チェロの楽譜を無料で探す方法|二重奏・アンサンブル・ポップスの選び方

チェロと開いた楽譜を配置し、「チェロ楽譜の探し方|無料譜と市販譜を安全に選ぶ方法を解説」と表示したアイキャッチ画像。 チェロ
本記事はプロモーションを含みます。画像はイメージを含みます。

チェロ楽譜は無料と市販を使い分ける

チェロの楽譜を探していると、無料でダウンロードできるPDFから、出版社が販売している紙の楽譜やデジタル楽譜まで、さまざまな選択肢が見つかります。

そこで迷いやすいのが、「無料のチェロ楽譜でも練習には十分なのか」「市販楽譜を購入したほうがよいのか」という点です。

結論からいうと、無料か有料かだけで楽譜の良し悪しは決まりません。大切なのは、自分の目的・レベル・編成に合った楽譜を選ぶことです。

クラシックには、著作権保護期間が終了した作品の歴史的な出版譜など、無料で利用できる選択肢があります。費用をかけずに曲を試したり、同じ作品の複数の版を見比べたりできるのは、無料楽譜の大きな魅力です。

一方、初心者向けの運指やボウイングが必要な場合、特定の編曲を演奏したい場合、ポップスを演奏したい場合などは、市販楽譜のほうが目的に合うことがあります。

さらに、インターネットで無料PDFを見つけた場合には著作権にも注意が必要です。「無料で閲覧・ダウンロードできること」と「著作権上、自由に利用できること」は同じではありません。

チェロ二重奏、チェロアンサンブル、チェロとギターの二重奏、5本のチェロによる五重奏などを探す場合には、曲そのものだけでなく、楽器編成やパート構成まで確認する必要があります。

まずは無料楽譜と市販楽譜の違いを理解したうえで、自分が何のために楽譜を探しているのかを整理していきましょう。

無料楽譜と市販楽譜の違い

無料楽譜の大きな利点は、費用をかけずに曲を試せることです。

特にパブリックドメインとなっているクラシック作品では、歴史的な出版譜を閲覧できる場合があります。同じ作品について複数の版が公開されていれば、それぞれを見比べることも可能です。

たとえば、これから練習する曲を選ぶ段階では、いきなり市販譜を購入するのではなく、正規に公開されている無料譜で作品の音域や難易度を確認する方法があります。

チェロ二重奏の練習曲を探している場合も、複数の作品を確認してから、自分たちのレベルに合ったものを選びやすくなります。

一方、無料楽譜には品質面で注意したい点があります。

歴史的な出版物をスキャンしたPDFでは、印刷が薄かったり、ページが傾いていたり、書き込みが残っていたりする場合があります。新しく浄書された無料譜についても、すべての楽譜で校訂や入力の正確性が保証されているわけではありません。

また、初心者向けの運指やボウイングが付いていないこともあります。難易度が表示されていなければ、実際に譜面を見て自分で判断する必要があります。

市販楽譜は、出版社、校訂者、編曲者、対象レベルなどを確認しやすいのが特徴です。

初心者向けに編集された楽譜であれば、運指、ボウイング、ポジションなどの補助が用意されている場合があります。アンサンブル用では、総譜と各パート譜が整理された商品を選べることもあります。

ポップスのように著作権が存続している作品では、正規に権利処理された編曲を探しやすいことも市販楽譜の利点です。

ただし、市販楽譜であれば必ず自分に適しているとは限りません。同じ作品でも、出版社、校訂者、編曲者によって内容が異なります。

初心者向けの簡易編曲と、原典資料を重視した版では、同じ曲名でも用途が大きく異なることがあります。購入するときは曲名だけを見るのではなく、編成、難易度、運指、ボウイング、収録されるパートなどを確認しましょう。

デジタル市販譜では、印刷できる回数や利用できる範囲などに条件が設定されている場合もあります。購入したPDFだからといって、自由に複製・配布できるとは限りません。

初心者が楽譜を選ぶポイント

チェロ初心者の場合、好きな曲や有名な曲という理由だけで選ぶと、実際に譜面を開いたときに難しすぎることがあります。

最初に確認したいのは、現在演奏できるポジションの範囲です。

第1ポジションを中心に練習している段階で、頻繁なポジション移動やハイポジション、親指ポジションが必要な楽譜を選ぶと、譜読み以前に左手の技術が大きな壁になる可能性があります。

