「クラリネットは何歳から始められるの?」「子どもにはまだ早い?」「大人になってから始めても遅くない?」「70代や80代、90代でも吹けるの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、クラリネットには「○歳から始められる」「○歳を超えたら始められない」といった、全員に共通する明確な年齢制限はありません。
ただし、子どもと大人・シニアでは、始めるときに確認したいポイントが少し違います。子どもの場合は、年齢そのものよりも手の大きさや体格が通常サイズのクラリネットに合っているかが重要です。一方、大人やシニアの場合は、手指の動き、歯や口の状態、呼吸、首や肩への負担などを確認しながら進めることが大切になります。
クラリネットは年齢だけで開始可否を決める楽器ではありません。子どもなら手と体格、大人やシニアなら身体の状態を確認し、自分に合った方法で始めることが基本です。
この記事では、子ども・大人・シニアそれぞれについて、クラリネットを始める年齢の目安や判断基準、初心者がつまずきやすいポイントをまとめます。
- 子どもがクラリネットを始めやすい年齢の目安
- 身長や手の大きさから判断するときのポイント
- 大人やシニアが始めるときに確認したい身体面
- 初心者が音を出せないときの確認方法
- 90代でも演奏活動を続けてきたクラリネット奏者の実例
「何歳なら大丈夫?」という数字だけでなく、あなた自身やお子さんが実際に楽器を無理なく扱えるか、という視点で考えていきましょう。
クラリネットは何歳から始められる?
クラリネットには、誰にでも当てはまる開始年齢のルールはありません。一般的なB♭クラリネットの場合、子どもでは10歳前後、小学校中学年から高学年あたりを一つの目安として案内している指導者がいますが、これは絶対的な基準ではありません。
なぜ年齢だけで決められないのかというと、クラリネットには指で直接塞ぐトーンホールがあり、さらにある程度の長さと重さがあるからです。
同じ10歳でも、手の大きさや身長、指の長さ、楽器を支える力は違います。反対に、10歳未満でも体格によっては通常サイズのクラリネットを扱える場合があります。
また、大人については、子どものように「体格が楽器に届くか」という問題は少なくなる一方で、手指の動きや歯、呼吸、首・肩への負担などが個人差として出てきます。
ですので、「何歳から何歳まで」という一本の線を引くより、年代に応じたチェックポイントを確認するほうが現実的ですよ。
子どもは10歳前後が一つの目安
一般的なB♭クラリネットでは、10歳前後、小学校中学年から高学年くらいが始めやすくなる一つの目安です。音楽教室の講師による案内でも、10歳前後や小学校高学年を目安としている例があります。
また、身長については140cm前後、あるいは140~150cm程度を一つの参考としている例もあります。
ただし、ここで大切なのは「10歳になったら必ず吹ける」「身長140cmなら必ず大丈夫」と考えないことです。
10歳前後という数字は開始可能年齢の下限ではありません。実際に演奏できるかどうかは、手の大きさ、指がトーンホールへ届くか、楽器を支えられるかなどを確認して判断します。
一般的なクラリネットでは、いくつかの音孔を指の腹で直接塞ぎます。指が小さいと、届いているように見えても端にわずかな隙間ができることがあります。その隙間から空気が漏れると、狙った音が出なかったり、音が裏返ったりする原因になります。
特に右手側は、初心者の子どもにとって難しくなりやすい部分です。ヤマハのクラリネット指導情報でも、小さい指の奏者では右手薬指の大きなトーンホールを完全に塞げないことが起こりやすいと説明されています。
この状態で「もっと強く吹いて」と練習しても、原因が指穴の隙間であれば解決しにくいですよね。
そのため、子どもが始めるときは、まず音を出せるかだけでなく、次のような点を見てみましょう。
- 左右のトーンホールを指の腹で完全に塞げる
- 必要なキーに無理なく指が届く
- 指を広げすぎず自然な手の形を保てる
- 右手親指などで楽器を支えられる
- 構えたときに肩が大きく上がらない
- 腕や手首へ極端に力が入らない
