。白鍵だけ(ハ長調)&ゆっくりテンポの曲を選べば初心者の即戦力に。

  • 大人の独学成功のカギはプライドを捨てた「ドレミ付き楽譜」と、脳科学に基づく「左手の自動化」

  • 魔法のスイッチ「ダンパーペダル」を使えば、たどたどしい単音メロディも一瞬でプロ級の響きに変わる。

  • 今すぐ弾くべきは『Lemon』『ジムノペディ』『Summer』など、知名度抜群で弾きやすい名曲たち。

「ピアノが弾けたら、どれだけ人生が豊かになるだろう」
そんな風に憧れを抱きつつも、「今から始めたところで、子供の頃からやっている人には勝てない」「楽譜も読めない自分が、かっこいい曲なんて弾けるわけがない」と、心のどこかで諦めてしまってはいませんか?
あるいは、勇気を出してピアノ教室に通い始めたものの、渡された教則本に載っているのが「きらきら星」や「カエルの合唱」、あるいは知らない民謡ばかりで、「私が弾きたかったのはこれじゃない!」とモチベーションを失いかけている方も多いのではないでしょうか。

正直に申し上げますと、その悩みはピアノを始める大人の9割が直面する壁です。
しかし、私は音楽高校を卒業後、長年バンドでベースを弾きながら多くの鍵盤奏者と関わってきましたが、楽器の構造や理論を知れば知るほど、「ピアノこそが、音楽未経験の初心者が最も手っ取り早く『それっぽい音』を出せて、周囲にかっこいいと思わせやすい楽器である」と確信するに至りました。

なぜなら、ピアノはギターや管楽器と違い、「鍵盤を押せば誰でもプロと同じ正しい音程が出る」からです。
そして、プロが演奏するような難しそうに聞こえる曲でも、アレンジの工夫次第で、初心者の方が驚くほど簡単に弾けるようになる「魔法のような楽曲」や「奏法の抜け道」がたくさん存在するのです。
大人になってからの独学でも、脳の仕組みを理解した正しい練習法と、賢い選曲さえできれば、1ヶ月程度で憧れのあの曲をマスターして、家族や友人を驚かせることは十分に可能です。

この記事では、私自身の演奏経験や、バンド仲間であるプロのピアニストたちから盗んだ知見を基に、楽譜選びの失敗しないコツから、脳科学に基づいた効率的な練習法、そして具体的に「簡単だけどかっこいい曲」として自信を持っておすすめできる名曲を厳選してご紹介します。
あなたのピアノライフを、単なる「指の運動」から「心を震わせる演奏体験」へと変えるためのヒントを、これでもかというほど詰め込みました。

この記事で得られる知識

  • 初心者が挫折せずに弾ける「かっこいい曲」を見極めるための具体的な3つの基準
  • J-POP、クラシック、アニソンなどジャンル別のおすすめ曲と、それぞれの演奏ポイント
  • 大人からの独学でも効率よく上達するための「脳科学的」な練習ステップ
  • 発表会やストリートピアノで聴衆を惹きつける「映える演奏」の裏技テクニック

ピアノ 簡単だけど かっこいい曲の選び方

まず最初に、多くの初心者が陥りがちな「かっこいい曲=超絶技巧が必要な難しい曲」という誤解を解いておきましょう。
確かに、リストの『ラ・カンパネラ』のように指が高速で動き回る曲はかっこいいですが、初心者がいきなりそこに手を出すと、1ページも進まずに100%挫折します。
実は、「聴いている人にかっこいいと思わせる要素」と「実際の演奏の難易度」は必ずしも比例しません。
ここでは、「最小の労力と練習時間で、最大の効果(かっこよさ・感動)」を得るための、賢い曲選びの基準を論理的に解説します。

初心者が独学で挑戦できる曲の特徴

初心者が独学で曲を選ぶ際、絶対に外してはいけない最重要ポイントは「調号(キー)の少なさ」です。
具体的には、**「ハ長調(Cメジャー)」**や**「イ短調(Aマイナー)」**のように、楽譜の最初にシャープ(#)やフラット(♭)がついていない曲、つまり「白鍵(白い鍵盤)」だけで弾ける、あるいは黒鍵の使用頻度が極端に少ない曲を選ぶことが成功への第一歩です。

