バイオリンの弦は何本?4弦の名前と音を初心者向けに詳しく解説

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バイオリンを見て、「弦は何本あるの?」「E線やA線って、どの弦のこと?」「第4弦って4本全部のこと?」と迷っていませんか。

結論から言うと、標準的なバイオリンの弦は4本です。高い音の方からE線・A線・D線・G線、低い音の方から並べるとG線・D線・A線・E線になります。

さらに、それぞれの開放弦の音は、低い方からG3(ソ)・D4(レ)・A4(ラ)・E5(ミ)です。

まず覚えたい基本

  • 標準的なバイオリンの弦は4本
  • 高い方からE・A・D・G
  • 低い方からG・D・A・E
  • 第1弦=E線、第2弦=A線、第3弦=D線、第4弦=G線
  • 低い方からソ・レ・ラ・ミ

ここまで覚えるだけでも、「バイオリン 弦の数」「バイオリン 弦 何本」「バイオリン 弦 名前」といった基本的な疑問はかなり解消できます。

ただ、実際にバイオリンを手にすると、「どちら側がE線?」「4弦と第4弦は同じ意味?」「4/4という表示もあるけれど、これも弦の数?」と、新しい疑問が出てくるかもしれません。

初心者なら混乱して当然ですよ。バイオリンでは、弦の本数、弦名、弦番号、楽器サイズの表記が近い場所に出てくるので、言葉を一つずつ分けて理解するのが近道です。

この記事では、4本の弦の名前と音だけでなく、開放弦、完全5度、周波数、チューニング、弦の見分け方、交換弦を選ぶときの注意までまとめて解説します。

バイオリンの弦は標準で4本

一般的なアコースティックバイオリンには、4本の弦が張られています。

この4本はすべて同じ音を出すわけではありません。それぞれ異なる高さの開放弦を持ち、4本を組み合わせることで、バイオリンらしい広い音域を作っています。

ヤマハの楽器解説でも、バイオリンには音の高い方からE線・A線・D線・G線の4本が張られていることが説明されています。また、弦の素材にはガット、ナイロン系、スチールなど複数の種類があります。(出典:ヤマハ株式会社「バイオリンのしくみ:弦のしくみは?」)

「バイオリンには4本」と最初に覚えて問題ありませんが、正確には標準的なバイオリンが4弦です。後ほど紹介するように、5弦のエレクトリックバイオリンなども実在します。

そのため、「すべてのバイオリンは例外なく必ず4本」と言い切るより、「一般的なバイオリンは4本」と理解するのが正確です。

4本の弦名はE・A・D・G

バイオリンの4本の弦は、E線・A線・D線・G線と呼ばれます。

高い音が出る細い弦から順番に並べると、次の通りです。

高い方から:E線 → A線 → D線 → G線

低い方から:G線 → D線 → A線 → E線

この2種類の並べ方は、どちらも正解です。

「E・A・D・Gが正しい並びで、G・D・A・Eは間違い」ということではありません。単純に、どちらの方向から弦を見ているかが違います。

高音側から説明するとE・A・D・G、低音側から説明するとG・D・A・Eです。

初心者のうちは、まず片方だけを覚えて、頭の中で逆にできるようにすると楽ですよ。

たとえば、最も細いE線をスタート地点として、

E → A → D → G

細い → 太い

高い → 低い

とセットで覚えておく方法があります。

逆に、最も太いG線から見れば、

G → D → A → E

太い → 細い

低い → 高い

となります。

ドレミに置き換えると、高い方からミ・ラ・レ・ソ、低い方からソ・レ・ラ・ミです。

「アルファベットだと覚えにくい」という場合は、最初はG=ソ、D=レ、A=ラ、E=ミという対応も一緒に覚えてみてください。

また、「バイオリンの線の名前」という検索もありますが、楽器に張られているもの全体の一般的な名称は「弦(げん)」です。

一方で、個々の弦については「E線」「A線」「D線」「G線」と「線」の字を使って呼びます。

つまり、

全体としての名称=弦

個々の名称=E線・A線・D線・G線

という整理で大丈夫です。

さらに、日本のクラシック音楽の現場では、E線を「エー線」、A線を「アー線」、D線を「デー線」、G線を「ゲー線」と呼ぶことがあります。

英語のアルファベット読みを想像すると、Eは「イー」なので「なぜエー線?」と引っかかるかもしれません。

これはドイツ音名に由来する呼び方です。指導者や演奏現場によって呼び方に多少違いがあるため、まずは発音だけを丸暗記するより、E・A・D・Gの文字とミ・ラ・レ・ソの音を対応させるのがおすすめです。