- マウスピースを無理なく口にくわえられる
- 短時間でも安定した姿勢を保てる
また、子どもの場合は演奏以外にも「楽器を安全に扱えるか」を考える必要があります。
クラリネットは複数の管を組み立てて使用します。ジョイントを差し込むときにはある程度の力が必要ですし、力をかける場所を間違えるとキーを曲げてしまう可能性があります。
小さい子が始める場合は、最初からすべて自分でやらせようとせず、慣れるまでは保護者や講師が組み立てや片付けを補助する方法もあります。
練習時間についても同様です。長く練習したほうが早く上達するとは限りません。まだ身体も集中力も成長途中なので、最初は短い時間で「良い姿勢で音を出す」「正しく指を置く」といった基本を積み重ねるほうが取り組みやすいでしょう。
大人に開始年齢の上限はない
大人の場合、「何歳までならクラリネットを始められるのか」という明確な上限は確認されていません。40代や50代はもちろん、60代、70代、それ以降でも、身体の状態に合わせて始めることを考えられます。
音楽経験がない方の場合、「今まで楽器をやったことがないから無理かも」と不安になることもあるでしょう。
でも、趣味としてクラリネットを始めるのであれば、子どものころから音楽を学んでいる人と同じスタートラインに立つ必要はありません。
楽器の組み立て方を知るところから始めてもいいですし、最初は楽譜が読めなくても問題ありません。音を出す練習と並行しながら、音符と指使いを少しずつ覚えていくことができます。
大人には、大人ならではの進めやすさもあります。
- 説明された内容を理解しながら練習できる
- 姿勢や運指などを意識して修正しやすい
- 生活時間に合わせて練習計画を立てられる
- 好きな曲や演奏したいジャンルから目標を決めやすい
- 無理をしないペースを自分で調整できる
もちろん、年齢を重ねると身体面の個人差は大きくなります。若い人と同じ練習量を目指す必要はありません。
「30分吹かなければ練習したことにならない」と考えるより、10分でも良いフォームで取り組むほうが、その人にとって続けやすい場合があります。
特にシニアでは、手指の状態や歯、呼吸、肩や腰などを確認し、「今の自分が無理なく続けられる形」に調整することが大切です。
子どもが始められるかの判断基準
子どものクラリネット開始時期で迷ったら、「何年生だから」という判断だけではなく、実際の楽器を持った状態を見るのが分かりやすいです。
クラリネットは見た目以上に、手の位置が演奏へ影響します。指が少しずれるだけでも音が変わるため、手が小さい段階で無理なフォームを続けると、本人が頑張っているのに音が出ないという状況になりかねません。
そこで特に確認したいのが、トーンホールと楽器の支え方です。
指でトーンホールを塞げるか
クラリネット初心者が音を出せない原因として、トーンホールを完全に塞げていないことがあります。
トーンホールとは、管体に開いている音孔のことです。クラリネットでは、一部の穴を指の腹で直接塞ぎながら音程を変えます。
この穴は、「指が触れていればOK」ではありません。穴全体を塞ぎ、空気が漏れない状態を作る必要があります。
たとえば、指先だけで押さえていると穴の端が開く場合があります。指の位置が中心からずれている場合も同じです。ほんの少しの隙間でも音が鳴りにくくなることがあります。
子どもは手が小さいため、上側のトーンホールを塞ぐことができても、下側へ移動するにつれて指が届きにくくなることがあります。
楽器を試すときは、指の腹でトーンホール全体を自然に塞げることを確認しましょう。指を無理に伸ばしてやっと届く状態では、正しいフォームを保ちにくくなります。
また、音が出ないときは、本人に「もっと強く吹いて」と言う前に、指の位置を見てみることが大切です。
指穴が開いている状態では、いくら息を強くしても安定した音にならない場合があります。むしろ息を強くしすぎることで、口や肩に余計な力が入ってしまうこともあります。
確認するときは、次のような順番が分かりやすいでしょう。
- 指の腹が穴の中心に乗っているかを見る
- 指先だけで押さえていないか確認する
- 手首が極端に曲がっていないか見る
- 肩を上げずに構えられているか確認する