私が音楽高校に入学した当初、周りのレベルの高さに圧倒されましたが、先生が最初に徹底させたのは「基本的なスケール(音階)」の理解でした。
ピアノという楽器は視覚的に分かりやすい構造をしていますが、黒鍵が混ざると途端に指の位置関係が複雑になり、脳の処理負荷が跳ね上がります。
「ここはいちいち黒い鍵盤を押さなきゃいけない」と脳が判断するコンマ数秒の遅れが、スムーズな演奏を妨げるのです。
逆に言えば、白鍵だけで弾けるアレンジであれば、指を置く位置が直感的に分かりやすく、ミスタッチのリスクも激減します。
「原曲は黒鍵だらけの曲」でも、今の時代は楽譜サイト(ぷりんと楽譜など)を探せば「ハ長調アレンジ(#♭なし)」と書かれた初心者版が必ず見つかります。見栄を張らず、まずはこれを選びましょう。

次に注目すべきは「テンポとリズム」です。
初心者のうちは指の独立性が低いため、速い曲(アップテンポ)を選んでしまうと、指がもつれてリズムが崩れ、結果として「必死に弾いているけど何を弾いているか分からない」状態になりがちです。
そこでおすすめなのが、バラードのようなゆったりとしたテンポの曲(BPM 60〜80程度)です。
ゆっくりとした曲は、一音一音を確認しながら弾けるため、精神的な余裕が生まれます。
さらに、ピアノという楽器は、鍵盤を長く押して音を響かせることで、豊かな倍音成分が空間を満たし、それだけで「上手な演奏」に聞こえる特性があります。
速弾きでごまかすのではなく、一音の美しさや余韻で勝負できるバラードこそ、初心者が「かっこいい」を演出するための最短ルートなのです。

【簡単な曲を見極める裏ワザ】

楽譜をパッと見たときに、左手の音符(下段のヘ音記号の部分)に注目してください。
そこに「♪(8分音符)」や「16分音符」がびっしり詰まっていて黒く見える曲は避けましょう。
逆に、「全音符(白玉)」や「2分音符」ばかりで構成されていて、楽譜が白っぽく見える曲は、左手の動きが非常にシンプルである証拠です。
左手が簡単であればあるほど、脳のリソースを右手のメロディ表現に集中でき、結果として楽曲全体の完成度が高まります。

大人から始める両手演奏のコツ

「右手だけなら弾けるのに、左手が入った瞬間に頭が真っ白になる…」
これは、大人になってからピアノを始めたほぼ全員がぶつかる「左右分離」の壁です。
子供の頃からピアノをやっていると、脳梁(右脳と左脳をつなぐ神経束)が発達して自然にできるようになると言われていますが、既に脳が完成した大人の場合は、感覚ではなく「論理的なアプローチ」が必要です。
ここで私が強くおすすめしたいコツは、「左右を同時に合わせようとするな。まずは左手を完全自動化させろ」というアプローチです。

具体的には、いきなり両手で弾き始めるのを絶対にやめてください。それは挫折への直行便です。
まずは左手の伴奏パートだけを、テレビを見ながらでも、家族と会話をしながらでも弾けるくらいになるまで、徹底的に反復練習します。
私は普段ベースを弾いていますが、バンドにおけるベースの役割はピアノの左手と同じ「リズムと和音の土台」です。
伴奏というのは楽曲の基礎であり、多くの場合、一定のパターン(コード進行)の繰り返しになっています。
難しく動かそうとせず、「ド・ソ・ミ・ソ」のようなアルペジオや、「ジャーン」と和音を押さえるだけの動きを、指が勝手に動く状態(無意識化・マッスルメモリー)まで落とし込みます。

左手が「自動運転モード」になれば、脳の処理能力(CPU)の9割を右手のメロディに割くことができます。
これが、大人が両手演奏を成功させる唯一にして最大のコツです。
また、選曲の段階で「左手の伴奏パターンが変わらない曲」を選ぶのも賢い戦略です。
例えば、後ほど紹介するパッヘルベルの『カノン』のように、最初から最後まで同じコード進行がループする曲なら、覚えるべき左手のパターンはたった4〜8小節分だけで済みます。
残りの練習時間はすべて右手の表現力向上に使えるわけです。
大人の練習は、根性論や気合ではなく、いかに脳への負担を減らすかという「効率」重視でいきましょう。