最高音と最低音も確認しましょう。同じチェロ用の楽譜でも、音域によって必要なポジションは変わります。

使用される音部記号も重要です。チェロではヘ音記号だけでなく、楽曲によっては別の音部記号も使用されます。まだ読み慣れていない音部記号が多く登場する楽譜では、譜読みの負担が増えます。チェロとほかの弦楽器の音域や記譜の違いを整理したい場合は、バイオリン・ビオラ・チェロの違いも参考にしてください。

そのほか、調号、臨時記号の多さ、テンポ、リズムの複雑さ、重音の有無、ポジション移動の頻度なども難易度を左右します。

初心者向けの楽譜を探すときに役立つのが運指表示です。

運指が書かれていれば、左手のどの指を使うのか、どこでポジションを移動するのかを考える手掛かりになります。また、同じ高さの音を複数の弦で演奏できる場合に、どの弦を使うか考える参考にもなります。

ただし、運指は一つだけが正解ではありません。演奏者の技量や手の大きさ、テンポ、フレージング、求める音色などによって適した運指は変わります。自分だけでは判断しにくい場合は、チェロのレッスンで実際の運指や弾き方を確認する方法もあります。

ボウイング付き楽譜では、アップ、ダウン、スラーなどが示されています。初心者が弓順を考える際の手掛かりになるほか、アンサンブルではメンバー同士の弓順をそろえるためにも役立ちます。

版によってボウイングが違うことがありますが、「違うからどちらかが間違っている」とは限りません。

独学で練習する場合には、運指やボウイングだけでなく、模範演奏や伴奏音源の有無も確認するとよいでしょう。

二重奏の場合は、自分のパートだけでなく相手のパートの難易度も確認します。1st Celloは弾けても、2nd Celloだけ極端に難しければ、二人で合わせるのが難しくなることがあります。

チェロの無料楽譜を安全に探す方法

「チェロ 楽譜 無料」と検索すると、さまざまなPDFや楽譜サイトが見つかります。しかし、検索結果に表示されたものを無条件にダウンロードするのは避けたほうがよいでしょう。

無料楽譜には、著作権保護期間が終了した作品の歴史的出版譜、作曲者本人が無償公開している作品、一定のライセンス条件で公開されている作品などがあります。

さらに、著作権が存続している作品でも、権利者や正規サービスが適切な許諾のもとで無料公開している場合があります。

つまり、確認したいのは「0円でダウンロードできるか」だけではありません。誰が、どのような条件で公開している楽譜なのかを見る必要があります。

無料楽譜の種類と探し方

クラシックの無料楽譜を探す代表的な選択肢として、IMSLPがあります。

IMSLPはクラシックを中心としたオンライン楽譜ライブラリーで、チェロ独奏、チェロとピアノ、2本のチェロなど、さまざまな編成の作品を探せます。

作品ページでは、作曲者、作品番号、編成、出版情報、スコア、パートなどを確認できます。同じ作品について複数の出版譜やファイルが登録されている場合もあるため、版を比較したいときにも役立ちます。

ただし、掲載されているファイルの法的な状態を確認せず、「IMSLPにあるから何でも自由」と考えるのは適切ではありません。IMSLPの公式免責事項でも、著作権法は国によって異なり、利用者の国における個々のファイルの著作権状態を一律に保証するものではないことが示されています。

Mutopia Projectも、パブリックドメイン作品などの楽譜を探せる選択肢です。

Mutopia ProjectではLilyPondによって浄書された楽譜が中心で、PDFのほか、作品によってはLilyPondソースやMIDIなどが提供されています。

チェロでは、J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲などの作品を確認できます。たとえば「無伴奏チェロ組曲第1番 BWV1007」の掲載ページでは、楽器、出典、著作権表示などを確認できます。