第1弦から第4弦の対応

バイオリンでは、最も高く細いE線から順番に第1弦、第2弦、第3弦、第4弦と番号を付けます。

弦番号 弦名 ドレミ 開放弦 特徴
第1弦 E線 E5 最も細く、最も高い
第2弦 A線 A4 高音側
第3弦 D線 D4 低音側
第4弦 G線 G3 最も太く、最も低い

ですので、「バイオリンの1弦は何?」ならE線、「2弦は?」ならA線、「3弦は?」ならD線、「4弦は?」ならG線です。

特に検索時に迷いやすいのが「バイオリンの4弦」という言葉です。

「バイオリンは4弦です」という文章なら、一般的には「弦が全部で4本あります」という意味になります。

一方で、「バイオリンの第4弦は何ですか?」なら、答えはG線です。

「4弦」と「第4弦」は意味が違うことがあります。

4弦バイオリン=4本の弦を持つバイオリン

第4弦=G線

この違いを知らないと、「4弦はE・A・D・G全部のことなのか、G線だけなのか」が分からなくなります。

文章の中に「第」が付いているかを見ると判断しやすいですよ。

4本の弦の音と並び方

バイオリンのE線・A線・D線・G線という名前は、弦の材質や太さを表しているわけではありません。

それぞれの弦を左手で押さえずに鳴らしたときの音から名前が付いています。

この、指で弦を押さえずに鳴らす音を「開放弦」と呼びます。

E線なら開放弦がE、A線ならA、D線ならD、G線ならGです。

ここを理解すると、「G線からはGしか出せないの?」という疑問も解決できます。

Gというのは、あくまで開放弦で鳴らしたときの音です。左手の指でG線を押さえれば、Gより高いさまざまな音を出せます。

弦を指板へ押さえ付けると、実際に振動する弦の長さが短くなります。弦の振動部分が短くなることで、開放弦より高い音へ変化していくわけです。

そのため、「E線=ミしか鳴らせない」「G線=ソ専用」と考えないようにしてください。

低い方からG・D・A・E

音の高さを基準に並べると、バイオリンの4本の開放弦はG3 → D4 → A4 → E5です。

ドレミでは、ソ → レ → ラ → ミになります。

低い順 弦名 音名 ドレミ 弦番号
1 G線 G3 第4弦
2 D線 D4 第3弦
3 A線 A4 第2弦
4 E線 E5 第1弦

ここで少しややこしいのが、弦番号は高い方から数えるのに、音域の説明は低い方から行われることがある点です。

弦番号では第1弦がE線、第4弦がG線。

一方で、開放弦の音域を低い方から説明すると、G・D・A・E。

順番が反対になるので、初めて見ると混乱しやすいんですよね。

弦番号を覚えるとき:E → A → D → G

低音から覚えるとき:G → D → A → E

「どちらの順番が正しいか」ではなく、「何を基準に並べているのか」を見るようにすると整理できます。

たとえばチューナーで一番低い音を確認したい場合はG線。一番高い開放弦を確認したい場合はE線です。

実物のバイオリンを見ながら覚えるなら、太さと音の高さも一緒に結び付けると定着しやすくなります。

開放弦の音と周波数

開放弦とは、左手の指で弦を押さえず、そのまま鳴らした音です。

バイオリンでは、この開放弦の音を基準にして4本を調弦します。

A4を440Hzとし、12平均律で考えた場合、開放弦の周波数の目安は次の通りです。

音名 ドレミ A4=440Hz・12平均律での周波数目安
G線 G3 約196.00Hz
D線 D4 約293.66Hz
A線 A4 440.00Hz
E線 E5 約659.26Hz