楽譜にドレミ付きを選ぶメリット

「楽譜にドレミなんて書いたら、いつまで経っても読めるようにならないんじゃないか?」
「子供っぽくて恥ずかしい…」
そんなプライドは、今すぐ捨ててしまいましょう。むしろ、そのプライドがあなたの上達を阻害しています。
私は断言します。初心者が最短で曲を仕上げるための最強の時短ツールこそが、「ドレミふりがな付き」の楽譜です。

私たちアマチュア、特に仕事や家事に忙しい社会人には、プロのように1日何時間も練習する時間はありません。
仮に1日30分の貴重な練習時間があったとして、そのうちの25分を「えーっと、このオタマジャクシは…第2線のソ、かな?」と暗号解読のように使うのはあまりにも非効率です。
これでは肝心の「指を動かす練習」が5分しかできず、上達するはずがありません。
逆に、ドレミが書いてあれば、解読時間は0秒になり、30分すべてを演奏技術の向上に充てることができます。
どちらが早く曲を弾けるようになるか、答えは明白ですよね。

「でも、それだと譜読み力がつかないのでは?」という心配も無用です。
実際に指を動かして曲を弾いているうちに、「この位置の音符は、鍵盤のここを押すんだな」という対応関係が、経験として脳に蓄積されていきます。
英語の勉強で、最初はカタカナの発音記号を見ていたとしても、何度も声に出して喋っているうちに単語そのものを覚えていくのと同じ理屈です。
まずは「弾ける喜び」を味わうことが先決です。
市販の楽譜サイトでは、「ドレミ付き」のバージョンが数百円で売られています。
迷わずそれを購入し、時間を買ってください。
もし書いていない楽譜を買ってしまった場合は、練習を始める前に、自分で鉛筆で全ての音にドレミを書き込む作業を行うことを強くおすすめします。

映える演奏を叶えるペダルの使い方

ピアノ演奏において、初心者と中級者の決定的な違いを生む「魔法のスイッチ」があります。
それが足元にある一番右側のペダル、**「ダンパーペダル(サステインペダル)」**です。
このペダルを踏むと、鍵盤から指を離しても音が消えずに伸び続け、ピアノ内部の弦が共鳴し合って、豊かでキラキラとした倍音を生み出します。
たったこれだけで、シンプルなたどたどしい単音のメロディが、まるでコンサートホールで演奏しているかのような重厚でプロっぽいサウンドに生まれ変わります。

特に「簡単だけどかっこいい曲」を弾く場合、音数の少なさが弱点になりがちですが、ペダルを使うことで音の隙間が埋まり、スカスカ感がなくなります。
また、多少のミスタッチやリズムのヨレも、ペダルの残響成分が上手くカバーして(誤魔化して)くれるという嬉しい副作用もあります。
しかし、使いすぎには注意が必要です。
ずっと踏みっぱなしにしていると、前の小節の音と次の小節の音が混ざり合い、お風呂場で大声を出した時のようにモワモワと音が濁って汚くなってしまいます。

これを防ぐためのテクニックが、コード(和音)が変わる瞬間にペダルを踏み変えることです。
具体的には、「新しいコードを指で弾いた直後に、一瞬上げてすぐにまた踏む」というタイミングです。
イメージとしては、足でリズムを取るような感覚に近いかもしれません。
最初は足と手の協調が難しいかもしれませんが、この「ペダルワーク」さえ習得すれば、あなたの演奏は間違いなく「上手い人」のそれに聞こえます。
電子ピアノ(キーボード)をお持ちの方は、もしペダルが付属していなければ、ぜひサステインペダルを別途購入して接続してください。
これがあるのとないのとでは、ピアノを弾く楽しさが天と地ほど違います。