ただし、無料で公開されていることと、音楽的・編集上の正確性が完全に保証されていることは別です。長期間練習する作品や本番で使用する作品では、別の版と照合することも選択肢になります。

MuseScore.comのようなユーザー投稿型サービスでは、クラシックだけでなく、ポップス、ロック、映画音楽など幅広いジャンルの楽譜を検索できます。

一方、ユーザーが作った楽譜だからといって、その作品が自動的に著作権フリーになるわけではありません。MuseScore.comも著作権保護作品を扱うため出版社などとのライセンス契約を行っており、作品によって利用できる範囲が異なります。

無料楽譜を探すときは、「なぜこの楽譜は無料なのか」を確認すると判断しやすくなります。

パブリックドメインなのか、作曲者本人が公開しているのか、ライセンスによって利用が認められているのか、正規サービスが提供しているのかを確認しましょう。

無料PDFで確認したい著作権

無料のチェロ楽譜を利用するときに特に間違えやすいのが、「原曲の著作権」と「特定の楽譜に関係する権利」を同じものとして考えてしまうことです。

たとえば、バッハなど歴史的な作曲家の原作品そのものがパブリックドメインであっても、現代の編曲者が新たに作ったチェロ二重奏版については、その編曲部分に権利が関係する可能性があります。

現代の校訂版に加えられた独自の運指、ボウイング、解説などについても同様に考える必要があります。

そのため、原曲が古いことだけでPDFの利用可否を判断しないことが重要です。

著作権の保護状況は国や地域によって異なる場合があります。海外のサイトでパブリックドメインとして公開されている場合でも、日本で利用するときの状態を確認する必要が生じることがあります。

さらに、「利用する」の意味にも注意しましょう。

個人で閲覧・演奏することと、複製して配布すること、インターネット上で公開すること、編曲して再配布することなどでは、確認すべき条件が異なる可能性があります。

法的な判断が必要になる特殊な利用を予定している場合には、権利者、出版社、著作権管理団体などへの確認が確実です。

出所不明の楽譜を避けるポイント

無料PDFを見つけたときは、ファイルそのものを見る前に配布元を確認しましょう。

特に慎重に判断したいのは、作成者や出版社が分からないPDFです。

市販されている楽譜をそのままスキャンしたように見えるもの、出版社名や商品情報が残っているにもかかわらず無関係なサイトから無料配布されているものなどは、正規配布なのか確認する必要があります。

著作権が存続している人気ポップスの市販譜が、権利や配布理由について何の説明もなく無料PDFとして掲載されている場合も注意が必要です。

また、検索結果をクリックしたらファイル共有サービスのPDFへ直接移動した、というケースもあります。検索エンジンに表示されていること自体は、正規配布であることを証明するものではありません。

無料楽譜をダウンロードする前には、少なくとも次のような情報を確認すると判断しやすくなります。

  • 配布しているサイトや人物
  • 作曲者
  • 編曲者
  • 校訂者
  • 出版社
  • 原作品の権利状態
  • 編曲版の権利状態
  • ライセンス表示
  • 印刷や共有などの利用条件

さらに、楽譜として実際に使用できるかという観点では、ページの欠落、音符や臨時記号の不自然な箇所、印刷したときの読みやすさなども確認しましょう。

チェロ二重奏の楽譜を探す方法

チェロ二重奏の楽譜を探しているのに、日本語だけでは希望する曲がなかなか見つからないことがあります。

これは、同じ編成でも楽譜サイトによって表記方法が異なるためです。

日本語では「チェロ 二重奏」「チェロ 2重奏」「チェロ デュオ」「2本のチェロ」などで検索できます。

英語では「Cello Duet」「Cello Duo」「2 Cellos」「Two Cellos」「2 Violoncellos」などの表記があります。

日本語検索で候補が少ないときは、これらの英語表記に曲名や作曲者名を組み合わせると探しやすくなります。

ただし、「Duet」「Duo」という言葉だけでは、必ずしも2本のチェロを意味しません。

チェロとピアノ、チェロとギターなど、異なる2種類の楽器によるデュオを指している場合があります。ダウンロードや購入をする前に、Instrumentationなどの編成表示を確認しましょう。