- 一つずつ指を動かしてもフォームが大きく崩れないかを見る
最初からすべての音を覚える必要はありません。
まずは音孔を確実に塞ぐことを優先し、簡単な運指から少しずつ進めていくほうが、本人も「音が出た」という感覚をつかみやすいですよ。
小さい子どもで起こりやすいこと
手や体格がまだ楽器に合っていない場合、次のような状態が出やすくなります。
- 指がトーンホールまで届かない
- 穴を完全に塞げず音が出ない
- 意図しない音へ裏返る
- 右手薬指などの位置がずれる
- 右手親指で支えるのがつらい
- 楽器の重さで姿勢が崩れる
- 肩や腕に力が入る
- 口周りが短時間でも疲れる
これらが起きたときに、「練習不足だから」と考えるのは早いかもしれません。楽器サイズと身体が合っていない可能性も確認してみましょう。
実際の楽器を持ったときの手の位置や姿勢まで自分たちだけでは判断しにくい場合は、クラリネットを習えるEYS音楽教室などで、講師に構え方や運指を見てもらう方法もあります。
身長より手の大きさと支え方を確認
子どもの開始時期について調べると、「身長140cmくらい」という目安を見かけることがあります。実際に、140cm前後、あるいは140~150cm程度を通常サイズのB♭クラリネットが扱いやすくなる一つの参考としている指導者の例があります。
ただ、身長だけでは決められません。
同じ身長でも、手の大きさや腕の長さは人それぞれです。指の長さも違いますし、楽器を持ったときの安定感も違います。
そのため、「140cmを超えるまで待つ」「140cmになったから購入する」という考え方ではなく、実物を構えて確認することが大切です。
購入前に確認するなら、身長を測るだけでなく、実際に楽器を構えて指が届くか、穴を塞げるか、親指で支えられるかまで見ておくと判断しやすいです。
クラリネットは右手親指付近にあるサムレストで楽器を支えます。子どもにとっては、この支え方も負担になりやすい部分です。
短時間持っただけでは平気でも、数分すると親指や手首がつらくなる場合があります。試すときは、構えた瞬間だけでなく、少しその姿勢を維持できるかも確認するとよいでしょう。
また、構えたときに楽器が重く感じると、身体は自然に別の部分で補おうとします。
たとえば、肩が上がる、背中が丸くなる、手首が曲がる、指で必要以上に強く握る、といった状態です。
そのフォームで音を出せたとしても、長時間続けるには負担が大きいかもしれません。
子どもが初めてクラリネットへ触れるなら、次の項目をまとめて見てみると判断しやすいですよ。
| 確認ポイント | 見たい状態 | 注意したい状態 |
|---|---|---|
| トーンホール | 指の腹で自然に塞げる | 指を伸ばしきらないと届かない |
| キー | 手の形を崩さず届く | 手首を大きく曲げないと届かない |
| 右手親指 | 短時間なら安定して支えられる | すぐに強い疲れや痛みが出る |
| 肩・腕 | 大きく力まず構えられる | 肩が上がり腕が固まる |
| 姿勢 | 楽器を持っても大きく崩れない | 前かがみや反り返った姿勢になる |
| 口 | 無理なくマウスピースをくわえられる | 強く噛まないと安定しない |
購入するか迷っている場合も、年齢や身長だけで決めず、まず実物を試してみることが大切です。
大人・シニアが始めるポイント
大人やシニアの場合、一般的なB♭クラリネットを扱える体格があるケースが多いため、子どもほど「手が届くか」という問題は起きにくくなります。
その代わり、身体の状態には個人差があります。
特に年齢を重ねてから始める場合は、「吹けるか、吹けないか」を一度に決めるより、どこまでなら無理なくできるかを確認しながら進めるほうが安心です。
立って吹くのが大変なら座ればよいですし、右手親指への負担が気になるならストラップを検討する方法もあります。
若い奏者と同じ練習方法へ合わせる必要はありません。
手指・歯・呼吸の状態を確認する
大人・シニアが始めるときに確認したいのは、主に手指、歯や顎、呼吸、首・肩・腰などです。
手指と右手親指
クラリネットは、右手親指付近のサムレストで楽器を支える割合が大きい楽器です。ヤマハのクラリネットの演奏法でも、右手親指で楽器を支える構え方が案内されています。