発表会で注目を浴びる選曲のポイント

もしあなたが、ピアノ教室の発表会や、結婚式の余興、あるいはストリートピアノなどで人前で演奏する機会があるなら、選曲は「自分の弾きたい曲」よりも「聴く人が知っている曲」を優先すべきです。
これはライブ活動をしてきた私の経験則ですが、どれだけ高度なテクニックを駆使した知らないマニアックな曲よりも、たどたどしくても誰もが知っている名曲の方が、圧倒的に会場は盛り上がります。

特に「簡単だけどかっこいい」を目指すなら、以下の3つの要素を含んだ曲を探してみてください。

【人前で成功する選曲の3カ条】

  • 知名度抜群のイントロ:最初の一音が出た瞬間に「あ、あの曲だ!」と分かれば、聴衆は一気にあなたの味方になり、安心して聴いてくれます。
  • 静と動のコントラスト:ずっと同じ調子ではなく、静かなAメロから盛り上がるサビへ、といった展開がはっきりしている曲は、簡単なアレンジでもドラマチックに聞こえます。
  • グリッサンドの活用:鍵盤を指の爪や背で一気に滑らせて「チャララララァン!」と鳴らすグリッサンドは、技術的には誰でもできるのに、視覚的にも聴覚的にも非常に派手で「凄そう」に見える最高の技です。

また、人前での演奏はどうしても緊張して指が震えます。
本番用の曲は、自分の実力の「7割程度」で弾ける難易度のものを選びましょう。
家で練習してギリギリ弾けるかどうかの曲を選ぶと、本番の緊張感の中で100%失敗します。
余裕を持って弾ける曲を、心を込めて丁寧に弾く。
これこそが、聴いている人の心に届く「かっこいい演奏」の正体です。

ピアノ 簡単だけど かっこいい曲のおすすめ

それでは、ここまでの選び方のポイントを踏まえて、具体的に私がおすすめする「簡単だけどかっこいい曲」をジャンル別にご紹介します。
これらは実際に私がピアノで弾いてみたり、バンド仲間が余興で演奏して大好評だったりした、実績のある楽曲ばかりです。

定番のJ-POPで周囲を驚かせる方法

J-POPは、コード進行がはっきりしており、メロディのキャッチーさが強いため、ピアノソロにアレンジしても非常に映えます。
特にバラード曲は、原曲の雰囲気を壊さずに簡単にアレンジしやすく、初心者にはうってつけです。

曲名 アーティスト おすすめ理由と演奏ポイント
Lemon 米津玄師 冒頭の「ウェッ」という音は出せませんが(笑)、あの印象的なイントロの和音をピアノで鳴らすだけで、一瞬で場の空気が変わります。Aメロは静かに、サビは力強く弾くことで、歌詞の切なさが際立ちます。リズムが独特(シンコペーションが多い)なので、最初は歌詞を歌いながら弾いてリズムを体に染み込ませるのがコツです。
ドライフラワー 優里 ゆったりとしたテンポで、メロディの音域も広すぎず、指運びが非常にスムーズです。左手は「ド・ソ・ド・ソ」といったシンプルな分散和音で支えるだけで、十分に原曲の雰囲気を再現できます。男性が弾くと特に「かっこいい」「ギャップがある」と言われやすい一曲です。
マリーゴールド あいみょん この曲はコード進行が「カノン進行」に近い王道パターンで、非常に覚えやすいのが特徴です。初心者向け練習曲の代表格と言っても過言ではありません。明るすぎず暗すぎない、ノスタルジックな雰囲気がピアノの音色とマッチします。サビのメロディが気持ちよく、弾き語りにも最適です。
ハナミズキ 一青窈 世代を超えて愛される名曲です。結婚式や親戚の集まりなど、フォーマルな場でも安心して披露できます。テンポがゆっくりなので、ペダルをたっぷりと使って、一音一音を慈しむように弾くと感動的な演奏になります。難しいテクニックよりも「心のこもった音」が重要な曲です。

これらの曲を練習する際のポイントは、「フルコーラス弾こうとしないこと」です。
J-POPは1曲が4〜5分と長いため、最初から最後まで通そうとすると途中で集中力が切れますし、覚えきれません。
まずは「1番のAメロからサビまで」を目標にして、そこを完璧に仕上げましょう。
友人や家族に披露する時も、ワンコーラス弾ききれば十分に「すごい!」と思ってもらえます。