二重奏では、「原曲が2本のチェロのために作曲された作品なのか」「別の編成からチェロ2本へ編曲された作品なのか」も確認しておきたいポイントです。

どちらがよいという意味ではありませんが、原曲と編曲では楽譜の性格が異なります。

また、1st Celloと2nd Celloの難易度も確認してください。

1stが旋律、2ndが単純な伴奏という作品ばかりではありません。両者が対等に旋律を受け渡す作品もあれば、一方のパートだけに高いポジションや複雑なリズムが集中する場合もあります。

初心者同士で演奏するなら、両パートの難易度が大きく離れていない楽譜のほうが合わせやすいでしょう。

先生と生徒で演奏する場合には、生徒側を易しくして、もう一方のパートが音楽を支えるように作られた教育用デュオも候補になります。

総譜と個別パートの有無も確認します。スコアしかない場合、二人が同じページを見て演奏するのか、それぞれの譜面を用意できるのかによって使いやすさが変わります。

無料で探しやすいチェロ二重奏

歴史的なチェロ二重奏作品の中には、パブリックドメインとなった版を探せるものがあります。

候補として挙げられるのが、フリードリヒ・ドッツァウアー、フリードリヒ・アウグスト・クンマー、セバスチャン・リー、ジャック・オッフェンバックなどの作品です。

ルイジ・ボッケリーニにも2本のチェロで演奏できる作品があります。また、ジャン=バティスト・ブレヴァルの作品には、チェロと低音楽器という編成で、第2チェロによって演奏できる歴史的楽譜もあります。

このような作品を探すときにも、作曲者名と「2 Cellos」「Cello Duet」などを組み合わせて検索すると候補を絞りやすくなります。

ただし、歴史的な原作品がパブリックドメインであることと、現在公開されているすべての編曲版・校訂版を自由に使えることは同じではありません。

現代の編曲や新しい校訂が加えられている場合には、ファイルごとの権利表示や利用条件を確認してください。

チェロアンサンブル楽譜の選び方

チェロアンサンブルという言葉は、特定の人数だけを意味するものではありません。

2本のチェロによる二重奏から、3本、4本、5本、さらに多数のチェロによる合奏まで、さまざまな編成があります。

英語では「Cello Ensemble」という表現のほか、3本なら「Cello Trio」、4本なら「Cello Quartet」、5本なら「Cello Quintet」「Five Cellos」などで検索できます。

多数のチェロによる合奏では「Cello Choir」という表記が使われる場合もあります。

アンサンブル楽譜を選ぶときに重要なのは、演奏人数ではなく独立したパート数まで確認することです。

たとえば、4つのチェロパートで構成された楽譜を5人で演奏し、一つのパートを2人で担当することはできます。この場合、演奏者は5人ですが、楽譜そのものは5声のチェロ五重奏ではありません。

反対に、5つの独立したチェロパートを持つ楽譜なら、それぞれ異なる役割を担当することになります。

楽譜を選ぶときは、人数だけでなく、スコア上にいくつの独立したパートがあるのかを確認しましょう。

各パートの難易度も重要です。アンサンブルでは、参加者全員の演奏レベルが同じとは限りません。

高音域を担当するパート、低音で伴奏を支えるパート、細かいリズムを担当するパートなど、役割によって難しさが変わる場合があります。

メンバーに合わせてパートを割り振れるか、事前に譜面を確認しておくと練習を始めやすくなります。

総譜だけでなく各パート譜が用意されているかも確認しましょう。市販譜ではスコアとパートが整理された商品がありますが、無料譜ではスコアだけが公開されている場合もあります。

五重奏はチェロの本数を確認する

「チェロ 五 重奏 楽譜」と検索するときは、求めている編成を明確にする必要があります。

検索者が探しているものとして考えられるのは、大きく分けて「5本すべてチェロの楽譜」と「チェロを含む五重奏の楽譜」です。

この二つは同じではありません。

一般的な弦楽五重奏では、ヴァイオリンやヴィオラなど、チェロ以外の弦楽器を含む編成があります。そのため、「Quintet」と書かれていることだけを見て選ぶと、希望する5本のチェロ用ではない可能性があります。