この数字を見て、「ではA線は絶対に440Hzなの?」と思うかもしれません。

ここは条件付きで考える必要があります。

A4=440Hzという基準ピッチを採用した場合には、A線の開放弦を440Hzに合わせます。

ただし、演奏団体や環境によって基準ピッチが異なることがあります。電子チューナーにも基準ピッチを変更できるものがあるため、「Aは必ず440Hz固定」と覚えるのは正確ではありません。

オーケストラ、アンサンブル、教室などで基準となるA音を指定された場合は、その指定を優先します。

初心者が覚えるときの基本

特別な指定がなければ、まずA4=440Hzを基準として理解すると分かりやすいです。

また、上のG3約196.00Hz、D4約293.66Hz、E5約659.26Hzという数値は、A4=440Hzと12平均律を前提に計算した目安です。

実際に弦同士の響きを聴きながら完全5度で合わせる方法では、12平均律の数値との間にわずかな違いを考える場合もあります。

とはいえ、弦の名前を覚え始めた初心者が、最初から細かな音律の違いまで理解する必要はありません。

まずは、

  • G線=G3
  • D線=D4
  • A線=A4
  • E線=E5

という4つを正しく対応させることを優先しましょう。

隣り合う弦は完全5度

バイオリンの4本の弦には、並び方にも規則があります。

隣り合う開放弦は、すべて完全5度の間隔になっています。

G → D=完全5度

D → A=完全5度

A → E=完全5度

半音の数で表すと、完全5度は7半音です。

つまり、低いG線から7半音上へ進むとD、Dから7半音上がA、Aから7半音上がEという並びになっています。

「なぜG・D・A・Eという不規則そうな文字の並びなの?」と思っていた場合も、すべて完全5度ずつ離れていると知ると、少し見通しがよくなるかなと思います。

この完全5度の関係は、調弦を理解するときにも重要です。

合奏などでは基準のA音を受け取ってA線を合わせ、そこからほかの弦を完全5度の響きを利用して合わせる方法があります。

もちろん、初心者が最初から耳だけで正確に完全5度を作るのは簡単ではありません。

音程に自信がないときは、電子チューナーなどでG・D・A・Eの表示を確認しながら合わせて問題ありません。

まず機械で正しい音を確認し、正しい開放弦の響きを繰り返し聴くことも、4本の音を覚える助けになります。

E線・A線・D線・G線の特徴

4本の弦は、名前と音の高さだけでなく、太さや役割にも違いがあります。

基本的には高い音を担当する弦ほど細く、低い音を担当する弦ほど太いと考えてください。

実物を前にして「どれが何線か分からない」というときも、この太さの違いが大きな手掛かりになります。

E線とA線の特徴

E線は第1弦です。

開放弦はE5、ドレミではミ。4本の中で最も高い開放弦の音を持ち、見た目も最も細い弦です。

高音域を担当するため、明るく鋭さのある響きを出しやすい弦でもあります。

初心者が特に注意したいのは調弦です。

E線は細いため、目的のEより大きく音程を上げてしまうと、張力が高くなりすぎて弦を切る可能性があります。

E線のペグを勢いよく回さないようにしましょう。

チューナーを見ながら少しずつ音程を近づけ、アジャスターが付いている場合は細かな調整に使います。

E線は、ほかの3本と同じ素材とは限りません。

たとえば合成繊維系の弦セットでも、E線のみスチールという組み合わせがあります。

ここで重要なのは、E・A・D・Gという名前は素材名ではないという点です。

E線という名前だから特定の金属で作られている、A線だから特定の素材という決まりではありません。

続いて、A線は第2弦です。

開放弦はA4、ドレミではラ。

A線は、バイオリンのチューニングで基準として扱われることが多い弦です。

A4=440Hzを採用する場合には、このA線を440Hzへ合わせます。

合奏ではA音を基準に調弦を始めることが多いため、バイオリンを続けているとAの音を耳にする機会も自然と増えていきます。

ただし、実際の基準ピッチは演奏環境によって異なる場合があります。

「自分のチューナーでは440Hzだけれど、今日は別の数値を指定された」という場合は、故障や間違いと決めつけず、その場の基準を確認してください。

D線とG線の特徴