クラシックの名曲を簡単に弾くコツ

「クラシック音楽なんて、バイエルやハノンを何年もやった人じゃないと弾けないでしょ?」
そんな風に思っているとしたら、それは大きな誤解です。
確かにショパンの『幻想即興曲』やリストの『ラ・カンパネラ』のような難曲はアスリートのような指の動きを要求されますが、実は「非常にテンポが遅く、音数が少ないのに、最高に美しくて知的な曲」がクラシックには山ほど存在します。
これらは、大人になってからピアノを始めた方が「趣味のピアノ」として楽しむには最適の選択肢です。

まず筆頭に挙げられるのが、エリック・サティの『ジムノペディ 第1番』です。
この曲は「家具の音楽」とも呼ばれ、BGMとして聞き流されることを意図して作られたほど、静かで主張しすぎない曲です。
楽譜を見ると驚くはずですが、音符がスカスカです。
左手は「低音を一音弾いて、和音を一回弾く」というゆったりとしたリズムを繰り返すだけで、右手も非常にシンプルな旋律を奏でます。
技術的な難所と言えば、左手が低い音から和音へ移動する時の「跳躍」くらいですが、テンポが非常に遅いため、落ち着いて鍵盤を見れば誰でも指が届きます。
夜、部屋の照明を少し落としてこの曲を弾くと、まるで自分がパリのサロンにいるかのような、この上なくおしゃれでアンニュイな気分に浸れます。癒やし効果も抜群です。

次におすすめなのが、パッヘルベルの『カノン』です。
この曲の最大の特徴は、「カノン進行」と呼ばれる、あまりにも有名で心地よい8つのコード進行が、最初から最後まで延々とループすることです。
つまり、「左手の伴奏パターンを一度覚えてしまえば、曲の終わりまでずっと同じ動きでOK」ということです。
これは初心者にとって、暗譜(楽譜を見ずに弾くこと)のハードルを劇的に下げてくれます。
右手のメロディも、最初はゆっくりとした音から始まり、徐々に細かくなっていきますが、初心者向けのアレンジ楽譜を選れば、難しいバリエーション部分はカットされていたり、弾きやすく簡略化されていたりします。
結婚式の入場曲としても定番中の定番なので、誰かに披露する際も「お祝いの曲を弾きます」と言えば喜ばれること間違いなしです。

そして、誰もが知るベートーヴェンの『エリーゼのために』
冒頭の「ミ・レ♯・ミ・レ♯・ミ…」というフレーズは、ピアノを触ったことがない人でも指一本で弾いたことがあるのではないでしょうか。
実はこの曲、有名な冒頭部分(Aパート)だけなら、初心者でも1週間あれば両手で弾けるようになります。
曲の中盤で少し激しくなる部分(Bパート、Cパート)は難易度が跳ね上がりますが、「Aパートだけを弾いて、きれいに終わる」という短縮バージョンで演奏すれば、十分に名曲の雰囲気を楽しめます。
「クラシックを弾ける」という事実は、あなたのピアノライフにおける大きな自信に繋がるはずです。

アニソンや映画音楽で個性を出す

ポップスよりもドラマチックで、クラシックよりも親しみやすい。
そんな「いいとこ取り」ができるのが、アニメソングや映画のサウンドトラック(インストゥルメンタル)です。
これらの楽曲は、映像作品の世界観を表現するために作られているため、メロディ自体が非常に強烈な物語性を持っています。
歌詞がなくても、ピアノの音色だけで「泣ける」「燃える」感情を喚起させやすいのが特徴です。

まず外せないのが、久石譲さんの『Summer』(映画『菊次郎の夏』メインテーマ)です。
トヨタのCMなどでも長年使われているため、日本でこの曲を知らない人はいないでしょう。
この曲が初心者におすすめな理由は、左手の伴奏が「ポン・チャッ・ポン・チャッ」という一定のリズムを刻み続けるため、リズム感が非常に掴みやすいことです。
右手のメロディも、スタッカート(音を短く切る)を活かした跳ねるような動きが特徴的で、弾いていて非常に楽しい曲です。
爽やかで透明感のある響きは、夏の発表会やホームパーティーでの演奏に最適です。