5本すべてチェロの楽譜を探したい場合は、「Cello Quintet」「Five Cellos」「for 5 Cellos」といった表記を確認します。

商品ページや作品ページでは、タイトルだけではなくInstrumentationの欄を確認し、5本のチェロが指定されているかを確かめましょう。

チェロとギターの二重奏譜の探し方

チェロとギターの二重奏は、チェロ2本のデュオとは別の検索方法が必要です。

日本語では「チェロ ギター 二重奏 楽譜」、英語では「Cello and Guitar」「Cello & Guitar」「Cello Guitar Duet」「Violoncello and Guitar」などの表記で探せます。

クラシック作品だけでなく、ポップスをチェロとギターのために編曲した楽譜が見つかる場合もあります。

選ぶ際は、チェロパートだけを見るのではなく、ギターパートの仕様も確認しましょう。

ギター譜には、標準的な五線譜だけで記載されているもの、TABが付いているもの、コードネームが付いているものなどがあります。

共演するギター奏者が普段どの形式を使用しているかによって、読みやすさは変わります。

また、商品によっては、スコア、チェロの個別パート、ギターの個別パートがセットになっています。伴奏練習用の音源が付属しているものなら、チェロ奏者が一人で練習するときに利用できる場合もあります。

デジタル楽譜の場合には、PDFとしてダウンロードできるか、印刷にどのような条件があるかも確認しておきましょう。

注意したいのは、チェロとピアノ用の楽譜が見つかったからといって、そのピアノパートをそのままギターで演奏できるとは限らないことです。

ピアノとギターでは演奏できる音の配置や響きの作り方が異なるため、単純な置き換えが適さない場合があります。

チェロとギターで演奏することが目的なら、最初からその編成を想定して作られた楽譜や編曲を探すほうが確実です。

チェロのポップス楽譜を探す方法

チェロでポップスを演奏したい場合、クラシックの無料楽譜を探すときとは少し考え方を変える必要があります。

現代のポップスには著作権が存続している作品が多いためです。

そのため、「有名な曲なのに無料楽譜サイトで見つからない」という状況は不自然ではありません。

ポップスでは原曲の権利だけでなく、チェロ用に作られた編曲についても権利が関係します。

安全に探すなら、出版社、正規楽譜販売サービス、権利処理された楽譜プラットフォームなどから探すことが基本になります。

無料で提供されている場合でも、正規配布元や利用条件を確認してください。

また、ポップスの楽譜では「Cello」と表示されていても、内容が希望するものとは限りません。

チェロがメロディーだけを演奏する単旋律譜、チェロとピアノの編曲、チェロとギターの編曲、弦楽アンサンブルの中のチェロパートなど、同じ曲にもさまざまな形があります。

原曲キーのままではなく、チェロで演奏しやすい調へ移調されている場合もあります。初心者向けに音域を狭くしたり、複雑なリズムを簡略化したりした編曲もあります。

楽譜プレビューを確認できる場合は、購入やダウンロードの前に、音域、調、リズム、使用する音部記号などを確認するとよいでしょう。

難易度について「Easy」「Beginning」「Intermediate」などの表示があっても、基準は提供元によって異なります。表示だけを頼りにせず、可能であれば実際の譜面を確認することが大切です。

ポップスの無料PDFについては特に、正規配布かどうかを確認してから利用することを優先してください。

発売中の市販譜をスキャンしたようなPDFや、配布理由やライセンスが分からないファイルを見つけた場合は、正規の販売・配信元を探すほうが安全です。

市販楽譜を選ぶ価値が高いケース

無料楽譜が豊富に見つかるクラシック作品でも、目的によっては市販楽譜を選ぶ価値があります。

代表的なのが、チェロを始めたばかりで運指やボウイングの補助が必要な場合です。

歴史的な無料譜では、現代の初心者が学習することを前提とした運指やポジションの説明が付いていない場合があります。

教育目的で編集された市販譜であれば、対象となる学習段階を意識した運指やボウイングなどが用意されていることがあります。

レッスンを受けている場合は、教師から使用する版を指定されることもあります。同じ作品でも版によってページ番号、運指、ボウイングなどが異なるため、同じ版を使うことで指示を共有しやすくなります。独学では判断しにくい運指やボウイングも含めて練習したい場合は、チェロをレッスンで学ぶ選択肢もあります。