D線は第3弦です。

開放弦はD4、ドレミではレ。

4本の位置関係では、G線とA線の間にあります。

太さも一般的にはE線より太く、G線より細く、中低音域を担当する弦と考えると分かりやすいです。

D線を単独で見ただけでは、初心者にはA線と見分けづらいことがあるかもしれません。

そんなときは1本だけを見ず、4本全体を見てください。

最も細いE線と最も太いG線を先に見つけると、その間にある2本がA線とD線です。そしてE線側がA、G線側がDとなります。

G線は第4弦です。

開放弦はG3、ドレミではソ。

標準的なバイオリンでは、4本のうち最も太く、最も低い開放弦を持っています。

低く厚みのある音域を担当し、最も細く高いE線とは見た目でも比較しやすい弦です。

両端から覚えると簡単です。

最も細い・最も高い=E線

最も太い・最も低い=G線

その間がA線とD線

「G線上のアリア」という曲名で知られる「G線」も、バイオリンのこのG線を指します。

ただし、G線ではGの音しか出せないという意味ではありません。

G3はあくまで開放弦の音なので、指板上で押さえる場所を変えれば、G線でもより高い音を演奏できます。

4弦・第4弦・4/4の違い

バイオリン初心者がかなり混乱しやすいのが、「4弦」「第4弦」「4/4」という3つの表現です。

見た目は似ていますが、意味はそれぞれ違います。

表現 意味 覚え方
4弦バイオリン 4本の弦を持つバイオリン 本数の話
第4弦 G線 弦番号の話
4/4バイオリン 一般にフルサイズのバイオリン 楽器サイズの話

まず「4弦バイオリン」という場合は、4本の弦が張られたバイオリンという意味です。

「バイオリンは標準的には4弦です」という説明なら、この意味ですね。

次に「第4弦」は、弦番号を表しています。

バイオリンは高音側から番号を付けるため、第1弦E、第2弦A、第3弦D、第4弦Gです。

したがって、第4弦=G線

そして「4/4」は弦数ではありません。

4/4は、バイオリン本体のサイズを示す表記です。

一般に4/4はフルサイズと呼ばれます。

ほかにも、3/4、1/2、1/4、1/8、1/16などの分数サイズがあります。

これらは主に演奏者の体格などに合わせて選ぶための楽器サイズです。

たとえば1/2サイズのバイオリンだからといって、弦が2本になるわけではありません。

1/4サイズだから弦が1本になるわけでもありません。

分数バイオリンも、標準的にはE・A・D・Gの4本を使います。

「4/4=4本の弦」という意味ではありません。

4/4=楽器サイズ

4弦=弦が4本

第4弦=G線

この区別は、交換弦を購入するときに特に重要です。

商品説明に「4/4用」と書かれている場合、それは「弦が4本入っている」という意味ではなく、4/4サイズのバイオリンに対応する弦という意味で使われています。

セットなのか単品なのかは、別に確認しなければいけません。

バイオリンの弦を見分ける方法

知識としてE・A・D・Gを覚えても、いざ目の前のバイオリンを見ると「どれがE線?」となることがあります。

実物で見分けるときは、位置・太さ・音を組み合わせて判断すると確実です。

最も細く、最も高い音=E線=第1弦

その隣=A線=第2弦

その隣=D線=第3弦

最も太く、最も低い音=G線=第4弦

最初から4本全部を一気に覚えようとすると迷うかもしれません。

そこで、まず両端を探してください。

明らかに細い弦がE線、明らかに太い弦がG線。その2本が分かれば、中間にある2本も判別しやすくなります。

E線のすぐ隣がA線、G線のすぐ隣がD線です。

音を出せる状態なら、開放弦の音でも確認できます。

チューナーを使って、最も細い弦を鳴らしてEと表示されればE線、最も太い弦を鳴らしてGと表示されればG線です。

ただし、楽器が大きく調弦から外れている場合には、今鳴っている音だけを見て弦名を判断すると間違える可能性があります。

その場合は、太さや位置、交換弦の表示も合わせて確認してください。

もう一つ気を付けたいのが、弦の端に巻かれている糸の色です。

バイオリン弦には、ペグ側やテールピース側に色の付いた糸が巻かれているものがあります。

色で製品や弦を区別できる場合もありますが、色の組み合わせはメーカーや製品によって異なります。