また、少し大人の雰囲気を醸し出したいなら、坂本龍一さんの『戦場のメリークリスマス(Merry Christmas, Mr. Lawrence)』に挑戦してみてはいかがでしょうか。
この曲独特の「東洋的で不思議な響き」は、実は4度堆積和音などの少し特殊な和音が使われているからなのですが、指の形さえ覚えてしまえば、意外とすんなり弾けるようになります。
同じフレーズが何度も繰り返されながら、徐々に音が重なって盛り上がっていく構成なので、暗譜もしやすく、弾いている自分自身が陶酔できる曲です。
亡き巨匠の名曲として、今なお演奏する意義深い一曲と言えるでしょう。

【意外な穴場曲:名探偵コナン メインテーマ】

私の友人のサックス奏者とセッションした時に気づいたのですが、この曲をピアノソロで弾くと、ジャズ・フュージョンのようなめちゃくちゃカッコいい曲になります。
左手で低音のリズムをキザに刻み、右手でスリリングなメロディを弾く。
特に、グリッサンド(鍵盤を指で一気に滑らせる奏法)を入れると、プロ顔負けの派手な演奏になります。
子供から大人まで全員が知っている曲なので、ウケの良さは保証付きです。

さらに、ボカロ曲から一曲挙げるなら、黒うさPの『千本桜』です。
「速くて無理!」と思うかもしれませんが、実はこの曲、黒鍵を多用する変ト長調(または嬰ヘ長調)であることが多く、「黒鍵の上を指が滑るように動く」ため、慣れると白鍵だけの曲よりもミスタッチが減るというパラドックスが起きます。
ペンタトニックスケール(ヨナ抜き音階)という日本的な音階が使われているので、メロディが耳に馴染みやすく、連打やオクターブ奏法などの「凄そうに見えるテクニック」を練習するのにもってこいです。

挫折しない効率的な練習法とステップ

「よし、この曲を弾こう!」と決めて楽譜を買ったものの、最初の1ページ目で挫折して本棚の肥やしに…。
これはピアノ独学者あるあるですが、原因の9割は「練習の順序」が間違っていることにあります。
いきなり両手で、最初から最後まで通して弾こうとするのは、登山初心者がいきなり冬の富士山に登るようなものです。
ここでは、私が実践し、多くの初心者に推奨している「脳科学的に理にかなった、挫折しない練習の4ステップ」を解説します。

ステップ1:曲を聴き込み、完成形を脳に焼き付ける

ピアノに触る前に、まずはYouTubeやサブスクで、その曲の模範演奏をこれでもかというほど聴いてください。
自分の頭の中に鳴っていない音を、指で再現することは不可能です。
「ここは強く」「ここは切なく」といったイメージを明確に持ち、鼻歌で歌えるレベルになるまで聴き込むことが、実は最短の近道です。

ステップ2:右手(メロディ)だけを歌うように練習する

まずは右手だけです。
楽譜のドレミを読みながら、指使い(どの指でどの鍵盤を押すか)を確認します。
指使いは非常に重要で、自己流のめちゃくちゃな指使いで覚えると、後で必ず指が絡まって弾けなくなります。
楽譜に書いてある指番号(親指が1、小指が5)を必ず守りましょう。
スムーズに弾けるようになったら、実際に声に出して歌いながら弾くと、リズム感が養われます。

ステップ3:左手(伴奏)だけを無意識レベルまで反復する

ここが最大の山場であり、最重要ポイントです。
前述の通り、両手演奏でつまずく原因は「左手の自動化不足」です。
左手の動きだけを取り出し、テレビを見ながらでも、家族と話しながらでも、間違いなく指が動くようになるまで徹底的に反復してください。
筋肉が動きを記憶する(マッスルメモリー)まで繰り返すこと。これができれば、両手演奏は9割完成したも同然です。