そのため、初心者は演奏そのものより先に「親指が疲れる」と感じることがあります。
シニアでは、親指や手首に既に不安がある場合もあるでしょう。そうした場合は、無理に長時間支え続けず、短時間で休憩する方法があります。
また、クラリネット用ストラップを利用し、楽器の重さを分散させる方法もあります。
ただし、ストラップを使えばどんな姿勢でもよくなるわけではありません。長さが合っていなければ、マウスピースの位置や楽器角度が変わる可能性があります。
使う場合は、自然な姿勢のままマウスピースが口へ来る位置を確認するとよいでしょう。
歯と口の状態
クラリネットでは一般的に、上の前歯をマウスピース上部へ当て、下唇側でリードを支える形で演奏します。
そのため、歯や顎に強い痛みがある場合は無理をしないことが大切です。
歯科治療中であったり、入れ歯、インプラント、歯のぐらつきなど個別の事情があったりする場合は、「高齢だから無理」「入れ歯だから必ず無理」と年齢や状態だけで一律に判断することはできません。
口腔内の状態について不安があるなら歯科医へ、実際のマウスピースのくわえ方についてはクラリネット講師へ確認する方法があります。
呼吸の状態
「管楽器だから肺活量が大きくないとできない」と思っている方もいるかもしれません。
クラリネットは確かに息を使いますが、初心者がまず意識したいのは、単純に大量の息を送り込むことではありません。
マウスピースのくわえ方、リードの状態、息を入れる方向などが合っていないと、強く吹いても音が安定しないことがあります。
最初は短い音から始め、ロングトーンも無理のない長さで行えば大丈夫です。
吹奏中に強い息苦しさ、胸の痛み、めまいなどの異常が出た場合は、演奏を中止しましょう。呼吸器や循環器などの持病があり、吹奏による負担が心配な場合は、必要に応じて医療専門家へ相談してください。
首・肩・腰の状態
クラリネットを吹くときは、楽器だけでなく姿勢も重要です。
肩を上げ、首を前へ出し、腰を丸めた状態で吹くと、短時間でも疲れやすくなります。
立奏が負担になる方は、椅子に座って演奏することもできます。
「管楽器は立って吹くもの」と決めつける必要はありません。座ったほうが身体が安定し、無理なく吹けるのであれば、その方法を選ぶほうが続けやすいでしょう。
短時間練習で身体の負担を減らす
クラリネット初心者は、最初から長時間練習する必要はありません。
クラリネットでは、普段あまり使わない口周りの筋肉を使います。さらに右手親指で楽器を支え、指をトーンホールやキーへ置き続けます。
そのため、最初は口、親指、手首、肩などが疲れやすいんですね。
疲れているのにそのまま続けると、正しいフォームを保つよりも「何とか音を出す」ことへ意識が向きやすくなります。
口でマウスピースを強く噛む、肩に力を入れる、指で楽器を強く握るといった癖がつく原因にもなります。
疲れる前に休むことも初心者の大切な練習です。特に子どもやシニアは、短時間の練習を複数回に分ける方法が向いています。
たとえば初心者なら、次のように内容を分けることができます。
- 楽器を組み立てて姿勢を確認する
- マウスピースのくわえ方を確認する
- 無理のない長さで音を伸ばす
- 簡単な指使いを数種類確認する
- 疲れる前に休憩する
- 最後にスワブなどで水分を取って片付ける
「今日は曲を最後まで吹けなかった」と考える必要はありません。初心者の段階では、正しい姿勢で一つの音を安定させる練習も立派な練習です。
なお、新品の木製クラリネットでは、奏者の身体とは別の理由で、最初の時期の吹奏時間へ配慮する必要があります。急激な湿度変化から木製管体を守るためです。
ヤマハでは新品の木製クラリネットについて、最初の2週間は1日20~30分程度を目安とする取り扱い方法を案内しています。
これは「初心者は必ず20~30分以内しか練習してはいけない」という意味ではありません。奏者の体力ではなく、主に木製管体を急激な湿度変化から守るための注意です。
新品の木製楽器を使う場合は、使用している楽器のメーカーによる取り扱い案内も確認すると安心です。
初心者が知っておきたい始め方
クラリネットを始めると、「まず何を練習すればいいの?」と迷うと思います。