そのため、「赤なら必ずA線」「青なら必ずD線」のように、色だけを一般ルールとして覚えるのはおすすめできません。

交換用弦を取り出す場合は、パッケージに書かれているE、A、D、Gの表示を確認するのが確実です。

さらに、弦の名前を人から聞いたときの呼び方にも注意しましょう。

E線を「エー線」、A線を「アー線」、D線を「デー線」、G線を「ゲー線」と呼ぶ場合があります。

初心者なら最初は聞き慣れなくても大丈夫です。

重要なのは、呼び方よりも、

  • E=ミ=第1弦
  • A=ラ=第2弦
  • D=レ=第3弦
  • G=ソ=第4弦

という関係を崩さず覚えることです。

初心者向けチューニングの基礎

4本の弦の名前が分かったら、次に知っておきたいのがチューニングです。

チューニング、つまり調弦とは、4本の開放弦を正しい音程へ合わせる作業です。

E線=E

A線=A

D線=D

G線=G

初心者の場合は、表示で音名を確認できる電子チューナー、クリップ式チューナー、クロマチックチューナーなどが分かりやすいでしょう。

スマートフォンなどのクロマチックチューナーを利用する方法もあります。

調弦では、まずA線を基準として合わせ、そこからD、G、Eへ進める方法があります。

たとえば、

A → D → G → E

という順番です。

ただし、「絶対にこの順番でなければいけない」というルールではありません。

初心者のうちは、4本すべてが目的のE・A・D・Gへ正しく合っていることの方が重要です。

バイオリンで音程を調整する部品として、まずペグ(糸巻き)があります。

ペグはネック上部にあり、4本の弦をそれぞれ巻き取っています。

ペグを回すと弦の張力が大きく変わるため、音程を大きく上下させるときに使います。

そして、テールピース側に付いていることがあるのがアジャスター、またはファインチューナーです。

こちらは音程を細かく動かすために使います。

伝統的なセッティングではE線だけにアジャスターを付ける場合がありますが、初心者向けのバイオリンなどでは4本すべてにアジャスターを備えるものもあります。

そのため、「バイオリンのアジャスターは必ずE線に1個だけ」と決めつける必要はありません。

自分の楽器に4個付いていても、それだけで異常ということではないですよ。

ペグを一気に回さないことが大切です。

特に細いE線は、目的の音を大きく超えて張ると切れる危険があります。

チューナーを使うときは、表示されたアルファベットもよく確認してください。

たとえばA線を合わせているつもりでも、現在の音程が大きくずれていると、画面には別の音名が表示されることがあります。

「針が中央に来れば何でもよい」のではなく、目的の弦名であるE・A・D・Gが表示されている状態で中央へ合わせる必要があります。

また、A4の基準周波数設定も確認します。

特別な指定がなければ440Hzを基準として理解しやすいですが、演奏環境から別の基準を指定されている場合はそちらを優先してください。

アジャスターが付いている場合は、ペグで大まかな音程を作り、最後にアジャスターで細かく合わせると扱いやすいです。

もう一つ見落としやすいのが駒の状態です。

バイオリンの弦は駒の上を通っています。調弦を繰り返して弦の張力が変化すると、駒が指板側へ引っ張られて傾くことがあります。

調弦だけに集中していると気付きにくいので、ときどき横から駒の状態も確認しましょう。

ただし、駒の位置や角度が明らかにおかしく、自分で直してよいか判断できない場合は、無理に力を加えない方が安心です。

弦楽器を扱う専門店や指導者へ相談する方法があります。

特に初めての調弦では、「音を高くしすぎて切れないかな」と不安になるものです。

そういうときこそ、少しずつ音を動かしながら、チューナーの音名表示まで確認して進めてください。

交換弦を選ぶときの確認点

弦が切れたり、古くなって交換したりするときは、「バイオリン用なら何でも同じ」というわけではありません。

交換弦を選ぶときには、最低限いくつか確認したい項目があります。

  • バイオリン用の弦か
  • 自分の楽器サイズに対応しているか
  • E・A・D・Gの4本セットか単品か
  • 弦の素材や構造
  • テンションやゲージ
  • E線のエンド形状
  • テールピースやアジャスターとの適合