ステップ4:超スローテンポで両手を合わせる

いよいよ合体です。
ここで焦って原曲の速さで弾こうとすると、一瞬で崩壊します。
「これじゃ遅すぎて何の曲か分からないよ」と思うくらいの、超スローテンポ(牛歩戦術)で合わせていきます。
片手ずつなら弾けるのに両手だと止まってしまう箇所は、脳の処理が追いついていない証拠です。
その1小節だけを取り出し、何度もゆっくり繰り返します。
一晩寝て起きると、脳が情報を整理して、昨日よりスムーズに弾けるようになっているはずです。

ストリートピアノでも通用する表現力

最近、駅や空港、商業施設などで「ストリートピアノ」を見かける機会が増えました。
「いつかあそこで弾いてみたい」という夢を持つ方も多いでしょう。
しかし、ストリートピアノで通りすがりの人の足を止めさせるのは、超絶技巧の難曲だけではありません。
むしろ、簡単な曲であっても「表現力(エモーション)」が乗った演奏には、人を引きつける強力な磁力があります。
ここでは、技術不足を補い、あなたの演奏を「聴かせる演奏」に昇華させるための表現テクニックを伝授します。

一つ目のテクニックは**「ダイナミクス(強弱)の誇張」**です。
ピアノは「ピアノフォルテ」という名前の通り、弱い音から強い音まで出せる楽器です。
しかし、初心者の演奏は往々にして、最初から最後まで同じ音量(メゾフォルテくらい)で平坦になりがちです。
これを脱却するために、「静かな部分は極端に小さく、盛り上がる部分は思い切り強く」弾いてみてください。
やりすぎなくらいで丁度いいです。
特に、曲の最後(エンディング)で、音が消え入るように弱くしていく(デクレシェンド)と、弾き終わった後に心地よい余韻が残り、聴衆は拍手をするタイミングを掴みやすくなります。

二つ目は**「顔と体で弾く」**ことです。
これは視覚的なパフォーマンスの話ですが、感情を込めて体を揺らしたり、切ないフレーズで少し天井を仰いだりするだけで、音色自体が変わって聞こえるから不思議です。
棒立ちで無表情で弾くよりも、楽しそうに、あるいは悲しそうに弾いている姿は、観客の感情移入を誘います。
「私はこの曲が大好きなんだ!」という気持ちを全身で表現しましょう。

そして最後に、最も重要なのが「ミスをしても絶対に止まらない」という鉄の掟です。
プロでもライブでミスをすることはありますが、彼らは絶対に演奏を止めませんし、「あ、間違えた」という顔もしません。
何食わぬ顔で弾き続ければ、聴いている人の大半はミスに気づきません。
逆に、「あっ」と言って止まったり弾き直したりすると、そこで音楽の流れが途切れ、魔法が解けてしまいます。
間違えても堂々と弾き切る。これがストリートピアノで一番大切な「かっこよさ」です。

ピアノ 簡単だけど かっこいい曲のまとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今回は、ピアノ初心者が短期間でマスターできる「簡単だけどかっこいい曲」の選び方から、ジャンル別のおすすめ曲、そして挫折しないための具体的な練習法まで、私のアマチュア音楽家としての経験を総動員して解説してきました。

ピアノという楽器は、叩けば誰でも正しい音が出る、非常に間口の広い楽器です。
しかしその奥深さは無限大で、たった一台でオーケストラのような壮大な世界を作り出すことができます。
「楽譜が読めないから」「大人だから」「指が動かないから」といって諦める必要は全くありません。
今の時代、YouTubeや便利なアプリ、そして「ドレミ付き楽譜」など、独学をサポートしてくれるツールは溢れています。

今日ご紹介した曲の中から、あなたの心に響く一曲は見つかりましたでしょうか?
もし見つかったなら、それは運命の出会いです。
ぜひその曲の楽譜を手に入れて、まずは最初の1小節、最初の「ド」の音を鳴らしてみてください。
仕事や家事に追われる毎日の中で、自分自身の指でメロディを奏でる時間は、何にも代えがたい癒やしと充実感をもたらしてくれます。

最初は指が動かなくても大丈夫です。1日10分でも鍵盤に触れれば、1ヶ月後には必ず「弾ける自分」に出会えます。
あなたが奏でるピアノの音色が、あなた自身と、そしてあなたの周りの誰かを笑顔にすることを心から願っています。
さあ、素敵なピアノライフの始まりです!

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