最初から曲を吹こうとせず、楽器を扱う基本から順番に進めると分かりやすいです。
大まかな流れは、組み立て、構え方、マウスピースのくわえ方、音を出す練習、簡単な運指、音階、短い曲という順番です。
楽譜が読めない人でも大丈夫です。音を出す練習をしながら、使う音だけ少しずつ覚える方法があります。
また、クラリネットは「本人が正しく吹けば必ず音が出る」とは限りません。リードの状態や楽器の調整も音へ影響します。
ここを知っておくと、最初に音が出なかったときに必要以上に落ち込まずに済みますよ。
音が出ない原因を一つずつ確認する
クラリネット初心者が音を出せないとき、原因は一つとは限りません。
代表的には、次のような原因があります。
- トーンホールが完全に塞がっていない
- 指が穴の中心からずれている
- マウスピースを深くくわえすぎている
- マウスピースを浅くくわえすぎている
- リードの取り付け位置がずれている
- リードが硬すぎる
- リードが割れている、欠けている、反っている
- 息の方向やアンブシュアが安定していない
- キーやタンポなど楽器側に不具合がある
アンブシュアとは、管楽器を吹くときの口の形やマウスピースのくわえ方のことです。
初心者は、「音が鳴らないならもっと息を強くしよう」と考えがちですが、原因が指穴やリードであれば、息を強くしても改善しないことがあります。
まず指を確認する
最初に見たいのは、トーンホールです。
特に子どもや手の小さい方では、指を置いているつもりでも穴の一部が開いていることがあります。
指の腹で穴全体を塞げているか、一つずつ確認しましょう。
次にリードを確認する
クラリネットは、マウスピースへ取り付けた1枚のリードを振動させて音を出すシングルリード楽器です。
リードには硬さの違いがあります。また、同じ数字の硬さでもメーカーやシリーズによって吹奏感は同じではありません。
初心者に対して硬すぎるリードでは、息を入れても振動させにくい場合があります。反対に、柔らかければ必ず吹きやすいという単純なものでもありません。
さらに、リードは消耗品です。
先端が欠けていたり、割れていたり、大きく反っていたりすると、音が出しにくくなることがあります。
音が出ない原因をすべて自分の才能不足だと考えないことが大切です。指、リード、アンブシュア、楽器の状態を順番に確認しましょう。
楽器側の状態も確認する
指もリードも問題なさそうなのに特定の音だけ出しにくい場合は、楽器側の調整も確認したいところです。
クラリネットには多数のキーやタンポがあります。タンポが正しく穴を塞いでいないなどの不具合があると、奏者が正しく操作していても息漏れが起きることがあります。
特に中古楽器では、購入価格だけではなく、タンポ、コルク、キー調整などの状態も重要です。状態によっては購入後に調整や修理が必要になることがあります。
初心者本人では、奏法の問題なのか、リードなのか、楽器なのかを判断するのが難しい場合があります。
そういうときは、クラリネットを扱える講師や楽器店で確認してもらうと原因を切り分けやすくなります。
最初だけ指導を受ける方法もある
クラリネットは独学でも練習できますが、最初の段階では自分の姿勢や口元を客観的に見るのが難しいという面があります。
アンブシュアや手の形に無理な癖がついてから直すより、最初に一度確認してもらうほうが分かりやすい場合もあります。
特に、何度吹いても音が出ない、右手がすぐ痛くなる、高い音ばかり出る、といった状態が続くなら、クラリネットのレッスンで講師に原因を確認してもらうのも一つの方法です。
練習と手入れを無理なく続ける
クラリネットを長く楽しむには、演奏だけでなく手入れも必要です。
吹奏すると、息に含まれる水分が管内へ入ります。そのまま放置せず、演奏後に水分を取り除きます。
基本的な流れとしては、リードを外し、マウスピースや管体内部の水分をクリーニングスワブなどで除去します。ジョイント部分にも水分がたまりやすいため、確認しておきましょう。
木製クラリネットの場合は、急激な温度や湿度の変化にも配慮します。
また、スワブが管内で引っ掛かった場合は無理に引っ張らないようにしてください。強く引くことで、かえって取り出しにくくなる場合があります。