最初に見るべきなのは、自分のバイオリンのサイズです。

4/4サイズの楽器を使っているなら4/4対応の弦、1/2サイズなら1/2対応の弦というように確認します。

ここでも、「4/4」と「4弦」の違いが重要になります。

4/4は「4本セット」という意味ではありません。

商品に4/4と書いてあっても、それだけでE・A・D・Gの4本すべてが入っているとは判断できません。

4本セットなのか、E線だけ、A線だけといった単品販売なのかは、商品内容を別に確認してください。

次に確認したいのが素材です。

バイオリン弦の芯材は、大きく分けるとスチール系、ガット系、合成繊維系などがあります。

さらに、巻線にはアルミニウムや銀などさまざまな金属が使われる場合があります。

E・A・D・Gという名前は開放弦の音を表しているため、素材とは別の話です。

4本セットを購入しても、4本すべてがまったく同じ構造とは限りません。

たとえば合成繊維系のセットでも、E線だけはスチールという組み合わせが存在します。

一般的な傾向として、スチール系は調弦が安定しやすいとされます。

ガット系は豊かな表現力を持つ一方、温度や湿度など環境変化によって調弦への影響を受けやすい傾向があります。

合成繊維系は製品によって性格が幅広いため、「合成繊維ならすべて同じ音色」と考えない方がよいでしょう。

弦の種類によって音色、反応、弾き心地、調弦の安定性などが変わります。

ただし、どの弦が合うかは楽器や演奏者との組み合わせも関係します。

初心者が交換する場合は、現在使っている弦と同じ種類を確認するか、指導者や弦楽器店へ相談すると選びやすくなります。

E線では、ボールエンドとループエンドなどエンド形状の違いにも注意が必要です。

現在使っているテールピースやアジャスターに適合するかを確認してから選びましょう。

そして、弦交換をするときにも大切な注意があります。

基本的には4本すべてを一度に外さず、1本ずつ交換します。

バイオリンのは、弦の張力によって保持されている部分があります。

4本すべてを一度に外すと駒が倒れたり、楽器の状態を崩したりする可能性があるため、1本を交換してある程度張り、次の弦へ進む方法が基本です。

弦を外すときは先端にも注意してください。

細い金属部分などが鋭くなっていることがありますし、張力がかかった弦が切れれば危険です。

弦の正面へ顔を近づけすぎず、ペグを急激に回さないようにしてください。

交換した後は、音程だけでなく駒の傾きも確認しましょう。

新しい弦は張った直後に音程が変化しやすく、何度か調弦し直すことがあります。

その過程で駒が引っ張られていないかも合わせて確認しておくと安心です。

弦の交換時期は、使用頻度、弦の種類、演奏環境などによって変わります。

半年から1年程度を一つの目安として考える場合もありますが、「半年になった瞬間に必ず交換」「1年間は必ず使える」と決まっているわけではありません。

音質が落ちた、音程が安定しにくい、弦に傷みが見えるなど、状態も合わせて判断してください。

交換作業そのものに不安がある場合は、無理に自分で作業する必要もありません。

講師や弦楽器店に依頼する方法もあります。

交換用の弦を探している方は、楽器サイズやセット内容を確認しながら各通販サイトの商品を比較してみてください。

5弦バイオリンも存在する

ここまで「標準的なバイオリンは4弦」と説明してきました。

ただし、すべてのバイオリンが絶対に4本だけというわけではありません。

5弦バイオリンや、多弦仕様のエレクトリックバイオリンも存在します。

一般的な5弦タイプでは、通常のバイオリンが持つG・D・A・Eの4本に、G線よりさらに低いC線を加えます。

5弦タイプを低い方から並べると、C3 → G3 → D4 → A4 → E5

ドレミでは、低い方からド → ソ → レ → ラ → ミです。