発表会や本番で長期間使用する曲でも、市販譜を検討する価値があります。

楽譜の読みやすさ、譜めくりの位置、印刷品質、校訂内容などは、日常的に繰り返し使うほど重要になります。

アンサンブルの場合には、総譜と各パート譜が整理されているかどうかも実用性に影響します。

ポップスや特定の編曲を演奏したい場合にも、市販楽譜は有力な選択肢です。著作権が存続している作品では、正規に権利処理された楽譜を入手する必要があります。

チェロとギターなど、特定の組み合わせのために作られた専用アレンジが必要な場合も、目的に合った市販譜を探す価値があります。

紙の市販譜とデジタル市販譜のどちらが適しているかも、使い方によって変わります。

デジタル楽譜には、購入後すぐに利用できるものがあります。一方、印刷可能回数、利用端末、利用部数などに条件が設定される場合があります。

購入したPDFだからといって、アンサンブルのメンバー全員に自由にコピーできるとは限りません。必要部数と利用条件を確認してください。

紙の市販譜には、演奏用として読みやすいサイズやレイアウトの商品があります。パート譜が分冊されていれば、アンサンブルでも使いやすくなります。

一方、海外の出版譜では、在庫状況によって取り寄せが必要になることがあります。

同じ曲について無料譜と市販譜の両方が存在するなら、どちらか一方だけに決める必要もありません。

正規の無料譜で曲を確認し、継続して練習したいと判断してから、自分の目的に合った校訂版や教育版を選ぶ方法もあります。

無料譜にも実用的なものがあり、市販譜だから必ず自分に最適というわけでもありません。

判断するときは、次の項目を確認すると整理しやすくなります。

  • 曲名と作曲者
  • 原曲か編曲か
  • 編曲者と校訂者
  • 楽器編成
  • チェロの本数
  • 伴奏楽器
  • 難易度
  • 音域と使用する音部記号
  • 運指とボウイングの有無
  • 総譜と個別パート譜の有無
  • PDFか紙か
  • 印刷や複製に関する条件
  • 著作権・ライセンス表示

これらを確認すれば、無料か有料かという価格だけではなく、「実際に自分が使いやすい楽譜か」という視点で比較できます。

まとめ

チェロの楽譜には、無料で利用できるものと市販されているものがあり、それぞれに適した使い方があります。

パブリックドメインのクラシックを試したい場合、複数の歴史的な版を比較したい場合、譜読みの曲数を増やしたい場合、チェロ二重奏の練習曲を探したい場合などは、正規に公開された無料楽譜が便利です。

一方、初心者向けの運指やボウイングが必要な場合、レッスンで長期間使う場合、発表会や本番で使用する場合、ポップスや特定の編曲を演奏する場合、アンサンブルで整理されたパート譜が必要な場合などは、市販楽譜を検討する価値があります。

無料PDFを利用するときは、「無料でダウンロードできる」という理由だけで判断しないことが大切です。配布元、作曲者、編曲者、校訂者、出版社、ライセンス、利用条件などを確認しましょう。

チェロ二重奏なら「Cello Duet」「2 Cellos」、アンサンブルなら「Cello Ensemble」、5本のチェロなら「Cello Quintet」「Five Cellos」、チェロとギターなら「Cello and Guitar」など、英語の編成名も活用すると候補を探しやすくなります。

そして、楽譜を入手する前には、難易度、音域、使用する音部記号、運指、ボウイング、編成、パート譜の有無まで確認してください。

無料と市販のどちらか一方に決めるのではなく、曲を試す段階では正規の無料譜、継続的な練習や本番では目的に合った市販譜というように使い分ける方法もあります。

自分の演奏レベルと目的、必要な編成を基準にすれば、数多くの候補の中から使いやすいチェロ楽譜を選びやすくなります。