初心者が最初に揃えるもの
一般的に、クラリネットを始めるときは次のようなものを使用します。
- B♭クラリネット
- マウスピース
- リガチャー
- リード
- クリーニングスワブ
- コルクグリス
- クリーニングペーパーなどの手入れ用品
- 譜面台
- 初心者向け教本
- 必要に応じてクラリネット用ストラップ
ただし、すべてを個別に買わなければいけないとは限りません。楽器によってはケースや一部の手入れ用品が付属していることがあります。
購入前に付属品を確認しておけば、同じものを重複して買うことを防げます。
初心者教本の選び方
完全な初心者であれば、運指表だけが載っているものより、姿勢、アンブシュア、息の使い方、指使い、音階、簡単な曲へ順番に進める初心者向けクラリネット教本のほうが使いやすいでしょう。
動画や映像と一緒に確認できる教材もあります。
教室へ通う予定がある場合は、先に使用教材を確認してから購入するほうが重複を避けやすいです。
練習は「できる範囲」を積み重ねる
初心者の練習では、一度にたくさんのことを覚えようとすると混乱しやすくなります。
今日は音を安定させる、次は指を2本動かしてみる、その次は3つの音で短いフレーズを吹く、と少しずつ増やしていくと分かりやすいでしょう。
好きな曲があるなら、それを目標にするのもいいですね。
最初からその曲を完全に演奏できなくても、「いつかこの曲を吹きたい」という目標は、練習を続ける理由になります。
90代の現役クラリネット奏者
「クラリネット 90歳」「クラリネット 奏者 93歳」「クラリネット 94歳」「95歳 クラリネット」「クラリネット 96歳」といった検索をすると、高齢のクラリネット奏者について知りたい方もいるでしょう。
これらの検索語で特に該当する著名な人物が、日本のジャズクラリネット奏者・北村英治です。
北村英治については、年によって「90歳」「93歳」「94歳」「95歳」「96歳」と異なる年齢の記事や番組情報が残っています。
別々の奏者ではなく、主として同じ北村英治の各年齢時の情報です。
北村英治は90代でも演奏を継続
北村英治は1929年4月8日生まれのジャズクラリネット奏者です。
本人が語っている経緯では、17歳のころ、友人が学校へ持ってきたクラリネットを試しに吹き、音が出たことが楽器との出会いになりました。
当初は自分のクラリネットを持っておらず、竹箒の柄を使って指の練習をしたというエピソードも語られています。
その後、19歳ごろに自分のクラリネットを手に入れ、大学の部活動でも演奏しました。17歳での出会いから19歳で自分の楽器を手にするまでの経緯は、日本ポピュラー音楽協会の北村英治インタビューでも本人の言葉として紹介されています。
つまり北村英治は、幼少期からクラリネットを習っていた奏者ではなく、10代後半にクラリネットと出会った人物です。
もちろん、「17歳から始めれば誰でもプロになれる」という意味ではありません。
ただ、「小さなころから始めなければクラリネットを楽しめない」「高校生や大学生になってからでは遅すぎる」という考えに対して、一つの参考になる経歴ではあります。
北村英治は1951年にプロデビューし、その後も長く演奏活動を続けてきました。
90歳・93歳・94歳・95歳・96歳と検索される理由
北村英治は1929年4月8日生まれなので、年齢は次のように変わっています。
| 時期 | 年齢 | 検索で見られる主な表記 |
|---|---|---|
| 2019年4月8日以降 | 90歳 | 90歳のクラリネット奏者 |
| 2022年4月8日以降 | 93歳 | 93歳の現役クラリネット奏者 |
| 2023年4月8日以降 | 94歳 | 94歳のジャズクラリネット奏者 |
| 2024年4月8日以降 | 95歳 | 95歳のクラリネット奏者 |
| 2025年4月8日以降 | 96歳 | 96歳の現役クラリネット奏者 |
| 2026年4月8日以降 | 97歳 | 過去ページには96歳表記が残る場合がある |
そのため、検索結果に異なる年齢が並んでいても不思議ではありません。
2019年には90歳を迎えたことが紹介され、2022年には93歳の現役クラリネット奏者として取り上げられました。