CからGも完全5度なので、4弦バイオリンのG・D・A・Eという並びを、そのまま低い側へ1本延長した形と考えると分かりやすいです。

標準的なビオラの開放弦は、低い方からC・G・D・Aです。

そのためC・G・D・A・Eの5弦バイオリンは、通常のバイオリンの音域に加えて、ビオラ側の低いCまでカバーできる構成になります。

実際にヤマハのエレクトリックバイオリンでは、YEV104PROが4弦モデル、YEV105PROが5弦モデルとして販売されています。(出典:ヤマハ「YEV104PRO/YEV105PRO」公式製品情報)

つまり、「バイオリンは何本?」という質問への答え方としては、

標準的なバイオリンは4本。特殊な5弦バイオリンなども存在する。

とするのが最も正確です。

初心者が一般的なアコースティックバイオリンを学ぶ段階では、まずE・A・D・Gの4本を覚えれば問題ありません。

5弦タイプの存在は、「4本以外は間違い」というわけではないことを知る補足として押さえておけば十分ですよ。

まとめ

バイオリンの弦について、最初に覚えたい内容を整理します。

確認項目 答え
標準的なバイオリンの弦の数 4本
高い方から E・A・D・G
低い方から G・D・A・E
第1弦 E線(ミ/E5)
第2弦 A線(ラ/A4)
第3弦 D線(レ/D4)
第4弦 G線(ソ/G3)
隣り合う弦の間隔 完全5度
4/4の意味 一般にフルサイズを示す楽器サイズ

まずは「標準的なバイオリンは4本」というところから始めれば大丈夫です。

そして、細く高い方からE・A・D・G、太く低い方からG・D・A・E。

弦番号では、第1弦E、第2弦A、第3弦D、第4弦Gです。

ドレミでは、低い方からソ・レ・ラ・ミになります。

最低限この5つを覚えればOKです。

  1. 標準的なバイオリンは4本の弦
  2. 細い方からE・A・D・G
  3. 太い方からG・D・A・E
  4. 低い方からソ・レ・ラ・ミ
  5. 第1弦E、第2弦A、第3弦D、第4弦G

E線・A線・D線・G線という名前は、それぞれの開放弦の音から付いています。

そのためG線でも、指で押さえればGより高いさまざまな音を出せます。「G線=ソしか出ない」という意味ではありません。

また、4本の開放弦は低い方からG3・D4・A4・E5となり、隣り合う弦はすべて完全5度です。

A4=440Hz、12平均律を基準にする場合は、G3約196.00Hz、D4約293.66Hz、A4=440.00Hz、E5約659.26Hzが目安になります。

ただしA=440Hzは絶対ではなく、演奏する環境によって基準ピッチが変わる場合があります。

さらに、「4弦」「第4弦」「4/4」は別の意味です。

4弦は弦が4本あること、第4弦はG線、4/4は一般にフルサイズを示す楽器サイズです。

ここを区別できれば、交換弦を探すときにもかなり迷いにくくなります。

実物の弦を見分けるなら、まず最も細いE線と最も太いG線を探してください。その間にA線とD線があります。

そして実際に音を合わせるときは、チューナーなどで目的のE・A・D・Gが表示されているかを確認し、特にE線は急激に張りすぎないよう慎重に調弦しましょう。

最初から周波数、素材、完全5度、交換方法まで全部暗記する必要はありません。

まず「4本」「E・A・D・G」「ソ・レ・ラ・ミ」の3点を覚えてから、実物のバイオリンで1本ずつ確認していくのが分かりやすいです。

知識と実物がつながってくると、「これは第2弦だからA線」「一番太いからG線」という判断も自然にできるようになりますよ。

調弦や弦交換では、楽器や弦の仕様によって扱いが異なる場合があります。無理にペグや駒へ力を加えず、不安がある場合は使用している楽器や弦のメーカー情報を確認し、必要に応じて指導者や弦楽器店などへ相談してください。