2023年7月には94歳で「徹子の部屋」に出演し、当時も演奏活動を続けていることが紹介されています。
2024年4月には95歳となり、95歳のバースデーライブも開催されました。同年8月にはBSテレ東「おんがく交差点」で「95歳!ジャズクラリネットのレジェンド」として紹介されています。
さらに2025年4月には96歳となり、2025年から2026年初頭にもライブや番組での演奏情報が確認されています。
1929年4月8日生まれを基準に計算すると、2026年9月24日時点では97歳です。
一方、2026年に掲載されたページの一部には「96歳」と記載された情報もあります。これは掲載時期や情報更新のタイミングによって年齢表記が残っている可能性があるため、検索結果を見るときは記事の日付も確認したほうがよいでしょう。
90代の奏者がいることと初心者が吹けるかは別
北村英治が90代まで演奏活動を続けてきたことは、高齢になってもクラリネットを演奏している人が実際にいるという事例です。
ただし、この事例だけで「90代なら誰でも初心者から問題なく始められる」とは判断できません。
90代の現役奏者がいることと、すべての90代初心者が同じように吹けることは別です。開始可否は本人の手指、歯、呼吸、体力などを確認して考えましょう。
高齢者の場合は、年齢そのものより、現在の身体状態を優先する必要があります。
具体的には、次のような項目を確認できます。
- クラリネットを無理なく持てるか
- 右手親指に強い痛みが出ないか
- 各キーに指が届くか
- 指をそれぞれ動かせるか
- 数分吹いても強い息苦しさが出ないか
- マウスピースをくわえたとき歯や顎へ強い痛みがないか
- 首、肩、腰へ大きな負担がないか
- 立奏が難しくても座奏なら安定するか
「90歳だから無理」と年齢だけで決める必要はありませんが、「90歳でもプロが吹いているから自分も必ず大丈夫」と考えるのも違います。
大切なのは、自分の身体に合わせることです。
座って吹く、ストラップを利用する、短時間で休む、簡単な音から始めるなど、負担を減らす工夫を取り入れながら楽しむ方法があります。
まとめ
クラリネットには、全員に共通する「何歳から始められる」「何歳までしか吹けない」という明確な年齢制限はありません。
子どもの場合、通常サイズのB♭クラリネットでは10歳前後、小学校中学年から高学年あたりを一つの目安としている指導者がいます。身長140cm前後を一つの参考にする例もあります。
ただし、本当に重要なのは年齢や身長の数字ではありません。
指の腹でトーンホールを完全に塞げるか、必要なキーまで自然に指が届くか、右手親指で楽器を支えられるか、肩や手首へ無理な力が入らないかを実際の楽器で確認することが大切です。
大人やシニアにも、一律の開始年齢の上限はありません。
手指、歯や口、呼吸、首・肩・腰などの状態を確認し、必要に応じて座奏やストラップを取り入れながら、自分のペースで進めることができます。
初心者が音を出せない場合も、すぐに「自分には向いていない」と判断しないでください。
トーンホールの塞ぎ方、マウスピースのくわえ方、リードの状態、息の方向、楽器の調整など、複数の原因が考えられます。一つずつ確認することで改善できることがあります。
そして、日本には北村英治のように90代になってもクラリネットの演奏活動を続けてきた奏者の実例があります。北村英治は17歳ごろにクラリネットと出会い、長年にわたってプロとして演奏を続けてきました。
もちろん、この事例はすべての人が同じように演奏できることを意味するものではありません。
それでも、「幼少期から始めなければ遅い」「高齢になったらクラリネットはできない」と、年齢だけで可能性を決める必要はないことは分かります。
あなた自身やお子さんがクラリネットに興味を持っているなら、まずは年齢表を見るより、実際の楽器を手に取ってみることから始めるのがおすすめです。
無理なく構えられるか、指が届くか、音を出したときに身体へ大きな負担がないかを確認してみてください。
自分の身体とペースに合った始め方を選べれば、クラリネットは子どもから大人、シニアまで長く付き合える楽器ですよ。

